朱音さんは好きすぎる

橘 睦月

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第5話ノイズキャンセラー2

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「あおいちゃん、私君の子が好きなんだ」

それは人生で初めての告白だった、しかも初恋の人からの告白嬉しくないわけがない、喜んで“はい”と返事をした

一ヶ月後、
「あおいちゃん、話があるの」
「どうしたの?」
その少女はとても悲しい顔をしていた中学生そこらの僕には想像がつかなかった彼女がどんな気持ちでこの言葉を発したのか

「私を助けて」

その言葉の意味がわからなかった
彼女はそう言ったと思うと急に泣き出し僕に抱き付いてひたすら“ごめんね、ごめんね”と謝っていた
そして次の日から彼女は学校に来なくなってしまった

後からわかった話だが何かの罰ゲームで僕に告白したらしい、当時、子供だった僕は初めて人から裏切られたしかも一番好きだった人に



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



蒼が教室を出た後


「そっかーそんなことがあったんだね、蒼くんは誤解しているってことか」

私の話を聞いたエリーが真剣な顔で答える
昔私が蒼に遊びて告白して騙してしまったこと
それで蒼が人間不信になっていること

「違うんだ、蒼は多分一番先に気づいたと思う、私が蒼のことを騙していたことを話した時から」

「え?」

「私、昔いじめられて罰ゲームで告白したんだ騙してたとはいえ蒼のことが好きになっちゃってさだから余計心が痛くて、でも怖くて学校行けなくなって」

「そっか、でも蒼くん話しかけるなとか言いすぎじゃない?!もっと言い方あるでしょう」

「でも仕方ないよ、騙してたのは事実だし」




私が学校に来なくなった翌日蒼は私の家に足を運んでこう言った

「もう二度と話しかけないで」

「え?」

最初は当たり前だと思ったお互い好きだと思っていたのに裏切られ、しかも罰ゲームで告白されたんだ
しかし蒼から帰ってきた言葉は意外なものだった

「僕と話すと君が傷つくから、だからもう二度と話しかけないで、これ以上周りの人を傷つけたくない」

そのまま蒼は走って帰っていった
今になってやっとわかったあの言葉は私を拒絶守るためのものだったんだと

でも蒼は騙していた相手に怒りもしないでむしろ守るような言葉をかけたのだろうそれは今でもわからない

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