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翼をください
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「いらっしゃ~い!」
約束の日、満面の笑みで迎えられた。
オートロックの高そうなマンション。
ドアを開けた瞬間、あのときのデパコスの匂いがぶあ~って。
ああ、素敵・・・。
「きゃあ~、翼ちゃん? やだー、かわいい、思った通り」
声が通る。
お母さんこそ・・・きれいすぎ。テレビと同じ。
こんなきれいな人がお母さん・・・片山君を見れば想像つくけど、やっぱ実際見るとすごい。
「・・何度も(画像で)見てんだろうが・・。早く上げろや」駅まで迎えに来てくれた片山くんが隣でぼやく。
「そうね、真琴、どうぞ、入って」
案内された玄関フロアは床ピカピカで塵一つ落ちてなくて、廊下もひっろ~い。薄いベージュのスリッパを出されて恐る恐る足を入れる。
「いつも真琴がお世話になってます。お母さんもいつもすみませんね、大変でしょう、お弁当作りなんて」
「いえいえ、こちらこそ助かります」
お母さんのキャラ弁攻撃が少しでも分散してくれて。
「さあ、どうぞ」
広ーいリビングダイニングの、ダイニングテーブルに着かされる。片山くん、隣に着席。今さらドキドキし出す。
お母さんは一時退散して、奥の冷蔵庫から大きな皿を取り出した。
「さあ、食べて、食べて。言っとくけど、私の手作りじゃないわよ」
「見たらわかるわ」
片山くんが茶々入れたそれは、見るからに高そうなお寿司だった。
これまた高そうなお皿にきれいに整列して。ジュースと、お茶と、グラスが足つきでおしゃれ。おしゃれな雑貨のお店に並んでそう。
部屋の空気からして違う。よそいきの匂いだ。
「やぁだぁ~、本当に思った通りじゃない。○△□♡…にそっくり!」
お母さんは向かい側に座って、うちのお母さんが前言ってたミュージシャンの名前を口にした。
「ああ、それ、母にも言われました」
「でしょ~? もしかして・・・お母さまも彼女のファン?」
「はい。そう言ってました」
「まあ、ホント? うれしいぃ、いつかお会いしたいわ!!」
ずっとテンション高いままで、いつの間にか瞳がウルウルしてる。
「母さん、泣くと化粧が崩れるよ」
片山くん、顔をしかめる。
「大丈夫よ、今日はほぼ眉しかいじってないから」
・・・・! えっ、それって、ほぼ素顔!?
すごーい。お母さんとほぼ同年代だよね!?
透き通る肌、唇もうっすらピンク色。
目もパッチリ。アイラインなしでそれ?
嘘でしょーーー。
「そうは言ってもねえ。トシなんだからさ、ハメ外さないよう気をつけろよ」
「ハイハイ」
・・・これが母と息子の会話かぁ。シンママだからか、片山くん、なんだか息子というよりプチ旦那みたい。
「ぷふっ・・・」
これが胸に刺さり、あたしは吹き出しそうになった。
約束の日、満面の笑みで迎えられた。
オートロックの高そうなマンション。
ドアを開けた瞬間、あのときのデパコスの匂いがぶあ~って。
ああ、素敵・・・。
「きゃあ~、翼ちゃん? やだー、かわいい、思った通り」
声が通る。
お母さんこそ・・・きれいすぎ。テレビと同じ。
こんなきれいな人がお母さん・・・片山君を見れば想像つくけど、やっぱ実際見るとすごい。
「・・何度も(画像で)見てんだろうが・・。早く上げろや」駅まで迎えに来てくれた片山くんが隣でぼやく。
「そうね、真琴、どうぞ、入って」
案内された玄関フロアは床ピカピカで塵一つ落ちてなくて、廊下もひっろ~い。薄いベージュのスリッパを出されて恐る恐る足を入れる。
「いつも真琴がお世話になってます。お母さんもいつもすみませんね、大変でしょう、お弁当作りなんて」
「いえいえ、こちらこそ助かります」
お母さんのキャラ弁攻撃が少しでも分散してくれて。
「さあ、どうぞ」
広ーいリビングダイニングの、ダイニングテーブルに着かされる。片山くん、隣に着席。今さらドキドキし出す。
お母さんは一時退散して、奥の冷蔵庫から大きな皿を取り出した。
「さあ、食べて、食べて。言っとくけど、私の手作りじゃないわよ」
「見たらわかるわ」
片山くんが茶々入れたそれは、見るからに高そうなお寿司だった。
これまた高そうなお皿にきれいに整列して。ジュースと、お茶と、グラスが足つきでおしゃれ。おしゃれな雑貨のお店に並んでそう。
部屋の空気からして違う。よそいきの匂いだ。
「やぁだぁ~、本当に思った通りじゃない。○△□♡…にそっくり!」
お母さんは向かい側に座って、うちのお母さんが前言ってたミュージシャンの名前を口にした。
「ああ、それ、母にも言われました」
「でしょ~? もしかして・・・お母さまも彼女のファン?」
「はい。そう言ってました」
「まあ、ホント? うれしいぃ、いつかお会いしたいわ!!」
ずっとテンション高いままで、いつの間にか瞳がウルウルしてる。
「母さん、泣くと化粧が崩れるよ」
片山くん、顔をしかめる。
「大丈夫よ、今日はほぼ眉しかいじってないから」
・・・・! えっ、それって、ほぼ素顔!?
すごーい。お母さんとほぼ同年代だよね!?
透き通る肌、唇もうっすらピンク色。
目もパッチリ。アイラインなしでそれ?
嘘でしょーーー。
「そうは言ってもねえ。トシなんだからさ、ハメ外さないよう気をつけろよ」
「ハイハイ」
・・・これが母と息子の会話かぁ。シンママだからか、片山くん、なんだか息子というよりプチ旦那みたい。
「ぷふっ・・・」
これが胸に刺さり、あたしは吹き出しそうになった。
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