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 星空ほしぞらをすべるように、サンタクロースさんのそりはんできます。

 シャララン……シャララン……。

 そりはやがて、広場ひろばにおりてきました。


「メリークリスマス!」

 サンタクロースさんはそりからおりると、ツリーを見上みあげて目をほそめました。

今年ことしはツリーがすばらしいね。だれからのプレゼントかな?」

 すると、子どもたちが「チャロア!」とさけびました。つづけて、おとなたちもこえをあげます。

「これはチャロアの魔法まほうだ!」
「そうだよ! チャロアからのプレゼントだ!」
「チャロア、ありがとう!」
「ありがとう!」

 みんなの言葉ことばくと、チャロアはくびよこにふってわらいます。

「みんなが魔法まほうを使ってくれたから、こんなにきれいなツリーになったんだ」

 サンタクロースさんはそんなチャロアを見つめて、やさしくほほえみました。

「チャロア。きみは、すてきな魔法使まほうつかいだね。きみなら、サンタクロースになれるだろう」


 そのとき
 星空ほしぞらにひとすじの光がながれ、広場ひろばにふってきました。

 ピカッ。

 つよい光が、あたりをつつみます。
 やがて、目をけると……。


 ツリーのてっぺんには、金色きんいろほしがかがやいていました。


「わあっ……!」

 みんなが、よろこびのこえをあげます。

ほしだ! 『かみさまの木』の復活ふっかつだ!」
「きれい!」

 チャロアは、「ゆめのような景色けしきだな」とおもいました。いえ、町中まちじゅうのだれもが、そうおもいました。

「ああ……。あのほしのかがやきを、もう一度いちど見ることができるとは……」

 イオラおじいさんは小さくつぶやき、目からポロリとなみだをこぼしました。

「うれしいねえ。ありがとう……」
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