ハイエルフの幼女は異世界をまったりと過ごしていく ~それを助ける過保護な転移者~

まぁ

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1章 異世界トラバース

1章ーA 幼女の冒険(街でのお買い物)

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 番外編になります。 時系列として19話と20話の間と思ってもらってOKです。
 試しに視点を変えて書いてみました。
*********************

「んにゃ~」

 ベッドで横になっていた少女は伸びをしながらその体を起こす。彼女の名前はエレナ、ハイエルフの幼女である。

 彼女の目にうつる保護者、クロノ少年は椅子に座りながら突っ伏している。早起きをして、街を出るための作業をしていたが、途中で眠たくなりそのまま寝てしまったらしい。

 「うんしょっと」

 彼女ベッドから飛び降りると服を着替える。どうやらお出かけをするみたいだ。その手にはおにいちゃんからもらった銅貨が数枚握られている。

 今のエレナの頭には広場で食べた美味しいものしかない。

 「ぽち、行ってくるね~」

 「わん」

 ポチと呼ばれる犬、ではなく魔王種のフェンリルなのだが、は主であるクロノに犬みたいと呼ばれ、なんとなく返事は犬みたいにわん、と鳴いているのだが深い意味はない。

 エレナは少し高めにあるドドアノブを回すためにつま先をぴーん、とさせ精一杯背伸びをする。

 「ん、んにゅー」

 気合(?)を入れてさらに手を伸ばすとなんとかドアノブに手が届き、扉を開けることに成功する。

 そしてすぐに駆け出し、はしない。鏡で姿をチェックしお金の確認もする。彼女の頭にちょこんと飾られたリボン、腕に巻いたブレスレット、そして指につけたリング。すべて大好きなおにいちゃんからもらったものだ。

 買ってもらった服ももちろんお気に入りだけど、それ以上の愛着をこのアクセサリーにエレナは持っている。ちなみ、このアクセサリーはそのおにいちゃんがエレナにためにといろいろなスキルを詰め込んでいるのだが、エレナはそれを知らない。

 おませなエレナはちゃんと自分の服装とアクセサリーをチェックすると

 「いってきましゅ」

 「わん」

 ポシェットをかけて走り出すエレナ。階段を降り、宿の女将さんや従業員の横を通り抜けるが皆仕事で忙しくて誰もエレナには気づいてない。

 てくてくと歩くエレナ、その後ろを歩くポチ。

 「あれ? ポチもいく?」

 宿を出るとポチの存在に気付いたエレナはコテンと首を傾けてポチに尋ねる。

 「わん」

 「いしょ~」

 もちろんポチは散歩がしたかったわけではなnい。主クロノに命じられたエレナを守る、という命令を守るためだ。

 そんなことを知らないエレナは

 「ポチにもおにきゅあげりゅね」

 「わん?」

 てくてくと広場に向かうエレナ、その横にしっかりとついて歩くポチ。

 「おにきゅ、おにきゅ、おいしい~おにきゅ、ふんふふ~ん」

 お日様がポカポカと街の人々を照らす中、陽気な天気につられ気分も陽気になったようだ。

 広場に着くと、そこには串焼きやスープにオクトボールなど様々な食べ物の露店が連なっている。

 「ぽち、どれにすりゅ?」

 なんて、聞いているもののその足はしっかりと肉串の露店へと向かっている。

 「金がないなら、帰んな。スラムの奴に施すものはねーよ」

 「妹が飢えてるんだ、働いて返すから、お願いだ」

 少年が露店の前で土下座をしながら店主へとお願いをする。その服装はぼろぼろで、体には痣やケガをしている。この肉串屋に来る前にも何件かで同じようにして、乱暴にあしらわれたのだ。幸いにもここの店主は幸いにもそういった荒っぽい方法はとらなかったのだが、

 「どっかいきな、しつこいと警備兵を呼ぶぞ」

 結局はそう店主に言われると、少年はあきらめたのかとぼとぼと店を離れ、広場の中心に位置する噴水の脇で蹲ってしまった。

 そんなやり取りを見終わったエレナは露店の前まで行き、高い高い台を見上げ、懸命に声をかける

 「お、お、おじさん。これみっちゅちょうだい」

 「おぉ、嬢ちゃんお母さんかお父さんはどこだ?」

 「んー、いない」

 「そ、そっか。変なことを聞いたな」

 「でも、おにいちゃんいりゅよ」

 「そ、うか。それでお金はもっているか?」

 「これでたりゅ?」

 エレナは持っていた銅貨の全て、5枚をポシェットからとりだし店主へと渡す。

 「う~ん、この肉串は1本銅貨2枚だから、3本だと銅貨1枚足りないな。でも、さっき俺も変なこと言っちまったし、おまけしておくよ」

 「おまけ?」

 「あぁ、ちょっと待ってな」

 エレナは言われるがまま銅貨を5枚店主に渡す。まだ5歳のエレナに計算何てできないので、なにがおまけなのかはわかっていないだろう。まじめな店主でよかったね、エレナ。

 少し待つと、3本の肉串をもった店主が奥から戻ってくる。

 「はいよ、熱いから気をつけな。たれは好きなのかけていいぞ」

 「ありあと~」

 「ははは。ありがと、だぜ嬢ちゃん」

 豪快に笑う店主からもらった3本のうち1本をポチに上げ残りを両手に持ち噴水の方へてこてこと歩いていく。その様子はいつ転ぶかわからないほどよたよたとしており、過保護な保護者がいたらダッシュでかけよっているだろう。

 両手に自分の顔よりも大きな串を2本も持ってあるく様子は見ているものの心を癒してくれる。そして、その後ろの串の木の部分を加え器用に肉串を運ぶ姿のポチ、犬の姿は人々に不思議な感情を抱かせる。

 なんであの犬肉の部分を咥えないんだ? てか、器用に棒を歯で挟んでるし。と周囲の人のは思ったのだ。

 「はい、あげりゅ」

 エレナが話しかけたのは先ほど肉串屋の前で土下座をしていた少年だ。

 「ふん、施しなんて――」

 ぐるぅぅぅぅぅ。

 少年のお腹の音を聞くとポチも一歩前に出て加えていた肉串を少年に押し付けようとする。

 「あ、あ、ありがたくもらっておいてやるよ。礼は言わねえぞ」

 「どうじょ~」

 「わん」

 少年は奪い取るようにエレナとポチか手と口から持っていく。

 「ばぁ~い」

 エレナはそんな少年に肉串を持ってない方の手を振る。

 よくわかんないけど、おいしいものはみんなで食べたほうがいい。そう思うエレナは肉串を食べたがっていた少年にそれを渡したかっただけらしい。そこに貧困や身分などはなく、子ども故純粋に幸せ、おいしいものを分かち合いたかっただけだ。

 去り際に少年がちらりと見せた笑顔を見たエレナはそれで満足してしまったのだ。
 
 まだまだ食べたりないけどおにいちゃんからもらった銅貨は全部使ってしまった。エレナは噴水のそばでパクパクと串からお肉を食べると、半分をポチに上げる。

 「わん」

 「これはポチの」

 エレナには大きいお肉もポチは軽く一口で食べてしまった。

 「おいちかったねぇ~」

 「わん、わん」

 「かえろ~」

 「わん」

 2人は来た道をまたてくてくと歩き宿へと戻る。

 帰る道中、エレナは何人かのガラの悪い男の囲まれてしまった。それは大通りから中に入った道を高価な服を着て歩いていたのでいい金蔓になると思ったスラムの馬鹿達がエレナをさらおうと考えたのだ。

 「おじょう、ぐはっ」

 「おじさんと?? あれ? 近づけない?」

 「ねえねぇ? いてぇー、なんだこれ血出てるぞ。なんだ?」

 なんてことをいう男たちがエレナの周りにいたのだが、なぜか半径数メートル以内には決して入ってこなかった。

 「わん」

 なぜかポチがドヤ顔で吠える・・・・・・。

 結果として無事に宿に戻る2人だが、部屋に戻るとエレナは酷く驚かされた。

 なぜか、それは大好きなおにいちゃんと目が合うとおにいちゃんが文字通り飛んできたのだ。

 「心配したんだよ、目を覚ましたらいないから、てっきり」

 「ポチとね、おにきゅ食べにいったの」

 「え、お肉? ポチと?」

 「うん、すごくすごくおいしかったの」

 「まぁ、無事でなにより。でもそんなに美味しかったのか。またおにいちゃんも連れてってね」

 「うん、まかしぇて!!」

 おにいちゃんの腕の中で楽しそうに外での話をするエレナ。

 おとこのがね・・・・・。おにきゅ・・・・・・・おまけ・・・・・・。

 エレナの話をうんうんと頷き聞くクロノ。

 その光景はとっても幸せそうです。


 すぐそばの広場だけど小さなエレナにとって、それは冒険と言ってもいいのではないのでしょうか。

 すーぴぃー、すーすーぴぃぃぃぃ。

 疲れて寝てしまったエレナをベッドに寝かせ椅子へと腰かける、クロノ。

 「ぽち、そこにお座り」

 「わん?」

 この後、主様になんでエレナを止めなかったんだ? とか僕も一緒に行きたっか。 ポチだけずるい等々、わけのわからないご主人の話をポチはうんうんと頷きながら聞くのであった。


 つづく?
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