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扇町中学編
春田の附属中生活
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「ねぇ春田さん。D組の杉原さんって知っている?」
春田は、その名前は一番聞きたくない名前だった。いくらクラスが別になったとはいえ、過去に自分をいじめていた相手だ。
「…あんまりよく知らないけど。杉原さんがどうかしたの?」
「あの子、扇町中学の不良たちと遊んでいたらしいよ。」
聞くと、先週の日曜日、杉原は扇町中学の不良生徒たちとゲーセン、ボウリングにカラオケと、1日中遊んでいたようだ。
「ふうん。そんな友達がいるのね。」
春田の胸に、扇町中学に進学した深川、そして津山の顔が浮かんできた。彼女は、遠い目をしているのをクラスメイトには隠していた。
「杉原さんて、成績あんまりよくなくって、部活も辞めたって話よね。典型的な落ちこぼれコースじゃない。そんなことして遊んでいたら、この学校ではついていけないよ。」
「まあ、杉原さんのことはいいじゃない。それより、演奏会の準備は大丈夫なの。うちのパートは、進みが遅いって、先生にも怒られたじゃない。」
「そうでした。」
クラスメイトは舌を出して笑う。
春田は、附属中学に入ってからは、吹奏楽部に入った。体を鍛えるために、スイミングは続けている。しかし、小6の頃に入っていたスイミングクラブはやめた。津山に何も告げられず辞められたことはショックだったけど、その後ラブレターの一件を経て卒業式に会えたのは嬉しかった。彼は礼儀正しくて優しいけど、いつも私の事は見てくれない。でも、いつだったか、エレクトーンを弾いている幼馴染の事をうっとりとした目で語っていたのを覚えている。
だから、自分も、音楽をやってみようと思った。津山孝典くんを振り向かせるために。
附属中の男の子は、文化部に入る子は少なく、吹奏楽部で自分に積極的に話しかけてくれる男の子はいなかった。でも、面倒な人間関係はなく、いじめも当然なく、成績も悪くなく、これ以上自分は何を望めばいいのだろう。
彼女は、折にふれ、「親友」深川に電話をして、津山孝典の近況や、懸案事項の電話番号を聞き出そうとした。
でも、深川から電話がかかってくる事はなかった。そして、深川の口調は、春田が彼女に電話をかけるたびに冷めていった。
春田は、その名前は一番聞きたくない名前だった。いくらクラスが別になったとはいえ、過去に自分をいじめていた相手だ。
「…あんまりよく知らないけど。杉原さんがどうかしたの?」
「あの子、扇町中学の不良たちと遊んでいたらしいよ。」
聞くと、先週の日曜日、杉原は扇町中学の不良生徒たちとゲーセン、ボウリングにカラオケと、1日中遊んでいたようだ。
「ふうん。そんな友達がいるのね。」
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「杉原さんて、成績あんまりよくなくって、部活も辞めたって話よね。典型的な落ちこぼれコースじゃない。そんなことして遊んでいたら、この学校ではついていけないよ。」
「まあ、杉原さんのことはいいじゃない。それより、演奏会の準備は大丈夫なの。うちのパートは、進みが遅いって、先生にも怒られたじゃない。」
「そうでした。」
クラスメイトは舌を出して笑う。
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彼女は、折にふれ、「親友」深川に電話をして、津山孝典の近況や、懸案事項の電話番号を聞き出そうとした。
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