夢に繋がる架け橋(短編集)

木立 花音

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140字掌編色々その⑤

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「評価されていなくても作品に自信があるなら、公募に出してみては、と言われたんだ」
「そうだね」
「そしたらさ、本当に受賞したんだ」
「すごいじゃん! 何の賞に出したの?」
「詩と短歌のコンテスト」
「君が書いているの短編小説だよね……?」

#140字小説「畑違い」

   *

「男一人に女二人かあ。ハーレムだな羨ましい」俺が撮った写真を見ながら友人が言う。
「そんなんじゃない。シェアハウスしているだけの同居人だよ。恋愛感情は存在しない」
「へえ、もったいない。二人とも可愛いじゃん」
 そう、恋愛感情はない。肉体関係ならあるけどね、両方と。とは言わずにおいた。

   *

 出生率の低下を食い止めるため、男限定で性転換手術ができるようになった。とにかく生み手を増やそうという政策だ。
「それで改善するものか」と毒づいていた友人が、数年後に会ったら女になっていた。マジかよと二人で顔を見合わせる。「お前に告白するために、女になったのに」と俺らの声が揃った。

#140字小説「BLから百合へ」

   *

 俺が死ぬときは、「愛してる」と必ず言うよ、と夫が約束してくれた。
 そうして迎えた最期の日。彼は笑顔で「愛してる」と言ってくれた。とても穏やかな顔で。
 でも、ごめんね。約束を守ってあげられなくて。
「私も」と彼の手を握り、静かに私は瞼を閉じた。

#140字小説「キミと最期の日」

   *

「発言は全て返ってくる。因果応報だ」
「そうだな。だから俺は、今から本当のことをお前に言う」
「え?」
「お前の作品、対等な友だちが出てこないよな? 作者の願望が駄々洩れできもい」
「俺は何もしていないだろ」
「お前は俺の作品を褒めただろ?」
「いや、それは本音だよ」
「だからだよ」
『え?』

#140字小説「因果応報?」

   *

「陰口ばかり言う奴は嫌われる」と彼が言った。そうだなと僕は答えた。「人の意見を聞けない奴は成長しない」と彼が言った。そうだなと僕は答えた。「与えてもらうのを待っているだけではいずれ孤立する」と彼が言った。そうだなと僕は答えた。
 全部お前のことだよ、と思いながら僕は彼の元を離れた。

#140字小説「嫌われる条件」

   *

「最近夫婦生活がうまくいってないの」と義姉が訪ねてきた。
「あの人の態度が素っ気なくて」
「兄さんは、女癖が悪いからなあ」
二人でテーブルを囲んで相談をする。
「もう、はっきり言ってやった方がいいよ。兄さんと別れて、僕と一緒になると」
 好機到来とばかりに、二人でがっちり握手をした。

#140字小説「好機到来」

   *

 長文タイトルなんてクソだ。そうか? 特にラノベは全部タイトルが長い。じゃあ、お前がいい短文タイトルを考えてみろよ。いいぜ、『月光』なんてどうだ? オシャレだろう? あるよ。じゃあ『島』。それもある。『声』。ある。じゃあ『人生』これは一般文芸っぽいしないだろ? あるんだなあこれが

#140字小説「短いラノベタイトル」

   *

 ある日、猫が人間の言葉を話し始めた。「私は猫ではない。宇宙からやって来た使者だ」と。
 驚いた飼い主は、「じゃあ、ご飯はどうする?」と聞いた。
「えっと……ツナ缶で」

#140字小説 「使者のご飯」

   *

「叙述トリックが話題らしい」
「叙述トリックって、なんなの?」
「小説や映画の手法で、読書や視聴者に誤解させる手法のことだよ。たとえば、男性だと思っていたら、実は女性だったとかね」
「へえ、さすがに推理オタクは詳しいわね」
「まあな。ちなみに、ここまですべて独り言なんだけれどな」

#140字小説「叙述トリック」
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