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4.絶望の夜に輝く月光
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昼間を避けて、アウルムは夜が深くなるのを待っていました。
夜の方が、活動する人間が少ない事を知っていたからです。
逃げ回り、夜の闇に隠れている自分の姿に悲しくなりました。
アウルムは故郷で暮らす兄弟のサメを思い出しました。
「故郷の海に戻っても、また兄弟に追いかけられるのだろうか?」
不気味な姿でも、美しい姿でも人間は襲ってきました。
もしかしたら、魔物や兄弟達もまた襲ってくるかもしれません。
「俺は結局、ひとりぼっちなのか」
昔はずっとひとりでも何とも思わなかったのに、今は心が苦しくなりました。
「俺は何の為に生きているんだ、何の為に神様は祝福してくれたんだろう?」
遥か頭上の水面を見れば、月が綺麗な三日月でした。
魚のアウルムは今まで月を見ても何とも思いませんでした。
けれど、今のアウルムは月をとても綺麗だと思いました。
「月は、こんな俺でも照らしてくれる」
水面から思いっきり飛び出して、黄金のサメは空中へ飛びあがります。
「居場所が無いなら、あの輝く月へ自分も行けたら良いのに」
しかし、どんなに高くジャンプしても月には届きません。
何度もジャンプして、何度も水面に叩きつけられました。
夜でもしつこく追いかけて来ていた船が驚いて逃げていきました。
しかし、今のアウルムにはどうでも良い事でした。
アウルムの黄金の鱗は傷ひとつなく綺麗で、痛みもありませんでした。
しかし、アウルムの心は傷だらけで、とても心が痛みました。
やがて月も雲に隠れてしまい、真っ暗な海が広がりました。
アウルムは心も真っ暗になった気分になりました。
「こんなに辛い思いをするのなら、あの深海で死んでいた方が良かった」
アウルムは魚なので涙を流せません。
しかし、アウルムの心は泣いていました。
疲れて、水面へ浮かんでいると、遠くから甘い臭いが流れてきました。
「この臭いは何だろう?」
アウルムは、甘い匂いに興味を持つと、臭いを辿って行きました。
しばらく泳いでいくと、海藻の影に小さな人影が見えました。
「人間だ!」
暗い海でも見えるアウルムですが、流石に海藻に隠れていては見えません。
先程の甘い臭いが気になったアウルムは少し様子を見る事にしました。
ゆらゆら揺れる海藻に隠れながらじっとしている人影に違和感を感じました。
ここは海の中なのに、その人影はずっと海藻の影にいるのです。
「人間は海の中では生きていけない筈なのに、何で平気なんだろう?」
アウルムは、慎重にゆっくりと近づきます。
そして、月を隠していた雲が流れて月明かりが海の中に差し込みます。
月の光が差し込む水の中で回想の影にいたのは人間の少女でした。
しかし、半分人間で、半分が魚でした。
「君は、マーメイド?」
マーメイドの少女は、言葉を話すサメに驚いて海藻の影に隠れます。
月の光を受けて輝く白銀の髪に、アウルムと同じ金色の三日月が輝いています。
「あなたは誰?サメのようだけど、何故言葉が話せるの?」
アウルムは、この少女がマーメイドだと分かりましたが警戒しながら答えます。
マーメイドは人間ではありませんが、この少女も襲ってくるかもしれません。
「俺はアウルム、海の神様から黄金の鱗と知恵を貰ったサメだ」
マーメイドの少女は、その言葉に青く輝く瞳を丸くします。
「私はアクリル、私も海の神様から贈り物を貰ったから同じだね」
アウルムは、海の神様から贈り物を貰ったという事で少しだけ安心しました。
(海の神様が贈り物をしたのなら、悪いマーメイドではないみたいだな)
アクリルは、怯えながら海藻の影から姿を現して再び問いかけます。
「アウルムはどうしてここへ?・・・もしかして私を食べるため?」
アクリルはマーメイドなので半分は魚です。
今まで人間は食べた事がありませんが、確かにアクリルは美味しそうです。
けれど、アウルムがここにきたのは甘い臭いが気になったからです。
「ここに来たのは、甘い臭いが気になって追いかけてきたんだ」
アクリルは、少しほっとするとポーチから金色の飴玉を取り出します。
「甘い臭いは、この飴玉だね」
アウルムは初めて見る飴玉に興味津々です。
「これは食べられるのかな?」
アクリルはこくりと頷くと飴玉を1つ取り出します。
「アウルムと同じ金色だね」
アクリルは笑顔で飴玉をアウルムにあげました。
甘い香りに包まれ、アウルムは先程までの不安が解けていく気がしました。
「不思議だな、故郷にいた時もこんな気持ちにはならなかったのに」
それを聞いて、アクリルは少し羨ましそうに目を細めます。
「アウルムには帰る場所があるんだね・・・」
アウルムは不思議に思って尋ねます。
「アクリルは帰る場所が無いのかい?」
アクリルはこくりと頷くと、これまでの事を話しました。
アクリルの話は、アウルムにとっても辛い話でした。
嵐で怪我をしながら人間を助けても、別の人間に襲われた事を聞いた時は
心が海底火山のように熱くなり、自分も人間に襲われたと怒りました。
仲間と引き離され、帰る場所を失った話を聞いた時は
月を眺めていた時を思い出して、自分も同じ気持ちになったと慰めました。
月明かりに浮かび上がるアクリルはとても孤独で傷ついて見えました。
アウルムは自分と同じようだと思うようになりました。
アクリルは、アウルムが自分の話を聞いて共感してくれたので、喜びました。
アウルムも、苦しんでいたアクリルが笑顔になったので、嬉しくなりました。
そして、金色の飴玉を一つずつ食べました。
夜の方が、活動する人間が少ない事を知っていたからです。
逃げ回り、夜の闇に隠れている自分の姿に悲しくなりました。
アウルムは故郷で暮らす兄弟のサメを思い出しました。
「故郷の海に戻っても、また兄弟に追いかけられるのだろうか?」
不気味な姿でも、美しい姿でも人間は襲ってきました。
もしかしたら、魔物や兄弟達もまた襲ってくるかもしれません。
「俺は結局、ひとりぼっちなのか」
昔はずっとひとりでも何とも思わなかったのに、今は心が苦しくなりました。
「俺は何の為に生きているんだ、何の為に神様は祝福してくれたんだろう?」
遥か頭上の水面を見れば、月が綺麗な三日月でした。
魚のアウルムは今まで月を見ても何とも思いませんでした。
けれど、今のアウルムは月をとても綺麗だと思いました。
「月は、こんな俺でも照らしてくれる」
水面から思いっきり飛び出して、黄金のサメは空中へ飛びあがります。
「居場所が無いなら、あの輝く月へ自分も行けたら良いのに」
しかし、どんなに高くジャンプしても月には届きません。
何度もジャンプして、何度も水面に叩きつけられました。
夜でもしつこく追いかけて来ていた船が驚いて逃げていきました。
しかし、今のアウルムにはどうでも良い事でした。
アウルムの黄金の鱗は傷ひとつなく綺麗で、痛みもありませんでした。
しかし、アウルムの心は傷だらけで、とても心が痛みました。
やがて月も雲に隠れてしまい、真っ暗な海が広がりました。
アウルムは心も真っ暗になった気分になりました。
「こんなに辛い思いをするのなら、あの深海で死んでいた方が良かった」
アウルムは魚なので涙を流せません。
しかし、アウルムの心は泣いていました。
疲れて、水面へ浮かんでいると、遠くから甘い臭いが流れてきました。
「この臭いは何だろう?」
アウルムは、甘い匂いに興味を持つと、臭いを辿って行きました。
しばらく泳いでいくと、海藻の影に小さな人影が見えました。
「人間だ!」
暗い海でも見えるアウルムですが、流石に海藻に隠れていては見えません。
先程の甘い臭いが気になったアウルムは少し様子を見る事にしました。
ゆらゆら揺れる海藻に隠れながらじっとしている人影に違和感を感じました。
ここは海の中なのに、その人影はずっと海藻の影にいるのです。
「人間は海の中では生きていけない筈なのに、何で平気なんだろう?」
アウルムは、慎重にゆっくりと近づきます。
そして、月を隠していた雲が流れて月明かりが海の中に差し込みます。
月の光が差し込む水の中で回想の影にいたのは人間の少女でした。
しかし、半分人間で、半分が魚でした。
「君は、マーメイド?」
マーメイドの少女は、言葉を話すサメに驚いて海藻の影に隠れます。
月の光を受けて輝く白銀の髪に、アウルムと同じ金色の三日月が輝いています。
「あなたは誰?サメのようだけど、何故言葉が話せるの?」
アウルムは、この少女がマーメイドだと分かりましたが警戒しながら答えます。
マーメイドは人間ではありませんが、この少女も襲ってくるかもしれません。
「俺はアウルム、海の神様から黄金の鱗と知恵を貰ったサメだ」
マーメイドの少女は、その言葉に青く輝く瞳を丸くします。
「私はアクリル、私も海の神様から贈り物を貰ったから同じだね」
アウルムは、海の神様から贈り物を貰ったという事で少しだけ安心しました。
(海の神様が贈り物をしたのなら、悪いマーメイドではないみたいだな)
アクリルは、怯えながら海藻の影から姿を現して再び問いかけます。
「アウルムはどうしてここへ?・・・もしかして私を食べるため?」
アクリルはマーメイドなので半分は魚です。
今まで人間は食べた事がありませんが、確かにアクリルは美味しそうです。
けれど、アウルムがここにきたのは甘い臭いが気になったからです。
「ここに来たのは、甘い臭いが気になって追いかけてきたんだ」
アクリルは、少しほっとするとポーチから金色の飴玉を取り出します。
「甘い臭いは、この飴玉だね」
アウルムは初めて見る飴玉に興味津々です。
「これは食べられるのかな?」
アクリルはこくりと頷くと飴玉を1つ取り出します。
「アウルムと同じ金色だね」
アクリルは笑顔で飴玉をアウルムにあげました。
甘い香りに包まれ、アウルムは先程までの不安が解けていく気がしました。
「不思議だな、故郷にいた時もこんな気持ちにはならなかったのに」
それを聞いて、アクリルは少し羨ましそうに目を細めます。
「アウルムには帰る場所があるんだね・・・」
アウルムは不思議に思って尋ねます。
「アクリルは帰る場所が無いのかい?」
アクリルはこくりと頷くと、これまでの事を話しました。
アクリルの話は、アウルムにとっても辛い話でした。
嵐で怪我をしながら人間を助けても、別の人間に襲われた事を聞いた時は
心が海底火山のように熱くなり、自分も人間に襲われたと怒りました。
仲間と引き離され、帰る場所を失った話を聞いた時は
月を眺めていた時を思い出して、自分も同じ気持ちになったと慰めました。
月明かりに浮かび上がるアクリルはとても孤独で傷ついて見えました。
アウルムは自分と同じようだと思うようになりました。
アクリルは、アウルムが自分の話を聞いて共感してくれたので、喜びました。
アウルムも、苦しんでいたアクリルが笑顔になったので、嬉しくなりました。
そして、金色の飴玉を一つずつ食べました。
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