助けた王子に妃へと望まれた魔女ですけれど、自然が恋しいので森に帰りますね

安野 吽

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エピローグ

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「ふんふんふふ~ん、ふんふふん」

 盛夏に青々と茂る森の草木に囲まれながら、一人の女性が林道を鼻歌交じりに進んでいる。夏場だというのに黒いローブ姿、背中には使い古したリュック、頭には黒いとんがり帽子が先を垂らしている。

 迷いもせず彼女は、木々の間をすり抜け、目的地へと向かってゆく。
 途中で鹿の群れや猪に出くわすが、どの獣も警戒せずに、彼女が通り過ぎるのを見送っていた。

「チチッチ」
「うん、今日もよく売れてたね、薬」

 魔女メル・クロニアは肩口に駆けあがったリスの頭を撫でると、嬉しそうに笑ってみせた。

 ――あの大騒動から五年。

 ナセラ森にやっと戻ったメルは、少し荒れた家を改修すると、また、元通りの生活を始めた。家の裏手の菜園で野菜やハーブを育て、使えそうな木を拾って薪にし、時には薬を煎じたりして、気が向いた時にサンチノの街に出向きそれを売る。メルが作る美容クリームは、今では薬屋の一番の人気商品になった。

 森に異変が無いか静かに見守りながら、メルはそれでも以前よりは人と打ち解けられるようになった。森に時々訪れる樵や猟師、街の住民たちとも挨拶を交わし、時には仕事を手伝う。彼らはお礼にと、メルが住んでいた小屋を、もう少しまともなものに建て替えてくれたりもした。

 今こうして歩いている道も、森の生育を阻まない程度に、彼らが進みやすいように整えてくれたものだ。

(今日は帰ったらごちそうにしよう)

 リュック一杯に持って帰った食材の重みを嬉しく思いながら、メルはちょっとした違和感に気付く。

「あれ、いつもの馬車じゃないのかな……大きな轍」

 道を削るように真っ直ぐへこんだ車輪の後が、ずっと先まで続いている。
 たまになにかの頼みごとの際に、人が家まで尋ねてくることがあるが……この大きさを見ると、中々なサイズの大きな馬車に思える。

「またお金持ちの人が、無理な頼み事でもしに来たのかなぁ」

 過去一度だけ、寿命を延ばす薬を作ってくれなんてことを、お貴族様が頼みに来たことがあった。

 さんざ頭を下げてお帰りいただいたけれど、あんなにしつこい方々のお相手は、もうこりごりだ。なるべくなら、居留守を使って……。

「ピッ!」
「あっ、チタ! ……ったく、しょうがないな~……」

 なにか面白いものを見つけたのか、隠れるより先にチタが駆け出して行ってしまった。
 メルは仕方なくその後を追う。

 トトトと、身軽に林道の上を駆けるチタの尾っぽを目印にしていると、左右に立ち並ぶ木々を抜けて視界が開け、ひとつのものが目に入る。

 それはとても美しい装飾の馬車だった。優美に造られた木製の車体は深い赤に塗られ、枠組みは金箔で彩られている。そこらの貴族では所有することも叶わないだろう。

「ずいぶんご立派な馬車だこと……。うー、面倒な人が乗ってないといいんだけど」

 その後ろに消えたチタを探し、メルが裏手に回り込む。
 が、誰もいない。

 だとしたら家の中に勝手に入られたのか……。
 警戒したメルがまなじりを険しくし、一歩一歩扉ににじり寄ろうとしたところ。

 ――砂利を踏む音。

 さっと流れる風がこちらに吹き……自然界にはない、けれど思い入れのある香水の薫りが、頭の奥を刺激して。

 メルはその場にピタリと体を止める。

 ゆっくりと心臓が鼓動を速め……確認を恐れる気持ちを、もしかしたらという期待が上回って――。

「面倒な奴が来て悪かったな」
「チチュッ!」
「あ……」

 背後でいきなり、梢の陰から姿を現していたのは、ひとりの男性。
 彼はすらっとした体を動かし、チタをつむじの上に乗せたままゆっくりと近付いてきた。

 細い冠がその額には嵌まっていたが、それよりもメルの目を釘付けにしたのは、今まで見た誰よりも圧倒的に鮮やかに輝く、あの懐かしい、朱の瞳――。

「あ、あ……」
「おう、久しぶり。びっくりさせ過ぎたか?」
「……いいえ、いいえ!」

 ぶんぶん首を振るメルに、ラルドリスは親愛の笑みを向けてくる。その表情は、記憶となにも変わらない。

「変わらないな、お前は」

 そして同じことを考えていた彼も、在りし日にシーベルに渡しておいたあのコンパスを胸に仕舞い、メルの身体を正面からぎゅっと抱きしめた。

 何度も何度も、寂しくなる度に思い出した香りが、メルの胸の中を満たす。

 もう五年前にもなるのに、こんなにも、はっきりと思い出せる。
 色々な事があり過ぎて、絶対に忘れられない、あの旅の一部始終を。

「――――っぅ、ひぐぅ……」
「お、おい! なんでお前が泣くんだ! 泣きたいのはこっちだったってのに!」
「ご、めんな……さいっ。夢、みたいで」

 夢などではなく……しっかりと存在するラルドリスの姿を、今メルは全身で確かめていた。温かい胸の感触も、力強く自分を包んでくれる腕も、あの時と似ている。

 でも同じではない。少しだけ高く、力強くなった彼の視線に、メルは時の流れを感じた。

「あの……背が少し、伸びたんですね」
「お前は変わらない……っとと、まあ女らしくはなったかな。でも、元気そうで安心した」

 慌てて言い直すラルドリスに、女性の扱いはまだまだ発展途上なのだとメルは少し笑った。
 そして尋ねる。

「王様に、なられたんですよね?」

「まあな。この通りだ」

 彼は額から王冠を抜くと、人差し指でくるくると回した。おそらく外出用の簡易的なものなのだろう。それでもその精緻な細工は見ただけで、一般人には触るのも躊躇われるものなのだと分かる。

 立派な彼の姿が嬉しくて、嬉しくて……でも、メルは彼の胸を押し、すっと離した。

「それで、どういった御用事ですか? もしかしてまた、なにか手に終えない事態でも? それでしたら相談を受けますから、どうぞ中に……」
「メル」

 つい早口になり、家の中に入ろうとしたメルの腕を掴むと、ラルドリスは強引に目を合わさせた。

「どうしてこちらを見ようとしない。なにを怖れてる」
「そんなこと、ありませんよ……。あ、あれから私も、少しは有名になったんです! 街の人のお手伝いしたり、貴族様も訪ねてくるようになったりでって……こんな話はどうでもいいですよね。とりあえず家の中で、お話を……」
「メル!」

 ラルドリスは厳しい声を出すと、ぐっと掴む手に力を込めた。

「そんなことじゃない。俺がここに来たのは決してそんなことのためじゃないよ。ちゃんと今の俺を見てくれ」
「ラルドリス様……」

 彼はとてもつらそうな顔をしている。
 こうなるから、見たくなかったのに……。
 メルは吸い込まれるように、ラルドリスの双眸を凝視してしまう。

「長かったよ。あの後父上が無くなり、戴冠の後発足した新政府の体制を整えようと、寝る間もない日が続いた。多くの臣下が俺と納得するまで意見を交わし、新しい国づくりについての基盤を整えた。才能あるもの、熱意を持つ者を拾い上げ、然るべき地位に就けて国家運営が安定するまでに、本当にいくつもの難所があった。けれど、臣下れぞれが身を粉にしてくれたおかげで、少しずつ成果が出始めた。やっと、市井の生活が上向き始めているということが実証され始めたんだ!」
「……よかった、ですね」

 本当に、最近王国では明るい知らせをメルも多く聞いていた。国家全体の収入が増加し、わずかであるが税負担が和らげられたことや、周辺国との友好条約の締結。

 街で暮らす人々にも、明るい顔が増えたように思う。

「ああ、こんなに嬉しいことはない。ようやく俺は、俺の目指す国の姿が朧気にだがみえるところまでやってこれた。そんな気がしてる」

 ラルドリスの情熱的な瞳が潤んでいて、メルも頬に血が上がるのを感じた。

 きっと、侮られがちな若い王が、多くの人の信頼を得るには言い尽くせないほど大変な困難を負ったはず。しかしそれを、ラルドリスは仲間たちの力を借りて見事、跳ね除けて見せた。彼のここまでの努力が報われたことが、メルにとってなによりの朗報だ。

 こうしてそれを伝えに来てくれた彼に、メルとしてもできる限りのもてなしをしてあげたい。素直にそう思えた。

「あの……今日は長く居られるんですか? お口に合うかわかりませんけど、よかったら一緒に食事でも。お、王様に振る舞うなんて、私などでは不相応でしょうけど……」
「ああ、もちろんだ。久しぶりに時間をもらったからな。今頃シーベルはひいひい言ってるだろうが」

 へらへら笑いを引きつらせてそうなシーベルに同情しつつの心ばかりの提案を……彼は快く受け入れてくれた。メルは弾む気持ちで、再び家の扉を開けようとする。

「ちょっと待った、それで終わりじゃない。そのことよりも、大事な話があるんだ」
「は、はぁ」

 ラルドリスの成功よりも大事な話など、他にあるのだろうか?
 腕を引かれ、くりんと反転させられたメルは、背中を押され、馬車の前に連れてこられる。

「俺もいい年だしな。そろそろ結婚って奴をしようと思うんだ」
「……そ、それは。ええ……とっても、素敵な事です!」

  あれからもう五年程は経ち、彼との出会いはいわば過去のこと。今やラルドリスは確か二十二……十分に適齢期に達している。ならばなにもおかしくはない。

 メルは反応には困ったが、なんとか、笑顔を浮かべることができた。
 では、もしかしてこの中にそのお相手が……?

「開けてみてくれ」

 メルはわずかに胸を痛めながらも深く息を吸い、未来のお妃さまにご挨拶しようと息を整える。

 そして、ゆっくりと、そのドアを開けた。

 瞬間、きらびやかな装飾品群と、いくつもの素晴らしいオーダーメイドのドレスが、目に飛び込んでくる。

「あれっ?」

 しかし、中には誰もいない。
 メルは一旦入り込んで中を見回すと、戻ってきて首を傾げた。

「お妃さまはいずこへ?」
「いるじゃないか。俺の目の前に」

 くるり、くるりと首を捻るが、他にあるのは二頭の馬の姿だけ。メルはぐしぐしとまぶたをこする。

「おかしいな。あの……もしかして、私たちが話している間に、退屈で森にお散歩にでも……?」
「いい加減に、現実を直視しろ」
「……はい?」

 それでもなお、瞬きをして意図を測りかねていたメルに、ラルドリスは告げた。

「車の中のものは、全部お前のものだ。……俺と結婚してくれ、メル」
「…………え~と」

 思考が退化したかのように、メルは口をぽかんと開けたまま疑問を繰り返す。

「久しぶりに会えたおかげで、頭がおかしくなってるみたいです。もう一度言ってもらえますか?」
「俺と結婚して、王妃になってもらう。お前に」

 なにを言っているんだろうか、この人はと。
 メルの頭は、彼の言葉を反芻した。何度も、何度も。
 だが、それは何十週しても、同じ結果をメルに突きつけて。
 ようやく言葉の意味を理解した彼女は、自分の顔を指差した。

「私が、あなたの妻に?」
「そうだ」

「なぜですか」
「俺が好きだからだ」
「………………」

 そうか、などと納得できるはずがない。
 しかし、ラルドリスは畳みかけるように、距離を詰めて来る。

「ずっと決めていた、お前以外の女は相手にしないと。そしてここに来て、やっぱり再認識したよ。俺にはお前が一番似合いなんだってな」

 ぐっと指を絡ませるように手を握り、逃がさないように馬車に背中を押し付けられた。
 体が密着している。心臓のドキドキ跳ねる音が、多分、相手にも伝わっている。

「まっ、前にも申し上げましたが! わ、わ、私は! 魔女で、一般市民で!」
「逃げるな。前にも言ったが、そんな問題は些細なことだ。俺は王様だからな。あれだけ待たせといて……生半な言葉じゃ俺は引かないぞ?」
「で、でも……」
「俺が好きか嫌いか、それだけで決めろ」

 この人は変わらない。どこまでも真っ直ぐにこちらを追い駆けて来たんだ。長い期間をかけて、私が納得するだけの結果を用意してまで。

 もう、逃げられない。

 メルは追い詰められた兎の様に頭をしゅんと垂らすと……ぼそっと、小さい声で言った。

「す……き、です」

 その言葉を、なによりも待っていたというように、ラルドリスはぶるぶる震えると、大きく拳を握った。

「……言ったな? やったぁぁぁぁぁ! やったぞ!」

 メルを力強く抱きしめ、彼は体一杯に歓喜を表す。
 しまいには彼女の細い腰を持ち上げ、ぐるぐると振り回しまでした。

「やった……! ははっ、本当に、俺の妻になってくれるんだな!?」
「……そこまで喜ばれたら、どうしようもないじゃありませんか。……ぷっ」
「ふふふ……はははは」

 メルもなんだか堪らなくなって、ラルドリスの身体に寄りかかると大声で笑い出した。
 こうしているだけで、なんて幸せなんだろう。
 喜びが溢れて、力が湧いて、どんなことだって、やれそうな気がしてくる。

「さあ、中に入れてくれるか。久しぶりに手料理をふるまってくれるんだろ? 楽しみだ……俺も手伝う」
「ふふっ……なら、ラルドリス様は野菜を洗ってください」
「よしきた」

 彼は腕まくりをして、頼もしくそれに答える……。
 


 ――こうして、メルには新しい家族が増え、数日後彼女はナセラ森を立った。祖母が寂しくないよう、また何度でも訪れる約束をして。チタは魔女の家の軒下に巣を作り、番を作って、子育てを頑張っているようだ。

 それ以来、森の中の魔女の家はひっそりと佇み続けている。時々街の方からやって来る人々の憩いの場となって。
 そして小さな墓には、いつも誰かが供え物を置いてゆき、祈りを捧げる。

 その内にある言い伝えがこの地方には広がっていた。
 なにか悲しいことがあった時、この森に来て祈れば、優しい魔女の魂が寄り添って、素敵な助言を授けてくれるのだと――。

(おしまい)
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