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第三章「捜査の突破口」
【捜査の突破口】
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コーヒーメーカーの湯を沸かす音が、捜査本部に静かに響く。涼花はそれをぼんやり聞き流しながら、デスクに視線を落としていた。
夜遅い時間なので、千葉中央署の捜査本部には涼花を含め数人しか残っていない。涼花はコーヒーにこだわりはないが、時折こうしてコーヒーメーカーを使う。これは所轄で行われた柔道大会で彼女が優勝した際の景品だった。家に持ち帰っても宝の持ち腐れになると考え、署の備品にしたのだ。もっとも、使っているのは涼花と三田部長くらいだが。
カップにコーヒーを注ぎ、涼花がデスクに戻ると、森岡と佐藤が捜査本部に帰ってきた。
「いい香りだな」と森岡が開口一番に言う。
「そろそろ戻る頃合いだと思って淹れておいてくれたのか? 気が利くじゃないか涼花ちゃん」
「そんなわけないでしょう。たまたまです。第一、これは私が飲むために淹れたものですし」
森岡は上機嫌で近づき、涼花の肩に手を回す。「そう照れるなよ」と笑う。
「この前までは『気が利く』って褒めると喜んでたじゃないか」
「眉間にしわが寄るのが『喜んでいる』ように見えるなら、そうなんじゃないですか」
「つれないなあ」
疲れた顔で、森岡と佐藤がデスクに腰を下ろす。
「コーヒー、飲みます?」
涼花の問いに、二人は同時に頷いた。
「冷めないうちにどうぞ」
佐藤の目の前に、涼花はコーヒーカップを置いた。
「ありがとうございます。涼花さん」
続いて森岡の前に。
「こちらは余ったのでついでです」
「扱いに差がありすぎだろ」
森岡が苦笑いをした。憎まれ口を叩いているが、涼花の淹れたコーヒーは二人のもので差はない。
「盗作があった事実は見付かったかい?」
コーヒーを啜りながら、森岡が訊ねる。「美味いな」と付け加える彼に、涼花は首を振る。
「残念ながら。入沢祥吾が盗作を認めるはずないし、当事者の一人は亡くなっていますからね。明白な証拠がないと難しいですよ。気になっているもう一人、戸部千沙の原稿の行方はわかったので、明日にでも話を聞きに行くつもりです」
「本一冊読むだけでヘトヘトになるのに、ご苦労なこった。俺はどうにも読書ってものが苦手でね。文字を追っているだけで眠くなるんだよ。そっちは涼花ちゃんに任せるぜ」
私だってごめんだ、と涼花は心の中で呟くが、捜査のためなら仕方ない。
涼花は祥吾との会話を振り返り、二人に伝える。
「戸部千沙の原稿から、盗作の痕跡が見付かるかどうかだな。見つからなかったら彼女はシロだろう」
「決めつけるのは早いですよ。私たちの仕事は、客観的な証拠を積み上げていき、事件の背後の何があるのか正しく突き止めていくことです。一つの事例で結論を出すなんてありえません」
「ははは、そんなことはわかっているよ。真面目ちゃんだね涼花ちゃんは」
森岡は、龍人が犯人だろうと決めつけている節がある。確かに、現状でもっとも怪しいのは彼だ。第一発見者であり、部屋に細工ができた立場だ。なんらか痕跡を消すために、部屋に手を加えた可能性はある。
だが、彼が毒を仕込んだという証拠はない。彼が仕込んだとするなら、証拠の消し方がお粗末だとの疑問もある。何より、弟を殺すための動機が不明なままだ。
「実は、ちょっと面白い証言が得られたんだ」
「なんですか?」
森岡の声に、涼花は身を乗り出した。
「今年の正月頃の話らしいんだが、戸部千歳と、入沢蓮音が密会しているのを、目撃していた人物がいる」
「密会? 千歳と蓮音がですか?」
涼花は耳を疑う。正月は龍人と千歳が別居を始めた時期と重なる。もし二人が逢瀬を重ねていたなら、それが別居の原因になった可能性は大いにある。龍人と千歳の関係は、その頃から冷え切っていたのだろうか。
「ああ。目撃したのは喫茶店の店主だ。店内で、二人が親密な様子で話していたのを覚えているのだと」
「千歳が浮気をしていたってことですか? 見間違いではないのですか?」
「それはないと思う。二人の姿が目撃されたのは、一度や二度じゃなかったらしいからな。二人は時間をずらして別々に入店してくるから、ははあ、この二人は訳ありなんだなと、店の主人はそう思って見ていたらしい。気に留めていたぶん、よく覚えているのだと」
「そうなんですか」
販売員力の高い従業員は、客の服装、持ち物、仕草などをよく観察しているものだ。客の動向を知ることは、売上の向上に直結するからだ。たびたびやってくる不自然な動きをする客は、さぞ目に付いたことだろう。信憑性の高い情報と考えて良さそうだった。
「弟が、婚約者と関係を持っていたのに気付き、入沢龍人は殺意を抱いたんじゃないかと。俺はそう睨んでいる」
森岡の推測は、動機としては筋が通る。だが、涼花は首を振る。
「確実性がなさすぎませんか? 入れ替わっていた一晩のうちに、ワインを飲んでくれるかどうかもわからないのに」
「弟が飲みたい酒をリクエストしていたらどうだ? リクエスト通りに用意されてりゃ、普通は飲むだろ」
確かに、注文した飲み物なら口をつける可能性は高い。だが、ワインを購入した店舗の監視カメラには、龍人の姿は映っていなかった。というか、むしろ別の人物が映っていたのだ。
もちろん、その人物に龍人がワインの購入を頼んだのかもしれない。だとしても、涼花は納得できなかった。
「確かに、それだけの前提がそろえば、ワインを蓮音に飲ませることはできそうですが……龍人は毒をどうやって仕込んだのですか?」
涼花は、空のカップに小さじ半分の砂糖を入れてみた。これで、おそらく一グラムから二グラムある。亜ヒ酸の致死量は0.3グラムほどと言われているので、これだけあれば十分だ。
……とはいえ、目立つ。
たまたま気付かなかったという可能性はあるが、亡くなったのは用心深い蓮音なのだ。この方法では難しい。いずれにしても、計画としてずさん過ぎる。現場に龍人もいればどうとでもできるだろうが、彼のアリバイは完璧なのだ。ゆえに、納得できない。
森岡がカップ手に立ち上がる。涼花の手元を覗き込んできた。
「そうそう。それだけの量があれば十分なんだよ。大好きな酒に気持ちが逸っていれば、その程度の粉末くらい見逃すかもな」
「……ええ。仕事などで疲れていたとしたらなおさらです。ですが、毒を仕込んでいたグラスをたまたま手に取った、そんな偶然は起こりうるでしょうか?」
チャンスが何日もあったなら別だ。だが、チャンスが一日しかないとくれば話は違う。
「起こったのだからしょうがないだろう? もしかしたら、複数のグラスに仕込んであったのかもしれないし」
「飲ませることだけを考えたなら、その通りです。ですが、その方法だと毒を発見される危険性も高まります。一度警戒されてしまったら、同じ手は二度と使えないんですよ? リスクとのトレードオフにしては、現実的じゃないです」
チャンスが一日しかないこと。
発見されない毒の仕込み方がないこと。
この二点がクリアにならない限り、涼花は釈然としなかった。
「二度と使えないからこそ、一度のチャンスに賭けたんだろう。すべてのグラスを洗った痕跡があったのだろう? なら、間違いないじゃないか」
「……」
この意見に対するうまい反証を涼花は持っていなかった。なんらかの痕跡を隠すためにグラスを何者かが洗ったのはおそらくそうだが、誰がなんのためにしたのか特定できていない。
「それから、もう一つ気になることを聞いてきたんですよ」
「気になること?」
口を挟んできた佐藤の声に涼花は耳を傾ける。
「市内で戸部千歳の目撃情報を調べていたところ、彼女が不妊治療を受けていたことがわかりました」
「不妊治療? それはいつの話?」
「昨年の秋口から冬にかけてですね。市内の産婦人科の記録で確認済みです。ただし、戸部千歳の側に問題はなかったようで、短期間の通院でしたが」
「じゃあ、問題は龍人の側にあったってことなの?」
「おそらく、そうでしょう」
「となると……」
涼花は考えを巡らせる。
「龍人と千歳は、子を持ちたいと望んでいた。ところが、龍人の側に問題があるとわかったので、千歳は蓮音との恋に走った?」
そうだ、と森岡が頷いた。
「俺はそう考えている。龍人の部屋にあった脅迫文は、やはり蓮音宛てだったのだろうさ。自分が龍人の部屋にいるとき、脅迫文が届いた。千歳と密会している事実に勘づかれたと焦って、部屋の引き出しに隠したんだ」
千歳の浮気が殺害動機なら、話はつながる。だが、証拠がない以上、それはただのこじつけに過ぎない。可能性の一つに留めておかねばなるまい。
毒の仕込み方も気になる。もっといい方法はないのか。亜ヒ酸は少量ながら水に溶ける。ワインの瓶にあらかじめ仕込んでおけたなら――。
いや――ダメだ。
瓶に残っていたワインから毒は検出されていない。あらかじめ仕込む方法ではダメなのだ。瓶の中身をシンクに捨てて、別の瓶を用意した可能性は?
涼花は首を振る。森岡の思い込みを批判しておきながら、自分も同じ罠に嵌まるなんて。
何か突破口はないのか。涼花は考える。
毒。ワインのボトル。グラス――。
あれ?
一つ気になることがあった。
「森岡さん」
「ん、なんだ?」
森岡は飲み終えたコーヒーカップをシンクで洗いながら振り返った。
「現場の、冷蔵庫の中身を調べてもらえませんか?」
「冷蔵庫の中身だって?」
「ええ。もしかしたらそこに、重要な証拠が残っているかもしれません」
夜遅い時間なので、千葉中央署の捜査本部には涼花を含め数人しか残っていない。涼花はコーヒーにこだわりはないが、時折こうしてコーヒーメーカーを使う。これは所轄で行われた柔道大会で彼女が優勝した際の景品だった。家に持ち帰っても宝の持ち腐れになると考え、署の備品にしたのだ。もっとも、使っているのは涼花と三田部長くらいだが。
カップにコーヒーを注ぎ、涼花がデスクに戻ると、森岡と佐藤が捜査本部に帰ってきた。
「いい香りだな」と森岡が開口一番に言う。
「そろそろ戻る頃合いだと思って淹れておいてくれたのか? 気が利くじゃないか涼花ちゃん」
「そんなわけないでしょう。たまたまです。第一、これは私が飲むために淹れたものですし」
森岡は上機嫌で近づき、涼花の肩に手を回す。「そう照れるなよ」と笑う。
「この前までは『気が利く』って褒めると喜んでたじゃないか」
「眉間にしわが寄るのが『喜んでいる』ように見えるなら、そうなんじゃないですか」
「つれないなあ」
疲れた顔で、森岡と佐藤がデスクに腰を下ろす。
「コーヒー、飲みます?」
涼花の問いに、二人は同時に頷いた。
「冷めないうちにどうぞ」
佐藤の目の前に、涼花はコーヒーカップを置いた。
「ありがとうございます。涼花さん」
続いて森岡の前に。
「こちらは余ったのでついでです」
「扱いに差がありすぎだろ」
森岡が苦笑いをした。憎まれ口を叩いているが、涼花の淹れたコーヒーは二人のもので差はない。
「盗作があった事実は見付かったかい?」
コーヒーを啜りながら、森岡が訊ねる。「美味いな」と付け加える彼に、涼花は首を振る。
「残念ながら。入沢祥吾が盗作を認めるはずないし、当事者の一人は亡くなっていますからね。明白な証拠がないと難しいですよ。気になっているもう一人、戸部千沙の原稿の行方はわかったので、明日にでも話を聞きに行くつもりです」
「本一冊読むだけでヘトヘトになるのに、ご苦労なこった。俺はどうにも読書ってものが苦手でね。文字を追っているだけで眠くなるんだよ。そっちは涼花ちゃんに任せるぜ」
私だってごめんだ、と涼花は心の中で呟くが、捜査のためなら仕方ない。
涼花は祥吾との会話を振り返り、二人に伝える。
「戸部千沙の原稿から、盗作の痕跡が見付かるかどうかだな。見つからなかったら彼女はシロだろう」
「決めつけるのは早いですよ。私たちの仕事は、客観的な証拠を積み上げていき、事件の背後の何があるのか正しく突き止めていくことです。一つの事例で結論を出すなんてありえません」
「ははは、そんなことはわかっているよ。真面目ちゃんだね涼花ちゃんは」
森岡は、龍人が犯人だろうと決めつけている節がある。確かに、現状でもっとも怪しいのは彼だ。第一発見者であり、部屋に細工ができた立場だ。なんらか痕跡を消すために、部屋に手を加えた可能性はある。
だが、彼が毒を仕込んだという証拠はない。彼が仕込んだとするなら、証拠の消し方がお粗末だとの疑問もある。何より、弟を殺すための動機が不明なままだ。
「実は、ちょっと面白い証言が得られたんだ」
「なんですか?」
森岡の声に、涼花は身を乗り出した。
「今年の正月頃の話らしいんだが、戸部千歳と、入沢蓮音が密会しているのを、目撃していた人物がいる」
「密会? 千歳と蓮音がですか?」
涼花は耳を疑う。正月は龍人と千歳が別居を始めた時期と重なる。もし二人が逢瀬を重ねていたなら、それが別居の原因になった可能性は大いにある。龍人と千歳の関係は、その頃から冷え切っていたのだろうか。
「ああ。目撃したのは喫茶店の店主だ。店内で、二人が親密な様子で話していたのを覚えているのだと」
「千歳が浮気をしていたってことですか? 見間違いではないのですか?」
「それはないと思う。二人の姿が目撃されたのは、一度や二度じゃなかったらしいからな。二人は時間をずらして別々に入店してくるから、ははあ、この二人は訳ありなんだなと、店の主人はそう思って見ていたらしい。気に留めていたぶん、よく覚えているのだと」
「そうなんですか」
販売員力の高い従業員は、客の服装、持ち物、仕草などをよく観察しているものだ。客の動向を知ることは、売上の向上に直結するからだ。たびたびやってくる不自然な動きをする客は、さぞ目に付いたことだろう。信憑性の高い情報と考えて良さそうだった。
「弟が、婚約者と関係を持っていたのに気付き、入沢龍人は殺意を抱いたんじゃないかと。俺はそう睨んでいる」
森岡の推測は、動機としては筋が通る。だが、涼花は首を振る。
「確実性がなさすぎませんか? 入れ替わっていた一晩のうちに、ワインを飲んでくれるかどうかもわからないのに」
「弟が飲みたい酒をリクエストしていたらどうだ? リクエスト通りに用意されてりゃ、普通は飲むだろ」
確かに、注文した飲み物なら口をつける可能性は高い。だが、ワインを購入した店舗の監視カメラには、龍人の姿は映っていなかった。というか、むしろ別の人物が映っていたのだ。
もちろん、その人物に龍人がワインの購入を頼んだのかもしれない。だとしても、涼花は納得できなかった。
「確かに、それだけの前提がそろえば、ワインを蓮音に飲ませることはできそうですが……龍人は毒をどうやって仕込んだのですか?」
涼花は、空のカップに小さじ半分の砂糖を入れてみた。これで、おそらく一グラムから二グラムある。亜ヒ酸の致死量は0.3グラムほどと言われているので、これだけあれば十分だ。
……とはいえ、目立つ。
たまたま気付かなかったという可能性はあるが、亡くなったのは用心深い蓮音なのだ。この方法では難しい。いずれにしても、計画としてずさん過ぎる。現場に龍人もいればどうとでもできるだろうが、彼のアリバイは完璧なのだ。ゆえに、納得できない。
森岡がカップ手に立ち上がる。涼花の手元を覗き込んできた。
「そうそう。それだけの量があれば十分なんだよ。大好きな酒に気持ちが逸っていれば、その程度の粉末くらい見逃すかもな」
「……ええ。仕事などで疲れていたとしたらなおさらです。ですが、毒を仕込んでいたグラスをたまたま手に取った、そんな偶然は起こりうるでしょうか?」
チャンスが何日もあったなら別だ。だが、チャンスが一日しかないとくれば話は違う。
「起こったのだからしょうがないだろう? もしかしたら、複数のグラスに仕込んであったのかもしれないし」
「飲ませることだけを考えたなら、その通りです。ですが、その方法だと毒を発見される危険性も高まります。一度警戒されてしまったら、同じ手は二度と使えないんですよ? リスクとのトレードオフにしては、現実的じゃないです」
チャンスが一日しかないこと。
発見されない毒の仕込み方がないこと。
この二点がクリアにならない限り、涼花は釈然としなかった。
「二度と使えないからこそ、一度のチャンスに賭けたんだろう。すべてのグラスを洗った痕跡があったのだろう? なら、間違いないじゃないか」
「……」
この意見に対するうまい反証を涼花は持っていなかった。なんらかの痕跡を隠すためにグラスを何者かが洗ったのはおそらくそうだが、誰がなんのためにしたのか特定できていない。
「それから、もう一つ気になることを聞いてきたんですよ」
「気になること?」
口を挟んできた佐藤の声に涼花は耳を傾ける。
「市内で戸部千歳の目撃情報を調べていたところ、彼女が不妊治療を受けていたことがわかりました」
「不妊治療? それはいつの話?」
「昨年の秋口から冬にかけてですね。市内の産婦人科の記録で確認済みです。ただし、戸部千歳の側に問題はなかったようで、短期間の通院でしたが」
「じゃあ、問題は龍人の側にあったってことなの?」
「おそらく、そうでしょう」
「となると……」
涼花は考えを巡らせる。
「龍人と千歳は、子を持ちたいと望んでいた。ところが、龍人の側に問題があるとわかったので、千歳は蓮音との恋に走った?」
そうだ、と森岡が頷いた。
「俺はそう考えている。龍人の部屋にあった脅迫文は、やはり蓮音宛てだったのだろうさ。自分が龍人の部屋にいるとき、脅迫文が届いた。千歳と密会している事実に勘づかれたと焦って、部屋の引き出しに隠したんだ」
千歳の浮気が殺害動機なら、話はつながる。だが、証拠がない以上、それはただのこじつけに過ぎない。可能性の一つに留めておかねばなるまい。
毒の仕込み方も気になる。もっといい方法はないのか。亜ヒ酸は少量ながら水に溶ける。ワインの瓶にあらかじめ仕込んでおけたなら――。
いや――ダメだ。
瓶に残っていたワインから毒は検出されていない。あらかじめ仕込む方法ではダメなのだ。瓶の中身をシンクに捨てて、別の瓶を用意した可能性は?
涼花は首を振る。森岡の思い込みを批判しておきながら、自分も同じ罠に嵌まるなんて。
何か突破口はないのか。涼花は考える。
毒。ワインのボトル。グラス――。
あれ?
一つ気になることがあった。
「森岡さん」
「ん、なんだ?」
森岡は飲み終えたコーヒーカップをシンクで洗いながら振り返った。
「現場の、冷蔵庫の中身を調べてもらえませんか?」
「冷蔵庫の中身だって?」
「ええ。もしかしたらそこに、重要な証拠が残っているかもしれません」
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