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学院編 10 忍び寄る破滅
298 王太子は看板娘になる
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【セドリック視点】
王宮に残っていれば、マリナの見舞いに行かないのは不自然だし、何か理由があるのかと思われてしまいそうで、僕は早々に学院へ戻った。マリナがいない間に、銀雪祭のパーティーの準備を進めておきたい。昼で授業が終わると、食堂に寄らずに帰る生徒もいる中で、僕は生徒会の面々を生徒会室に集めた。
「ダンスパーティーを、取りやめたい、ですか?」
マクシミリアンが怪訝そうな顔をした。ダンスパートナーの斡旋業務を一人でこなしていた彼にとって、僕の話は寝耳に水だ。今までの苦労は何だったのかと激昂されても仕方ないと思った。
「……今から、ですか……」
「うん。ゴメン。皆も知っていると思うけど、マリナが撃たれて、まだ本調子じゃないんだよ。無理はさせたくないし、かといって、僕が他の令嬢と踊ったらマリナに悪いだろう?」
「それなら、ファーストダンスだけを取りやめたらいいのでは?」
確かに、マクシミリアンの言う通りだ。他の生徒の楽しみを奪うのもよくない。
「ですが、銀雪祭のパーティーはある意味無礼講ですし、婚約者以外のパートナーをダンスに誘うのもあり得る話ですから、会長も他の方と踊られてはいかがでしょう」
淡々と言ってのける。この男に感情論なんて通用しないのか。
「僕は、マリナ以外と踊る気はないんだよ」
「私が担当しているダンスパートナーの斡旋ですが、どうも女子生徒の申し出が少ないようでして。パートナーを求める男子生徒の中に会長が入っているとなれば、婚約者を蹴ってでもパートナーに手を挙げたい令嬢達が申し出てくれると思うんですが」
「僕に看板娘になれと?」
「まあ、似たようなものですね」
唇の端を上げて笑う。同級生なのにどうしてか打ち解けられない理由は、マクシミリアンが何を考えているか分からないところにあると思う。
「マックス先輩、いいですか?」
キースが遠慮しながら話し出す。
「殿下のパートナーを、本当に、応募してきた令嬢の中から選ぶんですか?」
「嘘をつくわけにいきませんから、おそらくは」
「だとしたら、どうやって選ぶんですか?くじ引きとか?」
「廊下に箱を置いておいて、自分の名前を書いた紙を入れてもらいましょう。会長にはそこから一枚選んでいただいて、当日はそのご令嬢と踊って……」
「あの!」
手を挙げてアリッサが声を振り絞る。
「何です?アリッサさん」
「今のお話、決めるのは待ってもらえませんか?……私、マリナちゃ……姉に話して了解を取りたいんです」
「生徒会で決めることですから、マリナさんお一人の判断ではないでしょう?」
アリッサはびくりと震えて押し黙った。蛇に睨まれた蛙だ。可哀想になって助け舟を出した。
「僕一人の判断でもいけないよね。アリッサはマリナが戻ったら話をしてみてくれないか?レイには僕から聞いてみるから」
◆◆◆
寮に帰って、夕食前にレイモンドの部屋を訪ねた。
「……何か用か」
机に向かって本を読んでいたらしい。分厚い専門書を閉じて、レイモンドは僕を睨み付けた。この様子ではまだ魔法が抜けきっていないらしい。僕をアイリーンを巡る恋敵だと認識していた頃よりはいくらかマシになったけれど、目つきが険しいな。
「調子はどう?」
「最悪だ」
「どこか気持ち悪い?ロン先生を呼ぼうか?」
「いや……身体はどこも何ともないが……毎晩悪夢にうなされていてな」
「それは大変だね。正夢にならないように僕に話してみたら?すっきりするかもよ」
レイモンドは夢の内容を打ち明けた。白い妖精が彼を手招きし、『レイ様、大好き』と言うらしい。……アリッサとの記憶に違いないな。言っても信じないだろうけれど。
「……妖精?」
「ああ。あれは人を惑わす悪い妖精に違いないんだ。毎晩俺の夢の中で語りかけてくる。色素の薄い髪、淡い瞳、白くて華奢な手。顔立ちははっきり見えないのに、とても懐かしい気持ちになる。追いかけて逃げられて……苦しくなって起きるんだ」
「そう……。夢を見た後、何か思い出さない?」
「思い出す?」
「妖精は君の大切な人だと思うよ」
「アイリーンか?彼女とは髪も瞳も違う色なのに?」
彼の答えに僕は溜息をつき、ダンスパーティーの話を訊くのを忘れて、がっかりして部屋に戻った。
あんな状態のレイモンドが戻ったら、アリッサはきっと深く傷つけられてしまう。フローラの動きも気になる。マリナには気をつけるように言ったが、アリッサには伝えていないのだろうか。アイリーンに食べさせられていた菓子が、レイモンドにかけられた魅了の魔法効果を持続させているのだとすると……そう言えば、あのクッキーをマリナに渡したのだったな。
――ダメだ。
何を考えてもマリナに行きついてしまう。
僕達は多くの想い出を共有してきたし、これからもそうだと思っていた。リオネルに恐ろしい未来を予言された時だって、現実には起こり得ないと思って油断していた。
王太子妃候補から下ろされたマリナは、僕のお手付きだと噂されたせいでどこへも嫁がず、没落しそうにはないけれど没落したハーリオン家のどこかで、ひっそりと強盗に殺されるのだろうか。……嫌だ、そんなの認めない!
頭を掻きむしって鏡を見た。
ぼさぼさの髪の毛をした、疲れた表情の男が青い瞳をぎらぎらさせてこちらを見ている。
――薄気味悪いな。こんな顔では、マリナに嫌われて……。
そうか。
マリナの方から僕を見限るようにしたら、令嬢としての彼女の名誉に傷がつかないのではないか。僕が王位継承者として資質を問われる可能性はあっても、マリナに悪いところがなければ、縁談だって……。
自分で考えて、自分でとどめを刺してしまった。――地味に辛い。
マリナが他の男の妻になるのを、黙って見ていられるだろうか。魔法の発動を控えるために、近寄って挨拶なんてできないし、夫と連れ立って歩く彼女を指をくわえて見ているだけだ。父上の言った通り、僕には耐えられそうにない。
思考が堂々めぐりしてきて、制服のままベッドに身を投げ出した。
「離れなきゃいけないのに、放したくないなんて……いつまで経っても我儘だな、僕は」
両手を顔に当てて大きく息を吐くと、鼻の奥がツンとしてくる。
――決断、しないといけないな。他でもない、マリナのために。
王宮に残っていれば、マリナの見舞いに行かないのは不自然だし、何か理由があるのかと思われてしまいそうで、僕は早々に学院へ戻った。マリナがいない間に、銀雪祭のパーティーの準備を進めておきたい。昼で授業が終わると、食堂に寄らずに帰る生徒もいる中で、僕は生徒会の面々を生徒会室に集めた。
「ダンスパーティーを、取りやめたい、ですか?」
マクシミリアンが怪訝そうな顔をした。ダンスパートナーの斡旋業務を一人でこなしていた彼にとって、僕の話は寝耳に水だ。今までの苦労は何だったのかと激昂されても仕方ないと思った。
「……今から、ですか……」
「うん。ゴメン。皆も知っていると思うけど、マリナが撃たれて、まだ本調子じゃないんだよ。無理はさせたくないし、かといって、僕が他の令嬢と踊ったらマリナに悪いだろう?」
「それなら、ファーストダンスだけを取りやめたらいいのでは?」
確かに、マクシミリアンの言う通りだ。他の生徒の楽しみを奪うのもよくない。
「ですが、銀雪祭のパーティーはある意味無礼講ですし、婚約者以外のパートナーをダンスに誘うのもあり得る話ですから、会長も他の方と踊られてはいかがでしょう」
淡々と言ってのける。この男に感情論なんて通用しないのか。
「僕は、マリナ以外と踊る気はないんだよ」
「私が担当しているダンスパートナーの斡旋ですが、どうも女子生徒の申し出が少ないようでして。パートナーを求める男子生徒の中に会長が入っているとなれば、婚約者を蹴ってでもパートナーに手を挙げたい令嬢達が申し出てくれると思うんですが」
「僕に看板娘になれと?」
「まあ、似たようなものですね」
唇の端を上げて笑う。同級生なのにどうしてか打ち解けられない理由は、マクシミリアンが何を考えているか分からないところにあると思う。
「マックス先輩、いいですか?」
キースが遠慮しながら話し出す。
「殿下のパートナーを、本当に、応募してきた令嬢の中から選ぶんですか?」
「嘘をつくわけにいきませんから、おそらくは」
「だとしたら、どうやって選ぶんですか?くじ引きとか?」
「廊下に箱を置いておいて、自分の名前を書いた紙を入れてもらいましょう。会長にはそこから一枚選んでいただいて、当日はそのご令嬢と踊って……」
「あの!」
手を挙げてアリッサが声を振り絞る。
「何です?アリッサさん」
「今のお話、決めるのは待ってもらえませんか?……私、マリナちゃ……姉に話して了解を取りたいんです」
「生徒会で決めることですから、マリナさんお一人の判断ではないでしょう?」
アリッサはびくりと震えて押し黙った。蛇に睨まれた蛙だ。可哀想になって助け舟を出した。
「僕一人の判断でもいけないよね。アリッサはマリナが戻ったら話をしてみてくれないか?レイには僕から聞いてみるから」
◆◆◆
寮に帰って、夕食前にレイモンドの部屋を訪ねた。
「……何か用か」
机に向かって本を読んでいたらしい。分厚い専門書を閉じて、レイモンドは僕を睨み付けた。この様子ではまだ魔法が抜けきっていないらしい。僕をアイリーンを巡る恋敵だと認識していた頃よりはいくらかマシになったけれど、目つきが険しいな。
「調子はどう?」
「最悪だ」
「どこか気持ち悪い?ロン先生を呼ぼうか?」
「いや……身体はどこも何ともないが……毎晩悪夢にうなされていてな」
「それは大変だね。正夢にならないように僕に話してみたら?すっきりするかもよ」
レイモンドは夢の内容を打ち明けた。白い妖精が彼を手招きし、『レイ様、大好き』と言うらしい。……アリッサとの記憶に違いないな。言っても信じないだろうけれど。
「……妖精?」
「ああ。あれは人を惑わす悪い妖精に違いないんだ。毎晩俺の夢の中で語りかけてくる。色素の薄い髪、淡い瞳、白くて華奢な手。顔立ちははっきり見えないのに、とても懐かしい気持ちになる。追いかけて逃げられて……苦しくなって起きるんだ」
「そう……。夢を見た後、何か思い出さない?」
「思い出す?」
「妖精は君の大切な人だと思うよ」
「アイリーンか?彼女とは髪も瞳も違う色なのに?」
彼の答えに僕は溜息をつき、ダンスパーティーの話を訊くのを忘れて、がっかりして部屋に戻った。
あんな状態のレイモンドが戻ったら、アリッサはきっと深く傷つけられてしまう。フローラの動きも気になる。マリナには気をつけるように言ったが、アリッサには伝えていないのだろうか。アイリーンに食べさせられていた菓子が、レイモンドにかけられた魅了の魔法効果を持続させているのだとすると……そう言えば、あのクッキーをマリナに渡したのだったな。
――ダメだ。
何を考えてもマリナに行きついてしまう。
僕達は多くの想い出を共有してきたし、これからもそうだと思っていた。リオネルに恐ろしい未来を予言された時だって、現実には起こり得ないと思って油断していた。
王太子妃候補から下ろされたマリナは、僕のお手付きだと噂されたせいでどこへも嫁がず、没落しそうにはないけれど没落したハーリオン家のどこかで、ひっそりと強盗に殺されるのだろうか。……嫌だ、そんなの認めない!
頭を掻きむしって鏡を見た。
ぼさぼさの髪の毛をした、疲れた表情の男が青い瞳をぎらぎらさせてこちらを見ている。
――薄気味悪いな。こんな顔では、マリナに嫌われて……。
そうか。
マリナの方から僕を見限るようにしたら、令嬢としての彼女の名誉に傷がつかないのではないか。僕が王位継承者として資質を問われる可能性はあっても、マリナに悪いところがなければ、縁談だって……。
自分で考えて、自分でとどめを刺してしまった。――地味に辛い。
マリナが他の男の妻になるのを、黙って見ていられるだろうか。魔法の発動を控えるために、近寄って挨拶なんてできないし、夫と連れ立って歩く彼女を指をくわえて見ているだけだ。父上の言った通り、僕には耐えられそうにない。
思考が堂々めぐりしてきて、制服のままベッドに身を投げ出した。
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