311 / 621
第8章 Freedom国の設立!
12話 テンペの町崩壊の序章①
しおりを挟む
ケンジの店では、3つの町の人々が、連日のように商品を求めて大賑わいであった。そんな中、Freedomにまた生産ギルドが面会にやってきたのだった。
「ケンジ様!」
「いきなりなんだよ?」
「申し訳ないのですが、インゴットの依頼を受けてくれないでしょうか?」
「いや、それは断ったはずだよ。インゴットが欲しければ、俺の店で買ってくれたらいいと言ったはずだよ」
受付嬢と部下の3人が、土下座してお願いをしてきたのだった。
「それがその……もうギルドにはお金がないのです……」
「お金がないならしょうがないじゃないか。他から用立てるしかないだろ?俺にお願いするのは、間違ってると思うよ」
「ケンジ様の、店で売り出している商品で水道のせいでギルドの貯水タンクが、まったく売れないのです!」
「そんな事、俺に言われても困るよ。お客様は貯水タンクより、俺の商品を選んでくれているんだからさ」
「それだけではなく、保管庫も全く売れなくなってしまったのです。」
「だから、それはギルドが生産者を蔑ろにして、育ててこなかった結果じゃないか」
「俺は、ちゃんと忠告を入れてきただろ?生産者を大事にしろって!だからギルドが、ピンチになっても誰も協力してくれないんだろ?」
「はい……インゴットも、誰も納品してくれなくなってしまったんです……」
「そりゃ、情勢を見てギルドで売るより、自分達で使った方がいい武器が作れて、少しでも高値で売れるもんな。」
「でも、ギルドが今までやって来た行いにも問題があるんだぞ。日頃生産者が苦しい時に、ちゃんとサポートしておけば、少しながらもギルドにインゴットを納品してくれるはずだ。」
「ですが、こちらも色々と……」
「その色々はわかるよ。だが、君らがいう色々が、生産者達に伝わっていなければ、やっていないのと同じだと思わないのか?」
「そ、それは……」
「それに、保管庫と貯水タンクだったか?あれも、加盟店を理由に生産者から奪い取ったようなもんだろ?」
「それは、日頃ギルドの加盟店という事で色々ギルドの恩恵を受けて、その商品を開発できたわけで、ギルドからも売り出すのは、当然の権利があるかとおもいます」
「その考え方がいけないんだよ。開発した人の、苦労はどこに行ってしまったんだ?」
「せっかく苦労をして開発して、これから金儲けしようと思っていたのに、ギルドの力で先に色んな町で販売してしまったら、その人が報われないだろ?」
「ですが、その商品もギルドの資金力があればこそ作りだせた物で……」
「それで、今ギルドがピンチになってどういう事になっている?」
「そ、それは……」
「そう!美味しいとこ取りばかりこういう時ばかり人に頼んな!どうせ、ギルドを助けても自分達がピンチの時は、ギルドは動いてくれないと思われているんだよ」
「だったらどうしたら!」
「まあ、今からじゃ生産者との溝を修復するのは無理なんじゃないか?」
「だったら、ケンジ様にお願いするしかありません!どうかインゴットの依頼を受けてください!」
「だから、なんでそうなるんだ。俺だって、ギルドの為になんか働きたくないよ」
「そんな事、言わないでください!」
受付嬢は、本当にもう後がないようで、必死にケンジにしがみつきお願いをしてくるのだ。
「ちょっと!離してくれよ!そんな事されても困るもんは困るんだ!」
「いやです!聞いてくれるまで離しません!」
受付嬢の部下の女性達も又、ケンジにしがみついてきたのである。
「ちょっと待てぇ~~~!そんな事しても無理なものは無理!」
そう怒鳴った時、マイが部屋に入ってきて、受付嬢を引きはがしたのだった。
「あんた達!いい加減にしなさい!なにやってんのよ!」
「あ、マイマール様!」
「マイマール様じゃない!そんな事やっても心証がよくなる訳じゃないでしょ」
「ですが、もう町の結界に必要なインゴットが無いのです!なりふり構っていられないんですよ!」
「だったら、結界がなくなるしかないんじゃないのか?」
「そんな事できるわけがないじゃないですか!」
「だが、町の生産者は協力してくれないんだろ?だったら、無理なもんは無理なんじゃないか」
「だけど!ギルドの役目が……」
「じゃあ、聞くが幹部やギルドマスターは、ギルドの役目をちゃんと考えているのか?」
「あんた達は、連日会議は開いているよな?その時、ギルマスは町の事を考えて、意見を出し合っているのか?」
「もし、そうなら何故ギルマスが頭を下げに来ない?どうせ、へんなプライドが邪魔をしているんじゃないのか?」
それを聞き、受付嬢達は何も言えなかったのだ。ケンジが言った通り会議という名のつるし上げで、下の者ばかり責められる場になっていたのだ。
「いいか?これはあんた達のなりふり構わず俺に頼って来たから言ってやるが、そんなギルドに何の価値がある?」
「「「それは……」」」
「いいか?今ならまだ間に合う。あんた達、下の者達だけで動いた方がマシだぞ」
「だけど、動くって何をしたらいいのですか?」
「はっきり言わないと分からないのか?」
「「「えっ?」」」
「辞職だよ。今ならまだ逃げる事は可能だよ」
「「「そ、そんな!」」」
受付嬢達は、そんな選択は頭になかったのだ。ギルドの受付嬢は、言ってみたら女性が憧れる職業、ナンバーワンである。この職業に就く為、幼いころから両親の協力もあり、並々ならぬ努力をして就職したのである。
そんな職業を簡単に辞める事など、あり得ない事なのだ。
「もし、このままいったらギルドと心中……いや、あのギルマスの事だ。しっぽ切りにあってもおかしくないぞ!」
「どっちも嫌です!そうならない為にも、ケンジ様がインゴットの依頼を受けてくれたら解決するじゃないですか」
「俺は、そんなギルドの為に働くのは御免だと言っているだろ!」
「なんとかできるのは、ケンジ様しかいないのです!だから、お願いします。」
受付嬢3人は、受付嬢を辞めたくない一心で、ケンジに土下座し縋ってきたのだった。それを見た、ケンジとマイは呆れ果てて目を見合わすしかなかった。
「ケンちゃん、今回だけ助けてあげたら?」
マイの言葉を聞いた、受付嬢達は希望の光を見るような感じで、マイに笑顔を向けるのだった。
「なんで?今回助けたらまた数か月後、こんな風に我儘言ってくるだけだから絶対助けないよ」
「そんなぁ~~~」
「俺からは絶対助けない!ギルマスが俺を嵌めようとしたのに、その謝罪もしてこないのに、何で助ける義理があるんだよ!」
「じゃあ、ギルマスが謝罪したら……」
「もう遅いよ。謝罪というものは、何が悪かったのか自分で気づき自らするもんだ!こうやって言われたからする謝罪は反省じゃなく、保身の為のものになるのがわからないのか?それじゃあ、意味がないんだよ!」
「だったら、どうしたら!」
「うん!だからもう何もかも遅いと言っているだろ」
「そんなこと言わずなんとか!」
「ケンちゃん、これって堂々巡りなだけだよ」
「ったく、しょうがないなあ……」
「「「じゃあ!」」」「依頼を受けてくれるのですか?」
ケンジは受付嬢を厳しい目で見るのだった。受付嬢はケンジの瞳に恐怖を覚えるのだった。
「仮に依頼を受けたとして、指名依頼になるんだ。そんな金ギルドに支払う事はできないんだろ?そんな金があったら俺の店で買う事が出来るもんな」
「は、はい……」
「じゃあ、どう考えても依頼の件は無理だ!」
「それをどうか!」
「無理なもんは無理!だけどアドバイスはしてやるよ。それを、実行に移すか移さないかはギルドに任せるよ」
「それは、どういうものですか?」
「あんた達、生産ギルドの中にも専属の採掘士はいるんだろ?」
「はい!ギルドが購入した奴隷達が頑張って、地上で採掘を頑張っていますが、とてもじゃないですが採掘量が追い付かないんです」
「なら、そいつらは犯罪奴隷なんだよな?」
「はい……まさか……」
「そのまさかだよ!そいつらに、初級ダンジョンで採掘させるんだ!」
「そんなの無理に決まっているじゃないですか!採掘士なんですよ!すぐに死んでしまいます!」
「だから護衛を雇うんだよ」
「誰が、奴隷を護衛してくれるんですか?そんなのいませんよ!」
「なんで、あんた達はすぐそうやって無理とか、駄目と否定ばかりするんだよ。いいか?あんた達4つのギルドは共有し一緒になっているんだろ?」
「はい……」
「冒険者ギルドに頼れよ!護衛料を生産ギルドで出して、奴隷じゃない人の護衛という名目で採掘をするんだ」
「どういう事でしょうか?」
「奴隷の採掘士達が居るだろ?そいつらを監視するために初級ダンジョン位ならいける者を選抜し、冒険者達を護衛として雇うんだよ」
「そして、採掘をさせ採掘量を増やすんだ。地上より含有量が多い鉱石が採掘できるだろ?」
ケンジの提案に、受付嬢達は希望を見出すのである。監督係の、人物の護衛という名目なら護衛の依頼を受けてくれる冒険者がいるかもしれないのだ。
「それなら、確かに!」
「一応言っておくが、上手くいくと思って奴隷を酷使したら、奴隷は体力がなくなり死亡率が増えるから欲を出すんじゃないぞ」
「「「はい!」」」
「いいか?次につなげるように、行動をする事を心がけるんだぞ!」
「ありがとうございます!これでひょっとしたら結界の事もうまくいくかもしれません!」
「いいか?失敗したらもう俺は本当に知らないからな?絶対に、次・に・つ・な・が・る行動をするんだぞ」
「はい!ありがとうございました!」
そういって、受付嬢達はFreedomを後にしたのだった。
「ケンちゃん、あんな含み言葉で言っても気づかないんじゃないの?」
「そこまで、俺の責任じゃないよ」
「だけど、失敗したらまた来るんじゃないの?」
「多分、そうなった時はテンペの町がなくなる時だよ。まあ、そうなってくれる方に、俺は賭けてあんな事を言ったんだからな」
マイは、ケンジのセリフに驚愕し驚くのだった。ケンジが、テンペの町の人達の命をどうでもいいと言っているのである。
「ケンちゃん!テンペの町の人の命をどうでもいいというの?スタンピードが起こったらどうなると!」
「まあ、落ち着けって」
「落ち着ける訳ないでしょ!見損なったわ!」
セバスが、マイの怒鳴り声に慌てて、部屋に入ってきたのだ。
「どうかなさったのですか?」
「ちょっとセバス聞いてよ!ケンちゃんったら、テンペの町が滅びる事を願っているっていうのよ!」
「どういうことですか?」
「だから、話はちゃんと聞けって!」
「ちゃんと聞いても、さっき滅亡を願ってるっていったじゃない!」
「俺は、テンペの町は、遅かれ早かれ滅亡すると思っているんだよ。」
「ご、ご主人様!」
「いいから聞けって!他の町やガーライの町とかは、何とか苦しいながらも結界を維持できているだろ?なのに、ガーライよりでかい町が何で結界の維持ができないんだ?」
「それは……」
「ああ、初めから結界の重要性を考えていなくて、俺がいると思い甘えているからだ」
「そんな奴らが、自分達の仕事を軽く見て結界の事を深く考えず、そんな重要な事を、王国から請け負っているんだぞ。そんな町は滅んで当たり前じゃないか」
「だからって、町の人達がどうなってもいいの?」
「そう、いつも迷惑をこうむるのは平民や立場の弱い人達だ!俺もそれについては気の毒に思うよ。そんな人達が犠牲にならないように考えているつもりだし、さっき受付嬢に言ったアドバイスができるなら成功する方がいいと思っている」
「だったら!」
「俺だって万能じゃない!全ての人達を助けたいと思うが、俺はお前達で手いっぱいだよ。全部の人を助けるなんて軽々しく言えない」
「それはそうだけど……」
「マイも、今は3次職になったからと言って、スタンピードが起こった時、全ての人を死亡させずに助ける事ができるって言えるか?」
「そんな事……」
「それと同じ事だよ。まあ、いい過ぎたけど、俺は俺なりにテンペの町の事は考えているつもりだから安心しろ」
ケンジは、そう言って客室から出ていくのだった。部屋に残ったマイとセバスは、ケンジが考えていると言った事が気になったが、ケンジの考えはまったくわからず、只沈黙するだけだった。
「ケンジ様!」
「いきなりなんだよ?」
「申し訳ないのですが、インゴットの依頼を受けてくれないでしょうか?」
「いや、それは断ったはずだよ。インゴットが欲しければ、俺の店で買ってくれたらいいと言ったはずだよ」
受付嬢と部下の3人が、土下座してお願いをしてきたのだった。
「それがその……もうギルドにはお金がないのです……」
「お金がないならしょうがないじゃないか。他から用立てるしかないだろ?俺にお願いするのは、間違ってると思うよ」
「ケンジ様の、店で売り出している商品で水道のせいでギルドの貯水タンクが、まったく売れないのです!」
「そんな事、俺に言われても困るよ。お客様は貯水タンクより、俺の商品を選んでくれているんだからさ」
「それだけではなく、保管庫も全く売れなくなってしまったのです。」
「だから、それはギルドが生産者を蔑ろにして、育ててこなかった結果じゃないか」
「俺は、ちゃんと忠告を入れてきただろ?生産者を大事にしろって!だからギルドが、ピンチになっても誰も協力してくれないんだろ?」
「はい……インゴットも、誰も納品してくれなくなってしまったんです……」
「そりゃ、情勢を見てギルドで売るより、自分達で使った方がいい武器が作れて、少しでも高値で売れるもんな。」
「でも、ギルドが今までやって来た行いにも問題があるんだぞ。日頃生産者が苦しい時に、ちゃんとサポートしておけば、少しながらもギルドにインゴットを納品してくれるはずだ。」
「ですが、こちらも色々と……」
「その色々はわかるよ。だが、君らがいう色々が、生産者達に伝わっていなければ、やっていないのと同じだと思わないのか?」
「そ、それは……」
「それに、保管庫と貯水タンクだったか?あれも、加盟店を理由に生産者から奪い取ったようなもんだろ?」
「それは、日頃ギルドの加盟店という事で色々ギルドの恩恵を受けて、その商品を開発できたわけで、ギルドからも売り出すのは、当然の権利があるかとおもいます」
「その考え方がいけないんだよ。開発した人の、苦労はどこに行ってしまったんだ?」
「せっかく苦労をして開発して、これから金儲けしようと思っていたのに、ギルドの力で先に色んな町で販売してしまったら、その人が報われないだろ?」
「ですが、その商品もギルドの資金力があればこそ作りだせた物で……」
「それで、今ギルドがピンチになってどういう事になっている?」
「そ、それは……」
「そう!美味しいとこ取りばかりこういう時ばかり人に頼んな!どうせ、ギルドを助けても自分達がピンチの時は、ギルドは動いてくれないと思われているんだよ」
「だったらどうしたら!」
「まあ、今からじゃ生産者との溝を修復するのは無理なんじゃないか?」
「だったら、ケンジ様にお願いするしかありません!どうかインゴットの依頼を受けてください!」
「だから、なんでそうなるんだ。俺だって、ギルドの為になんか働きたくないよ」
「そんな事、言わないでください!」
受付嬢は、本当にもう後がないようで、必死にケンジにしがみつきお願いをしてくるのだ。
「ちょっと!離してくれよ!そんな事されても困るもんは困るんだ!」
「いやです!聞いてくれるまで離しません!」
受付嬢の部下の女性達も又、ケンジにしがみついてきたのである。
「ちょっと待てぇ~~~!そんな事しても無理なものは無理!」
そう怒鳴った時、マイが部屋に入ってきて、受付嬢を引きはがしたのだった。
「あんた達!いい加減にしなさい!なにやってんのよ!」
「あ、マイマール様!」
「マイマール様じゃない!そんな事やっても心証がよくなる訳じゃないでしょ」
「ですが、もう町の結界に必要なインゴットが無いのです!なりふり構っていられないんですよ!」
「だったら、結界がなくなるしかないんじゃないのか?」
「そんな事できるわけがないじゃないですか!」
「だが、町の生産者は協力してくれないんだろ?だったら、無理なもんは無理なんじゃないか」
「だけど!ギルドの役目が……」
「じゃあ、聞くが幹部やギルドマスターは、ギルドの役目をちゃんと考えているのか?」
「あんた達は、連日会議は開いているよな?その時、ギルマスは町の事を考えて、意見を出し合っているのか?」
「もし、そうなら何故ギルマスが頭を下げに来ない?どうせ、へんなプライドが邪魔をしているんじゃないのか?」
それを聞き、受付嬢達は何も言えなかったのだ。ケンジが言った通り会議という名のつるし上げで、下の者ばかり責められる場になっていたのだ。
「いいか?これはあんた達のなりふり構わず俺に頼って来たから言ってやるが、そんなギルドに何の価値がある?」
「「「それは……」」」
「いいか?今ならまだ間に合う。あんた達、下の者達だけで動いた方がマシだぞ」
「だけど、動くって何をしたらいいのですか?」
「はっきり言わないと分からないのか?」
「「「えっ?」」」
「辞職だよ。今ならまだ逃げる事は可能だよ」
「「「そ、そんな!」」」
受付嬢達は、そんな選択は頭になかったのだ。ギルドの受付嬢は、言ってみたら女性が憧れる職業、ナンバーワンである。この職業に就く為、幼いころから両親の協力もあり、並々ならぬ努力をして就職したのである。
そんな職業を簡単に辞める事など、あり得ない事なのだ。
「もし、このままいったらギルドと心中……いや、あのギルマスの事だ。しっぽ切りにあってもおかしくないぞ!」
「どっちも嫌です!そうならない為にも、ケンジ様がインゴットの依頼を受けてくれたら解決するじゃないですか」
「俺は、そんなギルドの為に働くのは御免だと言っているだろ!」
「なんとかできるのは、ケンジ様しかいないのです!だから、お願いします。」
受付嬢3人は、受付嬢を辞めたくない一心で、ケンジに土下座し縋ってきたのだった。それを見た、ケンジとマイは呆れ果てて目を見合わすしかなかった。
「ケンちゃん、今回だけ助けてあげたら?」
マイの言葉を聞いた、受付嬢達は希望の光を見るような感じで、マイに笑顔を向けるのだった。
「なんで?今回助けたらまた数か月後、こんな風に我儘言ってくるだけだから絶対助けないよ」
「そんなぁ~~~」
「俺からは絶対助けない!ギルマスが俺を嵌めようとしたのに、その謝罪もしてこないのに、何で助ける義理があるんだよ!」
「じゃあ、ギルマスが謝罪したら……」
「もう遅いよ。謝罪というものは、何が悪かったのか自分で気づき自らするもんだ!こうやって言われたからする謝罪は反省じゃなく、保身の為のものになるのがわからないのか?それじゃあ、意味がないんだよ!」
「だったら、どうしたら!」
「うん!だからもう何もかも遅いと言っているだろ」
「そんなこと言わずなんとか!」
「ケンちゃん、これって堂々巡りなだけだよ」
「ったく、しょうがないなあ……」
「「「じゃあ!」」」「依頼を受けてくれるのですか?」
ケンジは受付嬢を厳しい目で見るのだった。受付嬢はケンジの瞳に恐怖を覚えるのだった。
「仮に依頼を受けたとして、指名依頼になるんだ。そんな金ギルドに支払う事はできないんだろ?そんな金があったら俺の店で買う事が出来るもんな」
「は、はい……」
「じゃあ、どう考えても依頼の件は無理だ!」
「それをどうか!」
「無理なもんは無理!だけどアドバイスはしてやるよ。それを、実行に移すか移さないかはギルドに任せるよ」
「それは、どういうものですか?」
「あんた達、生産ギルドの中にも専属の採掘士はいるんだろ?」
「はい!ギルドが購入した奴隷達が頑張って、地上で採掘を頑張っていますが、とてもじゃないですが採掘量が追い付かないんです」
「なら、そいつらは犯罪奴隷なんだよな?」
「はい……まさか……」
「そのまさかだよ!そいつらに、初級ダンジョンで採掘させるんだ!」
「そんなの無理に決まっているじゃないですか!採掘士なんですよ!すぐに死んでしまいます!」
「だから護衛を雇うんだよ」
「誰が、奴隷を護衛してくれるんですか?そんなのいませんよ!」
「なんで、あんた達はすぐそうやって無理とか、駄目と否定ばかりするんだよ。いいか?あんた達4つのギルドは共有し一緒になっているんだろ?」
「はい……」
「冒険者ギルドに頼れよ!護衛料を生産ギルドで出して、奴隷じゃない人の護衛という名目で採掘をするんだ」
「どういう事でしょうか?」
「奴隷の採掘士達が居るだろ?そいつらを監視するために初級ダンジョン位ならいける者を選抜し、冒険者達を護衛として雇うんだよ」
「そして、採掘をさせ採掘量を増やすんだ。地上より含有量が多い鉱石が採掘できるだろ?」
ケンジの提案に、受付嬢達は希望を見出すのである。監督係の、人物の護衛という名目なら護衛の依頼を受けてくれる冒険者がいるかもしれないのだ。
「それなら、確かに!」
「一応言っておくが、上手くいくと思って奴隷を酷使したら、奴隷は体力がなくなり死亡率が増えるから欲を出すんじゃないぞ」
「「「はい!」」」
「いいか?次につなげるように、行動をする事を心がけるんだぞ!」
「ありがとうございます!これでひょっとしたら結界の事もうまくいくかもしれません!」
「いいか?失敗したらもう俺は本当に知らないからな?絶対に、次・に・つ・な・が・る行動をするんだぞ」
「はい!ありがとうございました!」
そういって、受付嬢達はFreedomを後にしたのだった。
「ケンちゃん、あんな含み言葉で言っても気づかないんじゃないの?」
「そこまで、俺の責任じゃないよ」
「だけど、失敗したらまた来るんじゃないの?」
「多分、そうなった時はテンペの町がなくなる時だよ。まあ、そうなってくれる方に、俺は賭けてあんな事を言ったんだからな」
マイは、ケンジのセリフに驚愕し驚くのだった。ケンジが、テンペの町の人達の命をどうでもいいと言っているのである。
「ケンちゃん!テンペの町の人の命をどうでもいいというの?スタンピードが起こったらどうなると!」
「まあ、落ち着けって」
「落ち着ける訳ないでしょ!見損なったわ!」
セバスが、マイの怒鳴り声に慌てて、部屋に入ってきたのだ。
「どうかなさったのですか?」
「ちょっとセバス聞いてよ!ケンちゃんったら、テンペの町が滅びる事を願っているっていうのよ!」
「どういうことですか?」
「だから、話はちゃんと聞けって!」
「ちゃんと聞いても、さっき滅亡を願ってるっていったじゃない!」
「俺は、テンペの町は、遅かれ早かれ滅亡すると思っているんだよ。」
「ご、ご主人様!」
「いいから聞けって!他の町やガーライの町とかは、何とか苦しいながらも結界を維持できているだろ?なのに、ガーライよりでかい町が何で結界の維持ができないんだ?」
「それは……」
「ああ、初めから結界の重要性を考えていなくて、俺がいると思い甘えているからだ」
「そんな奴らが、自分達の仕事を軽く見て結界の事を深く考えず、そんな重要な事を、王国から請け負っているんだぞ。そんな町は滅んで当たり前じゃないか」
「だからって、町の人達がどうなってもいいの?」
「そう、いつも迷惑をこうむるのは平民や立場の弱い人達だ!俺もそれについては気の毒に思うよ。そんな人達が犠牲にならないように考えているつもりだし、さっき受付嬢に言ったアドバイスができるなら成功する方がいいと思っている」
「だったら!」
「俺だって万能じゃない!全ての人達を助けたいと思うが、俺はお前達で手いっぱいだよ。全部の人を助けるなんて軽々しく言えない」
「それはそうだけど……」
「マイも、今は3次職になったからと言って、スタンピードが起こった時、全ての人を死亡させずに助ける事ができるって言えるか?」
「そんな事……」
「それと同じ事だよ。まあ、いい過ぎたけど、俺は俺なりにテンペの町の事は考えているつもりだから安心しろ」
ケンジは、そう言って客室から出ていくのだった。部屋に残ったマイとセバスは、ケンジが考えていると言った事が気になったが、ケンジの考えはまったくわからず、只沈黙するだけだった。
21
あなたにおすすめの小説
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
DIYと異世界建築生活〜ギャル娘たちとパパの腰袋チート
みーくん
ファンタジー
気づいたら異世界に飛ばされていた、おっさん大工。
唯一の武器は、腰につけた工具袋——
…って、これ中身無限!?釘も木材もコンクリも出てくるんだけど!?
戸惑いながらも、拾った(?)ギャル魔法少女や謎の娘たちと家づくりを始めたおっさん。
土木工事からリゾート開発、果てはダンジョン探索まで!?
「異世界に家がないなら、建てればいいじゃない」
今日もおっさんはハンマー片手に、愛とユーモアと魔法で暮らしをDIY!
建築×育児×チート×ギャル
“腰袋チート”で異世界を住みよく変える、大人の冒険がここに始まる!
腰活(こしかつっ!)よろしくお願いします
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
家の庭にダンジョンができたので、会社辞めました。
希羽
ファンタジー
都内のブラックIT企業で働く社畜・佐藤健太(27歳)。
手取り18万、残業100時間。唯一の資産は、亡き祖母から相続した郊外のボロ戸建てだけ。
「このまま死ぬのかな……」
そう絶望していたある夜、庭の物置の裏に謎の穴が出現する。
そこは、なぜか最弱モンスターしか出ないのに、ドロップアイテムだけは最高ランクという、奇跡のボーナスダンジョンだった。
試しにスライムを叩いたら、出てきた宝石の査定額はなんと――【1,000,000円】。
「……え、これ一個で、俺の年収の3分の1?」
スマホアプリで即換金、ドローン配送で手間いらず。
たった10分の庭仕事で5000万円を稼ぎ出した健太は、翌朝、上司に辞表を叩きつけることを決意する。
※本作は小説家になろうでも投稿しています。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる