無能と呼ばれてパーティーを追放!最強に成り上がり人生最高!

本条蒼依

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8話 減刑

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 クロスはオウカから、死亡届を出されていたと聞いていた為、ギルドに今回の事を殺人未遂として、暁を訴えたのだ。

「そ、それは本当なの?」

「ああ!俺が生き証人だ。嘘なんか言わねえよ」

「やっぱり、最初あたしが疑った通りだったのね。わかったわ!これはギルドの事件として、ギルドマスターに報告させていただきます」

 クロスが生還した事で、すぐにギルドマスターに報告された。

「おい!今の聞いたか?」
「暁がそんな事をするだなんて……」
「嘘だろ?Sランクパーティーが逮捕ってどうなるんだよ」
「今、ガナッシュ達はどこに行っているんだ?」
「確か帰ってくるのは、二日後のはずだぜ。今朝、依頼を受けてクロスがいなくなって、足手まといがいないから意気揚々出発したのを見たぜ」
「暁も2日の命か……俺、暁に憧れていたのにな」
「ここにいる人間殆どがそうだぜ。俺もその一人だったが、まさか同じパーティーの戦えないポーターを、ダンジョンに置き去りにするなんてよ」

 いくら足手まといと言っても、ポーターをダンジョンに置き去りにするのは重罪である。これは、殺人と同じ罪になり禁錮20年は確実と思われた。




 そして、暁は二日後に町に戻って来た。サーベルタイガーの討伐依頼は成功したのにしたのに、暁のメンバーはボロボロで帰ってきた。冒険者ギルドに、入って来た暁のメンバーを見た他の冒険者は呆気に取られたのだった。
 ボロボロの暁のメンバーは、ギルド執行委員にいきなり囚われた。これにはガナッシュ達がわめき散らしたのだ。

「な、なんだ!離せよ!」
「そうよ!あたし達が何をしたというのよ」
「そうだ!俺達はボロボロなんだ。とりあえずゆっくりさせてくれ!」

「それは無理だ!お前達にはクロス殺害の容疑が固まった!大人しくしろ」

「はぁあ?クロス殺害だと!何回も言うが、あいつは先走って死んだだけだ。俺達が殺害したわけじゃ!」

 ガナッシュが、ギルドマスターの方向を見ると、その横にダンジョンに置き去りにしたはずのクロスが、オウカと共に立っていたのだった。

「な、な、何でお前が生きているんだ!まさか、オウカが助け出したとでもいうのか?」

「ガナッシュ及び暁のメンバーは、ポーターのクロスをダンジョンに置き去り、パーティーから強制脱退させた罪で逮捕する」

「俺らは悪くない!クロスが、俺達の言う事を聞かず脱退しなかったのが悪いんだ!」

「そんな、自分勝手な理由がまかり通るわけないだろ!お前はパーティーリーダーじゃないか!だったら、そのパーティーで出来る事を、模索していくことがお前の仕事だ!」

「クロスが何の役に立つ?それこそ無茶だろ!ギルドマスターも知っているはずだ。こいつは2年もの間ずっとレベルアップはせず、ずっと俺達の足を引っ張り続けた。違うか?」

「だが、お前はクロスの職業が聞いたことが無いというだけで、化けるかもしれないと期待をして、クロスをパーティーに誘ったんじゃなかったか?」

「そ、それは……だが、こいつを入れて後悔したよ。普通ならレベルが上がるのを期待するだろ?なのに、全然上がらねえ」
「そうだ!俺達はSランクの職業だ。このままでは全然先に進めねえじゃねえか」
「そうよそうよ!今回だって、クロスがいないからブラッドサーベルタイガーを簡単に討伐出来たんだからね」
「「そうよ!あたし達5人になった方が全然有意義だわ」」

「お前達が何を言っても、今回の事は感かできん!ポーターを、ダンジョンに置き去りなんかしたら殺人と同じ行為だ」

「はっ!コイツがもっと聞き訳が良かったならこんなことしてないさ。それに、ポーターでもスキルを持っている人間はたくさんいるし、結局はクロスが役に立たないから捨てられるんだ!」

「馬鹿な事を!」

「俺達は絶対に悪くない!悪いのは何の役にも立たないクロスだ!」

 最後まで、ガナッシュ達は自分の非を認めなかった。ずっとクロスが悪いとわめき散らし、ギルド執行人に連行されてしまったのだった。

「クロス、あいつ等の言う事を気にするんじゃないぞ」

「ギルドマスター……」

「そうよ、クロスは何も悪くないからね。あいつ等が自分勝手な事を言うのが悪いんだから」

「オウカ、ありがとな」

「それで、ギルドも悪かったと謝罪させてくれ」

「えっ?」

「お前がダンジョンで死んだと報告があった時、ギルドは救出をしなかった。救出に行ったのはオウカ個人だけだったからな」

「いえ、ギルドの立場は理解しているつもりですよ。ダンジョンでの生死は個人責任です。今回、俺は運が良かっただけです」

「そういってもらえると、ギルドも助かる。本当にすまなかった」

 こうして、クロスはギルドマスターの謝罪を受け入れた。しかし、クロスはガナッシュ達の減刑をギルドマスターに頼んだのだった。

「クロス、いったい何を言っているの?あいつ等は、あなたを殺そうとしたんだよ」

「オウカちょっと待つんだ!」

「だけど、ギルドマスター」

「クロスよ。なぜ自分を殺そうとした人間の減刑を望む?訳を聞かせてくれないか?」

「実際俺は、今回運が良かった。オウカが救出してくれて命が助かった。オウカから聞いたよ。あいつ等が俺の死亡手続きをした時の事を……おれは、あいつ等のパーティーを追い出されたらもう冒険者として生活は出来ないと思い込み必死にすがりついていた」

「そうだな」

「その行動が、今回の事件になったのもよくわかったつもりだ。俺があいつ等を、凶行に走らせた自覚はある。だから、何割かは俺の責任でもあると思うんだ」

「馬鹿な事を!確かに、お前はギルドでも使えないと噂されているが、だからと言ってポーターをダンジョンに置き去りなど……」

「そうよ!クロスが悪いわけないじゃない!」

「だが、俺にスキルの一つでもあったら、こんな事にはならなかったのは事実だろ?」

「クロスは、それで本当にいいの?」

「あいつ等の事を信じる事はもうできないし、もう許す事も出来ないが、俺はこうして生きているからな。禁錮刑は無しにしてほしいんだよ。あいつ等はギルドにとって役に立つのは間違いないからな」

 ギルドマスターとしても、ガナッシュ達が禁固刑になるのは確かに痛かった。5人のうちの4人がSランクの職業で一人はAランクだったからだ。

「本当にいいのか?」

「その代わり、あいつ等からは俺に謝罪と多額の賠償金は払ってもらいます」

「そうか。ギルドとしても長い目で見たらそちらの方が助かる。ギルドもあいつ等からの規約違反としての罰金だけで許そう!」




 しかし、この判断は間違っていた。ガナッシュ達はクロスに情けを掛けられたことに、プライドを傷つけられたのである。そして、ガナッシュ達がサーベルタイガーの討伐だけではなく、とんでもない事をしたことが明らかになるのであった。


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