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第9章 Freedom国の発展!
10話 ケンジの悩み⑤
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元ギルド職員も、いなくなってようやく受付業務の方も落ち着いてきたので、ケンジはギル達を部屋に呼ぶ事にしたのである。
「今回、呼び出した理由はみんなわかってるな?」
「「「「「「はい……」」」」」」
「俺は、あれほど油断するなと言っておいたのに、スライムに負けて帰ってくるなんて、情けなく思うぞ……」
「だけど、あのスライムは見た事がなくて、あんな強力な毒を使うだなんて思いもしなかったからだよ!」
「わたしも、あの毒さえ……くらわなければ!」
「うん!マードックやプリムの言いたい事はわかるが、ギルは何か言いたい事は無いのか?」
「私は、何を言っても言い訳にしかならないので……」
「そうだな!マードックもプリムも言いたいことはあるだろうが、油断した事には変わらないだろ?」
「「はい……申し訳ありません……」」
「それと残りの者達は、もっと不甲斐ないと思うぞ!何で?マイに、エリクサーの存在をちゃんと言わないんだ?」
「「「それは……」」」
「オリヴィア!お前は回復としてのパーティーの専門家だろ?だったら、パーティーの持ち物位把握しとかないといけないだろ?」
「でも……わたしの持ち物ではなかったし……そこまでは……」
「何を言っているんだ?うちのパーティーは、ポーターがいないんだぞ?マジックバックがあるおかげで、そういった人材は必要ない分、みんなでそれを補っていかないといけないだろ?」
「セイラは、強化ポーションの管理はちゃんとやっているのか?いくつあって、一回のミッションでどれくらい使ったとか、ちゃんと把握しているんだろうな?」
「え~っと……す、すいません……」
「お前達……いい加減にしないと本当に怒るぞ?」
「「「「「「申し訳ございません!」」」」」」
「確かに、今まで俺が管理してなんでもやってきたかもしれないが、俺がいない時はちゃんとやらないと……」
ケンジは、少し黙って考え込んだのだった。
「主……どうかしましたか?」
「そっか……今まで、やってこなかったからできないのか」
「……」
「お前達は、俺がやってきてた事は、いつもついてきて見てたよな?それとも、護衛として就いてきてただけか?」
ケンジは、冒険に出る前の準備をテンペの町に買いに行く時、一人で行くと言っても、無理やり誰かがついてきていたのだった。ケンジが行けない時には、他の誰かに買い出しをさせたりしていたのだった。
「そ、それは……」
「お前達の駄目な所は、そういった所なんだぞ!言われた事だけ、やってれば良いと思うんじゃなく、自ら動けるようにならなきゃいけないんだ」
「はい……」
「それでだ!お前達は今のままでは、いざとなったら何にもできないという役立たずだ!」
「主!それは言い過ぎだぞ!俺達だって!」
「スライムに、負けて帰ってくるような人間なのに、本当におれは言い過ぎたのか?」
「そ、それは……」
「マードック、ちゃんとこっちを向いて答えるんだ!お前はスライムの毒に侵されて、腕が一本無くなって死にかけているんだぞ?」
「それは、あの毒が予想外の事で……」
「マードック……今のお前は、俺には流星だったか?あの時のマサルという人物と一緒にしか見えないぞ!自分の弱さを、自覚できなくて言い訳ばかりで、みっともないと思わないのか?」
「だけど!」
「なあ……もし、俺がいなかったらお前は今どうなっていた?仮に奇跡的に毒が抜け、命が助かっていたなら、お前は片腕をなくしこの先ずっと、あのスライムの毒が予想外だったと、言い続けなければならなかったんだぞ」
「それは……」
「いいか?お前はまだ弱いんだ!そこのところを、しっかり自覚しないと成長はできないんだぞ?確かにレベルやスキルの高さはイズモ大陸でトップクラスだが、経験が少なすぎるんだ!」
「……」
「で、俺は考えたんだが、お前達には中級ダンジョンからやり直してもらう!それで俺もついていく!」
「え?それはいくらなんでも……」
「何を言っている!お前達は、どれだけ弱いか理解させてやるよ!」
「主……それは、いくらなんでも無理ではないですか?中級ダンジョンの魔物では……」
「そうやって、中級ダンジョンの魔物を侮っていればいいさ。マイ!お前も用意しろよ!準備期間は2日だ!」
「えっ?あたしも?」
「当たり前だろう!お前は、焦ってエリクサーの存在を忘れて、マードック達を殺しかけた大馬鹿者何だからな!気合を入れ直してやるよ!」
「そ、そんなあ~~~~~!」
「そんなじゃない!2日後、準備が整ったら旅立つから覚悟しろよ!」
「「「「「「「ひぃ~~~~~~!」」」」」」
ギル達は、ケンジが本気だという事に、冷や汗をかくのだった。そして、その日からケンジは鍛冶工房に篭り、何かを作っていたのだった。
そして、ケンジはムシュダルクの部屋に入り、ムシュダルク達4人とセバスに、ダンジョンに行く事を報告するのであった。
「セバス!ムシュダルクさん、少しいいですか?」
「ケンジ様なにかありましたか?」
「俺、2日後から、ギル達を連れて中級ダンジョンに行ってきますので、当分の間よろしくお願いします」
「「はっ?」」
「ご主人様?今更、何で中級ダンジョンに?」
「「「ご主人様もダンジョンに行かれるのですか?」」」
「この間、ギル達がスライムに負けて帰って来ただろ?」
「はい……まさかの出来事でしたね」
「あいつ等を、少し鍛え直してくるよ!」
「鍛え直すなら、レベルにあった超級じゃなんですか?」
「あいつ等は弱いからな……超級に行ったらすぐ死んじまうよ。それだと意味がないから、中級で十分だよ」
ムシュダルクは、ケンジが何を言っているのかわからなかったのだ。仮にも、ギル達メンバーは超級ダンジョンを攻略したはずなのに、ケンジは中級からやり直しをさせるというのだ。
そんな事では、すぐに最下層まで行ってしまい、修業にならないので、意味が全然ないのである。
「ケンジ様、中級じゃすぐに攻略してしまうんじゃ……」
「まあ、今のあいつ等では、10階層も辿り着かないと思うぞ!攻略なんか、夢のまた夢だな。あははははは!」
ケンジは、ギル達が中級攻略?そんな事は、あり得ないとばかりに大笑いしたのだった。
「まあ、俺がついていくし死にはしないだろうが、鍛え直してくるから、2日後からよろしく頼むな」
ケンジは、久しぶりに悪い笑みを浮かべながら、セバスとムシュダルクに留守を頼むのだった。
そして、部屋を出て行った後、セバスとムシュダルクは、ケンジが何をするのか話し合うのだった。
「なあ……セバスよ。ケンジ様は、何をするつもりなんだろうな?」
「ケンジ様の、あの笑みを見るのは久しぶりですよ」
「あの笑みには、なんか背筋がゾクッと来たな……」
「ご主人様が、あの笑みを浮かべる時は、要注意なんですよ……」
そのセバスのセリフに、ムシュダルクはもちろん新しく入った、元貴族の奴隷達も身震いをするのだった。
「セバス……それっていったい?」
「今まで、ケンジ様はあの笑みを浮かべた時、ギルドに対して我慢がならない時に浮かべて、歴代のギルドマスターを退任に追い込みました……」
「「「「えっ?」」」」
「まさか、ご主人様がマイ様達に、あの笑みをするとは思いませんでしたよ……」
「それって、やばいのでは?」
「まあ、ご主人様の事だから、ギル達の性根を叩き直すつもりなんでしょうが、どうなる事やら……私は、受けたくはないですがね」
「「「「……」」」」
ムシュダルクの、仕事部屋には何とも言えない、空気が漂うのだった。
「今回、呼び出した理由はみんなわかってるな?」
「「「「「「はい……」」」」」」
「俺は、あれほど油断するなと言っておいたのに、スライムに負けて帰ってくるなんて、情けなく思うぞ……」
「だけど、あのスライムは見た事がなくて、あんな強力な毒を使うだなんて思いもしなかったからだよ!」
「わたしも、あの毒さえ……くらわなければ!」
「うん!マードックやプリムの言いたい事はわかるが、ギルは何か言いたい事は無いのか?」
「私は、何を言っても言い訳にしかならないので……」
「そうだな!マードックもプリムも言いたいことはあるだろうが、油断した事には変わらないだろ?」
「「はい……申し訳ありません……」」
「それと残りの者達は、もっと不甲斐ないと思うぞ!何で?マイに、エリクサーの存在をちゃんと言わないんだ?」
「「「それは……」」」
「オリヴィア!お前は回復としてのパーティーの専門家だろ?だったら、パーティーの持ち物位把握しとかないといけないだろ?」
「でも……わたしの持ち物ではなかったし……そこまでは……」
「何を言っているんだ?うちのパーティーは、ポーターがいないんだぞ?マジックバックがあるおかげで、そういった人材は必要ない分、みんなでそれを補っていかないといけないだろ?」
「セイラは、強化ポーションの管理はちゃんとやっているのか?いくつあって、一回のミッションでどれくらい使ったとか、ちゃんと把握しているんだろうな?」
「え~っと……す、すいません……」
「お前達……いい加減にしないと本当に怒るぞ?」
「「「「「「申し訳ございません!」」」」」」
「確かに、今まで俺が管理してなんでもやってきたかもしれないが、俺がいない時はちゃんとやらないと……」
ケンジは、少し黙って考え込んだのだった。
「主……どうかしましたか?」
「そっか……今まで、やってこなかったからできないのか」
「……」
「お前達は、俺がやってきてた事は、いつもついてきて見てたよな?それとも、護衛として就いてきてただけか?」
ケンジは、冒険に出る前の準備をテンペの町に買いに行く時、一人で行くと言っても、無理やり誰かがついてきていたのだった。ケンジが行けない時には、他の誰かに買い出しをさせたりしていたのだった。
「そ、それは……」
「お前達の駄目な所は、そういった所なんだぞ!言われた事だけ、やってれば良いと思うんじゃなく、自ら動けるようにならなきゃいけないんだ」
「はい……」
「それでだ!お前達は今のままでは、いざとなったら何にもできないという役立たずだ!」
「主!それは言い過ぎだぞ!俺達だって!」
「スライムに、負けて帰ってくるような人間なのに、本当におれは言い過ぎたのか?」
「そ、それは……」
「マードック、ちゃんとこっちを向いて答えるんだ!お前はスライムの毒に侵されて、腕が一本無くなって死にかけているんだぞ?」
「それは、あの毒が予想外の事で……」
「マードック……今のお前は、俺には流星だったか?あの時のマサルという人物と一緒にしか見えないぞ!自分の弱さを、自覚できなくて言い訳ばかりで、みっともないと思わないのか?」
「だけど!」
「なあ……もし、俺がいなかったらお前は今どうなっていた?仮に奇跡的に毒が抜け、命が助かっていたなら、お前は片腕をなくしこの先ずっと、あのスライムの毒が予想外だったと、言い続けなければならなかったんだぞ」
「それは……」
「いいか?お前はまだ弱いんだ!そこのところを、しっかり自覚しないと成長はできないんだぞ?確かにレベルやスキルの高さはイズモ大陸でトップクラスだが、経験が少なすぎるんだ!」
「……」
「で、俺は考えたんだが、お前達には中級ダンジョンからやり直してもらう!それで俺もついていく!」
「え?それはいくらなんでも……」
「何を言っている!お前達は、どれだけ弱いか理解させてやるよ!」
「主……それは、いくらなんでも無理ではないですか?中級ダンジョンの魔物では……」
「そうやって、中級ダンジョンの魔物を侮っていればいいさ。マイ!お前も用意しろよ!準備期間は2日だ!」
「えっ?あたしも?」
「当たり前だろう!お前は、焦ってエリクサーの存在を忘れて、マードック達を殺しかけた大馬鹿者何だからな!気合を入れ直してやるよ!」
「そ、そんなあ~~~~~!」
「そんなじゃない!2日後、準備が整ったら旅立つから覚悟しろよ!」
「「「「「「「ひぃ~~~~~~!」」」」」」
ギル達は、ケンジが本気だという事に、冷や汗をかくのだった。そして、その日からケンジは鍛冶工房に篭り、何かを作っていたのだった。
そして、ケンジはムシュダルクの部屋に入り、ムシュダルク達4人とセバスに、ダンジョンに行く事を報告するのであった。
「セバス!ムシュダルクさん、少しいいですか?」
「ケンジ様なにかありましたか?」
「俺、2日後から、ギル達を連れて中級ダンジョンに行ってきますので、当分の間よろしくお願いします」
「「はっ?」」
「ご主人様?今更、何で中級ダンジョンに?」
「「「ご主人様もダンジョンに行かれるのですか?」」」
「この間、ギル達がスライムに負けて帰って来ただろ?」
「はい……まさかの出来事でしたね」
「あいつ等を、少し鍛え直してくるよ!」
「鍛え直すなら、レベルにあった超級じゃなんですか?」
「あいつ等は弱いからな……超級に行ったらすぐ死んじまうよ。それだと意味がないから、中級で十分だよ」
ムシュダルクは、ケンジが何を言っているのかわからなかったのだ。仮にも、ギル達メンバーは超級ダンジョンを攻略したはずなのに、ケンジは中級からやり直しをさせるというのだ。
そんな事では、すぐに最下層まで行ってしまい、修業にならないので、意味が全然ないのである。
「ケンジ様、中級じゃすぐに攻略してしまうんじゃ……」
「まあ、今のあいつ等では、10階層も辿り着かないと思うぞ!攻略なんか、夢のまた夢だな。あははははは!」
ケンジは、ギル達が中級攻略?そんな事は、あり得ないとばかりに大笑いしたのだった。
「まあ、俺がついていくし死にはしないだろうが、鍛え直してくるから、2日後からよろしく頼むな」
ケンジは、久しぶりに悪い笑みを浮かべながら、セバスとムシュダルクに留守を頼むのだった。
そして、部屋を出て行った後、セバスとムシュダルクは、ケンジが何をするのか話し合うのだった。
「なあ……セバスよ。ケンジ様は、何をするつもりなんだろうな?」
「ケンジ様の、あの笑みを見るのは久しぶりですよ」
「あの笑みには、なんか背筋がゾクッと来たな……」
「ご主人様が、あの笑みを浮かべる時は、要注意なんですよ……」
そのセバスのセリフに、ムシュダルクはもちろん新しく入った、元貴族の奴隷達も身震いをするのだった。
「セバス……それっていったい?」
「今まで、ケンジ様はあの笑みを浮かべた時、ギルドに対して我慢がならない時に浮かべて、歴代のギルドマスターを退任に追い込みました……」
「「「「えっ?」」」」
「まさか、ご主人様がマイ様達に、あの笑みをするとは思いませんでしたよ……」
「それって、やばいのでは?」
「まあ、ご主人様の事だから、ギル達の性根を叩き直すつもりなんでしょうが、どうなる事やら……私は、受けたくはないですがね」
「「「「……」」」」
ムシュダルクの、仕事部屋には何とも言えない、空気が漂うのだった。
応援ありがとうございます!
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