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芽吹の箱庭
ギフト・箱庭
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「箱庭」
唱えると、ポンッという効果音が付きそうなポップな感じで目の前に現れたそれは、半透明で両掌サイズの長方形、5センチ位の高さがあった。
小学校1年生の夏休みの自由研究で作った時の箱庭と同じ位のサイズ感で、妙に懐かしくなった。
夏休みに入ってすぐに父親が連れて行ってくれたジオラマ食堂で、目の前をミニチュアの電車が走るのを見てめちゃくちゃ感動して、そこからジオラマやミニチュアにハマったんだよなぁ~。
初めての作品は夏ってことで海をテーマに、その辺にあった木枠に砂を入れて海で拾って来た貝殻と、その時母親がワイヤービーズにハマっていて一緒に小さい魚やカニ、貝なんかを作って砂の上に置いたなぁ~。
当時はまだ本格的なミニチュアを作ることができなくて、段ボールを切り抜いたものに色を塗って、人とかパラソルを作ったんだっけか。
初めて見たジオラマには程遠いけれど、自分なりに形にできたことで一歩近づけた気がした。新学期、出来上がった箱庭第一号を大事に抱えて登校中、遅刻をしかけて小走りになったからか、元々砂の上にボンドで接着しただけでカッチリと固定されていなかったからか、教室に着いた時にはカニや魚が陸を模した枝と苔の方に打ち上げられていたのはいい思い出だ。
「これをどうすればいいんだ?」
透き通っているから触れないかと思ったが、目の前に現れたそれに触れてみたら一応カチッとしていてプラスチックのようだった。触れたら何か指示が出るというわけでもなく、宙に浮いたままだ。
「この辺に落ちている枝でも入れてみるか?」
何か入れてみれば変わるかもしれない。そう思い足元に落ちている短めの枝を入れてみた。
フォン
すると箱の上、目の前に文字が現れた!
【クリプトメリアの枯れ枝】 ≡
〈状態〉枯れている。再生不可能。
〈用途〉燃えやすいので焚火などに使用可。加工がしやすい。
「もしかしてこの中に入れると鑑定ができるのか?しかも加工がしやすいって、もしかしなくてもこの箱庭に使えるってことだよな?聞いた事のない名前だけど、一体何の木だ? 杉っぽいな。」
一応枠内に納まりそうな枝を選んで入れてみたのだが、かなり小さくなって箱庭の中に転がっている。
「箱庭のサイズに縮小されるということか?」
何本か枝を追加してみる。中には箱庭より大きめの物も入れてみたが、枝先が箱庭の空間に触れると同時にシュルシュルと小さくなった。それが楽しくてどんどん入れていたら、ミニチュアの焚火の準備ができてしまった。どのみち火の元がないので焚火はできないのだが。
「枯れ枝だけってのもなぁ~。元の木も配置したいよなぁ。こんな木とかが小さくなってくれたりしないのかな?」
と横に生えている木の幹に手で触れながらそんな願望をつぶやいてみた。
次の瞬間! 触れているはずのウロの感覚がなくなった! 今まで触れていた木が急に消えたので、よっかかっていた僕はバランスを崩して倒れかけたが、そこは10歳の体。なんとか体制を持ちこたえて踏ん張った。
「あっぶねぇ! 実年齢のままだったら、絶対に倒れてたな! 消えたということは?! ・・・ 成功!!」
ミニチュア焚火の横に、一本の青々としたこれまたミニチュアサイズの木が生えていた。ミニチュアで作った木でジオラマを作ることは多々あったけど、まさかリアルに生えている木を入れることになるとは。
ということは、「生きる箱庭を創る」ことができるということか。
「これまた精巧な作りだなぁ~。って本物が入ってるから当たり前なんだけど。」
この一枚一枚の葉の葉脈やツヤ、木のうろの緻密さは、再現するのが難しいのでテンションが上がる。
唱えると、ポンッという効果音が付きそうなポップな感じで目の前に現れたそれは、半透明で両掌サイズの長方形、5センチ位の高さがあった。
小学校1年生の夏休みの自由研究で作った時の箱庭と同じ位のサイズ感で、妙に懐かしくなった。
夏休みに入ってすぐに父親が連れて行ってくれたジオラマ食堂で、目の前をミニチュアの電車が走るのを見てめちゃくちゃ感動して、そこからジオラマやミニチュアにハマったんだよなぁ~。
初めての作品は夏ってことで海をテーマに、その辺にあった木枠に砂を入れて海で拾って来た貝殻と、その時母親がワイヤービーズにハマっていて一緒に小さい魚やカニ、貝なんかを作って砂の上に置いたなぁ~。
当時はまだ本格的なミニチュアを作ることができなくて、段ボールを切り抜いたものに色を塗って、人とかパラソルを作ったんだっけか。
初めて見たジオラマには程遠いけれど、自分なりに形にできたことで一歩近づけた気がした。新学期、出来上がった箱庭第一号を大事に抱えて登校中、遅刻をしかけて小走りになったからか、元々砂の上にボンドで接着しただけでカッチリと固定されていなかったからか、教室に着いた時にはカニや魚が陸を模した枝と苔の方に打ち上げられていたのはいい思い出だ。
「これをどうすればいいんだ?」
透き通っているから触れないかと思ったが、目の前に現れたそれに触れてみたら一応カチッとしていてプラスチックのようだった。触れたら何か指示が出るというわけでもなく、宙に浮いたままだ。
「この辺に落ちている枝でも入れてみるか?」
何か入れてみれば変わるかもしれない。そう思い足元に落ちている短めの枝を入れてみた。
フォン
すると箱の上、目の前に文字が現れた!
【クリプトメリアの枯れ枝】 ≡
〈状態〉枯れている。再生不可能。
〈用途〉燃えやすいので焚火などに使用可。加工がしやすい。
「もしかしてこの中に入れると鑑定ができるのか?しかも加工がしやすいって、もしかしなくてもこの箱庭に使えるってことだよな?聞いた事のない名前だけど、一体何の木だ? 杉っぽいな。」
一応枠内に納まりそうな枝を選んで入れてみたのだが、かなり小さくなって箱庭の中に転がっている。
「箱庭のサイズに縮小されるということか?」
何本か枝を追加してみる。中には箱庭より大きめの物も入れてみたが、枝先が箱庭の空間に触れると同時にシュルシュルと小さくなった。それが楽しくてどんどん入れていたら、ミニチュアの焚火の準備ができてしまった。どのみち火の元がないので焚火はできないのだが。
「枯れ枝だけってのもなぁ~。元の木も配置したいよなぁ。こんな木とかが小さくなってくれたりしないのかな?」
と横に生えている木の幹に手で触れながらそんな願望をつぶやいてみた。
次の瞬間! 触れているはずのウロの感覚がなくなった! 今まで触れていた木が急に消えたので、よっかかっていた僕はバランスを崩して倒れかけたが、そこは10歳の体。なんとか体制を持ちこたえて踏ん張った。
「あっぶねぇ! 実年齢のままだったら、絶対に倒れてたな! 消えたということは?! ・・・ 成功!!」
ミニチュア焚火の横に、一本の青々としたこれまたミニチュアサイズの木が生えていた。ミニチュアで作った木でジオラマを作ることは多々あったけど、まさかリアルに生えている木を入れることになるとは。
ということは、「生きる箱庭を創る」ことができるということか。
「これまた精巧な作りだなぁ~。って本物が入ってるから当たり前なんだけど。」
この一枚一枚の葉の葉脈やツヤ、木のうろの緻密さは、再現するのが難しいのでテンションが上がる。
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