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1987年3月24日金曜 終業式 その8
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「ツー君!!」
満川と石坂だった。大きく手を振りながらやって来た。満川の胸元には、あのペンギンのネックレスが光っていた。
「遅いぞ、2組の女子達、もうすぐ、津山が出て行くから、走れ!!」古河が大声で彼女達を呼んだ。
古河の機転を効かせた声は、満川と石坂を急がせた。腕時計を見たら、もう3時を回っていた。確かにもう残り時間はない。古河はサインペンをゆっこにわたし、石坂にも、サッカーボールにサインするよう頼んだ。
ちょうどその時、母が広場へやって来た。
「孝典、お友達に悪いけど、もうそろそろ出発だから。」
「おばさん、もう少しだから…。今回だけ。」古河が手を合わせた。満川がサインを書き終えたようだ。
「お母様、満川家を代表して、お礼申し上げます。ありがとうございました。」その挨拶に、母は面食らった。
「…え、何のお礼かしら?お嬢さん?あなた、いつぞやうちに来てくださった…」石坂もサインを書き終えた。
「満川侑子です。…話すと長くなりますので、カンタンにお伝えします。孝典くんは、私の弟の恩人なんです。」…そして私、侑子に取っても。満川侑子は僕の母と向き合った。もう彼女は目をそらさなかった。この人が、ツー君のお母様なんだ…。一度あった時は病弱な色白美人に見えたけど…。彼女は、その瞳に、僕の母の姿を焼き付けた。
でも、僕の母と満川侑子が長く話している時間はなかった。とうとう父までしびれを切らしてやって来たのだった。
「孝典のお友達のみなさん、今日はお見送りありがとうございました。でも、申し訳ないが、これから津山家は遠い広島まで行かなければいけないんです。みんなには、落ち着いたら必ず孝典から連絡させますから。」
古河をはじめ、友達は自然に一列に並んだ。
「さ、孝典、みんなに挨拶だ。」
「はい。」
僕は、集まってくれた、古河・満川・石坂・亘理・武田・奥寺・池上くん一人ひとりと握手した。
「ありがとう、みんなの事は忘れない。」
そう言って、僕は我が家の車に向かった。右手には古河からもらったサッカーボールが。
満川と石坂だった。大きく手を振りながらやって来た。満川の胸元には、あのペンギンのネックレスが光っていた。
「遅いぞ、2組の女子達、もうすぐ、津山が出て行くから、走れ!!」古河が大声で彼女達を呼んだ。
古河の機転を効かせた声は、満川と石坂を急がせた。腕時計を見たら、もう3時を回っていた。確かにもう残り時間はない。古河はサインペンをゆっこにわたし、石坂にも、サッカーボールにサインするよう頼んだ。
ちょうどその時、母が広場へやって来た。
「孝典、お友達に悪いけど、もうそろそろ出発だから。」
「おばさん、もう少しだから…。今回だけ。」古河が手を合わせた。満川がサインを書き終えたようだ。
「お母様、満川家を代表して、お礼申し上げます。ありがとうございました。」その挨拶に、母は面食らった。
「…え、何のお礼かしら?お嬢さん?あなた、いつぞやうちに来てくださった…」石坂もサインを書き終えた。
「満川侑子です。…話すと長くなりますので、カンタンにお伝えします。孝典くんは、私の弟の恩人なんです。」…そして私、侑子に取っても。満川侑子は僕の母と向き合った。もう彼女は目をそらさなかった。この人が、ツー君のお母様なんだ…。一度あった時は病弱な色白美人に見えたけど…。彼女は、その瞳に、僕の母の姿を焼き付けた。
でも、僕の母と満川侑子が長く話している時間はなかった。とうとう父までしびれを切らしてやって来たのだった。
「孝典のお友達のみなさん、今日はお見送りありがとうございました。でも、申し訳ないが、これから津山家は遠い広島まで行かなければいけないんです。みんなには、落ち着いたら必ず孝典から連絡させますから。」
古河をはじめ、友達は自然に一列に並んだ。
「さ、孝典、みんなに挨拶だ。」
「はい。」
僕は、集まってくれた、古河・満川・石坂・亘理・武田・奥寺・池上くん一人ひとりと握手した。
「ありがとう、みんなの事は忘れない。」
そう言って、僕は我が家の車に向かった。右手には古河からもらったサッカーボールが。
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