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十九話、炎を失った王都へ
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*セレスタ視点
国境付近の魔物や落とし子たちを一蹴して、殿下は魔石に己の力を込めた。
――“これでしばらく雷を落とし、ここは問題ない。”
小屋の者に伝え、警備を整える。
急ぎ王城へ。
馬を走らせる。
夜道。
しかも雨も降ってきて、頼みの花の光も朧げ。
けれど、ヴァルセリアス様が雷を走らせ、道を微かに照らす。
私の“生みの親”と戦っていた時も思ったけれど――
……雷公ってそういう。
ちょっとかっこよかった。
切り札ってことかな。
でも、それほど切羽詰まっているということだ。
「君は王都に着いた後、ノルの配下――赤翼の者に指示をしてくれ。ノルは不在だろうが、君の指示はしっかり聞いてくれるだろう」
「な、何故? もしかしたら、彼らも加護があなたのように使えない可能性が――」
「いや、多分赤翼の者と我らの加護は違う。なんというか祝福された竜が違うと言ったらいいだろうか」
つまり、私か叔父様の加護があるってこと?
続けて口を開く。
「我は城に向かう。ヴァルディスが指揮しているだろうが……」
「加護がないなら心配ですね。それに――」
火山も気になる。
殿下もそのようで、私の代わりに言葉を紡ぐ。
「王族の炎であの火山は黙している。それがああなっているということは……」
……アッシュ様。
――アッシュ様っ!
アッシュになにかあったなら、その祝福を借りたイグニス民も加護は使えなくなっている。
与えた側の竜ではなく。
初代女王に与えた焱。
その炎が危ぶまれるとまずいってことか。
「我は――」
と、殿下がこちらを振り向く。
――が、その進む先は既に魔物が。
「で、殿下!」
私の呼び方で状況を察してくれた。
即座に前を向き、パチンと指を鳴らす。
空から降る光。
轟音と共に焦げ焦げになる肉塊。
それを飛び越え疾走する。
馬が怯えなくて良かった。
もしかして、この子達わかってるのかな?
「話の続きだ。我はヴァルディスに変わり指揮しよう。いや、どれほど都市に魔物がなだれ込んでいるかが問題だ。ここまで来ているのなら或いは……」
だんだんと小さくなっていく声。
色々と対策を考えているのだろう。
私は私で屋敷に行って。
それから……城に行きたい。
すぐにでも……。
アッシュ様。
耳元の飾りがやけに重かった。
国境付近の魔物や落とし子たちを一蹴して、殿下は魔石に己の力を込めた。
――“これでしばらく雷を落とし、ここは問題ない。”
小屋の者に伝え、警備を整える。
急ぎ王城へ。
馬を走らせる。
夜道。
しかも雨も降ってきて、頼みの花の光も朧げ。
けれど、ヴァルセリアス様が雷を走らせ、道を微かに照らす。
私の“生みの親”と戦っていた時も思ったけれど――
……雷公ってそういう。
ちょっとかっこよかった。
切り札ってことかな。
でも、それほど切羽詰まっているということだ。
「君は王都に着いた後、ノルの配下――赤翼の者に指示をしてくれ。ノルは不在だろうが、君の指示はしっかり聞いてくれるだろう」
「な、何故? もしかしたら、彼らも加護があなたのように使えない可能性が――」
「いや、多分赤翼の者と我らの加護は違う。なんというか祝福された竜が違うと言ったらいいだろうか」
つまり、私か叔父様の加護があるってこと?
続けて口を開く。
「我は城に向かう。ヴァルディスが指揮しているだろうが……」
「加護がないなら心配ですね。それに――」
火山も気になる。
殿下もそのようで、私の代わりに言葉を紡ぐ。
「王族の炎であの火山は黙している。それがああなっているということは……」
……アッシュ様。
――アッシュ様っ!
アッシュになにかあったなら、その祝福を借りたイグニス民も加護は使えなくなっている。
与えた側の竜ではなく。
初代女王に与えた焱。
その炎が危ぶまれるとまずいってことか。
「我は――」
と、殿下がこちらを振り向く。
――が、その進む先は既に魔物が。
「で、殿下!」
私の呼び方で状況を察してくれた。
即座に前を向き、パチンと指を鳴らす。
空から降る光。
轟音と共に焦げ焦げになる肉塊。
それを飛び越え疾走する。
馬が怯えなくて良かった。
もしかして、この子達わかってるのかな?
「話の続きだ。我はヴァルディスに変わり指揮しよう。いや、どれほど都市に魔物がなだれ込んでいるかが問題だ。ここまで来ているのなら或いは……」
だんだんと小さくなっていく声。
色々と対策を考えているのだろう。
私は私で屋敷に行って。
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すぐにでも……。
アッシュ様。
耳元の飾りがやけに重かった。
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