無能と呼ばれてパーティーを追放!最強に成り上がり人生最高!

本条蒼依

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7話 無事帰還

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「クッ……やっぱり駄目……あたしには10階層までが精一杯だわ」

 オウカは、クロスの事を単身で救出しに来ていたのだった。しかし、いくらオウカが魔法剣士(S)と言うレアな職業でも、単身でこのダンジョンに挑むのはいささか無謀な挑戦だった。

「「「「「ぐぉおおおおおおおおお!」」」」」

「あんた達邪魔よ!そこをどけえええええ!」

 オウカは、レッドサーベルモンキーと言う凶悪なサルの魔物を薙ぎ払いながら、ダンジョンの奥へと突き進んでいった。
 しかし、集団で襲い掛かって来る魔物は次から次へと湧いてくる。オウカは、剣を握り刃の部分に付与魔法を施した。

「時空剣!」

 オウカは魔法剣士である。刃の部分に時空魔法を施すと、刃の色が漆黒に輝き、メタリックブラックと言ったらいいのか黒光りし出したのだ。

 その刃の色に、レッドサーベルモンキーはタダならぬ脅威を感じて、進行が止まったのだ。

「あなた達魔物でも躊躇するのね」

 オウカは、その剣で斬りつけた。すると、レッドサーベルモンキーは斬られるというより、体の一部が消失し一撃で絶命したのだった。
 その斬り取られた体の一部は、当の本人オウカもどこに行くか分からないのだ。

「死にたくなかったらそこをどきなさい!」

 レッドサーベルモンキーは数の暴力で、オウカに襲い掛かったがオウカは時空剣で無双をしていた。
 
「くっ!どれだけいるの?キリがないわね」

 オウカは、肩で息をして何とか保っていた。しかし、次から次へと襲い掛かってくるサーベルモンキーに苦戦してきたのだった。

「このままじゃ体力が……きゃっ!」

 遂にオウカは、レッドサーベルモンキーからダメージを受けてしまった。

 オウカは、魔法剣士である為、重装備ではなく軽装備である。つまり、
ダメージを跳ね返すのではなく回避し機動力重視の剣士なのだ。
 
「ハアハア……このままじゃあたしまで犠牲になってしまう……」

 オウカは悔しかった。自分の力だけではここまでが精一杯であり、クロスを救出できないと自覚したのだった。しかし、ここから引き返すとなると、それももう無理な状況だった。

「やはり、無謀だったようね……」

 オウカは、自分の命を諦めかけた瞬間、進行方向が大爆発したのがった。その大爆発の熱は、オウカにも感じられてただ立ち尽くしていた。

 あちこちで、爆風に巻き込まれ逃げ惑うレッドサーベルモンキーに、オウカは何が起こっているのか分からなかった。
 そして、大爆発にレッドサーベルモンキーは、八方に散りじりになり逃げて行った。

「間にあって良かった!大丈夫か?」

 オウカの、目の前にはクロスがいた。

「クロスさん!」

 オウカは、クロスの姿を見て涙目になり抱きついたのだった。

「えっ⁉オウカさん?なんでこんなとこに?」

「良かった……無事だったのね?」

「無事って、どういう事?今の状況なら、それは俺のセリフだと思うけど」

 オウカは、クロスに今までの子と説明した。クロスが先走って戦死した事や、自分はそんな事ありえないからギルドに救出部隊を編成しようとしたがギルドが拒否。そんな依頼料が出せるわけがなかった自分は単身でクロスを救出に来たが、このありさまだったことを説明した。

「オウカさんありがとう……」

「いえ、あたしは何もできなかった……結局、クロスさんに助けられただけ」

「いや、本当に嬉しいよ。でも、こんな無茶な事はもうしないでくれ」

「だって、あたしはクロスさんに冒険者になりたての頃お世話になったから」

「俺は、何もしてないよ」

「そんな事ない!あたしが冒険者になりたての頃、分からない事を色々教えてくれたじゃない!あたしはどれだけ助かったか……」

「だけど、それでこんなとこで、単身でダンジョンに来て死んだら意味が無いじゃないか」

「だって、あたしはクロスさんが死んだって言われても信じられなかった。それにあたしは、クロスさんに伝えてなかったことが!」

「伝えてない事?」

「あたし、冒険者になりたての頃色んなことを教えてもらって、それからずっとあなたの事が!」

「えっ?」

「クロスさん!あなたの事がずっと好きでした!」

「えっ……えぇ~~~~~~!」

「この想いを伝えれていないまま別れるなんて絶対いやだった!だから、あたしは……絶対、クロスさんを救出するつもりで……」

「でも、ギルドで役に立たない俺なんかより、オウカさんならもっといい人が見つかるでしょ?」

「あたしは、クロスさんがいいんです!クロスさん以外の人と、一緒になるつもりなんかありません!」

「ありがとう……俺なんかに興味を持ってもらえているなんて思いもしなかったよ」

「それで……」

「それで?」

「もう!勇気出して女性から告白しているのに恥をかかせないでよ!」

「ああ!でも、俺なんかで本当にいいのか?」

「しつこい!あたしはクロスさん以外興味はありません」

「あ、ありがとう……こんな俺で良かったらよろしくお願いします」

 クロスの返答に、オウカはクロスに抱きついたのだった。

 クロスとオウカは、2人だけのパーティーを組むことにした。クロスは、ガナッシュ達に裏切られた事で、町に戻ったらソロで活動するつもりだったが、自分の事を心配して1人だけでダンジョンに来たオウカを信じ、パーティーを組むことにしたのだった。

「でも、クロスさん……気を悪くしないで聞いて……クロスさんは何もできなかったんじゃないの?なんで魔法を使えているの?」

「それが、やっとレベルアップ出来たんだよ」

 クロスは、オウカにマンティコアの事や、どういう経緯でレベルアップしたのか説明したのだった。

「そ、それは本当ですか?」

「ああ、これらの事は内緒にしておいてくれ」

「わかりました。個人情報なので話しません。それに、そんな重要な事あたしに話してくれて良かったのですか?」

「オウカさんは、俺の為にこんなとこまで1人で救出に来てくれたし、信頼してますからね」

「もう!クロスさん、あたしの事は呼び捨てにしてくださいって言ったじゃない!敬語も絶対禁止!もう恋人同士でしょ?」

「オウカわかったよ。オウカも俺の事は敬語はなしだぞ。それに、俺はギルドに戻ったらソロで活動しようと思ってたが、オウカと恋人同士になれて良かったと思っている。だったら、オウカには俺の秘密を知ってもらった方がいいと思ってな」

「うん……でも、クロスが秘密にしても、鑑定で分かるんじゃないの?」

「大丈夫!斥侯スキルには偽装も出来るからな」

 クロスは、スキルの腕力・耐性・速度・知力以外は見えなくして、魔王は火属性魔法と変化させたのだった。

「クロスはもう何でもありね……でも、スキルの上限が5レベ以上があるとは思わなかったわ」

「俺もびっくりしている……」

「クロス!出口が見えたわ」

「ああ、やっと脱出できた」

 クロス、ダンジョンからようやく出ることが出来て、陽のひかりを見る事ができて安心できる事が出来た。





 そして、町に戻ってきてギルドの門を開いたのだった。

「お、おい……クロスの奴生きていたぜ……」
「オウカも無事に戻って来た」
「オウカがクロスを一人で救出したのか?」

 冒険者達は、二人の姿を見て騒めいていたのだった。そして、クロスとオウカはギルドカウンターに近づき、受付嬢のファナに話しかけたのだった。
 ファナは、オウカの無事な姿に安心し抱き合って喜んでいた。


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