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トルソンの街5
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「何か手伝おうか?」
「滑車を使うにはぶら下げるところがないと駄目なので、テントみたいな骨組みだけ簡単に作ろうと思って。」
「なるほど。」
「ロープで固定するので、ここ押さえていてください。」
一本の角材の両端に逆Vの字に二本ずつ角材をロープで固定する。それを立たせれば、少し不安定だが井戸の真上に角材を渡すことができた。先ずはそこに定滑車をひとつ設置し、ロープを通す。
「できました。やってみてください。」
「じゃあ僕が…」
腰の曲がったゼアの代わりに、サイモンが前に出る。サイモンは上から吊り下がっているロープを握り、引っ張った。
「うん、やっぱり楽だ。腰の負担が少ないね。」
「じゃあ次はこれに動滑車をつけます。」
香織は動滑車を設置し、ロープの先をサイモンに手渡した。
「やってみてください。ロープが短くなってるので、落とさないように気を付けてくださいね。」
「どれどれ…」
サイモンがロープを引くと、スルスルとバケツが井戸から上がってきた。
「っ!これは…確かにバケツが軽くなった…ちゃんと水は入ってるかい?」
「入ってますよ。引く距離が二倍になる代わりに、力が半減するんです。これで納得してもらえましたか?」
「もちろん!すごいよ、カオリ!車輪をこんな風に使うなんて、誰も思いつかなかったよ。」
「本来は井戸の上に屋根を作り、梁に設置して使うものです。小さな村の大工さんでも話を聞いただけで作れましたから、恐らく本職の方なら誰でも作れるかと。」
「ふむ…わかった、これも商品登録しよう。先ずは部屋に戻ろうかね。」
部屋に戻った香織は、まず紅茶で渇いた喉を潤した。
「ふう…」
「わざわざ実演してもらって悪かったね。」
「いえ、話だけではわかりにくいですから。」
「じゃあ滑車の名前で登録しておくよ。これも許可制にするかい?」
「お願いします。」
「またクレール商会で売り出す気かい…まあ悪くないがね。ものは相談なんだが、アンタ、この滑車の権利をうちに売ってくれないかい?」
「え?」
「ギルマス、それは…」
「部外者は黙ってな。これは売れるよ。独占すれば利権にもなる。もちろんアンタに損はさせない。一生遊んで暮らせるだけの金で買い取るし、最初の一年は売り上げの三割を支払おう。」
「えっと…何故そこまでして買い取りたいんですか?」
「魔力なしの全ての人間が求めていることだからさ。これは誰もが欲しがる。独占すれば皆ギルドに媚を売るだろう。技術を真似るのは簡単だろうが、そういう奴はギルドが簡単に潰せる。」
「つまり人を選んで売るということですか?」
「ああ。販売数は大したことはないかも知れんが、単価を高く設定する。充分な利益は望めるさ。まあ数年で普及してしまうだろうが、それまでは充分利用価値があるのさ。」
「なるほど…」
「アンタにとっても悪い話じゃないだろう。充分な金を用意する。アンタの名前も開発者として注目されるだろう。ギルドは全国に展開しているからね。」
「…」
「カオリ、僕は…」
「アンタの意見なんて聞いちゃいないよ、クレール商会。カオリが決めるまで黙ってな。」
ゼアに睨まれ、サイモンは口をつぐんだ。香織は顎に手を当てしばらく考えていたが、答えが出たのかゼアの目を真っ直ぐ見て口を開いた。
『申し訳ありませんがお断りします。』
「ふん…理由を言ってみな。」
『私は魔力のない人達が楽に暮らせるようにという気持ちでこの滑車を作りました。ギルドの得になる人達にしか売らないのであれば、きっと辺境の村々には行き渡らないでしょう。それは私の本意ではありません。』
「そんな理由で利益を捨てると?」
『お金は欲しいですよ、だから許可制にしたんですし。でも大金に目が眩み本来の目的を忘れるわけにはいきません。皆に広めたい、でもお金も欲しい。クレール商会ならその二つの願いを同時に叶えてくれます。何故なら跡取りのサイモンさんが直接辺境の村にまで行商に行くような商会ですから。』
「カオリ…」
『それにサイモンさんと、商品を卸すならクレール商会にと約束しました。商売は信用が第一、ですよね?』
「カオリー!」
「はは!ボーッとしたお嬢ちゃんかと思ったがちゃんと自分の考えを持ってるのかい。面倒くさいね。子供なら金をやれば思い通りに行くと思ったんだがね。」
『ご期待に添えず申し訳ありません。』
(アイ、言いたいこと言ってくれてありがとう!ゼアさんが怖くてはっきり言えそうになかったから…)
『交渉が苦手でしたら私がいつでも代役を務めますのでご安心ください。それでは肉体の支配権をマスターに返還します。』
人と交渉ごとをするのが苦手な香織は、自分ではこの歴戦の商人に勝てないと、考えこむフリをしてアイと入れ替わっていた。アイは見事ゼアを納得させ、元の形に戻してくれた。
「じゃあ、話はこれでお終いだね。とりあえず滑車もミナミセッケン草もクレール商会にだけ許可を出しておくよ。値段交渉は勝手にやっとくれ。売り上げの二割がアンタに入るよ。」
「ありがとうございます。あ、それと…」
香織はゼアに近づき、ハイヒールを使った。
「ん?アンタ何を…」
「私本業は治癒師なんです。お近付きの印に、腰治しておきました。歩きにくかったでしょう?」
「んん?お、おお…腰が、真っ直ぐ伸びる…!」
「加齢で骨が弱くなって、変形しちゃったんですね。骨粗鬆症も亀背も治しましたけど、乳製品とかたくさんとって適度に身体を動かして骨を強くすると良いですよ。このままだと、転んだだけで骨を折って寝たきりになっちゃいますから。」
「なんだい、アンタ、商人見習いじゃないのかい。」
「この街に滞在している間は冒険者ギルドで治療していますので何かあればどうぞ。治療一回銀貨5枚です!」
「ははは!私に営業かけようってのかい!面白い、古い友人にでも声をかけてみるかね。」
「よろしくお願いします。」
ーーーーーーーーー
「いやあ、カオリも商魂たくましいね、あのギルマスに宣伝するなんて。」
「いえ、あの丸い背中が気になってしまって…」
商品登録を無事終え、香織達はクレール商会に戻る途中だ。
「カオリは商人に向いてるよ。あの気迫の中、自分の意見を貫き通せるんだから。」
「私は治癒師ですから。商売はサイモンさんにお任せします。」
「任せてよ!ミナミセッケン草も滑車も全国に広めて見せるよ!」
「頼りにしてます。」
「滑車を使うにはぶら下げるところがないと駄目なので、テントみたいな骨組みだけ簡単に作ろうと思って。」
「なるほど。」
「ロープで固定するので、ここ押さえていてください。」
一本の角材の両端に逆Vの字に二本ずつ角材をロープで固定する。それを立たせれば、少し不安定だが井戸の真上に角材を渡すことができた。先ずはそこに定滑車をひとつ設置し、ロープを通す。
「できました。やってみてください。」
「じゃあ僕が…」
腰の曲がったゼアの代わりに、サイモンが前に出る。サイモンは上から吊り下がっているロープを握り、引っ張った。
「うん、やっぱり楽だ。腰の負担が少ないね。」
「じゃあ次はこれに動滑車をつけます。」
香織は動滑車を設置し、ロープの先をサイモンに手渡した。
「やってみてください。ロープが短くなってるので、落とさないように気を付けてくださいね。」
「どれどれ…」
サイモンがロープを引くと、スルスルとバケツが井戸から上がってきた。
「っ!これは…確かにバケツが軽くなった…ちゃんと水は入ってるかい?」
「入ってますよ。引く距離が二倍になる代わりに、力が半減するんです。これで納得してもらえましたか?」
「もちろん!すごいよ、カオリ!車輪をこんな風に使うなんて、誰も思いつかなかったよ。」
「本来は井戸の上に屋根を作り、梁に設置して使うものです。小さな村の大工さんでも話を聞いただけで作れましたから、恐らく本職の方なら誰でも作れるかと。」
「ふむ…わかった、これも商品登録しよう。先ずは部屋に戻ろうかね。」
部屋に戻った香織は、まず紅茶で渇いた喉を潤した。
「ふう…」
「わざわざ実演してもらって悪かったね。」
「いえ、話だけではわかりにくいですから。」
「じゃあ滑車の名前で登録しておくよ。これも許可制にするかい?」
「お願いします。」
「またクレール商会で売り出す気かい…まあ悪くないがね。ものは相談なんだが、アンタ、この滑車の権利をうちに売ってくれないかい?」
「え?」
「ギルマス、それは…」
「部外者は黙ってな。これは売れるよ。独占すれば利権にもなる。もちろんアンタに損はさせない。一生遊んで暮らせるだけの金で買い取るし、最初の一年は売り上げの三割を支払おう。」
「えっと…何故そこまでして買い取りたいんですか?」
「魔力なしの全ての人間が求めていることだからさ。これは誰もが欲しがる。独占すれば皆ギルドに媚を売るだろう。技術を真似るのは簡単だろうが、そういう奴はギルドが簡単に潰せる。」
「つまり人を選んで売るということですか?」
「ああ。販売数は大したことはないかも知れんが、単価を高く設定する。充分な利益は望めるさ。まあ数年で普及してしまうだろうが、それまでは充分利用価値があるのさ。」
「なるほど…」
「アンタにとっても悪い話じゃないだろう。充分な金を用意する。アンタの名前も開発者として注目されるだろう。ギルドは全国に展開しているからね。」
「…」
「カオリ、僕は…」
「アンタの意見なんて聞いちゃいないよ、クレール商会。カオリが決めるまで黙ってな。」
ゼアに睨まれ、サイモンは口をつぐんだ。香織は顎に手を当てしばらく考えていたが、答えが出たのかゼアの目を真っ直ぐ見て口を開いた。
『申し訳ありませんがお断りします。』
「ふん…理由を言ってみな。」
『私は魔力のない人達が楽に暮らせるようにという気持ちでこの滑車を作りました。ギルドの得になる人達にしか売らないのであれば、きっと辺境の村々には行き渡らないでしょう。それは私の本意ではありません。』
「そんな理由で利益を捨てると?」
『お金は欲しいですよ、だから許可制にしたんですし。でも大金に目が眩み本来の目的を忘れるわけにはいきません。皆に広めたい、でもお金も欲しい。クレール商会ならその二つの願いを同時に叶えてくれます。何故なら跡取りのサイモンさんが直接辺境の村にまで行商に行くような商会ですから。』
「カオリ…」
『それにサイモンさんと、商品を卸すならクレール商会にと約束しました。商売は信用が第一、ですよね?』
「カオリー!」
「はは!ボーッとしたお嬢ちゃんかと思ったがちゃんと自分の考えを持ってるのかい。面倒くさいね。子供なら金をやれば思い通りに行くと思ったんだがね。」
『ご期待に添えず申し訳ありません。』
(アイ、言いたいこと言ってくれてありがとう!ゼアさんが怖くてはっきり言えそうになかったから…)
『交渉が苦手でしたら私がいつでも代役を務めますのでご安心ください。それでは肉体の支配権をマスターに返還します。』
人と交渉ごとをするのが苦手な香織は、自分ではこの歴戦の商人に勝てないと、考えこむフリをしてアイと入れ替わっていた。アイは見事ゼアを納得させ、元の形に戻してくれた。
「じゃあ、話はこれでお終いだね。とりあえず滑車もミナミセッケン草もクレール商会にだけ許可を出しておくよ。値段交渉は勝手にやっとくれ。売り上げの二割がアンタに入るよ。」
「ありがとうございます。あ、それと…」
香織はゼアに近づき、ハイヒールを使った。
「ん?アンタ何を…」
「私本業は治癒師なんです。お近付きの印に、腰治しておきました。歩きにくかったでしょう?」
「んん?お、おお…腰が、真っ直ぐ伸びる…!」
「加齢で骨が弱くなって、変形しちゃったんですね。骨粗鬆症も亀背も治しましたけど、乳製品とかたくさんとって適度に身体を動かして骨を強くすると良いですよ。このままだと、転んだだけで骨を折って寝たきりになっちゃいますから。」
「なんだい、アンタ、商人見習いじゃないのかい。」
「この街に滞在している間は冒険者ギルドで治療していますので何かあればどうぞ。治療一回銀貨5枚です!」
「ははは!私に営業かけようってのかい!面白い、古い友人にでも声をかけてみるかね。」
「よろしくお願いします。」
ーーーーーーーーー
「いやあ、カオリも商魂たくましいね、あのギルマスに宣伝するなんて。」
「いえ、あの丸い背中が気になってしまって…」
商品登録を無事終え、香織達はクレール商会に戻る途中だ。
「カオリは商人に向いてるよ。あの気迫の中、自分の意見を貫き通せるんだから。」
「私は治癒師ですから。商売はサイモンさんにお任せします。」
「任せてよ!ミナミセッケン草も滑車も全国に広めて見せるよ!」
「頼りにしてます。」
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