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67.お泊まり
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その日は町の宿屋に泊まった。
町の村長さんと話を終えた王子が席に着くと、食卓に大皿に載った料理がどんどん並べられる。
あらごししたトマトの冷たいスープ、千切りにんじんのサラダ、挽肉とオリーブの実を衣を付けて揚げたオリーブのフリット、丸ごとのキャベツの中身をくりぬいて挽肉を詰めて煮込んだシューファルシ。分厚く切ったベーコンを焼いたもの。
この辺りは内陸部なのでお魚よりお肉料理がメインとなる。
離宮では朝昼晩と三食全てパンは焼きたてを供されるが、これはとっても贅沢なのだ。
王侯貴族の頂点、王家ならではである。
貴族の下の方の子爵家や庶民は、パンというのは朝に、その日食べる分をまとめて焼くのが普通だ。
だから夜の食事ではパンはちょっと固く冷たくなったのを火で軽く炙って食べるのが一般的なのだ。
今日は、パンをそのまま炙ったほかほか炙りパンと、チーズ乗せて炙ったほかほかチーズ炙りパンの二種類だった。ライ麦パン美味しい。
「どのお料理も美味しいです。味付けも王都とちょっと違ってこれはこれでいいですね」
離宮の食事は珍しい香辛料も使われて複雑で繊細なお味がするが、こちらは味付けは野菜のうま味やハーブのような香草がメインだ。
デザートは囲炉裏で作りたてのバームクーヘン。
それにカモミールを煮込んだお茶。
バームクーヘンを食べながらお茶を飲んでいると宿屋のおかみさんらしい人が、不思議そうに話しかけてくる。
「お嬢様は王子殿下の恋人なのですか?」
ドレスを汚しちゃうのが嫌で、私はご飯の前に部屋でワンピースに着替えていた。
だから、今の私は王子様と結婚するような高貴なご令嬢には見えないと思う。
「私は……」
私が答える前に、王子があらぬ方向を向きながら、とってもつまらなそうに言った。
「妻だ」
照れてる時の王子は機嫌悪いのと紙一重に見える。
「エルシーです。よろしくお願いします」
「お妃様がお決まりになったんですね。本当に良かったこと。これでこの国も安泰だわ」
とニコニコ顔で言われた。
王族の跡継ぎ問題は国民全員の心配事だったのだ。
「こんな可愛いお妃様ですと、すぐにお世継ぎもお生まれですねぇ」
と言われて恥ずかしい。
うつむいてもじもじしてしまった。
「そっ、そうだといいんですが……」
***
宿屋では王子と同じ部屋に泊まった。
宿屋では一番広くて設備も整ったお部屋のはずだが、離宮の王子の寝室とは比べものにならない程狭く、調度品も簡素なものだ。
そして出発は早朝。
私はいいけど、王子は一応王子なのにこういう旅を毎月休まずこなしているのか……。
そんなことを考えていると、王子が言った。
「こういう旅はエルシーは嫌か?」
「嫌ではないです。子爵領はもっと田舎ですし、ご飯も美味しいですし、ここも豪華ではないけど、清潔だし皆親切だし、空から色んな物が見えて、ゲルボルグの背中も思ったより快適だし、楽しいですよ」
「そうか」
と王子はホッとしたように呟いた。
「寝るか?」
と促されてベッドに入る。
ベッドもいつものベッドより寝心地は良くない。
でも本当なら今日は一人で寝るはずなのに、王子も一緒だ。
「エルシー」
私の肩を抱き、王子は私の唇に触れるだけのキスする。
王子のエッチしたい時の合図だ。
他に何パターンかあるが、一番するのがこれだ。
美形の王子に見つめられると私がきゅんとするのを王子は知っている。
「エルシー」とまた名前を呼んでくる。
そしてキスする。
これを王子は私が「いいですよ」と言うまで続ける。
三回目のキスされる前に「いいですよ」と言うと、王子は目を見張った。
「どこか体の具合が良くないのか?」
今日は早めに「いいですよ」したせいか、王子はそう言った。
何故そう思った?
「そうじゃないです、明日からしばらく会えないから……」
本当なら私は王都上空でお披露目が終わった後、そのまま帰るはずだった。
だけどこの後の見回りの都合もあり、私の警備の問題もありと、一度今日の宿泊地まで一緒に行き、翌日に私はジェローム様と共に王都へ、王子はそのまま見回りへと別れることになっていた。
見回りに行くと王子は一週間近く戻ってこない。
しばらく会えないから、私も王子に触れていたい。
「んっ……」
キスして体を撫でられるだけでゾクゾクしてくる。
何で唇と唇でキスして腰がぞわっとするのか理屈が良く分からないが、そうなる。
王子が触れたところが全部、とろけてしまいそうなのに、痺れるような不思議な感覚。
王子、エッチ上手くなったな……と思っていると、王子が口を開く。
「これが性感帯が開発されてきたというやつか。ここまで長かった……」
「性感帯?」
「触られて気持ちが良いと感じるところらしい。こことか」
と王子は太ももの内側を撫でる。
「…やんっ」
そんなところ触られたから、思わずビクッとしてしまう。
「当初はこんな良い反応はなかった……」
王子はちょっと意地悪く笑った。
胸を揉まれて、股間を撫で撫でされる頃にはもう、膣の入り口のところがむずむずしてくるのが自分で分かった。
一度意識すると耐えられなくなるくらい気になる。
太ももの内側が熱くなって、むずむずも膣の入り口だけだったのに、段々、奥の方まできゅるんとしてくる。
「…グレン様…もうして……」
とおねだりすると、王子は「今日のは普通に可愛いな」と言った。
どういう意味?
「時々、エルシーはすごいこと言うぞ。『するのっ!もうするっ!』って泣き出したりとか、『早くしてくれないと死んじゃう!』とか泣いて言う。あれは非常に愛らしかった」
王子はそうしみじみしている。
「えっ……」
エッチの間、何言ってるのかあんまり覚えない。
でも恥ずかしいこと言ってるみたい……。
赤くなって王子から顔を逸らした。
王子は私の顎を掴むと無理矢理自分の方に向けさせる。
「何故顔を逸らす?」
でも王子の顔が見られない。視線だけ彼から外した。
「いや…恥ずかしい…です……」
「……エルシー!」
王子は急にガバッと私を抱きしめた。
「えっ、何?」
「今のは良かった。すぐにしよう」
町の村長さんと話を終えた王子が席に着くと、食卓に大皿に載った料理がどんどん並べられる。
あらごししたトマトの冷たいスープ、千切りにんじんのサラダ、挽肉とオリーブの実を衣を付けて揚げたオリーブのフリット、丸ごとのキャベツの中身をくりぬいて挽肉を詰めて煮込んだシューファルシ。分厚く切ったベーコンを焼いたもの。
この辺りは内陸部なのでお魚よりお肉料理がメインとなる。
離宮では朝昼晩と三食全てパンは焼きたてを供されるが、これはとっても贅沢なのだ。
王侯貴族の頂点、王家ならではである。
貴族の下の方の子爵家や庶民は、パンというのは朝に、その日食べる分をまとめて焼くのが普通だ。
だから夜の食事ではパンはちょっと固く冷たくなったのを火で軽く炙って食べるのが一般的なのだ。
今日は、パンをそのまま炙ったほかほか炙りパンと、チーズ乗せて炙ったほかほかチーズ炙りパンの二種類だった。ライ麦パン美味しい。
「どのお料理も美味しいです。味付けも王都とちょっと違ってこれはこれでいいですね」
離宮の食事は珍しい香辛料も使われて複雑で繊細なお味がするが、こちらは味付けは野菜のうま味やハーブのような香草がメインだ。
デザートは囲炉裏で作りたてのバームクーヘン。
それにカモミールを煮込んだお茶。
バームクーヘンを食べながらお茶を飲んでいると宿屋のおかみさんらしい人が、不思議そうに話しかけてくる。
「お嬢様は王子殿下の恋人なのですか?」
ドレスを汚しちゃうのが嫌で、私はご飯の前に部屋でワンピースに着替えていた。
だから、今の私は王子様と結婚するような高貴なご令嬢には見えないと思う。
「私は……」
私が答える前に、王子があらぬ方向を向きながら、とってもつまらなそうに言った。
「妻だ」
照れてる時の王子は機嫌悪いのと紙一重に見える。
「エルシーです。よろしくお願いします」
「お妃様がお決まりになったんですね。本当に良かったこと。これでこの国も安泰だわ」
とニコニコ顔で言われた。
王族の跡継ぎ問題は国民全員の心配事だったのだ。
「こんな可愛いお妃様ですと、すぐにお世継ぎもお生まれですねぇ」
と言われて恥ずかしい。
うつむいてもじもじしてしまった。
「そっ、そうだといいんですが……」
***
宿屋では王子と同じ部屋に泊まった。
宿屋では一番広くて設備も整ったお部屋のはずだが、離宮の王子の寝室とは比べものにならない程狭く、調度品も簡素なものだ。
そして出発は早朝。
私はいいけど、王子は一応王子なのにこういう旅を毎月休まずこなしているのか……。
そんなことを考えていると、王子が言った。
「こういう旅はエルシーは嫌か?」
「嫌ではないです。子爵領はもっと田舎ですし、ご飯も美味しいですし、ここも豪華ではないけど、清潔だし皆親切だし、空から色んな物が見えて、ゲルボルグの背中も思ったより快適だし、楽しいですよ」
「そうか」
と王子はホッとしたように呟いた。
「寝るか?」
と促されてベッドに入る。
ベッドもいつものベッドより寝心地は良くない。
でも本当なら今日は一人で寝るはずなのに、王子も一緒だ。
「エルシー」
私の肩を抱き、王子は私の唇に触れるだけのキスする。
王子のエッチしたい時の合図だ。
他に何パターンかあるが、一番するのがこれだ。
美形の王子に見つめられると私がきゅんとするのを王子は知っている。
「エルシー」とまた名前を呼んでくる。
そしてキスする。
これを王子は私が「いいですよ」と言うまで続ける。
三回目のキスされる前に「いいですよ」と言うと、王子は目を見張った。
「どこか体の具合が良くないのか?」
今日は早めに「いいですよ」したせいか、王子はそう言った。
何故そう思った?
「そうじゃないです、明日からしばらく会えないから……」
本当なら私は王都上空でお披露目が終わった後、そのまま帰るはずだった。
だけどこの後の見回りの都合もあり、私の警備の問題もありと、一度今日の宿泊地まで一緒に行き、翌日に私はジェローム様と共に王都へ、王子はそのまま見回りへと別れることになっていた。
見回りに行くと王子は一週間近く戻ってこない。
しばらく会えないから、私も王子に触れていたい。
「んっ……」
キスして体を撫でられるだけでゾクゾクしてくる。
何で唇と唇でキスして腰がぞわっとするのか理屈が良く分からないが、そうなる。
王子が触れたところが全部、とろけてしまいそうなのに、痺れるような不思議な感覚。
王子、エッチ上手くなったな……と思っていると、王子が口を開く。
「これが性感帯が開発されてきたというやつか。ここまで長かった……」
「性感帯?」
「触られて気持ちが良いと感じるところらしい。こことか」
と王子は太ももの内側を撫でる。
「…やんっ」
そんなところ触られたから、思わずビクッとしてしまう。
「当初はこんな良い反応はなかった……」
王子はちょっと意地悪く笑った。
胸を揉まれて、股間を撫で撫でされる頃にはもう、膣の入り口のところがむずむずしてくるのが自分で分かった。
一度意識すると耐えられなくなるくらい気になる。
太ももの内側が熱くなって、むずむずも膣の入り口だけだったのに、段々、奥の方まできゅるんとしてくる。
「…グレン様…もうして……」
とおねだりすると、王子は「今日のは普通に可愛いな」と言った。
どういう意味?
「時々、エルシーはすごいこと言うぞ。『するのっ!もうするっ!』って泣き出したりとか、『早くしてくれないと死んじゃう!』とか泣いて言う。あれは非常に愛らしかった」
王子はそうしみじみしている。
「えっ……」
エッチの間、何言ってるのかあんまり覚えない。
でも恥ずかしいこと言ってるみたい……。
赤くなって王子から顔を逸らした。
王子は私の顎を掴むと無理矢理自分の方に向けさせる。
「何故顔を逸らす?」
でも王子の顔が見られない。視線だけ彼から外した。
「いや…恥ずかしい…です……」
「……エルシー!」
王子は急にガバッと私を抱きしめた。
「えっ、何?」
「今のは良かった。すぐにしよう」
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