社畜のおじさん過労で死に、異世界でダンジョンマスターと なり自由に行動し、それを脅かす人間には容赦しません。

本条蒼依

文字の大きさ
13 / 53

13話 マサルの能力

しおりを挟む
 村長がゴブリンの情報を聞いて、すぐさまギルドに依頼を出した。近い町でも2日かかり早馬を飛ばして伝達し、12時間後にはギルドに依頼が出たようだ。

 モーレンの村にはギルドがまだない。かなり大きい村だがそれでも村の周りにはダンジョンが無い為、必要が無いのである。
 今回の様に、何かあれば早馬を飛ばす事で、半日で依頼が出せる位置にあるモーレンの村では十分だった。

「ハッサン。どんな感じだった?」

「あれは俺達だけでは無理だ……ギルドからの援軍が来ない事にはどうにもならん……」

「どういう事だ?」

「あの規模になると、キングがいてもおかしくはない……」

「な、何だと……俺がいるのに、そんな集落になるまで気が付かなかったとは……」

 ルーデンスはベテラン冒険者だった。引退できるまで一線で活躍できる冒険者は、全体の一握りである。いろんな経験を持ち、ゴブリンが集落を持つ兆しなんか、本来であればすぐ見破ることができるのだ。

「ルーデンス。お前がいても分からなかったのは無理はない……」

「なんでだ?」

「集落の側に洞窟があるんだよ。多分、あれは……出来たばかりのダンジョンの可能性が高い」

「ダ、ダンジョンだと?」

「ああ……その為、ゴブリンはダンジョンの中に餌を求めて、村には被害が無かったんだと思う」

「それで増えすぎて、ダンジョンだけではまかないきれなくなったという訳か……」

「それにもう一つゴブリンの集落は崖の下にある……それも見つからなかった要因のひとつだな」

「そ、そっか……」

「まあ、そんな落ち込む必要はないさ。もうじき冒険者達がやって来る」

「ああ……ゴブリンたちをこのままにしたら本当にやばいからな……」

「それにしても、話は変わるがこの村にいる錬金術師のマサルだったか?」

「ああ、それがどうかしたのか?」

「あいつはたいしたもんだぜ。俺達冒険者に役立つポーション一通り作れるじゃねえか。ヒールポーションも効果が高いだけじゃないんだ」

「そうなのか?売っているアイテムはヒールとキュアしか売ってなかったはずだが……」

「いやいや、普段はそれだけで十分だろ?作り置きしても売れないんだからな」

「確かにそうか……」

「さっき言ったら、ストレングス・プロテクション・スピードポーションそれにシャープネスまで置いてあったぞ」

「それだけあれば、ゴブリンの討伐も楽になるな」

 ハッサンとルーデンスは、そんな事を話しながら討伐隊の到着を待っていた。



 そのころ、マサルの店ではソフィアがマサルと話をしていた。

「ご主人様?今回の討伐には参加はしないんですよね?」

「ああ。するつもりはないよ。ルナも参加はさせるつもりはないから心配しなくていいよ」

「そうですか……安心しました」

「僕は、この村でソフィアとルナと一緒に、のんびり生活出来たらいいからな」

「はい」

「でも、ご主人様このポーションの種類すごいですね」

「ルナもそう思うか?今までちょっとづつ作り続けていたから、やっと売れると思うと嬉しくなるよ」

「たしかに、今度の討伐隊は人数が凄い事になるから、全部売れると思いますよ」

「だよな。だけど、これがすんだらまた、オーガの角とかウォッシャータートルの甲羅とか集め直さないといけないけどな」

「それなら任せといてください!あたしが又集めて来ますよ」

「ああ!ルナ、期待しているよ」

「はい!」

 マサル達はこれからも続く幸せを確信していたが、このゴブリン討伐で必要以上に目立つことになり、貴族達から目をつけられる事になるとは、マサル達はまだ知らなかった。


しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~

於田縫紀
ファンタジー
 図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。  その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

処理中です...