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70.デート
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そんな感じで私達はぐるっと一週間、東部一帯を巡った。
何処に見回りに行くかはゲルボルグ次第で、時には二週間近くかけて国全域を飛ぶこともあるそうだ。
どこの町も夕方過ぎに着いて、早朝には旅立つ。
町にいる時間は決して長くないが、最後の町は違った。
その町の外れにある牧場のような原っぱに着いたのは昼過ぎのことで、ゲルボルグから降りながら、王子は言った。
「エルシー、少し、町の中を見てみるか?」
「えっ、いいんですか?」
「どうということはない普通の町だが……」
旅慣れた王子にとって、珍しいものではないんだろう。
淡々とした口ぶりだ。
でも王都暮らし世間知らず、十六歳の私は違う。
「東部って初めて来ましたから色々見たいです」
知らない町ってそれだけでわくわくする。
「確かに、ここはまだ東部だからな。王都のある中央とは少し違うな」
王子はゲルボルグに付けた鞍を外しなから言う。
明日は王都に帰るが、ここはまだ東部に位置する。
王都に通じる街道沿いの交通の要所、東部の玄関とも呼ばれる大きな町ポズンだ。
王子と、それから護衛にジェローム様ともう一人竜騎士様が付いて一緒に、町に入る。
途中で町の偉い人らしい一行とすれ違い、王子が町を見に行くと言うと、ご一行は案内を申し出て来たが、王子は「ポズンなら分かっているから良い」と断った。
ご一行は王子を見て、それからその側にいた私を見た。
「……!」
何だがそろって息を呑まれたが、目深に日焼け防止の帽子を被っていたのと、町の様子が気になる私はあまり気にしなかった。
「町では俺から離れるなよ」
と王子が私に手を差し出す。
私は急いで竜に乗る時用の丈夫な革の手袋を外し、王子の手を握った。
「はい」
町に入ると王子は言った。
「エルシーはポズンは知っているか?」
「はい。東部の玄関口と言われる大きな町でバラと蜂蜜で有名だと聞きました。バラのジャム入りドーナツが名物です。あとは陶器」
「詳しいな」
王子はちょっと目を細めて、笑う。
王子から褒められた!
やってて良かった、お妃様教育。
「はい。ドーナツ美味しいそうです」
「そうか、ではまず食べ物屋だな」
この町の中心は大きな教会で、その教会の前が広場になっていて、そこに行けば大抵食べ物屋の屋台が出ているそうだ。
***
王子は一応、美形の王子様だ。
竜騎士である王子は特に地方でものすごく人気あると聞いていたが、ちょっと変なのだ。
確かにどこの町でも暖かく歓迎してくれるが、王都なら王子目がけて人が殺到したり、歓声が上がったりだとか、大騒ぎになりそうなものだ。
父もたまに領地に戻ると拍手されたり、お辞儀されたり、近づいて挨拶されたりする。
子爵家ですらそうなんだから、王子は道も歩けないくらいもみくちゃにされたりするのでは……と思っていたが、そうではない。
ポズンの町を歩いても、王子に近づこうとする人は誰もいなかった。
ものすごーく注目されているが、ちょっと遠巻きに観察されている。
特に女の子は王子に近づこうとすると止められている。
ジェローム様に教えられたが、王子は騒がれるともうその町に来なくなるそうだ。
「それは町も困るでしょう。だから王子が来るとなるべく見て見ぬ振りするようになったのよ」
……だそうだ。
すごい統率力だ。
ただ、何でだろう?気付くと皆が王子だけでなく、私のことを見ている気がする。
それも、何となくだけど、困ったような目つきだ。
もしかして、あんまり……歓迎されてない?
ポズンはとても栄えていて、市街の中心部は賑やかなのだが、王子の周りだけポッカリ空間が空いているという大変不自然な状態だった。
王子は気にならないようで、私と手を繋ぎ堂々と町を闊歩する。
ドーナツ屋さんに行くと王子は二つドーナツを注文した。
それから王子は隣のレモネード屋さんで三つレモネードを注文して、慣れた手つきでお金を払う。
びっくりして思わず聞いてしまった。
「グレン様ってお金の存在は知っているんですか?」
王子は怪訝そうに私を見下ろす。
「何だそれは?知っているに決まっているだろう」
「いえ、すみません。王子様ってお供の人に買わせるイメージです」
「それは従者の役目であり護衛の仕事ではない。少ない護衛にそんなやりとりさせては護衛にならない」
と言うと王子は護衛の竜騎士様にドーナツとレモネードを一つずつ手渡す。
「……そうですね」
広場の噴水の前が階段状になっている。
「エルシー」
レモネード二つとドーナツ一つで両手塞がっている王子はそこを視線で指し示す。
座れとおっしゃる……。
繰り返すが私は子爵令嬢だ。
令嬢の品格的に地べたに座ってはいけない気がしたが、今日の私の恰好はブラウスの上に茶色の長袖上着、お揃いの五分丈のズボンにタイツ、ショートブーツだ。
季節は夏だったが、空の上ではこれで丁度良い。
帽子も貴婦人用のオシャレなものではなく、キャスケットというつばの付きの庶民が被る実用的な帽子だ。中に髪の毛を押し込めるから竜に乗る時はこれが一番便利だった。
ぱっと見には男の子みたいな恰好だ。
いいや、と思って王子の隣に座る。
座って分かったが、ここだと町の様子が良く見渡せる。
ちょっと良いかも。
「いいですね、こういうのも」
そう言うと王子は、少し嬉しそうに頷く。
「ああ」
「王子」
竜騎士様がレモネードとドーナツを食べた後で、王子に頷く。
王子はそれを合図に、「エルシー、食べろ」と私にドーナツとレモネードを渡した。
「……これっていわゆる毒味ですか?」
と王子に聞くと頷かれた。
「面倒だろうが、規則なのだ」
甘い物が好きじゃない王子はレモンの果汁に蜂蜜を加えて水で割ったレモネードだけ飲んでいる。
お店ではお好みで更に蜂蜜を増量して甘くしてくれるのだが、王子は何も入れてない。
私はもちろん、たっぷり入れて貰った。
バラの花びらのジャム入りドーナツはほんのり暖かい。
「おいしいですね。さすが名物です。バラのジャムって美味しいのかなとちょっと疑ってたんですが、こちらのは香りがとても良くて味も美味しいです。本場は違いますね」
「ここのバラは有名らしい」
「そうみたいですね。お化粧水とか香油とかも有名ですよ。あっ、お土産に買って帰りたいです、ジェローム様」
「そういうの、王子に頼みなさいよ」
とジェローム様はおっしゃる。
「でも私のお小遣い、ジェローム様が持ってますよね」
令嬢は自分でお金、払わないのだ。付き添いの人が払ってくれる。
「小遣いで買わないで王子に買わせなさいよ。この人、金持ちよ。何ガロンでも買ってくれるわよ」
王子も「買う」と頷いた。
一ガロン、四リットルくらい。
「そんなにいりません」
「エルシー、砂糖が顔中に付いている」
「えっ、そうですか?」
ドーナツは砂糖がまぶしてある。
あわてて私はハンカチを取り出そうとしたが、先に王子が拭いてくれた。
そして「エルシーから良い匂いがする」と王子は言った。
「ドーナツのお砂糖でしょうか。あとバラのジャムも良い香りです。ひょっとしてレモネード?」
だが、王子は「エルシーが良い匂いだ」と更に顔を近づけ、私を抱きしめた。
「ちょっ…グレン様。外ですよ」
と私が言うと同時に何故か遠巻きに取り囲む周囲の人々からとっても深いため息が上がる。
「もうこの国は終わりだ……」
と呟かれたが……終わるの?
何処に見回りに行くかはゲルボルグ次第で、時には二週間近くかけて国全域を飛ぶこともあるそうだ。
どこの町も夕方過ぎに着いて、早朝には旅立つ。
町にいる時間は決して長くないが、最後の町は違った。
その町の外れにある牧場のような原っぱに着いたのは昼過ぎのことで、ゲルボルグから降りながら、王子は言った。
「エルシー、少し、町の中を見てみるか?」
「えっ、いいんですか?」
「どうということはない普通の町だが……」
旅慣れた王子にとって、珍しいものではないんだろう。
淡々とした口ぶりだ。
でも王都暮らし世間知らず、十六歳の私は違う。
「東部って初めて来ましたから色々見たいです」
知らない町ってそれだけでわくわくする。
「確かに、ここはまだ東部だからな。王都のある中央とは少し違うな」
王子はゲルボルグに付けた鞍を外しなから言う。
明日は王都に帰るが、ここはまだ東部に位置する。
王都に通じる街道沿いの交通の要所、東部の玄関とも呼ばれる大きな町ポズンだ。
王子と、それから護衛にジェローム様ともう一人竜騎士様が付いて一緒に、町に入る。
途中で町の偉い人らしい一行とすれ違い、王子が町を見に行くと言うと、ご一行は案内を申し出て来たが、王子は「ポズンなら分かっているから良い」と断った。
ご一行は王子を見て、それからその側にいた私を見た。
「……!」
何だがそろって息を呑まれたが、目深に日焼け防止の帽子を被っていたのと、町の様子が気になる私はあまり気にしなかった。
「町では俺から離れるなよ」
と王子が私に手を差し出す。
私は急いで竜に乗る時用の丈夫な革の手袋を外し、王子の手を握った。
「はい」
町に入ると王子は言った。
「エルシーはポズンは知っているか?」
「はい。東部の玄関口と言われる大きな町でバラと蜂蜜で有名だと聞きました。バラのジャム入りドーナツが名物です。あとは陶器」
「詳しいな」
王子はちょっと目を細めて、笑う。
王子から褒められた!
やってて良かった、お妃様教育。
「はい。ドーナツ美味しいそうです」
「そうか、ではまず食べ物屋だな」
この町の中心は大きな教会で、その教会の前が広場になっていて、そこに行けば大抵食べ物屋の屋台が出ているそうだ。
***
王子は一応、美形の王子様だ。
竜騎士である王子は特に地方でものすごく人気あると聞いていたが、ちょっと変なのだ。
確かにどこの町でも暖かく歓迎してくれるが、王都なら王子目がけて人が殺到したり、歓声が上がったりだとか、大騒ぎになりそうなものだ。
父もたまに領地に戻ると拍手されたり、お辞儀されたり、近づいて挨拶されたりする。
子爵家ですらそうなんだから、王子は道も歩けないくらいもみくちゃにされたりするのでは……と思っていたが、そうではない。
ポズンの町を歩いても、王子に近づこうとする人は誰もいなかった。
ものすごーく注目されているが、ちょっと遠巻きに観察されている。
特に女の子は王子に近づこうとすると止められている。
ジェローム様に教えられたが、王子は騒がれるともうその町に来なくなるそうだ。
「それは町も困るでしょう。だから王子が来るとなるべく見て見ぬ振りするようになったのよ」
……だそうだ。
すごい統率力だ。
ただ、何でだろう?気付くと皆が王子だけでなく、私のことを見ている気がする。
それも、何となくだけど、困ったような目つきだ。
もしかして、あんまり……歓迎されてない?
ポズンはとても栄えていて、市街の中心部は賑やかなのだが、王子の周りだけポッカリ空間が空いているという大変不自然な状態だった。
王子は気にならないようで、私と手を繋ぎ堂々と町を闊歩する。
ドーナツ屋さんに行くと王子は二つドーナツを注文した。
それから王子は隣のレモネード屋さんで三つレモネードを注文して、慣れた手つきでお金を払う。
びっくりして思わず聞いてしまった。
「グレン様ってお金の存在は知っているんですか?」
王子は怪訝そうに私を見下ろす。
「何だそれは?知っているに決まっているだろう」
「いえ、すみません。王子様ってお供の人に買わせるイメージです」
「それは従者の役目であり護衛の仕事ではない。少ない護衛にそんなやりとりさせては護衛にならない」
と言うと王子は護衛の竜騎士様にドーナツとレモネードを一つずつ手渡す。
「……そうですね」
広場の噴水の前が階段状になっている。
「エルシー」
レモネード二つとドーナツ一つで両手塞がっている王子はそこを視線で指し示す。
座れとおっしゃる……。
繰り返すが私は子爵令嬢だ。
令嬢の品格的に地べたに座ってはいけない気がしたが、今日の私の恰好はブラウスの上に茶色の長袖上着、お揃いの五分丈のズボンにタイツ、ショートブーツだ。
季節は夏だったが、空の上ではこれで丁度良い。
帽子も貴婦人用のオシャレなものではなく、キャスケットというつばの付きの庶民が被る実用的な帽子だ。中に髪の毛を押し込めるから竜に乗る時はこれが一番便利だった。
ぱっと見には男の子みたいな恰好だ。
いいや、と思って王子の隣に座る。
座って分かったが、ここだと町の様子が良く見渡せる。
ちょっと良いかも。
「いいですね、こういうのも」
そう言うと王子は、少し嬉しそうに頷く。
「ああ」
「王子」
竜騎士様がレモネードとドーナツを食べた後で、王子に頷く。
王子はそれを合図に、「エルシー、食べろ」と私にドーナツとレモネードを渡した。
「……これっていわゆる毒味ですか?」
と王子に聞くと頷かれた。
「面倒だろうが、規則なのだ」
甘い物が好きじゃない王子はレモンの果汁に蜂蜜を加えて水で割ったレモネードだけ飲んでいる。
お店ではお好みで更に蜂蜜を増量して甘くしてくれるのだが、王子は何も入れてない。
私はもちろん、たっぷり入れて貰った。
バラの花びらのジャム入りドーナツはほんのり暖かい。
「おいしいですね。さすが名物です。バラのジャムって美味しいのかなとちょっと疑ってたんですが、こちらのは香りがとても良くて味も美味しいです。本場は違いますね」
「ここのバラは有名らしい」
「そうみたいですね。お化粧水とか香油とかも有名ですよ。あっ、お土産に買って帰りたいです、ジェローム様」
「そういうの、王子に頼みなさいよ」
とジェローム様はおっしゃる。
「でも私のお小遣い、ジェローム様が持ってますよね」
令嬢は自分でお金、払わないのだ。付き添いの人が払ってくれる。
「小遣いで買わないで王子に買わせなさいよ。この人、金持ちよ。何ガロンでも買ってくれるわよ」
王子も「買う」と頷いた。
一ガロン、四リットルくらい。
「そんなにいりません」
「エルシー、砂糖が顔中に付いている」
「えっ、そうですか?」
ドーナツは砂糖がまぶしてある。
あわてて私はハンカチを取り出そうとしたが、先に王子が拭いてくれた。
そして「エルシーから良い匂いがする」と王子は言った。
「ドーナツのお砂糖でしょうか。あとバラのジャムも良い香りです。ひょっとしてレモネード?」
だが、王子は「エルシーが良い匂いだ」と更に顔を近づけ、私を抱きしめた。
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