甘美な痛み

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金がない

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 まだ給料日まで2週間もあんのかよ。
 財布の中身なんか把握してるが、見ずにはいられない。
 財布の中に万札はすでにない。
 背に腹は変えられない。この前もらった連絡先に連絡するしかない、か。

 出張で都内に来た時、髭面でマッチョな2人組に声をかけられた。どうやら待ち合わせの野郎と間違われたようだった。
 俺は昔は甲子園目指して野球やってたけど今は社畜よろしく働くリーマンでしかないが、この2人は明らかに日々鍛え込んでる。この肉体に辿り着いた上、維持するのは普通の昼職についてたら無理な事は体育会にいたからこそ分かる。
 無駄話をしてるうちに現れたのは、坊主頭の大学生?くらいの野郎。格闘技でもやってんのか目つきが鋭い。シャツの上からでも分厚い筋肉してるのが分かる。ここまで来たら俺でも分かる。こいつらは野郎同士でセックスするのが好きな変態どもだ。
 マッチョな野郎に囲まれた時に思うことなんざ、むさ苦しい一択。なのに目を輝かせてる坊主を見てれば一目瞭然。俺は、「待ち合わせの人来たみたいすね。それじゃ。」と離れようとした時、不意にジャケットのポケットに何かをねじ込まれた。
 「それ私の連絡先ー。良かったら連絡ちょうだい。応援とかもありよー。」そう言うと坊主野郎の肩を抱いて立ち去った。
 

 「なんで?あーいうのタイプだった?昔はイケてたかもだけど、今は並じゃない?」
 「あー言う金に困ってそうな男が堕ちていくのみたくない?絶対連絡くるし!賭けてもいいw」
 

 そんね会話をされてるとも知らず、アプリのIDがかかれた紙をぐしゃっとみぎり潰してみたものの、「応援するから」の意味を頭の片隅では理解していた。
 今すぐにでも応援されたいが、男としてのプライドがある。大学の頃、女遊びしかしてなかった大学時代。金欠なのは周りも同じで、遊べば遊ぶだけ金がかかるもんだ。そんな中、はぶりよく遊んでる友達がいた。陸斗だ。陸斗は時々バイトと言ってはしれっといなくなっては次の日女を引っ掛けに行っては景気良く金を使ってたが、3年の頃になると半ば強迫的に女遊びをしてた。そこそこイケメンだから相手には困らないはずなのに特定の女を作らずワンナイトばっか。
 「なぁ、彼女作った方がホテル代もかかんなくて良くね?」と聞くと、「生活リズム乱したくないんだー」とおどけて言うが、その表情はどこか暗い。
 その理由は宅飲みしてる時にかかってきた電話で分かってしまった。
 「は?次の土曜予約してくれてたじゃないすか!金いるんでキャンセルとか困るすよ!」
 普段のおちゃらけた言動と似つかない怒声。声の大きさは小さくてもキレてるのが伝わってくる。続けて「若いのがいいって、、俺だってまだ21だし!それに元から年は伝えてあったじゃん!なんでだよ!」
 怒るようなすがるような声が玄関の方から聞こえてくる。そしてその声の相手はギャルでもババアでもなく中年の男の声だった。
 仲間内でも陸斗はパパ活してんだろうなって話にはなってた。だから相手は金持ちの女だろうなと。旦那にバレたのかーwなんて俺らは笑い合ってたけどさ、玄関の1番近くにいた俺には聞こえてしまったんだ。
 「だって君結構遊んでるよね、ユルユルらしいじゃないwその割にプレーが傲慢でさー。皆んな嫌気がさしてるみたい。どうしてもって言うなら、もっと自分から口でも腰でも振るしかないよー」と。中年の男に言われてたんだ。
 陸斗はちょっとバカだから、毎回スピーカーにして会話するんよ。普段は女との会話を俺らに聞かせてマウント取ってるつもりだったんだろうけど、その時はそれが裏目に出たってこと。
 「分かったから!言う通りにするから!な!?頼むよ!」
 何度も小声で頼むと、相手は「態度悪かったら2度と呼ばないからねー。」と言ってたかな。

 「お!電話終わったな!」
 俺らは聞いてないフリのためにいつも通り下らない下ネタ言っては酒を飲んだ。陸斗は俺らを見て、聞かれてないと安心したのか、「おいおい、俺も混ぜろよー!」と酒を飲んだ。
 元気な陸斗を見たのはこの辺までだったかな。ゼミしかないのに、それも休んでたらしいし、たまに会うと暗い顔してたし合コンに誘っても断られた。
 とうとう旦那にバレて慰謝料でも請求されてんじゃね?と笑いあってたけど、4年に上がった頃、退学したって噂が流れると同時に「ウリ専」とかいう男に体を売ってるとも噂になってた。噂の出所の奴はどうやって知ったんだよ!と腹もたったけど、辞めたんだし怒っても仕方ないよな。
 そんなある日、陸斗と偶然会ったのは居酒屋で飲んだ帰りだった。陸斗を見かけたたから「おーい陸斗ー」と声をかけようとしたのに口から声は出なかった。だって中年のおじさんに追い縋って、「待って!ちゃんとするから!捨てないで!」と懇願してたからだ。
 明るくてスケベで面白い奴だったのに、いつの間にこんなに落ちぶれたんだろう。そう思うと声かけれなかった。どうして良いか分かんなくて立ち尽くしてると、中年の男に振り払われた陸斗に気が付かれた。
 どんな話をしたのか覚えてないけど、俺の部屋で飲む事にした。コンビニでも部屋に入っても無言な俺ら。
 
 「なぁ、俺がウリやってるの聞いた?」
 唐突にそう聞かれて、飲んでたビールを吹き出した。「そっかそうだよな、やっぱ知ってるよな。ミスったなぁー。上手くやれてるつもりだったんだけどなー。海斗も俺が男とやってんじゃないかって気ついてた?」
 俺は何と言って良いか困ってると、「俺だってさぁ、こんなつもりじゃなかったんだよ。割の良いバイトって割り切ってたはずなんだ。それがなぁ。気ついたら、ガッツリだよ。海斗はちゃんと女の子で満足しとけよー」笑ってるけど笑ってない。そんな陸斗の上っ面なセリフを聞いて、なんだか悲しくて聴きたくなかった、そんな事思ってたのに、
 「あのさ、俺さっきのおっさんの下手くそって言われたんだよー。海斗は結構女経験あるし、下手か判定してくんない?」
耳を疑うことを言われた。酔いすぎて聞き間違いかと思って顔を見合わせた。
それをオッケーと受け取ったのか陸斗は、「溜まってる?俺沢山出るのが好きなんよなー。」と俺のスキニーパンツをボクサーごと下ろしてきたんだ。
焦って、「マジで?マジで男とやるの俺?陸斗は友達だしキツいって!」と引き剥がそうとしたけど、酔ってる俺と振られてヤケになってる陸斗とでは馬力が違う。それにジムに行き始めたらしくてパワーもある!69の体勢にされると速攻パクっと咥えられた!
 実は他人とするのは結構ご無沙汰、前日の夜に抜いてたけど、亀頭にヌルっとした感触を感じただけで反応してしまった。
 「あ、海斗反応してるー」笑いながら言われて恥ずかしくなったけど、生理現象なんだから仕方ない。というか、かなり気持ちいい。逆らうのを辞め力を抜くと、陸斗は舌を絡めながら上下にストロークを始めた。よだれをたっぷり垂らしながら「ジュプ ジュプ」とされると裏筋とかカリが気持ち良すぎてあっという間にギンギンになった。
 俺長さは普通くらいだけど太めらしくて長時間咥えてくれる女はほとんどいなかったんだけど、実は挿入よりフェラが好きなくらい。普通なら歯が当たるのにそれもなくて、目を瞑ってたら天国気分。
 「奥までいい?」俺は風俗嬢とやってる時みたいに言うとそっと頭に手を置いた。その時、「あ、陸斗にやられてるんだった」と思い出して少し萎えたけど、手に合わせて奥まで飲み込まれて喉奥で締め付けられたから、萎える事なく、いや、むしろもっとガチガチに硬くしてた。浮き出た血管をなぞるように這わされる舌に腰を浮かしながらビクビクしてしまう。声を出さないようにするんで精一杯な俺をよそに陸斗は奥で締め付けたり亀頭を強く吸ったり顔を回しながら優しくしゃぶったりとバリエーションをつけて責めてくる!  俺はもう限界だったから、「陸斗、やばい」と伝えた。このまま搾り取ってくれるものだと。その頃にはもう友達と、というか、男とやってるなんて頭に無かったし、出したくて仕方なかった。自然と腰が動いてしまってた。でも陸斗は俺が奥を突こうとした瞬間、「まだダメー」と口を離してしまった。俺は寸止めする事なんてあんまないから、理解できんかった。位置を変えて俺の方を見ながらチンコの根本を握ってる陸斗の顔は興奮してた。舌を出して先っぽだけ舐めながら俺のリアクションを見てる。
 「ど?俺のテク?下手?上手い?」
 ゆっくりしごきながら先っぽから裏筋を舐めてくるから、考える能力ゼロ。それでも気持ちいいと、上手いと伝えるのは男として間違ってる気がして、無言でいたら、「あー、意地悪するんだー。いいよ、俺長時間奉仕得意だから。」そう言って楽しそうにガチガチになってる俺のチンコをしゃぶっては止めてを幾度となく繰り返した。
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