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夕暮れ時
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「ハウンド」
「はい」
「二人に決めたわ。月に金貨二枚、カイナには上級使用人の服をザザには仕立て屋を。二人の部屋だけど居室に寝台を運びたいけど無理だとわかっているわ。この部屋の隣か向かいの部屋を一室使えるようにしてちょうだい。居室には見栄えがおかしくならないように大きなソファを置くわ」
私の言葉に驚いたようね。カイナかザザ、どちらかはこの居室にいてもらう。
「そこまでするかと言いたそうな顔ね」
「正直…はい」
「ハウンド…私はこの邸に多くいる下級使用人に…嫌われているわ」
そんなことないとは言えないわよね。
「彼らは男爵令嬢と親しい…そうでしょう?」
ハウンドの鋭い視線がカイナに向かう。
「カイナからなにも聞いてないわ。昨夜…扉越しに会話が聞こえたのよ。男爵令嬢とレイモンド様の仲を…夜中にわざわざ私の部屋の前で会話?わざと聞こえるように話したのよ。彼らの行いを知った上級使用人は私にどんな態度を取るのか…不安よ」
下級使用人に軽んじられた私を上級使用人が敬うとは思えないわ。私を褒め称えたその口で私が傷つくだろうことを吐く。そんなものに付き合ってはいられない。上級使用人も下級使用人も信じられないわ。
「…エルマリア様…いつまで…」
こうしているかよね?そう…いつまでもこうしてはいられないわ。私だって閉じこもる日々は嫌よ。息苦しい生活はもう…うんざりだわ。
「私とレイモンド様が落ち着くまでかしら?侯爵閣下はランド男爵令嬢をどうするつもり?」
馬鹿でなければ排除するわ。
「ランド領地に手紙を送りました」
そうよね。侯爵閣下にとって親友の残した可愛い娘でも家門より大事ではないわね。
「男爵令嬢を離されたレイモンド様がどう動くか…それを確かめてからだわ。それでも私を拒絶するなら…純潔のままシモンズへ戻るわ」
こんなことを言っては無理やり純潔を…私を犯すかもしれない…純潔を失った貴族令嬢の価値は無いも同然よ。どこかの後妻か裕福な平民に嫁ぐしかない。でも私はシモンズ…傷物でも莫大な持参金があるから別ね。
「侯爵閣下に話してちょうだい」
侯爵の補佐をするハウンドは私の価値をわかっているから、いい返事をしてくれる…会話が進んでありがたいわ。
「…承知しました」
「湯運びは下級使用人の仕事よ。二人はしないわ」
どんな顔で湯を運んでくれるのかしら?
「それと…カイナとザザが邸内で浮くことは想像できるわね?」
「はい」
「近づき探る者、傷をつけようとする者がいないといいわ」
「もちろんです」
「二人はなにかされたら私に正直に話すわ。私はそれを侯爵閣下に直接話す」
ハウンドは真剣な顔で頷く。
「過剰に怯えているように見えているわよね?実際…怯えているの。私はシモンズから離れたことがなかったの」
広大なシモンズ領地にも行ったことはない。私には父の駒として見張りが多くいた。
「こんな敵意を向けられたことがないわ」
「なぜフェリシアがいないのですか?」
食堂にフェリシアの姿がなかった。
「お前の妻のエルマリアもいないがな。お前のせいだ。馬鹿なことを言ったフェリシアとそれを叶えたお前のせいだ」
ソロモンの言葉にレイモンドは頭に血がのぼるが僅かな宝飾品まで取り上げられ、どれだけ怒らせたのか理解してきた。
欲を吐き出すために上級使用人の女に咥えさせたあと自室に戻れば、騎士と共にアプソが金目のものを持ち去る場面だった。使用人に渡した銀貨一枚が最後の財産になっていた。
「こんな仕打ちを…」
「夕食を共に取らないだけだろう?」
ソロモンの呆れたような言い方にレイモンドは立ち上がる。
「フェリシアの部屋へ行くならランドの返事を待たずに戻す」
「な!?横暴だ!」
「そうか、ならば二人で出ていけ。私はなにも渡さないぞ。シモンズ子爵へエルマリアと持参金を返しアンジェルは王宮へ帰す」
「レイモンド!あなたのわがままで私をソニーから離す気!?フェリシアは愛人としてそばに置けばいいでしょう?なぜ理解できないの?」
レイモンドはアンジェルを睨む。
「母上!父上に愛人を許さないくせに俺にそんなことを言うな!」
声を上げられたアンジェルは冷ややかにレイモンドを見つめる。
「レイモンド、あなた…本当に馬鹿ね…私は王の娘なのよ?ソニーはそのおかげで爵位を得たの。あなたは?なにができるの?王孫だと言いたい?そのとおり王孫だけどお父様があなたのために爵位を新たにくれる?お父様はそこまであなたを愛していないわ。私と違って!」
アンジェルは机を叩いた。
「私の使用人が減ったのも!茶会を開けないのも!買い物ができないのも!あなたと子爵令嬢のせい!」
子供のように癇癪を起こしたアンジェルを呆れた眼差しで見ていたジェイコブは首を傾げる。
「買い物?アプソが仕立て屋を呼ぶと言っているのを聞いたよ」
ソロモンは余計なことを言うジェイコブを睨む。
「エルマリアが専属の使用人を選んだ。彼らの服だ」
「子爵令嬢に私の使用人を!?ソニー!」
「落ち着け、アンジェル。エルマリアは下人から選んだ。文句を言うな」
「下人…?爵位が低いと言っても貴族のくせに見栄はないの?はあ…お金のためといえ…安い令嬢が入ったものね」
ソロモンはアンジェルの言いように再び呆れたが会話をしたくなかった。
「レイモンド、フェリシアに会いたいか?」
ソロモンは真剣に聞いている。
「…いえ」
レイモンドは腰を下ろし食事を再開した。
「フェリシア様」
「ケリー」
フェリシアは久しぶりに一人で食事をする。その寂しさにまた涙が瞳に溜まる。
「あの三人は無事に外へ出ましたが…その後…騎士も出ました」
「え…?」
フェリシアの専属使用人のケリーは真剣な表情で伝える。彼女たちに宝飾品を与えたフェリシアはそれがソロモンに知れたらと震える。
「う…う…ひっ…」
「フェリシア様…心配しないでください。彼女たちはうまく逃げます。私たち使用人はフェリシア様の味方です。シモンズ子爵令嬢は一階の貴賓室に移りました。レイモンド様を拒否しているようです」
「拒否?」
「食事も貴賓室で…子爵令嬢自身が下人のなかから使用人を選んだと」
「…下人…?どうして?彼女はお金を持っているのに?」
「その下人の地位を上げて上級使用人にしたようです」
フェリシアにはエルマリアの意図がわからなかった。
「怖いわ…私はランドへ戻れと言われるの?」
「フェリシア様はフローレン侯爵家の家族です。旦那様も落ち着いたら…きっと…ひどいことは言いません」
「…そうよね…ケリー、ありがとう…私は十年もここで暮らしているのよ」
その日の夜、ケリーと話し心を落ち着けたフェリシアに嫌な報告がきた。
ソロモンがランドに手紙を送ったと聞いたフェリシアはこの日から食事を取ることを止めた。
「はい」
「二人に決めたわ。月に金貨二枚、カイナには上級使用人の服をザザには仕立て屋を。二人の部屋だけど居室に寝台を運びたいけど無理だとわかっているわ。この部屋の隣か向かいの部屋を一室使えるようにしてちょうだい。居室には見栄えがおかしくならないように大きなソファを置くわ」
私の言葉に驚いたようね。カイナかザザ、どちらかはこの居室にいてもらう。
「そこまでするかと言いたそうな顔ね」
「正直…はい」
「ハウンド…私はこの邸に多くいる下級使用人に…嫌われているわ」
そんなことないとは言えないわよね。
「彼らは男爵令嬢と親しい…そうでしょう?」
ハウンドの鋭い視線がカイナに向かう。
「カイナからなにも聞いてないわ。昨夜…扉越しに会話が聞こえたのよ。男爵令嬢とレイモンド様の仲を…夜中にわざわざ私の部屋の前で会話?わざと聞こえるように話したのよ。彼らの行いを知った上級使用人は私にどんな態度を取るのか…不安よ」
下級使用人に軽んじられた私を上級使用人が敬うとは思えないわ。私を褒め称えたその口で私が傷つくだろうことを吐く。そんなものに付き合ってはいられない。上級使用人も下級使用人も信じられないわ。
「…エルマリア様…いつまで…」
こうしているかよね?そう…いつまでもこうしてはいられないわ。私だって閉じこもる日々は嫌よ。息苦しい生活はもう…うんざりだわ。
「私とレイモンド様が落ち着くまでかしら?侯爵閣下はランド男爵令嬢をどうするつもり?」
馬鹿でなければ排除するわ。
「ランド領地に手紙を送りました」
そうよね。侯爵閣下にとって親友の残した可愛い娘でも家門より大事ではないわね。
「男爵令嬢を離されたレイモンド様がどう動くか…それを確かめてからだわ。それでも私を拒絶するなら…純潔のままシモンズへ戻るわ」
こんなことを言っては無理やり純潔を…私を犯すかもしれない…純潔を失った貴族令嬢の価値は無いも同然よ。どこかの後妻か裕福な平民に嫁ぐしかない。でも私はシモンズ…傷物でも莫大な持参金があるから別ね。
「侯爵閣下に話してちょうだい」
侯爵の補佐をするハウンドは私の価値をわかっているから、いい返事をしてくれる…会話が進んでありがたいわ。
「…承知しました」
「湯運びは下級使用人の仕事よ。二人はしないわ」
どんな顔で湯を運んでくれるのかしら?
「それと…カイナとザザが邸内で浮くことは想像できるわね?」
「はい」
「近づき探る者、傷をつけようとする者がいないといいわ」
「もちろんです」
「二人はなにかされたら私に正直に話すわ。私はそれを侯爵閣下に直接話す」
ハウンドは真剣な顔で頷く。
「過剰に怯えているように見えているわよね?実際…怯えているの。私はシモンズから離れたことがなかったの」
広大なシモンズ領地にも行ったことはない。私には父の駒として見張りが多くいた。
「こんな敵意を向けられたことがないわ」
「なぜフェリシアがいないのですか?」
食堂にフェリシアの姿がなかった。
「お前の妻のエルマリアもいないがな。お前のせいだ。馬鹿なことを言ったフェリシアとそれを叶えたお前のせいだ」
ソロモンの言葉にレイモンドは頭に血がのぼるが僅かな宝飾品まで取り上げられ、どれだけ怒らせたのか理解してきた。
欲を吐き出すために上級使用人の女に咥えさせたあと自室に戻れば、騎士と共にアプソが金目のものを持ち去る場面だった。使用人に渡した銀貨一枚が最後の財産になっていた。
「こんな仕打ちを…」
「夕食を共に取らないだけだろう?」
ソロモンの呆れたような言い方にレイモンドは立ち上がる。
「フェリシアの部屋へ行くならランドの返事を待たずに戻す」
「な!?横暴だ!」
「そうか、ならば二人で出ていけ。私はなにも渡さないぞ。シモンズ子爵へエルマリアと持参金を返しアンジェルは王宮へ帰す」
「レイモンド!あなたのわがままで私をソニーから離す気!?フェリシアは愛人としてそばに置けばいいでしょう?なぜ理解できないの?」
レイモンドはアンジェルを睨む。
「母上!父上に愛人を許さないくせに俺にそんなことを言うな!」
声を上げられたアンジェルは冷ややかにレイモンドを見つめる。
「レイモンド、あなた…本当に馬鹿ね…私は王の娘なのよ?ソニーはそのおかげで爵位を得たの。あなたは?なにができるの?王孫だと言いたい?そのとおり王孫だけどお父様があなたのために爵位を新たにくれる?お父様はそこまであなたを愛していないわ。私と違って!」
アンジェルは机を叩いた。
「私の使用人が減ったのも!茶会を開けないのも!買い物ができないのも!あなたと子爵令嬢のせい!」
子供のように癇癪を起こしたアンジェルを呆れた眼差しで見ていたジェイコブは首を傾げる。
「買い物?アプソが仕立て屋を呼ぶと言っているのを聞いたよ」
ソロモンは余計なことを言うジェイコブを睨む。
「エルマリアが専属の使用人を選んだ。彼らの服だ」
「子爵令嬢に私の使用人を!?ソニー!」
「落ち着け、アンジェル。エルマリアは下人から選んだ。文句を言うな」
「下人…?爵位が低いと言っても貴族のくせに見栄はないの?はあ…お金のためといえ…安い令嬢が入ったものね」
ソロモンはアンジェルの言いように再び呆れたが会話をしたくなかった。
「レイモンド、フェリシアに会いたいか?」
ソロモンは真剣に聞いている。
「…いえ」
レイモンドは腰を下ろし食事を再開した。
「フェリシア様」
「ケリー」
フェリシアは久しぶりに一人で食事をする。その寂しさにまた涙が瞳に溜まる。
「あの三人は無事に外へ出ましたが…その後…騎士も出ました」
「え…?」
フェリシアの専属使用人のケリーは真剣な表情で伝える。彼女たちに宝飾品を与えたフェリシアはそれがソロモンに知れたらと震える。
「う…う…ひっ…」
「フェリシア様…心配しないでください。彼女たちはうまく逃げます。私たち使用人はフェリシア様の味方です。シモンズ子爵令嬢は一階の貴賓室に移りました。レイモンド様を拒否しているようです」
「拒否?」
「食事も貴賓室で…子爵令嬢自身が下人のなかから使用人を選んだと」
「…下人…?どうして?彼女はお金を持っているのに?」
「その下人の地位を上げて上級使用人にしたようです」
フェリシアにはエルマリアの意図がわからなかった。
「怖いわ…私はランドへ戻れと言われるの?」
「フェリシア様はフローレン侯爵家の家族です。旦那様も落ち着いたら…きっと…ひどいことは言いません」
「…そうよね…ケリー、ありがとう…私は十年もここで暮らしているのよ」
その日の夜、ケリーと話し心を落ち着けたフェリシアに嫌な報告がきた。
ソロモンがランドに手紙を送ったと聞いたフェリシアはこの日から食事を取ることを止めた。
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