ゲームで自滅する悪役貴族に転生したのでゲーム知識で最強になって愛する嫁達との楽園を作る

岩の上の朴念仁

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10話 弟・ルーク

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 シャーロットを家に送り届けた後、シュトレーゼン公爵邸へと戻ると、弟のルークと鉢合わせた。

 「やあ兄さん。昨日はずいぶんシャーロットとお楽しみだったみたいだね。」

 「お前には関係のないことだろ。俺は忙しいからどいてくれ。」

 「おい、ゴミの分際で誰に向かってそんな口を聞いているのかな?シュトレーゼン公爵家の次期当主であるこの僕にそんな口を聞いていいと思っているのか?」

 前世の記憶を思い出す前の俺なら、ルークにこんなことを言われれば、すぐに震えながら謝っていただろう。
 
 ルークの職業「豪剣」はかなり強い。職業だけでなく、職業を習得してから6年間、毎日鍛え続けているだけあってレベルも相当なものだろう。

 だが、ダンジョンでレベルを上げた今の俺はルークよりも強い。だから、もう怯える必要もない。

 「俺はお前の兄なんだ。どうして弟であるお前に気を遣わなければいけないんだ?」

 「は?もし本気でそんなことを言っているのだとしたら頭でもおかしくなったみたいだね。俺がその壊れた頭を直してあげるよ。」

 「直す?どうやってだ?」

 「こういうのはねぇ、体に教え込むのが1番早いんだよ。お前をボコボコにして2度とそんな口を聞けない様にしっかりと調教してあげるよ。」

 「なるほどな。お前は俺に勝てる気でいるのか。先に忠告しておくが逃げるなら今のうちだぞ?」

 軽く俺が挑発すると、「ブチッ」っという血管が切れる様な音が聞こえてくる。
 
 「おいおい、いい度胸じゃねえか。俺を本気で怒らせちまったんだ。腕の一本ぐらいは、無くなる覚悟をしとけよぉ?」

 ちょっと挑発するだけでこれだ。口調も変わってるし、今まで人から馬鹿にされたことなんて1度もないのだろう。

 軽くボコして、世の中の厳しさってものを教えてやるとするか。

 「あ、いいことを思いついたぜ。俺がお前に勝てばお前の婚約者であるシャーロットを俺の奴隷にしてやるよ。今から下のあたりがムラムラしてきちまうなあ。」

 「ブチッ」今度は俺の血管が切れる音が響き渡る。シャーロットに手を出すだと?
 前言撤回だ徹底的に痛めつけてやる。

 俺の大切な人に手を出そうとするとどうなるのか、こいつの体に嫌というほど思い知らせてやる。

 「いいだろう。なら決闘だ。逃げ出したりはしないよな?ルーク」

 「へぇ、この場でボコボコにしてやるつもりだったが観客のいる前でやられたいとは。かなりいい趣味してんじゃねえか。いいだろう。その決闘受けてやるよ。」

 ここまで簡単に決闘を受けるとはな。誰も見ていないところでコイツに勝ったとしても、言い訳され、またしつこく突っかかってくる未来しか見えないが、決闘なら言い訳はできない。
 だからわざわざ挑発して決闘に誘い込んだのだ。
 
 コイツは俺に負けるなんて微塵も思っていないのだろう。大勢の人間が見ている前で死にたくなるほどの絶望を味合わせてやろう。

 「覚悟しろよ。ルーク」

 「それはこっちのセリフだアルベルト。せいぜい決闘が始まるまで怯えながら待つことだなぁ。」

 「ハハハ、面白い。今から決闘が待ち遠しいな。」

 自信に満ち溢れた顔で俺の前に立つルークに対し笑いが堪えきれずに漏れてしまった。
 その顔がどんなふうに変わるのか楽しみでしょうがない。
 
 さあ、楽しい楽しい決闘の始まりだ。

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