非戦闘系ギフト・箱庭で世界を救え?!そんな無茶な! でもいつの間にか救っちゃっていたようです

AnJ

文字の大きさ
19 / 31
芽吹の箱庭

初めての野営は快適だった

しおりを挟む
 くたくたになってログハウスに戻ってきた。

「なんだかレベルがアップしていた気がするけど、ダメ・・だ。 何も・・考えられない・・・」

 
 視界の片隅に箱庭のレベルが上がった表示が見えたような気がするが、いかんせん体力が限界だった。
 寝室へ戻った瞬間にベッドに倒れこみ、そのまま気絶するかのように眠ってしまった。


 ピチチッ 


 薄く閉じた瞼の向こうに、やわらかな光が滲みはじめる。
 窓から差し込む朝の陽射しが、部屋の空気を徐々に温めていく。
 耳を澄ませば、遠くから聞こえる小鳥たちのさえずり。
 まどろみの中で、身体が自然と呼吸を深めていく。
 まるで光と音に導かれるように、意識がゆっくりと浮上していく。
 目を開けると、世界はすでに始まっていた。
 静かで、穏やかで、どこか祝福されたような朝のはじまり。。。



「タクミ! 稽古だ! 起きろ!」


 
 思いっきり意識を持ち上げられた。
 さっきのような詩的な穏やかな朝を迎えるつもりだったのだが、、

「う~~~~ん、、もう少し、、」

「鍛錬は一日でも早い方がいい。そして一日でもサボってはだめだ! 今日は出発が早めだから短時間しかできないが、筋トレと素振りをするぞ! タクミの家と結界のおかげでしっかり休養できたからな! いい朝だ!」

 リオが何を言っているのか全く頭に入ってこない。本当に何を言っているんだこいつは?
 元気がすぎるだろう?

「・・・僕は明日からで、、うげっ!」

 丁寧に辞退させて頂こうと思ったのだが、途中でひょいっと担ぎ上げられた。そんな軽々。。僕米俵じゃないんですけど。。


「おはよう、タクミ。お陰でよく寝れたわ。鍛錬頑張ってね。朝ごはんの準備は任せて!」

 ミナが台所に立ちながら爽やかにそう僕に告げる。
 ミナさんや、君も一緒に・・ あ、準備よろしくお願いします。
 

 そしてリオに拉致られ絶賛朝練中なのだが、
 
「おい!タクミ! 腕立て伏せをまだ10回もしていないぞ? 筋肉がなさすぎるな。。あと20回!」

 ひぇ~~。無理。無理無理。こちとら筋肉とは無縁で40うん年間きてるんだ。急にそんなハードなトレーニングは無理だって!

 昨夜の機敏な動きはどこへやら?
 箱庭内では体が勝手に動いていた。前世の僕では絶対に考えられない動きだ。
 箱庭内でだけ適応するということか。じゃあもしかして外の世界で僕って超ひ弱なんじゃ?
 レベルも上がりにくいようだし。
 
「何だ?考え事をする余裕があるようだな。腹筋50回追加だ!これでも少ないぞ!」

 いつの間にやら訳の分からない種目が増えていた。。

「無理・・・こんなの、思い描いてる朝じゃない・・・」


「はっはっはっ! 声を出せているなら大丈夫だ! すぐに余裕でできるようになるさ!」


 リオってこんなキャラだったっけ? 昨日は戦闘や故郷の話でシリアスモードだったからだろうけど、生き生きしすぎじゃないか?
 やばい、考え事をしているとまた追加される。無だ無。いや、何か考えていないと心が折れる。
 あれ?そもそも何でこんなことをしているんだ? 僕に筋肉は必要か?
 
「筋肉はいくらあっても無駄ではないからな! よし、次は家の周辺を走るぞ!」

 げ! 考えてることバレてるじゃん。更にランニングだとぉー?!
 殺す気か! 誰か助けてくれーーー!

 結局、走り終わって酔拳得意でっせ並みのフラフラの状態で素振りをさせられ、倒れこんだ僕をまた俵担ぎにして家に戻ったリオだった。
 これ、もしかして毎日続くのか?
 嫌だーーーーーーー!




 この鍛錬の場所を箱庭に設定すれば良かったと気付くのはかなり先の話。



 初めての野営は快適だった。 朝練を除いて・・・。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~

きよらかなこころ
ファンタジー
 シンゴはある日、事故で死んだ。  どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。  転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。  弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命

yukataka
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

捨てられた貴族六男、ハズレギフト『家電量販店』で僻地を悠々開拓する。~魔改造し放題の家電を使って、廃れた土地で建国目指します~

荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
 ある日、主人公は前世の記憶を思いだし、自分が転生者であることに気がつく。転生先は、悪役貴族と名高いアストロメア家の六男だった。しかし、メビウスは前世でアニメやラノベに触れていたので、悪役転生した場合の身の振り方を知っていた。『悪役転生ものということは、死ぬ気で努力すれば最強になれるパターンだ!』そう考えて死ぬ気で努力をするが、チート級の力を身につけることができなかった。  それどころか、授かったギフトが『家電量販店』という理解されないギフトだったせいで、一族から追放されてしまい『死地』と呼ばれる場所に捨てられてしまう。 「……普通、十歳の子供をこんな場所に捨てるか?」 『死地』と呼ばれる何もない場所で、メビウスは『家電量販店』のスキルを使って生き延びることを決意する。  しかし、そこでメビウスは自分のギフトが『死地』で生きていくのに適していたことに気がつく。  家電を自在に魔改造して『家電量販店』で過ごしていくうちに、メビウスは周りから天才発明家として扱われ、やがて小国の長として建国を目指すことになるのだった。  メビウスは知るはずがなかった。いずれ、自分が『機械仕掛けの大魔導士』と呼ばれ存在になるなんて。  努力しても最強になれず、追放先に師範も元冒険者メイドもついてこず、領地どころかどの国も管理していない僻地に捨てられる……そんな踏んだり蹴ったりから始まる領地(国家)経営物語。 『ノベマ! 異世界ファンタジー:8位(2025/04/22)』 ※別サイトにも掲載しています。

処理中です...