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ダーリング家とバークレイ家は騎士の家柄で、同じく子爵だった。
二人の子爵は共に騎士で、若い頃からの親友だった。
そんなダーリング家とバークレイ家は同じ年にそれぞれ子供を授かった。
ダーリング家に生まれたのはあかね色の髪に藍色の瞳の女の赤ちゃん、マリエル・ダーリング。
バークレイ家に生まれたのは明るい茶色の髪と瞳の男の赤ちゃん、デイビッド・バークレイ。
二人は生まれてすぐに引き合わされ、大層仲が良く育った。二人が婚約するのは両家にとってはごく自然な流れだった。
バークレイ家は跡取りがデイビッド一人。
そういう家は嫁入りを狙う貴族に目を付けられやすい。バークレイ家は騎士から成り上がった家には珍しく、良い土地に領土を賜っている。
爵位が高いだけの貴族に目を付けられる前に婚約しておきたいというのがバークレイ家の意向である。
一方ダーリング家の財産は人である。ダーリング家は有能な騎士を幾人も排出した。地位こそ高くないが、武家としては名が知られた家柄である。
マリエルは良い騎士を生むに違いないと密かに注目されていた。意に沿わない結婚を強いられる前に、何とか婚約させておきたいというのが、ダーリング家の意向だった。
両家とも互いに虫除けのための仮の婚約で、上手く二人が好き合えばよし、思春期を過ぎ、どちらかに好いた相手が出来たなら円満に解消させる約束だった。
こうして二人は十二歳で婚約した。
マリエルは騎士の娘らしく少々おてんばな女の子、デイビッドは父から剣の手習いは受けているが、頭の良い子で将来は学者になるのではと期待されている。
マリエルはこの婚約を幼いながら喜んだ。
デイビッドは整った顔立ちの美少年で色も白く、頭がいい。それにとても優しい。まるで絵本に出てくる王子様のように素敵な少年だ。
ダーリング家は兄も弟も叔父達もどうにもがさつで逞しく鍛え上げた肉体は恰好いいが、王子様らしくはない。
愛だの恋だのはまだ分からないが、マリエルはデイビッドが大好きだ。
婚約が決まってからデイビッドはますます優しく週に一度は二人で会ってお茶を飲んだり、子供向けの劇場に人形劇を見に行ったり、絵画展に連れて行ってくれたりと、交流を深めている。
デイビッドは頭が良くて、何でも知っている。それにとにかく優しい。
ドーナツを買えば必ず大きい方をマリエルにくれるし、座る時はさっと自分のハンカチを取り出して引いてくれる。マリエルにとっては夢のように楽しい時間だった。
だが、そんな日々は長くは続かない。
マリエルとデイビッドはその頃同じ貴族学校に通っていた。
一般の庶民向けに無料か低額で読み書きを教える簡便な学校もあるが、それとは違いもっと高度な教育を学ぶ学校だった。
その貴族学校で、マリエルは偶然聞いてしまったのだ。
デイビッドは校庭で七、八人の同級生に囲まれていた。
中にはバーナビーもいて、彼らは何かを話している。
六歳から始まった貴族学校だが、十二歳になると中等部と名が変わり、いつも一緒だった同級生は何となく性別で別れて遊ぶようになっていた。
デイビッドも学校では男子達と話をしている。
兄のいるマリエルはそういう男社会の事情はうっすら理解しているので、男の子同士の話の中に入っていこうとは思わない。
だが、きびすを返して立ち去ろうとした時男子の一人が言ったのだ。
「デイビッド、マリエルと婚約したんだろう?」
「えっ、本当か?マリエルと結婚するのか?」
マリエルの足は、思わず止まった。
デイビッドはマリエルがそれまで聞いたことがない気取った声で答えた。
「それは分からないよ。僕とマリエルは婚約しただけさ」
「でもマリエルと結婚だなんて、なぁ」
男の子の一人がからかうようにヘラヘラと笑う。
マリエルは父から剣を習っていて、大抵の男子より強い。
大体男って奴はか弱い女の子が好きなのだ。
つまり、マリエルはモテない。
「デイビッドはあんな女のことが好きなのか?」
マリエルはドキドキする。
デイビッドは何て答えるんだろう。
デイビッドは冷ややかな声色で、淡々と答えた。
「親同士が勝手に決めた婚約さ。僕があいつのことを好きってわけじゃない」
――親同士が勝手に決めた婚約さ。僕があいつのことを好きってわけじゃない。
その日からマリエルは婚約破棄に邁進する。
***
デイビッドは心優しい少年だ。
高々自分の好き嫌いごときで、両親の期待を裏切ったり、父親の親友であるダーリング一家を悲しませることは出来なかったのだろう。
自分の感情は飲み込み、マリエルとの婚約を了承するなど、よくよく考えて見れば、実に優しいデイビッドらしい行動ではないか。
『言ってくれれば多分デイビッドに誰も無理強いはしないわ。彼を悲しませるためにしたことじゃないもの』
とマリエルは思うが、そこをあえて口に出さないのが穏やかなデイビッドである。
きっと彼のことだ。このままではデイビッドは周囲の期待通りに、「好きじゃない」マリエルと結婚することになる。
そんなのあまりにも気の毒だ。
乗り気じゃないデイビッドとの結婚を、無邪気に喜んだ自分が申し訳ない。
かくなる上は、「私が婚約破棄してみせるわ、デイビッド」とマリエルは心に誓う。
マリエルが取った計画は、その一、これ以上デイビッドを煩わせないことだ。
どんなつもりで好きでもないマリエルと毎週会っていたのか、デイビッドが優しければ優しいほど辛くなる。
『さぞ嫌だったでしょうね』
そこをグッと堪えて両家のために婚約者の機嫌を取る。
「さすが優しいデイビッドだわ。でも解放してあげなきゃ」
翌日、貴族学校で顔を合わせても、デイビッドの様子はいつもとまったくと変わらない。
いつも通り、デイビッドはマリエルに朝の挨拶をしにくる。
――マリエルのことなんて好きでもないのに。
「やあ、おはよう、マリエル」
「おはよう、デイビッド」
「今度のお休みだけど、西区にサーカスが来るんだって。良かったら……」
『サーカス!?サーカスはすごく見たい!でもでも駄目』
マリエルは「行きたいわ!」と叫びたいところを我慢する。
「せっかくだけど、予定があるから行けないわ」
「そう、残念だよ、じゃあ来週はどう?」
マリエルはため息を吐く。
『私が鈍感過ぎるのかもかも知れないけど、こんなことされちゃあ気付くわけないわ。こんなに優しくすれば誰だって勘違いするわよ、多分』
「ねえ、デイビッド。私に気を遣わなくていいわ。私、当分忙しいの。休日はこれから先ずっと埋まってるのよ。だからサーカスは誰か他の人と行って」
「忙しいって?」
「女性騎士になることにしたの。15歳になったら貴族学校の高等部じゃなく、騎士学校に行くわ。乗馬も剣術も今から本格的にやらないと間に合わないでしょう?」
これが計画その二だ。
マリエルは騎士になることにした。
元から憧れはあったが、将来デイビッドの家に嫁ぐなら騎士でない方が良いと言われて断念した道だ。
「騎士学校?」
とデイビッドは目を丸くした。
「聞いてないよ、騎士学校に行くなんて」
「そうでしょうね、ついこの間決めたもの」
『昨日よ!家でも夕べは家族会議で大変だったわ』
結局マリエルの父はまずは一年間、訓練を積んでみろとマリエルが騎士を目指すのを許してくれた。
「そんな……マリエル」
「じゃあね、デイビッド」
マリエルは手を振って会話を打ち切る。
『これでいいわ』
きっとすぐにでも婚約は解消される。
マリエルはこの時、そう信じていた。
実はマリエルとデイビッドの婚約はダーリング家、バークレイ家両家が諸手を挙げて喜んだわけではない。
一人、二人の婚約に難色を示した人物がいた。
バークレイ夫人。デイビッドの母親だ。
二人の子爵は共に騎士で、若い頃からの親友だった。
そんなダーリング家とバークレイ家は同じ年にそれぞれ子供を授かった。
ダーリング家に生まれたのはあかね色の髪に藍色の瞳の女の赤ちゃん、マリエル・ダーリング。
バークレイ家に生まれたのは明るい茶色の髪と瞳の男の赤ちゃん、デイビッド・バークレイ。
二人は生まれてすぐに引き合わされ、大層仲が良く育った。二人が婚約するのは両家にとってはごく自然な流れだった。
バークレイ家は跡取りがデイビッド一人。
そういう家は嫁入りを狙う貴族に目を付けられやすい。バークレイ家は騎士から成り上がった家には珍しく、良い土地に領土を賜っている。
爵位が高いだけの貴族に目を付けられる前に婚約しておきたいというのがバークレイ家の意向である。
一方ダーリング家の財産は人である。ダーリング家は有能な騎士を幾人も排出した。地位こそ高くないが、武家としては名が知られた家柄である。
マリエルは良い騎士を生むに違いないと密かに注目されていた。意に沿わない結婚を強いられる前に、何とか婚約させておきたいというのが、ダーリング家の意向だった。
両家とも互いに虫除けのための仮の婚約で、上手く二人が好き合えばよし、思春期を過ぎ、どちらかに好いた相手が出来たなら円満に解消させる約束だった。
こうして二人は十二歳で婚約した。
マリエルは騎士の娘らしく少々おてんばな女の子、デイビッドは父から剣の手習いは受けているが、頭の良い子で将来は学者になるのではと期待されている。
マリエルはこの婚約を幼いながら喜んだ。
デイビッドは整った顔立ちの美少年で色も白く、頭がいい。それにとても優しい。まるで絵本に出てくる王子様のように素敵な少年だ。
ダーリング家は兄も弟も叔父達もどうにもがさつで逞しく鍛え上げた肉体は恰好いいが、王子様らしくはない。
愛だの恋だのはまだ分からないが、マリエルはデイビッドが大好きだ。
婚約が決まってからデイビッドはますます優しく週に一度は二人で会ってお茶を飲んだり、子供向けの劇場に人形劇を見に行ったり、絵画展に連れて行ってくれたりと、交流を深めている。
デイビッドは頭が良くて、何でも知っている。それにとにかく優しい。
ドーナツを買えば必ず大きい方をマリエルにくれるし、座る時はさっと自分のハンカチを取り出して引いてくれる。マリエルにとっては夢のように楽しい時間だった。
だが、そんな日々は長くは続かない。
マリエルとデイビッドはその頃同じ貴族学校に通っていた。
一般の庶民向けに無料か低額で読み書きを教える簡便な学校もあるが、それとは違いもっと高度な教育を学ぶ学校だった。
その貴族学校で、マリエルは偶然聞いてしまったのだ。
デイビッドは校庭で七、八人の同級生に囲まれていた。
中にはバーナビーもいて、彼らは何かを話している。
六歳から始まった貴族学校だが、十二歳になると中等部と名が変わり、いつも一緒だった同級生は何となく性別で別れて遊ぶようになっていた。
デイビッドも学校では男子達と話をしている。
兄のいるマリエルはそういう男社会の事情はうっすら理解しているので、男の子同士の話の中に入っていこうとは思わない。
だが、きびすを返して立ち去ろうとした時男子の一人が言ったのだ。
「デイビッド、マリエルと婚約したんだろう?」
「えっ、本当か?マリエルと結婚するのか?」
マリエルの足は、思わず止まった。
デイビッドはマリエルがそれまで聞いたことがない気取った声で答えた。
「それは分からないよ。僕とマリエルは婚約しただけさ」
「でもマリエルと結婚だなんて、なぁ」
男の子の一人がからかうようにヘラヘラと笑う。
マリエルは父から剣を習っていて、大抵の男子より強い。
大体男って奴はか弱い女の子が好きなのだ。
つまり、マリエルはモテない。
「デイビッドはあんな女のことが好きなのか?」
マリエルはドキドキする。
デイビッドは何て答えるんだろう。
デイビッドは冷ややかな声色で、淡々と答えた。
「親同士が勝手に決めた婚約さ。僕があいつのことを好きってわけじゃない」
――親同士が勝手に決めた婚約さ。僕があいつのことを好きってわけじゃない。
その日からマリエルは婚約破棄に邁進する。
***
デイビッドは心優しい少年だ。
高々自分の好き嫌いごときで、両親の期待を裏切ったり、父親の親友であるダーリング一家を悲しませることは出来なかったのだろう。
自分の感情は飲み込み、マリエルとの婚約を了承するなど、よくよく考えて見れば、実に優しいデイビッドらしい行動ではないか。
『言ってくれれば多分デイビッドに誰も無理強いはしないわ。彼を悲しませるためにしたことじゃないもの』
とマリエルは思うが、そこをあえて口に出さないのが穏やかなデイビッドである。
きっと彼のことだ。このままではデイビッドは周囲の期待通りに、「好きじゃない」マリエルと結婚することになる。
そんなのあまりにも気の毒だ。
乗り気じゃないデイビッドとの結婚を、無邪気に喜んだ自分が申し訳ない。
かくなる上は、「私が婚約破棄してみせるわ、デイビッド」とマリエルは心に誓う。
マリエルが取った計画は、その一、これ以上デイビッドを煩わせないことだ。
どんなつもりで好きでもないマリエルと毎週会っていたのか、デイビッドが優しければ優しいほど辛くなる。
『さぞ嫌だったでしょうね』
そこをグッと堪えて両家のために婚約者の機嫌を取る。
「さすが優しいデイビッドだわ。でも解放してあげなきゃ」
翌日、貴族学校で顔を合わせても、デイビッドの様子はいつもとまったくと変わらない。
いつも通り、デイビッドはマリエルに朝の挨拶をしにくる。
――マリエルのことなんて好きでもないのに。
「やあ、おはよう、マリエル」
「おはよう、デイビッド」
「今度のお休みだけど、西区にサーカスが来るんだって。良かったら……」
『サーカス!?サーカスはすごく見たい!でもでも駄目』
マリエルは「行きたいわ!」と叫びたいところを我慢する。
「せっかくだけど、予定があるから行けないわ」
「そう、残念だよ、じゃあ来週はどう?」
マリエルはため息を吐く。
『私が鈍感過ぎるのかもかも知れないけど、こんなことされちゃあ気付くわけないわ。こんなに優しくすれば誰だって勘違いするわよ、多分』
「ねえ、デイビッド。私に気を遣わなくていいわ。私、当分忙しいの。休日はこれから先ずっと埋まってるのよ。だからサーカスは誰か他の人と行って」
「忙しいって?」
「女性騎士になることにしたの。15歳になったら貴族学校の高等部じゃなく、騎士学校に行くわ。乗馬も剣術も今から本格的にやらないと間に合わないでしょう?」
これが計画その二だ。
マリエルは騎士になることにした。
元から憧れはあったが、将来デイビッドの家に嫁ぐなら騎士でない方が良いと言われて断念した道だ。
「騎士学校?」
とデイビッドは目を丸くした。
「聞いてないよ、騎士学校に行くなんて」
「そうでしょうね、ついこの間決めたもの」
『昨日よ!家でも夕べは家族会議で大変だったわ』
結局マリエルの父はまずは一年間、訓練を積んでみろとマリエルが騎士を目指すのを許してくれた。
「そんな……マリエル」
「じゃあね、デイビッド」
マリエルは手を振って会話を打ち切る。
『これでいいわ』
きっとすぐにでも婚約は解消される。
マリエルはこの時、そう信じていた。
実はマリエルとデイビッドの婚約はダーリング家、バークレイ家両家が諸手を挙げて喜んだわけではない。
一人、二人の婚約に難色を示した人物がいた。
バークレイ夫人。デイビッドの母親だ。
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