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再会

第4話 気持ち良くしてやる

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「ぁっま、て、ンなとこ……ッ」
 制止の声には気付かないふりをした。

 じゅるじゅるとわざと音を立てながら、足の付け根に近い腿から血を啜る。
 性器に近い場所への強力な催淫に、嫌がって左右に振られていた頭が仰け反って全身ががくんと大きく跳ね上がった。

「ぃ、アッ、――――~~ッぁ゛あ゛あ゛アアアーー! ヒアぁあぁっ! はあ゛ッァっかはッ、ぐ、あアぅッあ! あ、ああ、ぁひっ! ぃイッあっあー! がっ、あ゛ぁあっ!」
「っく……ッ、旭、陽――っ、すごッ……!」

 連続で空イキし始めた腸壁の動きに、思わず俺も快感の呻き声が零れた。
 ナカが激しくうねっているが、みっちりと俺の爪先を詰め込まれている鈴口からは、旭陽がどれだけイっても一滴の精液も溢れてこない。出せないままでイき狂っている。
 イったことで壁が伸縮して、その刺激で自らイイところを俺の肉棒に擦り付けてまた新たにイって、を繰り返している。

 ははっ、俺を使って旭陽が自慰してるみたいだ。
 ある意味かつてと同じだが、そのために使っている場所が違って、主導権は俺が握っている。それだけでこんなにも楽しくなるなんて。

 目の前で喉元を自ら晒け出した男が痙攣しているのだが、生憎デカい首輪の所為で首元は殆ど覆われてしまっている。
 変わりに突き出されている胸元に噛み付いた。
 薄い服を食い破り、見えないが場所の検討は付く乳首に牙を立てる。

 びくりと跳ねた男を宥めるように、溢れる血を舌で掬い上げる。
 他の場所よりまろやかな舌触りの血を飲み込みながら、ぎちぎちに押し込んでいた爪先を小さな孔から僅かに引いた。

「っ ア、!」
 鋭い嬌声と共に、ほんの僅かな隙間から旭陽が溜めに溜めた精液が溢れ出す。

「ヒッ、ィうっ、あ、きぃっ、あきらッぁっ、は、なッ……――」

 快感に痺れながらも、やっとまともに射精できる気配に気付いたらしい旭陽が離せと要求してきそうになった。
 言い切られるよりも先んじて、作った隙間はそのままに、真っ赤な鈴口を抉じ開けるように爪を動かす。

「――ぃ゛ッア゛っぁあ゛ああああ! ひぐッッぅっぁ゛ッ、あー! あ゛ぁああーー!」

 すっかり性感帯となった腹の中をまさぐられながらの行為に、旭陽の言葉はあっさり失われて快感の悲鳴に戻った。
 びくんびくんと跳ね上がる腰は好きにさせておいて、狭すぎる隙間から僅かずつ噴き出してくる精液を眺める。
 舐めてやりたいけど、突っ込んでいる最中だから届かないのが惜しい。

 俺は旭陽みたいな嗜虐心は持ち合わせてない。
 まあこいつの泣き顔をもっと見たいと思う程度の気持ちはあるが、それは苦しめてやりたいからなんて理由ではない。
 仕返しの意図が一切ない訳ではないが、それよりももっと本能的な衝動に突き動かされている。
 正直、こいつをまだ舐めていたんだ。あの性格以外は何処を取っても雄として整いすぎている、雰囲気ありすぎて恐怖を煽るような男が、ここまでどろどろに甘く蕩けるとは思わなかった。

「そんなに慌てなくても、ちゃんと全部出させてやるって……こうやって、少しずつ出して行こうな。普通の射精は一瞬だけど、こうやったら長く一番気持ちいい瞬間を味わえるだろ?」
「やッ、アッ、い、らな、っぁ! そ、な、いらねッ……~~ッひア゛ぁああーーー!」

 ぐずぐずになって泣きじゃくっている姿に、もう最初の攻撃的な怒りは薄れてしまっている。そろそろいじめるのは止めてやろうと、沢山気持ち良くなれる術を提案した。
 制止の声も聞こえたが、気にせずに穿ちながら、精液を塞き止めている指を揺らす。

「ゃッァっ、っ、ぃあア゛うぅぅ! あ゛ーーっッ! ヤッぁうああ! ヒッあぐッぁっあ゛あ゛ッッ」

 ぐちぐちと濡れた音が響く度、逞しい体が電流を浴びせられたように跳ね上がって、咥え込んだ俺をぎゅうぎゅうと締め上げながら少量ずつ白濁を隙間から溢していく。

 さっきまでみたいに蓋をされてるのも辛いけど、ちょっとずつしか出せないのもかなりきついだろ。
 ぎゅるぎゅると性器の中を精液が駆け巡って、暴れ狂う熱を僅かずつだけ噴き出すことを許される。どこまで吐き出せるのか、どこまで絞り取られるのか、俺の気持ち次第だ。本能的な生理現象を管理されるのって、自分を壊されてるみたいな恐怖も伴うよな。
 そういう下心は、正直……ある。
 あーあ、本当に壊れてくれねえかな。その分、死ぬほど気持ち良くしてやるから。

 ま、取り合えず今は出るもんが無くなるまで続けよう。
 刺激は止めないし、出しきるまで射精しっ放しだ。ずっと気持ち良いよ。

「あっ、あーーっ、ゃ、だ、ッアあ! む、ぅ゛グっ、ッ も、む、り、ぃッ――ッァぐ、ゃッア゛っあ゛、ぁあああッ!」
 過剰な快感に耐えかねて、がりがりと床を旭陽の爪が掻き毟っている。

「ィう゛っ、ひいっ、あぐッっ! ぅ、うっ、がッあア゛ぅう゛うッ! ヒッ――~~っ、ッ――!」
 咎めるつもりで奥を乱暴に穿ってやると、ひぅと喉が鳴る音がした後、俺の下の体から力が抜けた。

「旭陽? ……ダメだって、寝ちゃ。ちゃんと、俺を感じて」
「ッひぐっ! ぁっ、ァ、あッ? ぃッあっあ゛、ああ、あっ、あっ! くぁっぁあアッ!? も、ゃッぁ゛あアアッ、おかし、ヒいッっ、おかしく、ッな、ァ、っあ゛ッぁーー!」

 寂しいから尿道口をもっとめちゃくちゃに掻き回してやると、飛び起きるように意識を取り戻した男がまた苛烈な絶頂の渦を叩き付けられて咽び泣く。
 腰を引いてまた叩き付ければ、出て行かないでとばかりに腸壁が俺を締め付けてきた。
 引き攣った泣き声の甘さに全身の肌が粟立つ。

 ああ、可愛い。

 もっと泣いて欲しいなあ。おかしくなるまでイき狂って良いよ、旭陽。
 壊れちゃったら、俺がこのまま飼ってやるから。
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