4 / 16
異変
しおりを挟む
そしてその年の初秋、俺は無事3度目の期間従業員の更新を終え、静岡で2度目の冬を迎えようとしていた。静岡の冬は雪も少なく、バイクに乗るのにも新潟ほど難儀しない。それでも静岡特有の冬の風の強さには耐えられず、転倒しかけたこともあった。大事をとって、今年から冬の寒さのピークにはバイクのバッテリーを外すことにした。
その年の年末、異変が起きた。
うちの社のサッカー部が、天皇杯全国サッカー選手権を破竹の勢いで勝ち抜き、ベスト8で、新潟のプロサッカーチームとぶつかる事になった。
会場は新潟のホームスタジアムだった。
「忙しい時期だが、しっかり応援してこい。有給を取ることに遠慮はいらん」
工場長の一言で、俺はフラッグ要員としてサッカー部遠征に帯同することになった。他、サッカーの応援仲間やサッカー部の補欠選手も入れて、選手の家族を除く、総勢30人の大応援団が新潟に乗り込むことになった。
俺は彼女にサッカー応援の件で新潟に戻るという話をした。
「あなた、サッカーなんて好きだったけ?」
彼女は俺の帰省よりもそちらの方に驚いたようだった。俺が静岡文化に染まったという事だと思う。
とりあえず、天皇杯の試合の前で、ちょこっとだけ会える時間がありそうだったので、会うことにした。
試合当日になって、彼女からメールが入った。
「ごめん、ちょっと人が足りなくて引き継ぎに長引きそう。直接サッカー場へ行く。」
無理するな、また会う機会はある、と返事をしたが、そのメールの返信に対する返事はなかった。
彼女はどこで調べてきたのか、全身蜜柑色にコーディネートしてスタジアムにやってきた。
「ごめんごめん、夜勤明けで人が少なくって。」
3時間の仮眠でスタジアムに駆けつけた彼女は、どう見ても相手側=新潟側のサポーターだった。
彼女もサッカーをよくわかっていない。我が社のチームカラーの赤色の中にポツンと立つとかなり目立ってしまった。まるで敵チームのスパイのようだ。
しかし、彼女は新潟名物のひとくちロールケーキを応援団に配るなどして我が社の応援団に元気よく挨拶をした。すっかり名前も顔も覚えてもらった後、「わたしも来年静岡に行くので、その時は仲間に入れてください。」とPRする事を忘れなかった。応援団長の副工長が、「君の彼女か」「良い子だな」「手放すんじゃないぞ。」と帰りのバスで何度も念を押してくれた。
試合は散々な結果に終わったが、応援団の仲間とともに彼女に会えた事が何よりの収穫だった。
その年の年末、異変が起きた。
うちの社のサッカー部が、天皇杯全国サッカー選手権を破竹の勢いで勝ち抜き、ベスト8で、新潟のプロサッカーチームとぶつかる事になった。
会場は新潟のホームスタジアムだった。
「忙しい時期だが、しっかり応援してこい。有給を取ることに遠慮はいらん」
工場長の一言で、俺はフラッグ要員としてサッカー部遠征に帯同することになった。他、サッカーの応援仲間やサッカー部の補欠選手も入れて、選手の家族を除く、総勢30人の大応援団が新潟に乗り込むことになった。
俺は彼女にサッカー応援の件で新潟に戻るという話をした。
「あなた、サッカーなんて好きだったけ?」
彼女は俺の帰省よりもそちらの方に驚いたようだった。俺が静岡文化に染まったという事だと思う。
とりあえず、天皇杯の試合の前で、ちょこっとだけ会える時間がありそうだったので、会うことにした。
試合当日になって、彼女からメールが入った。
「ごめん、ちょっと人が足りなくて引き継ぎに長引きそう。直接サッカー場へ行く。」
無理するな、また会う機会はある、と返事をしたが、そのメールの返信に対する返事はなかった。
彼女はどこで調べてきたのか、全身蜜柑色にコーディネートしてスタジアムにやってきた。
「ごめんごめん、夜勤明けで人が少なくって。」
3時間の仮眠でスタジアムに駆けつけた彼女は、どう見ても相手側=新潟側のサポーターだった。
彼女もサッカーをよくわかっていない。我が社のチームカラーの赤色の中にポツンと立つとかなり目立ってしまった。まるで敵チームのスパイのようだ。
しかし、彼女は新潟名物のひとくちロールケーキを応援団に配るなどして我が社の応援団に元気よく挨拶をした。すっかり名前も顔も覚えてもらった後、「わたしも来年静岡に行くので、その時は仲間に入れてください。」とPRする事を忘れなかった。応援団長の副工長が、「君の彼女か」「良い子だな」「手放すんじゃないぞ。」と帰りのバスで何度も念を押してくれた。
試合は散々な結果に終わったが、応援団の仲間とともに彼女に会えた事が何よりの収穫だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる