無能と呼ばれてパーティーを追放!最強に成り上がり人生最高!

本条蒼依

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29話 ブラッディーマンティスの最後

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 クロスとオウカは、村長の家から聞こえる怒鳴り声を無視して外に出た。そして、二人して目を見合わせたのだった。

「クロス、このまま町に帰るつもりはないんでしょ?」

「オウカも、そんなつもりないくせにわざとらしい事聞くなよ」

 すると、村長が血相を変えて家から出てきたのだった。

「クロスさんオウカさん!待ってください。今回の事は謝罪します。だから、ギルドにはご内密にしてください。ハンスは殺人未遂として衛兵に突き出します!だから!」

「村長、申し訳ないがギルドには報告しないといけない。あのマザーは、放って置いたらスタンピードの可能性のある魔物だ。内緒にしていたらそれこそ大変な事になるんだ」

「た、確かに……そ、それじゃあ……この村はもうギルドからの依頼は……」

「その辺は安心してくれ」

「えっ?」

「俺は言っただろ?正直にギルドに報告すると」

「でも、報告したら……」

「村長達、この村の人間は悪くないですよ。悪いのはあのハンスと言う者だけです。だから、この事は正直に報告するつもりですよ」

「あ、ありがとうございます……」

 村長は、クロスとオウカの言葉に涙を流して、謝罪を何回もしてお礼を言った。そして、村長はハンスの事は衛兵に必ず突き出すと約束したのだ。

「そ、それでマザーの件なのですが……」

「それも安心してくれ。今から二人で討伐に向かう」

「ほ、本当ですか?」

 オウカはニコリと笑い、村長に話しかけた。

「だから、村長さんは今回の事を正直にギルドに連絡を入れてください。今ならまだ孵化もしていないし、あのマザーならあたし達で十分討伐できるはずですから」

「あ、あ、ありがとうございます!これで村の者達も、枕を高くして寝ることができます。よろしくお願いします」

「それじゃあ、オウカ行くか」

「うん」

 村長は、オウカの言葉を信じ頭を下げたのだった。

 クロス達は、森の奥に入っていくと森の雰囲気がガラッと変わり、空気が変わったのが分かった。

「オウカ、気をつけろよ」

「う、うん」

 クロスは、オウカと自分に【ストレングス】【プロテクション】【スピード】【マジック】の魔法をかけたのだった。

「やっぱりこの4つの魔法の効果は絶大ね」

「だが、油断するなよ」

「分かっているって」

 すると、森の奥から体長3mほどの、真っ赤な蟷螂があらわれたのだ。

「オウカ、来たぞ」

 クロスの言葉を合図に、オウカが踏み込みブラッディーマンティスマザーに突進した。

「きえええええええええええええええ!」

 マザーは金斬り声をあげたと思ったら、その大きな鎌を振り上げ、オウカを薙ぎ払ったのだった。

「まだ遠いから当たらないわよ!」

 オウカはまだ、マザーの懐に入っていなくて距離があった。

「オウカ!横に飛べ!」

 オウカは、クロスの言葉を考えるより先に体が反応した。そして、クロスの言う通り横に飛んだのだった。

 すると、マザーの前にあった大木が、真っ二つになり倒れたのだった。

「な、なに?」

「オウカ、油断するな!マザーは、その鎌を振った時にエアカッターを放ち、遠距離攻撃をしてくるぞ」

「何よそれ!もっと早く言ってよね!」

 なぜかクロスが、オウカに怒られるのだった。

「り、理不尽……」

「魔物のくせに、エアカッターだなんて生意気ね」

「オウカ、油断はするなよ?」

「分かってるわ。もう大丈夫」

 オウカは、剣を構え直してマザーに突進した。マザーは奇声を上げてオウカに鎌を振るった。

「きええええええええええ!」

「もう、そんな攻撃通じないわ」

 オウカは、剣で鎌を振り切らせなかった。マザーのエアカッターは振り切る事で、かまいたちを発生させ前方に飛ばす技のようだった。そのことを見切ったオウカは、マザーの鎌を剣で受け止めたのだ。

「オウカ気をつけろ!マザーの技はそれだけじゃないぞ」

「けえええええええええええ!」

 マザーは、凝りもせず鎌をオウカに振り上げたのである。

「もうそんな技は見切ったわ!」

 オウカは、鋭い剣さばきで、マザーの鎌を叩き斬ったのだ。

「きええええええええええええええ!」

 マザーの断末魔のような奇声が響いたのだった。

「ふっ。鎌のないマザーなんてもう脅威はないわ!」

 オウカはマザーの攻撃を余裕でかわし、首を叩き斬って討伐してしまった。

「マザーって、こんなに弱いモノなの?さすが、クロスの仲間支援は強力よね」

「オウカのスキルは全部1レベルアップしているからな。まあ、これぐらいなら余裕だろ?」

「ほんと、暁の奴等馬鹿な事をしたものね」

「もうその事は言わないでくれ。今はオウカとのペアで俺は満足しているんだからさ」

「あ、ごめんね。つい……」

「俺自身、まさかこんな事になるとは思っていなかったけど、俺はオウカと一緒に行動できてうれしいとおもっているよ」

「クロス、ありがとね」

「さてと、後は森の奥にある卵を始末したら終わりだな」

「そうね。どうやって処分するの?」

「ファイアで卵だけ燃やしたらいいだろ?」

「そんな事が可能なの?」

「ちょっと面倒だけど、森に火が燃え移らない様に火力をおさえれば大丈夫だよ」

 クロスとオウカは、森の奥へと進むと大木にはびっしりと卵が産みつけられていたのだった。
 
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