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第一章 浅草十二階バラバラ殺人事件
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「鈴木巡査。恨みや憎しみのある相手に、自分のイニシャル入りのハンケチを渡すかな? しかも行方をくらます三日前に」
長兄は首を回して鈴木巡査に目を向けた。
「その別れに対して腹を立てた可能性があります」
「その時激怒したなら、その日の内に行動を起こしたはずだ。三日も経ったら気持ちは落ち着くだろ。殺すほどの怒りなら、尚更」
鈴木巡査は言い返せなかった。
「しかもハンケチは畳まれた状態で落ちていた。しかも内側に血が付いていた。覚えているね?」
「はい。それが何か?」
鈴木巡査は睨むように目を細めた。
長兄はそれに対し笑顔を返した。
「小波津くんがただハンケチを落としただけなら内側に血は付かない。外側に付くはずだ。しかも畳まれた状態だったという事は、犯人はハンケチを広げて使い、それを畳んだ後落とした事になる」
「あっ」
「気付いたかい? 随分丁寧な落とし方だと。故意に感じるね」
そうだ、ハンケチは遺体の近くに落ちていた訳ではない。うっかり落としたとは考えづらいのだ。遺体から離れた場所で何かしていた、と証明出来なければ。
「遺体の各部位を凌雲閣に置いたのが小波津くんなら、自分と沖塩氏を繋ぐ証拠であるハンケチを、現場で使って、被害者の血を付着させて、わざわざ落として行くかな」
長兄は、長い指をハンケチに向かって指した。
「ハンケチは小波津くんの物でも、それを現場に落としたのは小波津くんとは限らない。真犯人に盗まれた可能性がある。小波津くんに濡れ衣を着せるために」
長兄は首を回して鈴木巡査に目を向けた。
「その別れに対して腹を立てた可能性があります」
「その時激怒したなら、その日の内に行動を起こしたはずだ。三日も経ったら気持ちは落ち着くだろ。殺すほどの怒りなら、尚更」
鈴木巡査は言い返せなかった。
「しかもハンケチは畳まれた状態で落ちていた。しかも内側に血が付いていた。覚えているね?」
「はい。それが何か?」
鈴木巡査は睨むように目を細めた。
長兄はそれに対し笑顔を返した。
「小波津くんがただハンケチを落としただけなら内側に血は付かない。外側に付くはずだ。しかも畳まれた状態だったという事は、犯人はハンケチを広げて使い、それを畳んだ後落とした事になる」
「あっ」
「気付いたかい? 随分丁寧な落とし方だと。故意に感じるね」
そうだ、ハンケチは遺体の近くに落ちていた訳ではない。うっかり落としたとは考えづらいのだ。遺体から離れた場所で何かしていた、と証明出来なければ。
「遺体の各部位を凌雲閣に置いたのが小波津くんなら、自分と沖塩氏を繋ぐ証拠であるハンケチを、現場で使って、被害者の血を付着させて、わざわざ落として行くかな」
長兄は、長い指をハンケチに向かって指した。
「ハンケチは小波津くんの物でも、それを現場に落としたのは小波津くんとは限らない。真犯人に盗まれた可能性がある。小波津くんに濡れ衣を着せるために」
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