1 / 1
Prologue.
しおりを挟む
何の前触れも無かった。
それが何なのかを思考する一瞬さえ無かった。
突然に。
唐突に。
光が全てを包み、その白さとは裏腹に、私の意識は暗闇へと消え去った。
*
夢を見ていた。
浮いているような、ふわふわとした感覚があった。辺りに見えるのは白だけで、誰もいなくて、何もなくて。静寂と孤独。そんな言葉がぴったりだった。でも、不思議と心地好くて、心が満たされていて。
けれどそれは永遠に続くものじゃない。幸せであり続けるなんて不可能だということを、この世界は常に非情であるということを、私は知っている。
──“一人目の少女には、癒しを。”
突然聞こえた、低く重みのある声。同時に辺りが白から黒へと変わり、落下の感覚が恐怖と共に私を襲う。息ができない。苦しい。
このまま私は死ぬのだろうか。得たいの知れない恐怖と消えてしまった幸福の残り香に身を包み、足掻いてもがくことすらできないままに。......命の終わりというものは、こんなにも呆気ないものなのか。
──“俺が渡してやれるモン、全てだ。”
先程とは違う、今度は若い男の声がした。そして再び、私の意識は遠のいた。
*
(......人間に“力”を与える等、本当に宜しかったのですか?)
(其れも扱い方を知らぬ子供。地上は如何なって仕舞うだろうな。)
(──人間の子供は素直で純粋。故に現在の世を確りと正面から見詰められる。)
(彼等が下界の命運を背負って居ると云う訳か。又も主は酷い事を...)
(此れは我々が与えた最後の機会である。今まで人間が行って来た数々の破壊と喪失は、其れ程のものなのだ。)
それが何なのかを思考する一瞬さえ無かった。
突然に。
唐突に。
光が全てを包み、その白さとは裏腹に、私の意識は暗闇へと消え去った。
*
夢を見ていた。
浮いているような、ふわふわとした感覚があった。辺りに見えるのは白だけで、誰もいなくて、何もなくて。静寂と孤独。そんな言葉がぴったりだった。でも、不思議と心地好くて、心が満たされていて。
けれどそれは永遠に続くものじゃない。幸せであり続けるなんて不可能だということを、この世界は常に非情であるということを、私は知っている。
──“一人目の少女には、癒しを。”
突然聞こえた、低く重みのある声。同時に辺りが白から黒へと変わり、落下の感覚が恐怖と共に私を襲う。息ができない。苦しい。
このまま私は死ぬのだろうか。得たいの知れない恐怖と消えてしまった幸福の残り香に身を包み、足掻いてもがくことすらできないままに。......命の終わりというものは、こんなにも呆気ないものなのか。
──“俺が渡してやれるモン、全てだ。”
先程とは違う、今度は若い男の声がした。そして再び、私の意識は遠のいた。
*
(......人間に“力”を与える等、本当に宜しかったのですか?)
(其れも扱い方を知らぬ子供。地上は如何なって仕舞うだろうな。)
(──人間の子供は素直で純粋。故に現在の世を確りと正面から見詰められる。)
(彼等が下界の命運を背負って居ると云う訳か。又も主は酷い事を...)
(此れは我々が与えた最後の機会である。今まで人間が行って来た数々の破壊と喪失は、其れ程のものなのだ。)
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた
ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。
今の所、170話近くあります。
(修正していないものは1600です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる