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おまけ:真夜中の女子会
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「ねえお姉ちゃん。いつからグレイと付き合ってたの?私全然知らなかったよ。」
「ちゃんと付き合ったのは、一ヶ月くらい前かな。お母さんのことをグレイに相談して…その流れで…」
「えー!言ってよう!応援したのに!」
「ごめんね、お母さんが良くなるまでは皆暗かったし…言い出しにくくて。そろそろアンには言おうと思ってたの。」
「でも意外だなあ!あの無口なグレイとお姉ちゃんの組み合わせ!いつから仲良かったの?仲良くなかったら相談とかもしないでしょ?」
「え?私とグレイは小さい頃から、ずっと仲がよかったわよ?知らなかったの?」
「えー?知らないよ!?何それ!」
「私昔は男の子によく揶揄われて嫌だったから…女の子と一緒じゃない時は、大体いつもグレイと一緒にいたわよ?グレイと一緒の時は何故か誰も絡んでこないから、本当にありがたかったもの。」
「多分私だけじゃなく他の人もお姉ちゃんとグレイが仲良かったなんて知らないと思うよ。でもグレイって確かに不思議なとこあるよね。気がついたらいる、いつの間にかいなくなってる、みたいな…」
「そうかしら?私はグレイがいればすぐに気付くけど…」
「愛の力ね!」
「そんな…」
『グレイは生まれつき隠密スキルを持っています。そしてゲイリーとリラは看破のスキルを持っていますね。グレイの隠密も二人には効かないでしょう。』
(なるほど…突然の解説ありがとうアイ!それにしてもアンの質問責めで私が口挟む余地ないなあ。まあ黙ってても面白い情報が入ってくるから良いか。ゴロゴロしながら聞いちゃおうっと。)
『良いと思います。』
「グレイとは良く村の外の野原で遊んだわ。私の赤毛と同じ色の花を見つけては私にくれて…」
「だから我が家はいつも赤い花が飾ってあるの!?全部グレイから貰ってたの!?言ってよー!赤だけじゃつまらないと思って、私勝手に黄色の花とか混ぜてたよ、ごめんお姉ちゃん!」
「ふふ、良いのよ。確かに赤だけじゃバランス悪いわよね。そういうセンスはないの、グレイは。」
「きゃー!もう奥さんみたいな事言って!」
「ち、違うわよ、それくらいは皆知ってるでしょう?」
「知らないよー!グレイは未来の村長だけど、いつも謎に包まれてるって皆言ってるわ。グレイの家族以外に、グレイの事詳しく知ってる人なんてお姉ちゃんくらいだよ?私だってどんな人かは知らなかったし…でもすっごくカッコいいね!」
「え?だ、だめよ、グレイは…」
「分かってるって、横恋慕なんてしないよ!あーあ、私にも王子様みたいにかっこいい人来ないかなあ。」
「オリバーは?」
「年下じゃない!あの子ちょっとお父さんっぽいし、無理よ!」
「あー、なんとなくわかるわ。」
「ねえ、もうキスしたの?」
「え!?」
「あ!その反応、したのね!?いつ?どこで?どんな感じだった?」
「え?えーっと、その…先週くらいに、森で…お母さんが良くなってよかったって、リラの笑顔が好きだからって言ってくれて…その、流れで…」
「きゃー!!そ、その先は!?先の事は!?」
「し、してないわよ!グレイだってそんなに手は早くないわ!」
「でも、まだ付き合って一ヶ月しか経ってないのよ!?その間に手を繋いで、キスまでするなんて…!」
「手は付き合う前からよく繋いでたから…」
「きゃー!は、破廉恥よ!どういう事なの!?」
「ちょ、静かにして、人に聞かれるわ。どういう事も何も、小さい頃から仲がよかったんだから手くらい繋ぐでしょ?グレイだって当たり前に繋いできたわよ?」
「繋がないよ!逆に聞くけど私が男の人と手を繋いでるところ見たことあるの?」
「ないわね…」
「ほらね!お姉ちゃんグレイに騙されてるのよ!良い意味で!!」
「良い意味で??」
「はあ…お姉ちゃんがそんなに進んでいたなんて…私なんてまだ好きな人もいないのに…」
「そ、それより私が言った事誰にも言わないでよ?内緒よ?カオリも秘密にしてね?」
「あれ?カオリ寝ちゃってるよ。」
「あら?本当だわ。随分静かだと思ったら…」
「なんだあ。この後カオリの恋話も聞こうと思ってたのにー。」
「もしかしてこういう話あまり興味なかったのかしら…悪いことしたわね。」
「えー?でもこんな可愛いんだよ!?恋話の10や20持ってそうじゃない!」
「そんなにはないでしょ…それに一人で旅をしてるんだもの。恋人がいたらそんなことしないでしょ。」
「ちぇー。つまんないの!」
「それにしてもカオリも謎が多いわよね…確か北の方から南下してきたって言ってたけど…他の村にはあまり行ったことがないような口ぶりだったわ。」
「そういえばそうね。魔力なしの文化にも驚いてたし。」
「もしかしてラダ山脈を越えて来たのかしら?」
「え!?あの山を?確かにこの村のすぐ北って言うとラダ山脈だけど…グルって迂回してきたんじゃないの?」
「でもそれなら道中結構な数の宿場町があるわ。それらを素通りするなんて事も考えられないし…」
「あの山険しいし強い魔物はウジャウジャいるし普通の人は近づかないから盗賊とか凶悪犯とかが住み着いてるって…そんな危ない山を女の子一人で?」
「そういえば収納魔法があるのに旅の道具をなくしたのも不思議よね…もしかして山で野営中に盗賊に襲われたんじゃ…」
「それでそのまま逃げてきたってこと…?」
「それなら野営セットまでなくした事も納得がいくわ。きっとすごい怖い思いをしてこの村に逃げ込んできたのよ…」
「そんな…」
「何も言わないって事は、きっと話したくない事なんだわ。無理に聞くのはやめましょう。」
「そうだね…」
『では今後はそのような設定でいきましょう。』
(むにゃ…)
「ちゃんと付き合ったのは、一ヶ月くらい前かな。お母さんのことをグレイに相談して…その流れで…」
「えー!言ってよう!応援したのに!」
「ごめんね、お母さんが良くなるまでは皆暗かったし…言い出しにくくて。そろそろアンには言おうと思ってたの。」
「でも意外だなあ!あの無口なグレイとお姉ちゃんの組み合わせ!いつから仲良かったの?仲良くなかったら相談とかもしないでしょ?」
「え?私とグレイは小さい頃から、ずっと仲がよかったわよ?知らなかったの?」
「えー?知らないよ!?何それ!」
「私昔は男の子によく揶揄われて嫌だったから…女の子と一緒じゃない時は、大体いつもグレイと一緒にいたわよ?グレイと一緒の時は何故か誰も絡んでこないから、本当にありがたかったもの。」
「多分私だけじゃなく他の人もお姉ちゃんとグレイが仲良かったなんて知らないと思うよ。でもグレイって確かに不思議なとこあるよね。気がついたらいる、いつの間にかいなくなってる、みたいな…」
「そうかしら?私はグレイがいればすぐに気付くけど…」
「愛の力ね!」
「そんな…」
『グレイは生まれつき隠密スキルを持っています。そしてゲイリーとリラは看破のスキルを持っていますね。グレイの隠密も二人には効かないでしょう。』
(なるほど…突然の解説ありがとうアイ!それにしてもアンの質問責めで私が口挟む余地ないなあ。まあ黙ってても面白い情報が入ってくるから良いか。ゴロゴロしながら聞いちゃおうっと。)
『良いと思います。』
「グレイとは良く村の外の野原で遊んだわ。私の赤毛と同じ色の花を見つけては私にくれて…」
「だから我が家はいつも赤い花が飾ってあるの!?全部グレイから貰ってたの!?言ってよー!赤だけじゃつまらないと思って、私勝手に黄色の花とか混ぜてたよ、ごめんお姉ちゃん!」
「ふふ、良いのよ。確かに赤だけじゃバランス悪いわよね。そういうセンスはないの、グレイは。」
「きゃー!もう奥さんみたいな事言って!」
「ち、違うわよ、それくらいは皆知ってるでしょう?」
「知らないよー!グレイは未来の村長だけど、いつも謎に包まれてるって皆言ってるわ。グレイの家族以外に、グレイの事詳しく知ってる人なんてお姉ちゃんくらいだよ?私だってどんな人かは知らなかったし…でもすっごくカッコいいね!」
「え?だ、だめよ、グレイは…」
「分かってるって、横恋慕なんてしないよ!あーあ、私にも王子様みたいにかっこいい人来ないかなあ。」
「オリバーは?」
「年下じゃない!あの子ちょっとお父さんっぽいし、無理よ!」
「あー、なんとなくわかるわ。」
「ねえ、もうキスしたの?」
「え!?」
「あ!その反応、したのね!?いつ?どこで?どんな感じだった?」
「え?えーっと、その…先週くらいに、森で…お母さんが良くなってよかったって、リラの笑顔が好きだからって言ってくれて…その、流れで…」
「きゃー!!そ、その先は!?先の事は!?」
「し、してないわよ!グレイだってそんなに手は早くないわ!」
「でも、まだ付き合って一ヶ月しか経ってないのよ!?その間に手を繋いで、キスまでするなんて…!」
「手は付き合う前からよく繋いでたから…」
「きゃー!は、破廉恥よ!どういう事なの!?」
「ちょ、静かにして、人に聞かれるわ。どういう事も何も、小さい頃から仲がよかったんだから手くらい繋ぐでしょ?グレイだって当たり前に繋いできたわよ?」
「繋がないよ!逆に聞くけど私が男の人と手を繋いでるところ見たことあるの?」
「ないわね…」
「ほらね!お姉ちゃんグレイに騙されてるのよ!良い意味で!!」
「良い意味で??」
「はあ…お姉ちゃんがそんなに進んでいたなんて…私なんてまだ好きな人もいないのに…」
「そ、それより私が言った事誰にも言わないでよ?内緒よ?カオリも秘密にしてね?」
「あれ?カオリ寝ちゃってるよ。」
「あら?本当だわ。随分静かだと思ったら…」
「なんだあ。この後カオリの恋話も聞こうと思ってたのにー。」
「もしかしてこういう話あまり興味なかったのかしら…悪いことしたわね。」
「えー?でもこんな可愛いんだよ!?恋話の10や20持ってそうじゃない!」
「そんなにはないでしょ…それに一人で旅をしてるんだもの。恋人がいたらそんなことしないでしょ。」
「ちぇー。つまんないの!」
「それにしてもカオリも謎が多いわよね…確か北の方から南下してきたって言ってたけど…他の村にはあまり行ったことがないような口ぶりだったわ。」
「そういえばそうね。魔力なしの文化にも驚いてたし。」
「もしかしてラダ山脈を越えて来たのかしら?」
「え!?あの山を?確かにこの村のすぐ北って言うとラダ山脈だけど…グルって迂回してきたんじゃないの?」
「でもそれなら道中結構な数の宿場町があるわ。それらを素通りするなんて事も考えられないし…」
「あの山険しいし強い魔物はウジャウジャいるし普通の人は近づかないから盗賊とか凶悪犯とかが住み着いてるって…そんな危ない山を女の子一人で?」
「そういえば収納魔法があるのに旅の道具をなくしたのも不思議よね…もしかして山で野営中に盗賊に襲われたんじゃ…」
「それでそのまま逃げてきたってこと…?」
「それなら野営セットまでなくした事も納得がいくわ。きっとすごい怖い思いをしてこの村に逃げ込んできたのよ…」
「そんな…」
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「そうだね…」
『では今後はそのような設定でいきましょう。』
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