異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

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第10章 Freedom国、経済の中心へ!

69話 証拠映像

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 教師達は、いじめをしていた生徒を校長室に呼び出した。しかし、その生徒は、ふてぶてしく何で呼び出されたのか分からない様子だった。

「何故、この僕をこんなところに呼び出すのだ!」

「バンチェス君……君は、この学校でやりたい放題に振る舞い、他人に迷惑をかけたからだよ。そして、ご両親ももうじき来られる」

「父上と母上も呼び出したのか?いったい何を考えているのだ!」

「それは君が好き勝手やったから、ご両親が君の責任を取りに来るんだよ」

「僕の責任だと?僕が何をやったというのだ!」

「君は、クラスメイトのマリさんを、自分の言う事を無理やり聞かせようとして、迷惑をかけたじゃないか?」

「僕は元貴族だぞ!平民が言う事聞くのは当たり前ではないか!」

「君は、元貴族であり貴族ではない。つまり、マリさんとは同じ立場の人間なんだよ?」

「そんなわけあるか!」

「それに、この国は貴族という位の人間はいないんだよ?つまり、元貴族という肩書はこの国では通用しなくて、君とマリさんは同じ立場ということなんだよ」

「そんな戯言、父上がどうとでもしてくれるわ」

「申し訳ありませんが、あなたのお父上がどれだけ偉かったのかは知りませんが、その権力はこの国では通用しないんですよ」

「そんな、馬鹿なことがあるか!」

 そこに、バンチェスの両親が、どたどた大きな足音を立てて、校長室に入って来た。

「このワシを呼び出すとは、どういう了見だ!事と場合によっては許さんからな!」

 バンチェスの父は、息巻いて威圧してきた。今まで貴族という事を楯に生きてきて、威圧すればだれでも自分の言いなりになっていたのだろう。ここFreedom国でも、通用すると思っている事が、すぐにわかる態度だった。

「父上!」

「バンチェス!何か酷い事をされなかったか?」

「父上!聞いて下さい。僕が平民の子供を無理やりいう事を聞かせて、その子供が僕を迷惑だというのです」

「何だと!そんな事で儂を呼び出したのか?この無礼者共め!」

「お父様、そんな事ではありません!この学校生活で身分の差など無いのです」

「何を言っておる!我々は元貴族だぞ。平民は我々の言う事を聞くのは当たり前ではないか!」

「いいえ、あなた方は元貴族で合って、他人を無理やり聞かせることはしてはいけない。そして、ここFreedom国では平民という立場の人間は存在しません!」

「何を言っておる!我々、元貴族の人間が平民に命令して何が悪い!」

「ですから、ここでは全員が同じ立場である国民なのです。無理やりいう事聞かせるのではなくお願いししてもらうなら理解できますが、バンチェス君のように権力を振りかざすような事はやってはいけないのです」

「馬鹿な!我々貴族が平民にお願いだと!」

 バンチェスの両親は、顔を真っ赤にして抗議してきた。

「貴方達、他国の元貴族様がFreedom国に移住してきて国としては歓迎します。ですが、この国はこの国のルールがあり、それに従って貰わなければ困ります」

「何がルールだ!ルールというのなら貴族の言う事を聞くのが当たり前だ!これは、大陸で当たり前に知れ渡っているルールだ!」

「しかし、ここFreedom国では、貴族はいないではありませんか?それに、今まで他国では貴族様しか出来なかった役職も、ここでは可能なのです!つまり、貴族とか関係なく同じ立場の人間なのです」

「そんなの知った事ではないわ!元貴族に逆らう方がおかしいのだ。同じ役職に就こうが、元貴族にはその権限があるのだ」

「父上の言う通り!僕がこの学校では選ばれた民である」

「バンチェス、よく言った!それでこそ我が息子だ!」

「お父様!ここではその考え方は通用しません!もし、その考えを曲げないのであれば、バンチェス君には退学という事もありうるのですよ?」

「そんなバカなことが出来るはずないだろ!もし退学になる言うのなら、バンチェスの言う事を聞かなかった平民の生徒のほうだ!」

「何を馬鹿な事を。バンチェス君意外の他の元貴族の生徒もいますが、そんな事は誰一人やっていないのですよ?みんな仲良く一緒に、学校生活を楽しく過ごしているのです」

「そんなこと、誰が信じるというのだ。貴族と平民が一緒だと?」

「お父様、そもそもその考えが間違っているのです!」

「何が間違っている!当り前の事であろう!」

「この国に貴族や平民はいません。全員が国民といわれるFreedom国民で、同じ立場の人間なのです。貴方は今まで、同じ立場の貴族様に命令出来たのですか?」

「それは貴族同士だからだ!平民は別だ!」

「だから、この国には貴族も平民もなく同じ立場の人間です」

「むぐぐぐ!そんなバカな常識わしは認めん!」

「あなたが認めなくとも、この国の王が決めたルールです。もし、そのルールが認めることが出来ないのなら、元の国に戻る事をお勧めします」

「むぐぐぐ!」

「いいですね?バンチェス君に、そのあたりの教育をちゃんとして頂かないと、本当に学校は退学になりますよ?」

「ふん!だいたい、そんな証拠もない事を振りかざして、我らを追い詰めても関係ないわ!」

「証拠なら、生徒たちの証言もあります。次、こんなことがあれば本当に学校側は訴える準備があります!」

「貴族を訴えるだと!」

「何回も言いますが、貴方達は元貴族であり貴族ではございません!」

「ふん!平民の証言などあてにならん!確実にわかる証拠を用意しろ!」




「やれやれ……本当にこのオッサンは聞き訳が無いなあ」

 校長室に、ケンジが呆れながら入室してきた。

「誰がオッサンだ!この無礼者が!不敬罪で死刑にしろ!」

「おいおい!いつまで自分が貴族だと思っているんだ?もし不敬罪と言うのなら、あなたが処罰されるかもしれないんだぞ?」

「何を馬鹿な事を!」

「バンチェス君のお父様。それ以上失礼な態度はやめておいた方が……」

「黙れ!学校の教師の分際で、ワシに命令をするな!」

「では、自己紹介をさせていただきますね。俺はこの国の責任者をしているケンジと申します。以後、お見知りおきを」

 ケンジが自己紹介をした途端、バンチェス一家は血の気が引き、顔が真っ青になった。

「なっ……こんな若造が……Freedomの王だというのか?」

 バンチェスの父は、帝国領の下級貴族であり、ケンジの顔を知らなかった。その為、まさか二十歳過ぎの見た目の人間だとは想像すらしていなかったのだ。

「よくお聞きください!この学校事業は、Freedom国挙げての事業なのです!その学校から、子供が不安になるような問題は絶対に、この俺が出させない!」

「バンチェスがいる事で問題など出るわけがない!」

「ですが、実質バンチェス君は他の生徒に我儘を言い言う事聞かせ、元貴族という事を楯に横暴に振る舞っていたのです。その生徒達は、登校が出来ない程追い詰められていたのですよ」

「そいつらが、バンチェスの言う事を聞かないのが悪い!立場が上の人間に逆らう方がどうかしているのだ!」

「そうですか!ここまで言っても自分を曲げないのですね?」

「曲げるも何もないであろう!それが普通の事だ!」

「そうですか……じゃあ、俺が貴方に指示を出したら、その指示に従うと言う事ですね?」

「何でワシが!」

「俺はこの国の王だ!あなたより立場が上の人間のはずだ!言う事は聞いてもらう。反論は許さない!」

「なっ⁉」

「だけど、そういう事だよな?」

「ううううう……」
「あ、あなた!」
「お父様……」

「さあ、どうする?今あなたが言ったことがそのまま返って来たが、今撤回すれば許してやるが?」

「バンチェス!お前は、他人に命令をしたのか?そんなことしてないよな?」

 バンチェスの父は、大きな声を出して自分の息子を同意させようとした。バンチェスは、7歳とは思えない行動とり、父の考えを読み取ったのだ。

「はい!僕は立派な貴族です!平民を導く事をしただけです」

「そうだろ!そうだろ!やはりお前はワシの息子だ!聞いた通りバンチェスは強要などしておらん!その平民の生徒が、息子に難癖をつけているにすぎん!そんな輩は処分してしまえばよい!」

「そんな悪あがきを言っても無駄だよ」

「だったら証拠を出せ!そんな平民の子供の言う事だけでは、ワシは信じないぞ!」

「しょうがない!証拠を出せば、俺達Freedom国のルールに従うというんだな?」

「そんな証拠があればな!」

 ケンジは、虫型ゴーレムを出し録画を再生した。録画は校長室の壁に映し出され、バンチェスが女の子を脅し言う事を聞かせようとしていた。
 女の子は泣きながら、それを拒否したがバンチェスが自分の父は帝国の元貴族であり、女の子の家族を不敬罪で奴隷に落としてやると脅していた事が、しっかり記録されていたのだった。

「これでどうですか?立派な証拠になると思うのですが?」

「なんだこれは!」

 バンチェス一家は、未知の魔道具に何も言えなかった。イズモ大陸には写真という概念もなく、自画像は絵画となる。
 なのに、バンチェスの絵が動き、声まで聞こえてきた事に驚きを隠せなかった。自分の自画像を、画家に依頼を出し、残す事がステータスでもあり、もっとお金を出しスタチューを作ることが最大の贅沢ともいえるのだ。

「この通り言い逃れはできませんよ」

「こんなのは何かのインチキだ!絵が動き言葉が出るなんて!」

 しかし、バンチェス自身は自分の言った言葉に覚えがあり、顔を真っ青になってがくがく震えていた。

「バンチェス君、驚かせてすまない……これが反対の立場だったらどうする?君も嫌な思いをするだろ?」

「だけど……あいつは平民であって、逆らう方が悪いんだ……」

「もし、この俺が言う事を聞かないからと言って、君のお父さんを奴隷に落としたらどうする?」

「そんなの嫌に決まっている!」

「君は、あの女の子にそれと同じ事をやろうとしていたんだよ?」

「……」

「いいかい?この学校で権力を使って命令などしたら駄目だ。それより友達となって、楽しく協力してもらった方が何倍もいいと思わないか?」

「馬鹿な!ワシの息子が、平民の女と仲良くだと?馬鹿も休み休み言え!」

「お父さん!あなたは少し黙って!それ以上言えば、本当に俺が命令をすることになるがいいのか?言っておくが、俺の命令は魔の森の巡回になるぞ?」

「馬鹿な!あんなとこに行ったらワシなど……」

「だが、俺の方が貴方より立場は上だ。命令に背くことをしたら不敬罪にするぞ?」

 バンチェスの父は、何も言えずに黙ってしまった。あの父が黙ったというのなら、本当にこのケンジと言う男は父
より立場は上の存在で、父が処罰されると思い焦ったのだった。

「そ、そんな……父上を、そんなところに行かせないでください!」

「だが、これは君が当たり前だと女の子に言った事だよ?」

「ご、ごめんなさい!僕が……僕が間違ってました!だから、父上をそんな場所に行かせないでください!」

「分かってくれて良かったよ」

 バンチェスは、泣きながらケンジに訴えかけたのだった。

「そして、お父さんとお母さんですが、この国のルールは守ってください!貴族とは平民とか関係なく、国民という一緒の立場であり、元貴族という権力は通用しません」

「「わ、分かりました……」」

 両親も又、ケンジの言う事には逆らえないと分かり大人しく引き下がったのだ。そして、バンチェスはマリに頭を下げて謝罪したのだった。
 苛められていたマリは、貴族が頭を下げるとは思ってもいなくて、この行動に驚き固まってしまっていた。
 そして、この一件は解決したと思い、ケンジに泣きながらお礼を言った。ケンジは、マリの頭を撫でてまた困ったことがあればすぐに、校長に相談する様にと笑顔を見せたのだった。



 ケンジは、屋敷に帰りギルやローゼリアに、今日の事を説明をして指示をだした。ケンジは、マリの両親の護衛を2人に頼んだのだった。指示を受けた二人はスッと、姿を消し現場に向かったのだった。

「ご主人様……まさか?」

「セバス、ああいった貴族を簡単に信じちゃいけない事はよく知っているだろ?」

「ですが、ご主人様はあの貴族より立場は上だと言い聞かせたのですよね?」

「この世界は物騒で、死人に口なしという事になる事がよくあるからな……用心の為だよ」

 ケンジは、あの貴族が網にかかると思い、ニヤッと不気味に笑うのだった。


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