ちょっとおバカな琴葉ちゃん〜チートJC〜

れぷ

文字の大きさ
6 / 11
冒険者になりました!

ポーションの材料を取りに行くという建前で冒険者になる!

しおりを挟む
琴葉は週6で[神代の迷宮]の攻略をしていた。
お店は週1である。
週1でしか開店していないにも関わらず毎回超満員の大行列であった。
それはなぜかと言うと、魔法の鞄マジックバッグのせいだ。
初日に買いに来た冒険者が自慢していたのがキッカケで店を開く度にお客が増えているのだ。
それで材料である魔石も品切れ状態になってしまったので[神代の迷宮]で攻略ついでに材料集めをしているのだ。

客の冒険者も、お店が週1なのは貴重な材料を集めているのかとか、作るのにそれだけ時間がかかるのだ。と勝手に解釈していたのだった。

「作ったら作った分だけ売れるんだよねー、おかしいなぁ、わたしゆっくりマッタリなヒマなお店が良かったのに大忙しだよ!」

《ピキー?》

「店番を立てればいいって?・・・やはり丸子は天才か?」

《ピキー!》

「ここはテンプレに有能な奴隷を雇うべきだよね!この街に奴隷商ないけど!」

《ピキー!》

この会話のせいかはわからないが、近いうちにこの街に[移動奴隷商]と言うものが来る事など琴葉と丸子は知らないのであった。
後、孤児を使うというテンプレもあるが、1つの考えしか浮かばなかったので気付いていない。

2人は話しながらサクサクとオークの群れを倒していっていた。
ちなみにダンジョン内のオークは違うが、
外で繁殖したオークは性欲モンスターで多種族の雌を孕ませるので見つけたら討伐隊が組まれるほどだった。

何故ダンジョン内のオークは違うのかと言うと、ダンジョンから生まれたオークは生殖器が無いのだ。ダンジョン産のやつがスタンピードなどで出て行くと自然に生殖器が生えて来るのだそうな。不思議である。

丸子もオークくらいなら瞬殺できる程レベルが上がっていた。攻撃手段は体当たりしかないが。

「よし!今日はここまでにしよう!お腹すいたし。」

《ピキー!》

6日かけて魔石を300個ほど手に入れたので帰ることにした。魔法の鞄マジックバッグの需要が多い為100個くらいでは開店と同時に売り切れてしまうのだ。
300でも午前中には売り切れるのだが。

300個の魔石を全て魔法の鞄マジックバッグに変え、収納して西街へ向かう。
移動方法は賢者神ゴッドウィズの転移魔法である。

「とうちゃーく!さてと、料理を作るよ!」

《ピキー!》

琴葉は麦からミートスパゲティを、トウモロコシからコーンポタージュを2人分錬金神で作り出した。
お皿まで出現しているが琴葉は気に留めなかった。



昼食を食べた琴葉は街をぶらぶらするのであった。

「色々出来て来てるねー!ほら丸子!あそこの宿屋[ヤタガラスの泊まり木亭]だって!変な名前ー!」

《ピキー!》

「あれは商業ギルドだって、もうすぐ完成だね!あ!あっちは錬金工房だ!ライバル店だね!」

《ピキー!》

琴葉は街を見て回りながら何気なく冒険者ギルドに入った。何も考えていない琴葉の何気ない行動が事件の発端であった。

「お?コトハのアトリエの店主じゃねーか!どうしたんだ?採取依頼か?」

琴葉に話しかけて来たのはお客さん第1号のお兄さんであった。

「えーと、そう!それ!採取したいから冒険者登録しに来たの!(採取依頼を受けに来た事にしよう!)」

「うん?・・・あぁそうか。他の冒険者じゃあ素材を見分けられないもんな!自ら冒険者になって採取するのか!冒険者じゃないとダンジョン入れないし!(錬金術師だから商品に使う素材に拘るってわけだな。)」

適当な返事をした琴葉に納得するお兄さん。微妙に話が噛み合っていないのである。

冒険者登録者は毎日大勢来る為、新人いびりとかは無いようだ。そんな事をしていたらダンジョンに潜る時間が無くなるのである。
なので登録はスムーズに終わった。

「これがわたしのギルドカード!かっこいい!」

《ピキー!》

丸子はちゃんと琴葉の従魔として登録された。まぁ最弱のミニスライムなので、今まで街中で連れてても誰も脅威に思わないからか、登録してなくても誰も何も言われなかったのである。

「よし!じゃあ俺のパーティが指導員になってやるよ!指導員ってのは新人冒険者がちゃんとやれるのか確認するもんなんだ。Cランク以上の冒険者が指導員につけるんだが、俺らはBランクだからな、安心していいぞ!」

そう言えば登録の時に職員からそんな事を説明されたなぁ、とボケーと聞き流していた琴葉はよく考えずに頷いた。琴葉が聞き流していた理由は冒険者ルールとかはラノベなどで知っていたので聞かなくても良いかなーと思ったからである。実際、指導員ルール以外は琴葉のよく知るラノベと同じであった。

お兄さんの名前はジャスティン。パーティ名は[レッドランス]。リーダーのジャスティンの武器が槍で、相棒の女性、デイジーが火魔法が得意である事から付けられたのだ。
2人組でBランクとはかなり実力が無いと無理だ。つまりレッドランスの2人はかなりの実力者である。

ちなみに一般的なBランクパーティは前衛3、後衛2、ポーター1が鉄板である。

「よろしくね!私はデイジーだよ。紅のデイジーと呼ばれることもあるんだ。」

合流したデイジーと挨拶を交わす、冒険者は基本的に舐められないように荒い言葉遣いをするそうだ。琴葉も冒険者同士ではそうするように言われた。

「よろしくデイジー。わたしは琴葉だよ!こっちは丸子!」

《ピキー!》

丸子もペコリとお辞儀をする。まん丸なので前に少し転がった様にしか見えない。

「コトハとマルコだね、覚えたよ。」

「じゃあ早速ダンジョンいくか!ならしで1Fだけ回る感じで。」

ジャスティンの提案で1階層だけ軽く周る事になった。一攫千金を狙う冒険者が多い為、意外と1階層は空いているのだ。

 レッドランスの2人はすぐに琴葉と丸子の実力を目の当たりににするのだった。



「・・・おかしいな、コトハは錬金術師だったよな?武神とかじゃないよな?」

「うん、マルコも異常に強いね、なにあれ?」

ダンジョンに潜った3人と1匹は、早速出現した魔物と戦ったところ琴葉と丸子が瞬殺し、更に眼に映る魔物全て琴葉と丸子がサーチアンドデストロイしていったのである。
これは[神代の迷宮]で琴葉と丸子がやっている日課である。やり過ぎて条件反射でやってしまうのである。ある意味職業病であった。

琴葉はある事に気がついた、このダンジョンの魔物は同じ種類でも神代の迷宮のより100倍くらい弱いと。
神代の迷宮は神話の時代から放置されてきたダンジョンなので魔物がとんでもなく強いのである。チートな琴葉は、あれが標準だと思っていたのである。

弱すぎるなぁ、と考えながら戦っていると、ついうっかり攻撃が外れてダンジョンの壁を壊してしまった。である。

「「あ」」

レッドランスの2人はあり得ない出来事に思考が止まった。

「壊しちゃった!・・・ん?これオリハルコン?」

ひょいと持ち上げたダンジョンのかけら(3メートル程の塊)を見てみるとそれはオリハルコンだったのである。

魔力を通すと世界一硬くなると言われているオリハルコン。そのオリハルコンがダンジョンの魔力で破壊不可能な程硬化していた物を破壊した琴葉。

レッドランスの2人が考えるのをやめた理由もわかるだろう。
これを公表すると世界の常識が覆ってしまうのだ。なのでジャスティンとデイジーは見た事を墓まで持っていく決意をするのであった。人生の平穏のために。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

処理中です...