34 / 68
氷の大陸編
だいたいあるよね!一悶着
しおりを挟む
永氷の紫山。
永遠に溶けることのない氷の山。
山頂に近づくほどに気温は急激に下がっていく。
そしてその氷山にかかる空は紫がかり薄暗い。
その正体は毒素である。
どうしてそうなったのかは誰にもわからない。
毒がどこからともなく現れ、空を紫に染めた。
そして毒は下へ下へと降り注ぎ、降ってきた毒は山をも同じ色へと染め上げた。
生きとし生けるものを寒さで殺し、毒でも殺す。
名もない山はその色からか、いつしか紫山と呼ばれ、全て死に絶えさせるその様から死山とも呼ばれるようになったのだった。
┼┼┼
「さっぶー。 死ぬよ。これ、死ぬよぉー」
「ハッハッハッー! 人族は弱いなぁー! そんなんじゃモテないぞー!」
「誰にモテんだよーー!顔がぁぁ!顔が凍るぅわぁー!」
「ハッハッハッー!!」
俺は今ネグロに殺されかけている。
雪白馬という品種の馬に乗り、紫山を目指しているわけだが……。
後ろに俺を乗たネグロは、ノンストップの猛ダッシュで馬を走らせた。
ネグロが多少なりとも風避けになってはいる。
しかし、それでもこのスピードで感じる風はヤバい。
顔が凍る。手足の指がとれる。鼻がもげる。このまま逝ける。
┼┼┼
必死に耐えること一時間。
漸く目的地へと到着した。
目の前に聳える紫山。
あまりに巨大なためにすぐそこへあるように感じるが、実際にはまだ距離はそこそこある。
そして、俺が潰した例のアレも見える。
気を失ってから初めて確認したが、潰れた箇所を中心に歪で巨大なクレーターが出来ていた。
「━━なあ、あそこにいるのは誰だ?」
クレーターの中心を指差すネグロ。
こっちは高台になっているから向こうからは見えないと思うが、瞬時に俺達は伏せた。
肌に触れる地面が冷たい。顎が凍る。
「誰だろうね」
そんなん知るわけもない。
俺の知っている者は鬼族くらいだ。
他に魔族の知り合いなんていない。
何で魔族って分かるかって?
それは、あそこにいるみんなが異形であるからだ。
人型であるが、肌の色が青い奴に赤い奴、緑の奴もいるし。
「なんだ。よく見りゃアイツらか」
「ネグロの知ってる奴?」
「ああ。単眼族と巨人族と三ツ目族の連中さ。 どの村もわりと近いぜ」
「なるほど……。 で、どうするんだ? クレーターを見るっていっても先客がいるし…というか、ほんとにクレーターになってるだけで、何もなさそうだけど?……帰るか」
俺はもちろん自分で壊したから、中が見れないほどに崩壊しているのは知っている。
あのローブの奴の手掛かりがない以上はどうしようもないし、ここに来る意味も正直ない。
それに、運よくあのローブの情報を手に入れたとしても今の俺ではどうしようもないんだよな…。
知らないよりは知ったほうがもちろんいいけどな。
というわけで、俺は早く帰りたかった。寒いし。
まあそれも理由ではあるけど、他の魔族のことはよくわからないからあまり関わりたくなかった。近づきたくもなかった。
怖いし。
俺はとりあえず帰ろうと思い、後ろに停めてある雪白馬の方へ向かった。
と、一歩踏み出した所で、袖をぐいっと引っ張られた。
「まあ、まてって。 アイツらが何か知ってるのかもしれないしさ。 聞いてみようぜ?」
「えっ! いやいや!関わるのよそう━━」
「おーい!! それはどうしたんだぁー?」
うそん。
俺の襟首掴んで、クレーターの坂を駆け下りていくネグロ。
「俺、後ろ向き!後ろ向きー!ネグロ!後ろ後ろおーー!」
途中からゴロゴロと転がり落ちていく俺。
中心にいる魔族へと一直線に一等賞だ。
そして、ゴンっと何かにぶつかり漸く止まった。
「イデッ」
「おいおい、なんだ」
「ん」
魔族は三人。
三人が残忍でないことを願うばかりだ。
「わりぃ! コイツが勝手に転がっちまった!」
ネグロはそこにいる三体の魔族へ詫びを入れた。
まず謝るなら俺じゃね?
「デグロじゃでーか」
なんだこいつ。
めちゃめちゃ鼻つまってんのか?
濁点多いぞ、おい。
「ああ。 久しぶりだな。 ジャイ! あとレビタとラモン!」
「おいおい、なんだよ、ネグロか。コレはお前のか?」
レビタ と呼ばれた一つ目の赤い奴が俺を指差しながらネグロへと話かけた。
「 俺のっていうか、奴隷じゃなくて…あ、いや奴隷な。俺の奴隷だから、お前ら手を出すなよ」
「デグロ、コデ、おでにぐれよ。ぐふふ」
いてて……。
ジャイと呼ばれた巨人族の緑色の魔族が俺を踏みつける。
巨人族だけあって、ここにいる誰よりも体躯が巨大。
俺を踏みつける足は、片足なのに頭以外がすっぽりと収まるサイズだ。
足、くっせーな。
残りの三ツ目で青い肌の奴がラモンだ。
胸に一つあるポケットに両手を入れて、俺をじっと見ている。
両目を閉じ、額にある一つの目で見ている。
「やめろやめろっ! 足をどけろ!ジャイっ!」
「ぐふふふ」
ネグロが足をどけようと力一杯押しているがびくともしない。
鬼族は腕力に長けているが、それでも一ミリも動かない。
メキメキと骨が軋む音が脳内に響く。
くそ、めちゃんこ痛い。
そしてくっせーし。
「黒王樹」
さすがにイラッときちゃったな。
足の裏にでもコレを撃ち込みたいが、足で踏まれて隙間がない。
仕方がない。
全く見えないが……。
「大雪山紅苺」
俺はネグロがいない方をイメージして放った。
ジャイの背後の地面より突如として生える灰色の蔦。
氷を割りながら生えたそれはジャイに絡み付いていく。
「ぐふふふ。おっ? だんだ?だんだこで。お、お…い、いで、いでーど!ギ、ギャア!!」
「あっはっは! だっせーなジャイ! あっはっは、は? なんだよ!おい!」
レビタは狼狽えるジャイを見ながら腹を抱えて笑っていた。
けれど、ジャイが全身を蔦に絡みとられ氷の上でのたうち回り、出血で氷を赤く染め始めたのを見て焦りの声を上げた。
《大雪山紅苺》
雪山に咲く苺である。
しかしそのままでは実らない。
灰色の蔦は険悪な鋭い棘を生やしている。
棘は先端が針、側面が鎌のように湾曲し、刃が付いている。
雪に色が同化し、見えにくい棘の鎌は、近づいた生き物を突き刺し、切り裂いていく。
そしてその付着した血液と地面に流れたものを栄養分として吸収し、紅い実をつけるのだ。
その実は、血を吸った時にだけできる物とは思えない程に極上の甘さであるという。
もちろん、これは魔界に咲く危険指定にされている植物である。
「━━ふぅ」
「おい、大丈夫か? お前よりあっちの方がヤバそうだけど…」
ネグロが指を差した方には簀巻き状態のジャイと、寄り添うレビタが見えた。
そして蔦へ紅苺がポコポコと実っていくと、辺りに甘い苺の薫りが漂っていく。
ラモンは徐にその一粒をむしりとると、口へと放り込んだ。
「うま」
閉じていた両目がカッと開いた。
「おい、ラモン!呑気に食べてる場合じゃねーぞ。 ちょっと手伝え━━んぐっ」
ギャーすかと騒ぐレビタの口へとラモンは苺を詰め込む。
「んぐ……うまぁ!あまっ!」
「だんだ?だじじでんだ? おでにぼ一個くでよ」
食いしん坊のジャイが痛みそっちのけで苺を食べたがり始めたので、パージだ。
レビタがジャイの口に一粒入れる瞬間に消してやった。
「うお!?」
「だんだよっ!」
驚いてしりもちを付くレビタと、蔦は消えたが血だらけのジャイ。
ラモンはまた両目を閉じて、何考えてるのかさっぱりわからん。
「ヴェルデ、お前の魔法なのか?」
「うん。 樹属性魔法だよ。しかし、イテテテ……いきなり無茶苦茶だな……」
仕返しとはいえ、俺も無茶苦茶か?
いや、あのままなら全身の骨がバキバキに折れていたからな。
魔族にはこんな奴が多いのだろうか。
「わりぃな。 鬼族以外も温厚な奴はいっぱいいるから。ほんとこんな奴らは稀だからな? 特にジャイとレビタはバカだから」
まるで俺の心を読んだように……。
顔に出てたか?
「……わかった」
「しかし、お前さ…」
「……やっぱやり過ぎたか?」
「すげーなっ!俺に教えてくれっ!」
いやいや。
「アナタ、カミクロイヨ?」
「イデーよ……おで、ぼうだめがも…」
「おいっ! ジャイっ!しっかりしろっ!」
あー、やっぱりやり過ぎたな。
ジャイ君、ちょっと虫の息。
えーっと……。
下は土じゃないけどいけるか?
「月光草の花」
俺が指定した氷がぽわっと一瞬光ったが、それで終わってしまった。
月光草は寒さに弱く、氷に根を張るのは無理だったようだ。
「なんだよっ!おい! まだやる気か?!」
レビタがうるさい。
レビタのくせに。
無視無視。
……よし、もう一度。
「月光草の花」
と、今度はジャイの着込んでいるちょっと年期の入ったモコモコとしている獣の皮を指定してみると、あら不思議と成功した。
そのまま一粒の雫がジャイへと落ちる。
ジャイは淡い光に包まれ、それを見たレビタが何やら騒いるが、そのうちにジャイの全身の傷は全て治っていた。
「おで、おでびぎでぐー!」
濁点多いな、おい。
永遠に溶けることのない氷の山。
山頂に近づくほどに気温は急激に下がっていく。
そしてその氷山にかかる空は紫がかり薄暗い。
その正体は毒素である。
どうしてそうなったのかは誰にもわからない。
毒がどこからともなく現れ、空を紫に染めた。
そして毒は下へ下へと降り注ぎ、降ってきた毒は山をも同じ色へと染め上げた。
生きとし生けるものを寒さで殺し、毒でも殺す。
名もない山はその色からか、いつしか紫山と呼ばれ、全て死に絶えさせるその様から死山とも呼ばれるようになったのだった。
┼┼┼
「さっぶー。 死ぬよ。これ、死ぬよぉー」
「ハッハッハッー! 人族は弱いなぁー! そんなんじゃモテないぞー!」
「誰にモテんだよーー!顔がぁぁ!顔が凍るぅわぁー!」
「ハッハッハッー!!」
俺は今ネグロに殺されかけている。
雪白馬という品種の馬に乗り、紫山を目指しているわけだが……。
後ろに俺を乗たネグロは、ノンストップの猛ダッシュで馬を走らせた。
ネグロが多少なりとも風避けになってはいる。
しかし、それでもこのスピードで感じる風はヤバい。
顔が凍る。手足の指がとれる。鼻がもげる。このまま逝ける。
┼┼┼
必死に耐えること一時間。
漸く目的地へと到着した。
目の前に聳える紫山。
あまりに巨大なためにすぐそこへあるように感じるが、実際にはまだ距離はそこそこある。
そして、俺が潰した例のアレも見える。
気を失ってから初めて確認したが、潰れた箇所を中心に歪で巨大なクレーターが出来ていた。
「━━なあ、あそこにいるのは誰だ?」
クレーターの中心を指差すネグロ。
こっちは高台になっているから向こうからは見えないと思うが、瞬時に俺達は伏せた。
肌に触れる地面が冷たい。顎が凍る。
「誰だろうね」
そんなん知るわけもない。
俺の知っている者は鬼族くらいだ。
他に魔族の知り合いなんていない。
何で魔族って分かるかって?
それは、あそこにいるみんなが異形であるからだ。
人型であるが、肌の色が青い奴に赤い奴、緑の奴もいるし。
「なんだ。よく見りゃアイツらか」
「ネグロの知ってる奴?」
「ああ。単眼族と巨人族と三ツ目族の連中さ。 どの村もわりと近いぜ」
「なるほど……。 で、どうするんだ? クレーターを見るっていっても先客がいるし…というか、ほんとにクレーターになってるだけで、何もなさそうだけど?……帰るか」
俺はもちろん自分で壊したから、中が見れないほどに崩壊しているのは知っている。
あのローブの奴の手掛かりがない以上はどうしようもないし、ここに来る意味も正直ない。
それに、運よくあのローブの情報を手に入れたとしても今の俺ではどうしようもないんだよな…。
知らないよりは知ったほうがもちろんいいけどな。
というわけで、俺は早く帰りたかった。寒いし。
まあそれも理由ではあるけど、他の魔族のことはよくわからないからあまり関わりたくなかった。近づきたくもなかった。
怖いし。
俺はとりあえず帰ろうと思い、後ろに停めてある雪白馬の方へ向かった。
と、一歩踏み出した所で、袖をぐいっと引っ張られた。
「まあ、まてって。 アイツらが何か知ってるのかもしれないしさ。 聞いてみようぜ?」
「えっ! いやいや!関わるのよそう━━」
「おーい!! それはどうしたんだぁー?」
うそん。
俺の襟首掴んで、クレーターの坂を駆け下りていくネグロ。
「俺、後ろ向き!後ろ向きー!ネグロ!後ろ後ろおーー!」
途中からゴロゴロと転がり落ちていく俺。
中心にいる魔族へと一直線に一等賞だ。
そして、ゴンっと何かにぶつかり漸く止まった。
「イデッ」
「おいおい、なんだ」
「ん」
魔族は三人。
三人が残忍でないことを願うばかりだ。
「わりぃ! コイツが勝手に転がっちまった!」
ネグロはそこにいる三体の魔族へ詫びを入れた。
まず謝るなら俺じゃね?
「デグロじゃでーか」
なんだこいつ。
めちゃめちゃ鼻つまってんのか?
濁点多いぞ、おい。
「ああ。 久しぶりだな。 ジャイ! あとレビタとラモン!」
「おいおい、なんだよ、ネグロか。コレはお前のか?」
レビタ と呼ばれた一つ目の赤い奴が俺を指差しながらネグロへと話かけた。
「 俺のっていうか、奴隷じゃなくて…あ、いや奴隷な。俺の奴隷だから、お前ら手を出すなよ」
「デグロ、コデ、おでにぐれよ。ぐふふ」
いてて……。
ジャイと呼ばれた巨人族の緑色の魔族が俺を踏みつける。
巨人族だけあって、ここにいる誰よりも体躯が巨大。
俺を踏みつける足は、片足なのに頭以外がすっぽりと収まるサイズだ。
足、くっせーな。
残りの三ツ目で青い肌の奴がラモンだ。
胸に一つあるポケットに両手を入れて、俺をじっと見ている。
両目を閉じ、額にある一つの目で見ている。
「やめろやめろっ! 足をどけろ!ジャイっ!」
「ぐふふふ」
ネグロが足をどけようと力一杯押しているがびくともしない。
鬼族は腕力に長けているが、それでも一ミリも動かない。
メキメキと骨が軋む音が脳内に響く。
くそ、めちゃんこ痛い。
そしてくっせーし。
「黒王樹」
さすがにイラッときちゃったな。
足の裏にでもコレを撃ち込みたいが、足で踏まれて隙間がない。
仕方がない。
全く見えないが……。
「大雪山紅苺」
俺はネグロがいない方をイメージして放った。
ジャイの背後の地面より突如として生える灰色の蔦。
氷を割りながら生えたそれはジャイに絡み付いていく。
「ぐふふふ。おっ? だんだ?だんだこで。お、お…い、いで、いでーど!ギ、ギャア!!」
「あっはっは! だっせーなジャイ! あっはっは、は? なんだよ!おい!」
レビタは狼狽えるジャイを見ながら腹を抱えて笑っていた。
けれど、ジャイが全身を蔦に絡みとられ氷の上でのたうち回り、出血で氷を赤く染め始めたのを見て焦りの声を上げた。
《大雪山紅苺》
雪山に咲く苺である。
しかしそのままでは実らない。
灰色の蔦は険悪な鋭い棘を生やしている。
棘は先端が針、側面が鎌のように湾曲し、刃が付いている。
雪に色が同化し、見えにくい棘の鎌は、近づいた生き物を突き刺し、切り裂いていく。
そしてその付着した血液と地面に流れたものを栄養分として吸収し、紅い実をつけるのだ。
その実は、血を吸った時にだけできる物とは思えない程に極上の甘さであるという。
もちろん、これは魔界に咲く危険指定にされている植物である。
「━━ふぅ」
「おい、大丈夫か? お前よりあっちの方がヤバそうだけど…」
ネグロが指を差した方には簀巻き状態のジャイと、寄り添うレビタが見えた。
そして蔦へ紅苺がポコポコと実っていくと、辺りに甘い苺の薫りが漂っていく。
ラモンは徐にその一粒をむしりとると、口へと放り込んだ。
「うま」
閉じていた両目がカッと開いた。
「おい、ラモン!呑気に食べてる場合じゃねーぞ。 ちょっと手伝え━━んぐっ」
ギャーすかと騒ぐレビタの口へとラモンは苺を詰め込む。
「んぐ……うまぁ!あまっ!」
「だんだ?だじじでんだ? おでにぼ一個くでよ」
食いしん坊のジャイが痛みそっちのけで苺を食べたがり始めたので、パージだ。
レビタがジャイの口に一粒入れる瞬間に消してやった。
「うお!?」
「だんだよっ!」
驚いてしりもちを付くレビタと、蔦は消えたが血だらけのジャイ。
ラモンはまた両目を閉じて、何考えてるのかさっぱりわからん。
「ヴェルデ、お前の魔法なのか?」
「うん。 樹属性魔法だよ。しかし、イテテテ……いきなり無茶苦茶だな……」
仕返しとはいえ、俺も無茶苦茶か?
いや、あのままなら全身の骨がバキバキに折れていたからな。
魔族にはこんな奴が多いのだろうか。
「わりぃな。 鬼族以外も温厚な奴はいっぱいいるから。ほんとこんな奴らは稀だからな? 特にジャイとレビタはバカだから」
まるで俺の心を読んだように……。
顔に出てたか?
「……わかった」
「しかし、お前さ…」
「……やっぱやり過ぎたか?」
「すげーなっ!俺に教えてくれっ!」
いやいや。
「アナタ、カミクロイヨ?」
「イデーよ……おで、ぼうだめがも…」
「おいっ! ジャイっ!しっかりしろっ!」
あー、やっぱりやり過ぎたな。
ジャイ君、ちょっと虫の息。
えーっと……。
下は土じゃないけどいけるか?
「月光草の花」
俺が指定した氷がぽわっと一瞬光ったが、それで終わってしまった。
月光草は寒さに弱く、氷に根を張るのは無理だったようだ。
「なんだよっ!おい! まだやる気か?!」
レビタがうるさい。
レビタのくせに。
無視無視。
……よし、もう一度。
「月光草の花」
と、今度はジャイの着込んでいるちょっと年期の入ったモコモコとしている獣の皮を指定してみると、あら不思議と成功した。
そのまま一粒の雫がジャイへと落ちる。
ジャイは淡い光に包まれ、それを見たレビタが何やら騒いるが、そのうちにジャイの全身の傷は全て治っていた。
「おで、おでびぎでぐー!」
濁点多いな、おい。
0
あなたにおすすめの小説
転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!
nineyu
ファンタジー
男は絶望していた。
使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。
しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!
リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、
そんな不幸な男の転機はそこから20年。
累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件
エース皇命
ファンタジー
前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。
しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。
悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。
ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる