異世界転移で生産と魔法チートで誰にも縛られず自由に暮らします!

本条蒼依

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第10章 Freedom国、経済の中心へ!

122話 偵察

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 ケンジは、ようやく自分の手が空き、ホネストの町にやってくることができていた。そして、教会の収容所を見て唖然としていた。

「こ、これは……」

「はい……これが今の薬物投与された国民の状態なのです」

 そこには、数百人単位の人間がベットに固定され、薬物を抜く治療が行なわれていた。

「何故、クリアランスを使わない?」

「ば、馬鹿な事を!そんな高階位の魔法、誰がポンポン使えるというのですか?」

「はぁあ?そんな事言っている場合か?こんなにも犠牲者が増えているんだぞ?このままでは医療崩壊してもおかしくないじゃないか!」

「ケンジ様の言いたいことは分かります。しかし、治療が出来たとして、その人間の後の人生が終わってもよろしいのですか?」

「どういうことだよ?」

「治療費の問題です!クリアランスを、唱えてもらった人間に支払う能力などありません!」

「ゥぐ……」

「それに、この大麻草の恐ろしい所は使った人間が再発することにあります」

「なんでだよ!クリアランスで治っているはずだろ?」

「その人間に問題はありません!売人が接触してくることにあるのです」

「あっ……」

「お分かりになりましたか?実に巧みに話しかけられ、又その道に引きずりこまれるのです」

「だったら、どうするんだよ?」

「だから、このように薬が抜けるまで、本人の記憶に刻み込まないといけないとおもいます」

「記憶に刻み込む?」

「えぇ!薬物に犯された場合治療はこんなにもつらいと、体に刻み込まないといけないのです。仮に魔法で簡単に治療した場合、この辛さは分かりません」

「だから、あえて自然に薬物が抜けるまで完全看護で治療しているというのか?」

「はい……それでも、又ここにやってくる人間はいるということです」

「そんなバカな……こんなことしてたら減るどころか、その前にあんた達が過労で倒れてしまうぞ!」

「それは分かっています!でも誰かがやらなきゃいけないのです」

「あんた達の覚悟はわかったよ。だけど、いずれFreedom国からエリクサーの援助をするから、それまで頑張ってくれ」

「エリクサー⁉この人数分を用意?それにそんな事しても又!」

「ああ!わかっている。再発者が増加すると言いたいのだろ?」

「ええ!その通りです。だから、その提案はありがたいのですが、無駄に終わるのがわかるので遠慮させていただきたいのです」

「まあ、そんな急いで結論を出すな!要は再発が少なくなればいいんだろ?」

「そんな簡単にいくものなのですか?」

「つまりだ!売人を何とかし、Freedom国領にある自生している大麻をどうにかしたらいいんだ」

「それこそ大変ではありませんか?」

「まあ、上手く行くかどうかは俺達の仕事だ!貴方達はもう少し頑張ってくれ!」

「分かりました……期待半分以下で待っています」




 ケンジは、ホネストの町の惨状や、他の町でも大麻草の被害者が増えてきている現状に頭を悩ました。そこに、ローゼンベルグがケンジの書斎に報告書を上げてきた。

「失礼します!」

「ローゼンベルクか?どうだった?」

「はい!何も問題はなく、ムンシャート支店の支店長も、ケンジ様には感謝しきれないと言っていました」

「そうか。NFGになって、クリーンな状態で頑張る支店長が増えてきて俺もうれしいよ」

「それと、ムンシャートの町でも不穏な情報は出て来ませんでした」

「そうか!ご苦労だったな。いつもありがとう」

「そんな勿体ないお言葉……それで、こちらが報告書にまとめた資料です」

 ローゼンベルグは、ケンジに報告書を見せたのである。

「へえ、こんな小さな町なのに大きな採取工場があるんだな」

「ええ!この町の利益の20%を占めているようです」

「20%!そいつは凄いな!経営者はどんな人なんだ?」

「NFGでも詳しくは分からないみたいで、経営者はグドンという者らしいです」

「なんでNFGが詳しく知らないんだよ?町の主要産業なんだろ?」

「はい。そう聞いてますが、何でも人付き合いが苦手な人物だと聞いています」

「そうなのか。ならしょうがないのか……」

「まあ、税金はちゃんと納めている優良経営者だと言っていましたよ」

「ふ~ん!わかった。戻っていいよ。ご苦労様!」

「はっ!」

 ローゼンベルグは、ケンジにそう言われて書斎を後にしたのだった。




 一方、ムンシャートの町では、はぐれ者の組織グレーマンの長、ガルドランとグドンが話し合っていた。

 ガルドランは身の丈2mの大男で、顔に刀傷があり頭は剥げていて、太った醜い人間であった。グドンと組んで大麻草で一財産築いた密売人である。

「がははははは!鳳凰騎士団が来たときは焦ったが、やはり気づいていなかったみたいだな!」

「まあ、こんな小さな町ですからね。こんなとこに密売のアジトがあるとは思いもしませんよ」

「確かにそうだな!ここから、ホネストの町に裏ルートで輸送し、乾燥大麻を売りまくったからな」

「しかし、ガルドランさん!」

「なんだ?」

「次からはもっと拡散して販売をしてください!あの町で売り過ぎた為、足元がつきそうになったというではありませんか」

「悪りぃ悪りぃ!ちょっと調子に乗り過ぎた。あまりに売れるもんでよう!それにしても、こんなものに金を出す人間の思考はやっぱわからねえな」

「まったくです!ですが、このおかげで財産が増えるばかりです」

「まちげえねえな!がははははははは!」

「ほんとうですね!ははははは!」

「それと、話は変わるがお前のとこにいるあの女いい女じゃねえか!」

「どの女ですか?」

「いつもうちに納品している女だよ」

「ああ!あの女ですか?」

「なんともいえねえ艶っぽい!なんかそそるよなあ」

「ですがあの女は二人の子持ちですぜ」

「そんなのは関係ねえよ。一回抱きてえんだがいいか?」

「まあ、一回ぐらいならいいですよ。親分にはお世話になっていますからね」

「そうか!じゃあ今度の納品の時楽しみにしておくぜ」

「存分に楽しんでくださいよ。しかし、やり過ぎて壊さないでくださいよ。私のお気に入りなんですから」

「わかったわかった!注意しておくよ」

 ガルドランとグドンは、鳳凰騎士団が何もせずあっさり帰った事に気をよくして、二人してゲスイ話しで盛り上がっていた。




 ケンジは、ムンシャートの町のグドンの店が気になっていた。

「ローゼリア、いるか?」

「はい、ここに!」

 ローゼリアは、10年経ち美しい女性へとなっていた。ブラックスペンサーの諜報部隊見習いだった10歳の少女は、今やモデル級の美女になり、ケンジの側で諜報員として活躍していたのである。

「ちょっと、頼みたいことがある」

「なんなりと!」

「この、ムンシャートの町のグドンと言う男を調べてほしい」

「何か問題でも?」

「俺の勘みたいなものだが、この町の規模でこれだけの売り上げはちょっとな……」

「ですが、ケンジ様もFreedom店で十分あげていたかと」

「ああ!Freedom店はテンペの町で大きい町だったろ?それに俺の店は雑貨店で色んな物を売っていた。しかし、グドンの店は採取した薬草専門店だろ?あの小さな町でこの売り上げは異常だと思わないか?」

「た、確かに……」

「まあ、問題が無ければそれでいいいんだが、ちょっとひっかかるんだよな」

「わかりました!すぐに調べてまいります」

「ああ!無理だけはするなよ。危険と判断したら深追いは絶対にするな!」

「はっ!」

 ローゼリアは、そう言い残し忍者のようにその姿を消したのだった。


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