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ウィンター.スレイブ

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冬の朝は音がよく聞こえる。

遠くでかんかんと鳴る踏み切り。
とおりすぎてゆく車。
そして、気持ちよさそうになく鳥の声。

いつもと変わらない、
日常の音が聞こえる。




しらない男の気配を
のぞいて。


目を開けたが、
わたしの前にはくらやみが広がっていた。

両腕をしばられ、
目かくしをされているようだ。

この異常な状況でも
こころは落ち着いていた。

(こんなわたしでも
攫われることがあるんだ)

そんな、他人事のような
感想を抱く。
むかしから、面倒なことがあると、
自分がなく俯瞰したような目で見るところがあった。

今日もいつもと変わらない。
わたしの存在なんてそんなものだろう。

男がわたしの前に止まる音がした。
目かくしを取られると、
屈強な男がたっていた。

目元はサングラスでよく見えない。
口ひげを生やし、いかにも雄臭い
不審者と言っていいだろう。

(すごいヒゲだな…)

そんな能天気なことを考えてたら
男がわたしの服を無理やり破った。


「や、やめて!」

甲高い声が出る。
相手に敵意がないことを示す無意識の行動なのかもしれない。
この場でするべきことは、
抵抗ではなく、
従順だと思っているのだろう。


「ふん!」

下の服も脱がされた。

(あぁ…。まぁいいかな…)

そんな諦めのような感覚の中、
部屋にあるコルクボードを見つけた。
そこには、わたしと似た人の写真があった。
ショートカットの黒髪で痩せ型。
どれも裸で、アザのようなものがある。
コイツの趣味なんだろう…。
気持ち悪い。


「お前、なんで暴れないんだ」

話しかけてきた。
もう少し抵抗したほうがよかったか?
しかし、コイツのサディズムを刺激するのは
よくないだろう。

「わたし、処女なんです」

嘘をついた。
油断をさせるためだ。

どうでもいいと思っていたわたしだが、
彼らの写真を見たら、
気持ちが変わった。

コイツには
痛い目を見てもらわないと。

「ほぅ…」

舐め回すような視線が気色悪い。
しかし、頭はよくなさそうだ。

おそらくこのまま
来るだろう。

「…っ!!」

お尻をもちあげられた。
男も下を脱ぎ、
今にも挿入されそうだ。

「やめて!!」

ズサっ!!


わたしの
中に入ってきた。


「ぐわああああああああああ!!」


罠が作動した。

護身用につけていた
ケツ穴スパイクが作動したのだ。

「キサマ!何をした!」

「秘密です」

「お前!」

男は威勢よく殴ろうとしたが
局部の痛みからか
うまく体を動かせないようだ。

わたしのお尻からは
血が出ていた。

(痛そう…)

「ぐっ、ぐうう」


少し可愛そうになってきた。
そうだ、
私からもかわいがってあげよう。

俯瞰しながらわたしは
冷静にその光景を見ていた。


罠を解除して
男をベッドに押し倒す。

痛みでおびえてる彼の表情を見て
わたしは笑った。


「いきますよ」

そう言うと
わたしは勢い良く
ケツ穴に差し込む。

これは愛ではなく、
かわいがりなんだ。
そう言い聞かせて
汚いお尻を鷲掴みにする。

「うっ…!!やめてくれ!」

立場がぎゃくになったようだ。
男は甲高い声を上げて
わたしによがってきた。

なんて、エロいんだ…。
遠くから眺めていたわたしは


そんなことを思っていた。

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