ブリアール公爵家の第二夫人

大城いぬこ

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我慢は終わり






「会いたかった…シャンティ嬢……お元気でしたか?フランシス様……またもやこんな姿で申し訳ない…でもこの姿なら誰にも知られない。僕はこんな姿でもあなたに会いたい。会ってくれてありがとう……ここでフランシス様は辺りの気配を探り、人の目がないことを確認した後、シャンティ嬢の手を掴んで、その甲に口づけました。俺はばっちり見てたけど!甘い雰囲気だったなぁ~んでんで、あっ…フランシス様…いけません……シャンティ嬢…君は指先まで温かく美しい…待っていてください…他の男性の誘いには乗らないで…早く大人になりますから……って、メイドの服を着て女装してそれをやってもなんだか…って思ってたんですけど、俺…なぜかドキドキしてきちゃって…二人は顔を近づけて口づけをして…端から見たら女の子同士で…俺…わああって!なんでこんなにドキドキするの!?」 

 ガガがバタバタと動き、どうでもいいことをつらつらと話しているが、俺は相手をせずに書類をさばいていく。 

「って聞いてます?閣下」 

 聞いてはいるが覚えはしない。あの二人の様子など今の俺には関係ない。 

「ガガ、お前の弟の出番だ」 

「お?始まります?やっとっすね。場所はランド男爵領地っすよね?」 

「ああ。あそこの領主は抜けているところがある。領境の警備はないも同然。人数は少なくていいぞ」 

「へーい」 

「必ず成し遂げろと伝えろ。ゼノが近くにいるから心配はないがな」 

「俺は閣下と一緒に南部~へ~」 

 俺は最後の書類を読み終え、サインをして筆を置く。それから鼻に集中し、今ロシェルがどこにいるのか探る。 

「浴室か」 

「え…?閣下?まさか今日からいちゃむん再開?」 

「この離邸から男を排除しろ。使用人も少数でいい。俺の夕食は居室に置いておけ。冷めてもいい。離邸を閉ざせ…強いぞ」 

 今夜は強く香るだろう。なんせ一か月も我慢させた。一か月も俺はロシェルの腹に注いでいない。数回で終われるか?終われんな。 

「いきなりすぎる!俺の穏やかな夜が!閣下、試しにジーナを寝室に入れてみては?ジーナの前でいちゃむんしても香りが放たれるか検証しましょうよぉ」 

「却下だ。幼子がいてはロシェルが本能をさらけ出せんだろ。今夜は…」 

 想像するだけで股間が熱くなる。勃ってはいないが勃ちそうだぞ… 

「久しぶりにいやらしいにまだ…スケベ」 

 なにがスケベだ。なにがいやらしいにまだ。当然そんな顔もするだろ…スケベにもなるだろ…一月だぞ… 

「なんとでも言え…お前は一月も耐えられんだろうに」 

「俺のいちゃむんは時間調整が可能だもん!短く終わらせられるもん!もちろん、お互いが満足してね。閣下は違うじゃん」 

「時間を調整だと…?俺は公爵だぞ…思いのままに…やる…」 

 俺は立ち上がり、ジャケットを脱ぎながら執務室を出る。

 幸い、廊下に使用人の姿はなかった。歩きながらシャツのボタンも外していく。

 居室を過ぎ寝室に入るとエコーがなにか言いたげに立っていたがそれを無視して浴室に向かう。 

 ロシェルの声とレナの声、そしてなぜかジーナの声が聞こえた。 俺は浴室の扉の前に立ち、耳を澄ます。 

「ジーナ、しー…大きな声は駄目…ディオルド様がお仕事をしているのよ」 

「ぶーきゃっきゃっ」 

「ロシェル様…よろしいのですか?ジーナを湯に…」 

「ふふ、ディオルド様は許してくれるわ。私、ジーナには感謝をしているの」 

 香りのことだろう。レナとダフネにはロシェルの香りについて話してあるが、匂うか尋ねれば首を振った。女には感知されない香りとは本当に謎だ。 

「私は抑えられないから…困らせているわ」 

「ぶーぷーあーおー」 

「ふふ、ジーナ…いいこね」 

 幼子が湯を叩いているんだろう、激しい水音と心が和む会話に、なぜか胸に苦しさと穏やかさが湧いた。 俺はゆっくりと扉を開けていく。 

「旦那様」 

 レナが驚いた顔をしたあと、湯に入っているジーナに視線を向けた。 

「別に構わんが、俺の番だ」 

 ロシェルは髪を洗い終えた姿だった。

 レナとダフネは察したようにロシェルが抱いているジーナを湯から出し、浴室から出ていった。 

「お仕事…終わりましたの?」 

「ああ」 

 俺はシャツのボタンを外し、トラウザーズの腰ひもをゆるめ床に落とす。

 ロシェルの水色の視線は俺の股間に向かい、頬を染めて顔を背けた。まだ垂れていた陰茎は放たれた香りで勃ち上がった。 

「ロシェル」 

 俺が名を呼べば、顔を向けてくれたが、先とは違う形状の陰茎にまた頬を染め両手で顔を隠した。 

「仕方ないだろ…放っているのはお前だ」 

「突然…裸で…ディオルド様のせいです」 

「俺のせいだな」 

 恥ずかしがるロシェルに心浮き立ち、湯気がのぼる浴槽に身を沈めて座り、向かいあう。 

「ロシェル」 

 熱い湯のはずが、そうは感じられないほど俺はロシェルに集中していた。 

「今夜は抱き潰す」 

 ロシェルは顔を覆う手のひらの指の合間から俺を見た。

 そんなことをするロシェルが愛らしくて、股間が痛いほど張り詰めた。 

「我慢は…おしまい?」 

「ああ…終わりだ」 

 俺はロシェルに手を伸ばし、体も洗っていないのに辛抱できずに抱きよせていた。 

「とりあえず、握ってくれ」 

 俺たちの体の間に挟まれたロシェルの腕が動き、陰茎を握ったことに頬が緩んだ。 

「お前を快感に狂わせたい。そのためには一度吐き出さなくてはな」 

 ロシェルの腕が小刻みに動き、陰茎を上下にこすり、教えた通りの力加減で握り、久しぶりの快感に理性を保てと自分に言い聞かせた。 

 俺はロシェルの頭に巻かれたタオルを咥えて、首を傾け取り払う。

 銀色が目の前で広がり舞って輝いた瞬間、射精感が限界を迎え、湯のなかに吐き出していた。 

「くっ…」 

 ロシェルの香りを乗せた湯気が纏わりつくように俺を包み、鼻の奥へ侵入し脳まで支配され、快感に全身が震えた。

 こんな快感はこの世で誰一人として味わったことはないだろう。いや…伯は…まあ…伯は死んだからもう俺だけだ。 

「…待ってろ」 

 俺はロシェルを片腕で抱きしめ、浴槽の横に置かれたタライを掴んで持ち上げ、頭を反らしてかぶる。 

「きゃ…」 

「湯がかかったか?すまん」 

 軽く頭を振り、湯を飛ばして腕のなかのロシェルを見下ろす。 

「洗う余裕もない」 

 俺はロシェルを持ち上げ、目の前に現れた乳首に吸い付く。 

「ん!あ…」 

 硬くなっていく乳首を噛んでは挟み、舌で執拗に舐めれば浴室に喘ぎが響き、快感に悶えるロシェルが無意識に俺の髪を掴んで引っ張っても、夢中で苛めていた。 

「…ロシェル…一月ぶりだ…お前は固くなっているだろう…ほぐそう…」 

「ディ…気持ちいい…」 

 一月の焦らしはロシェルの感度を上げたのかと思うほど、乳首しか触れていないのに声を上げて体を跳ねさせた。 

「もっと…」 

「ああ…もっとな」 

 ロシェルの乳房は柔らかく、俺の好きな箇所の一つと言える。二つの乳房を交互に揉んでは乳首を口に含み、時には痛みも与えつつなぶった。 

「ああ!」 

 一際強い香りが放たれ、ロシェルが乳首だけで絶頂を迎えたのだと理解した瞬間、懸命に保っていた理性が消し飛んだ。 俺は浴槽の底にある栓を抜き、湯を流す。

 快感に酔いしれ、思考がぼんやりとしているロシェルを持ち上げ、浴槽の底に横たわる。 

「ディオ…?」 

 浴槽に寝そべるという俺の変な体勢にロシェルが首を傾げている間に、持ち上げていた体を反転させ顔の上に乗せる。

 目の前にある尻が、穴が、顎に触れる秘毛が俺をケダモノへと変えていく。 

「ディオ!なにを!」 

 久しぶりの絶頂に力が入らず、抵抗もできないロシェルの足を広げさせ俺の顔を跨ぐように導けば、目の前に赤く色づく秘所が見えた。

 燭台を増やしておけばよかったと軽く後悔はしたが、逃げようとする尻を捕まえ舌を伸ばして秘所に突き入れれば、しとどに濡れていた。そして俺の舌に吸い付くように膣壁が蠕動し、もっと責めろと言った。 

「あああ!いや!やめ…ああ!」 

 いやと言いながらも喘ぎ、本気で逃げないなら言葉だけの拒絶だと理解し、欲望のまま溢れる液を味わう。 

「すごいな…ロシェル…ここも匂う」 

「いや!言わないで…や…」 

「言う」 

「ディ…ん!あ!」 

 快感に跳ねた体のせいで俺の舌が抜けてしまったが、その代わりに陰核が唇にあたり、今度はそれに吸い付き、舐めて噛む。 

「いや!あああ!」 

 強すぎる快感に液が吹き出し、俺の顔を濡らした。 

「今夜はお前を狂わせる…いやと言われてもな」 

 潮まであの香りの味がする。腰を振るいたくなる衝動に耐えられず、掴んでいた細い腰を持ち上げ、突き入れようと考えていた時、ロシェルの体が倒れていった。





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