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第一章 浅草十二階バラバラ殺人事件
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長兄は鈴木巡査を促し従業員部屋から出て行ってしまった。
取り残された僕は、何が何だか分からない。中嶋は解放され、小波津は無実だと言うのなら、大串が沖塩氏を殺したのだろうか。
「あなたのお兄様は凄い方ですね」
ふと、小波津が零した。
「ああ。兄上は昔から、頭の切れる人だから」
「けれど、悲しい事実も分かりました。まだ不透明な所もありますが」
小波津の言っている事が理解出来ない。この人も長兄も、回りくどい言い方ばかりしないでほしい。
抗議の言葉より早く、小波津はまた口を開いた。
「真実を教えて下さり、ありがとうございました。大変感謝していると、あの方にお伝え下さい」
「分かりました」
「当たり前ですけど、あなた方にはもう二度と会えないのですよね。沖塩さんにも」
小波津の涙は止まっていたが、あまりにも寂しそうな顔をしていた。中性的な顔立ちだ。なるほど。これなら沖塩氏が惹かれても無理はない。きっと普通の女遊びには飽きた身分だろうし。
取り残された僕は、何が何だか分からない。中嶋は解放され、小波津は無実だと言うのなら、大串が沖塩氏を殺したのだろうか。
「あなたのお兄様は凄い方ですね」
ふと、小波津が零した。
「ああ。兄上は昔から、頭の切れる人だから」
「けれど、悲しい事実も分かりました。まだ不透明な所もありますが」
小波津の言っている事が理解出来ない。この人も長兄も、回りくどい言い方ばかりしないでほしい。
抗議の言葉より早く、小波津はまた口を開いた。
「真実を教えて下さり、ありがとうございました。大変感謝していると、あの方にお伝え下さい」
「分かりました」
「当たり前ですけど、あなた方にはもう二度と会えないのですよね。沖塩さんにも」
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