ハイエルフの幼女は異世界をまったりと過ごしていく ~それを助ける過保護な転移者~

まぁ

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1章 異世界トラバース

1章ー12 幼女とたこ焼き

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お気に入り100超え(結果的には100以上増えました)を
記念して、本日追加の2話目です。

とりあえず、2章まではプロットできてますが、
こんな話読んでみたいとか、ありましたらどしどし教えてください!!
******* 



「ちょっとまってね、クロノく~ん。クロノ君って確か新人さんだったよね? どうしてそんな新人さんがオーク何て倒せたのかな?」

 間延びしたレーラさんの声と、疑惑の目がこちらへ向く。

 「森での戦闘でLVが上がったんじゃないですかね?」

 じぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。

 「あぁ、えっと僕と出会ったときは割とダメージ負っていたんだった。それで、うまいことやって。ブレードさんにも僕の防御技術はすごいって言われたので持久戦なら強いんですよ?」

 嘘も混ぜてしまったが、確かめる術がないはずなので問題ない。

 「そういうことにしておこーか。それで、今回の素材の持ち込みでランクがEからDへ上がったから、これからもがんばってね」

 「ありがとうございます」

 そろそろ、少しでいいから考える時間が欲しい。昨日・今日といろいろなことが起きすぎて処理がまにあわないのだ。

 確かに今の僕は師匠のおかげで物理的には敵はほとんどいないだろうけど、変に目立って生きづらくなるのはいやだし。かといってこのままいろいろ隠しすぎるのも息が詰まる。

 落ち着いたら、そのあたりも覚悟を決めて選ぶとしよう。

 でも、ラノベだとどっちを選んでも結局は目立っていくことを思い出し、ため息をつく。現実は辛いな。

 「あのぉ? クロノさん、クロノさん!」

 「あっ、すいません。それで、ゼーナさん、どうしました?」

 「もしよろしければ私をパーティーに入れてくれませんか?」

 「パーティーですか?」

 僕は後ろにいる幼女とワンコロを見て、首をかしげる。これって冒険者のパーティーとして成立してるのか?

 2人が横に並び共に口をあけ、首を傾げながらこちらを見返してきた。

 その姿がさらに冒険者とのイメージから遠ざかる。これは冒険者ではなくお使い中の子どもと犬だ。

 「えっと、問題はないですけど、どうしてまた?」

 「いえ、私も冒険者の端くれ。ここまでかかわったのなら顛末が知りたいというのが本音です。もちろん、大事件を防げたら謝礼も多そうですしね」

 と、最後に舌を出して笑うゼーナさん。絶世の美女、とは言えないけれどかわいらしい女性だと思う。話し方も丁寧だし、大人として会話できるのもポイントだ。エレナは子ども、ポチは犬だからね。

 「それじゃ、明日からまた森を探索でもしますか?」

 僕の提案の受け明日からは4人で探索することになった。ゼーナさんは別の宿をとっているらしいので朝、門で待ち合わせすることに。

 「おにいちゃん、エレナ、あのおねえちゃん、いやっ!」

 「うん? どうしたの、意地悪でもされたの?」

 「んーん、じゃない。けど」

 エレナが僕の服をつんつん引っ張りながら話す。その表情は少しくらい。元気になってからは一度も見てない顔だ。

 うん? もしかして彼女と出会ってからエレナと話す量が減ったからやきもちでも焼いているのかな。子どもって自分に興味を持ってもらうために悪さとかするって何かで読んだ気がするし。

 「大丈夫だよ、エレナ。おにいちゃんはずっとエレナといっしょだし、明日からはたくさん、たくさん遊ぼう!」

 「やったぁ~、遊ぶお~。でもいやっ、おねえちゃん」

 こんな感じでなかなか納得してくれないエレナを説得するのは大変だった。なにか言いたいことがあるんだろうけどうまく言葉にできないんだろう、何回も言葉を飲み込む場面が見受けられた。

 それも成長の礎になるはずだ。無駄にならないよ、エレナ。そして僕はエレナに何があっても守るから。ずっと一緒だから、おにいちゃんは強いんだよって説得したところなんとか最後には納得してくれた。

 僕とエレナがずっと話している間ポチは気持ちよさそうに日光を浴び寝ていた。

 って、おい! お前の主が困ってるんだ、こういう時こそ助けなさい!!


 森へ行くのは明日なので半日ほど暇ができてしまった。そこで僕たちは3人で街をふらつくことにした。 

 今までも気になったのだが、この世界には日本の文化が混じっているよう感じた。冒険者達の一部が使う刀、この西洋ぽい世界には合わないと思うのは僕が日本人だからか。

 まぁ、武器なんかどうでもいいんだ。大事なのは食。どのラノベでも転生した日本人達は食文化に影響を与えまくっている。これもその影響なんだよね? 

 神界にいるときは修行や自分のことばかりで忘れていたけど、もしかしたら僕の他にも転生、転移してきた日本人がいるのかもしれない。師匠にちゃんと聞いておけばよかったかな、と少しだけ思ったりもした。

 だが、それ以上に覚えることがあったので、このことを後回しにしてしまったことに後悔はない。

 別の転移・転生者か。テンプレで言えば過去の勇者や王国の祖とかが日本人だったり。

 そんなことを考えながら僕はエレナとポチを連れて街に出てる露店を見て回る。

 「おにいちゃん、あれ~」

 広場を歩いているとエレナが急に止まり一つの屋台を指さす。指さしたお店の商品名は≪オクトボール≫だ。

 うん、たこ焼きだね。そしてこの世界にもタコはいたんだね。

 「まぁ~りゅくて、かわいい」

 目を見開いてにまぁ~とした笑顔だ。おまけにその声はとても楽しそう。

 それにしても、かわいいのかな?ハイエルフの謎感性はここでも発揮されたようだ。

 「あれは、食べ物だよ。食べてみる?」

 「うんっ」

 首をぶんぶんと上下させエレナ。首傷めないようにね。

 『主、その、わた――』

 『ポチの分もちゃんと買うよ、安心して』

 ポチに念話でそう答えると、よほどうれしかったのか辺りを駆け回る。魔王種がそんなのでいいのか? このパーティーの常識人として僕が頑張らないといけない、そう思った。

 「おじさん、このオクトボール、4人分頂戴」

 「あいよ、1つ銅貨2枚だから・・・・・・。銅貨8枚だな」

 「ありがとう。はい、エレナ。熱いから気を付けてね」

 僕たちは広場の片隅へと移動し早速たこ焼き、オクトボールを食べてみる。

 「ふーふーふー、あっち。でも美味しいな。味もたこ焼きとまったく同じだ。ありがとう、これで日本食が食べられる可能性がぐっとあがったよ」

 僕の独り言に首を傾け、はてなマークを浮かべるエレナ。

 「気にしないでいいよ。それよりも早く食べな。冷めたら美味しくなくなっちゃうよ!」

 僕の言葉を聞いて、それはいけないとばかりに急に食べよう始めようとするエレナ。

 「あっ、待った。そんなに急ぐとやけどするよ」

 僕はエレナのタコ焼きをふーふーふーして少し覚ましてあげた。それをおいしそうに食べるエレナを見ると心が癒された。おいしいもかわいいも正義だ。

 足元で熱さのあまりのたうちまわっているポチ。あ、ごめん。注意するの忘れてた・・・・・・。
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