役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

文字の大きさ
2 / 447
第1章 役に立たないスキル

2話 絶望

しおりを挟む
 その日はこの小さな村は、朝からお祭りのようになり生誕7年祭と称され年に一回のお祭りだった。

 村の広場には出店が並び、教会の司祭様が村の教会に出張される日である。神聖の儀は、司祭様という位の高い聖職者が村にやって来る。
 日頃は、シスターが一人この教会を管理しているのだ。そして、村の子供達はこの日を楽しみにして前の日は興奮して眠れない日を過ごす。寝坊して神聖の儀に遅刻してしまうと、町の教会に行き神聖の儀を受けないと1年待たないといけなくなるのだ。

 朝、教会の前にはこの年に生まれた子供達が集まっていて、賑やかに司祭様の到着を待っていた。

「おおおお!司祭様の馬車だ!」

 司祭の馬車は、重厚感にあふれ鉄で作られた馬車だ。馬も4頭引きで豪華であり、周りには豪華なフルプレートメイルを装備した聖騎士がその護衛をしていた。

 窓から顔を出した司祭は笑顔で子供達の顔をみた。

「この村は良いのう。子供達も元気そうじゃ」

 司祭は、高齢の男性だが威厳に満ち溢れているが、その権威を振りかざす訳ではなく、馬車から降りると子供達に近づき頭を撫でるような優しい人間である。
 そして、護衛を務める聖騎士達も子供達からあこがれの目で見られて、子供達を抱き上げ相手をするような優しい人間だった。

 すると、この村の教会を管理するシスターが、司祭に近づき挨拶をした。

「司祭様、遠路はるばるようこそおいでになられました。神聖の儀の準備は整っております」

「そうか。メルも久しいのう。元気だったか?」

「はい。この村は実に生活しやすい場所でございます」

 毎年同じ挨拶だが、お互いニッコリ笑い挨拶を済ませた。司祭は子供達にニッコリ微笑みかけ、教会の奥へと入っていった。聖騎士達10人もまた司祭についていくのだった。

「やっぱり聖騎士ってかっこいいなあ!」
「本当だぜ!」
「あたしは聖職者になりたいなあ」

 ソフィアはそう言った。

「ソフィアちゃんは教会に入るつもりなのか?」

 ディクトが驚いてそう聞いてきた。

「違うよ。聖職者になって神聖魔法を使って、マルクと冒険者になるって約束しているの」

「そういう事か!なら、俺も剣士になってソフィアちゃんを守ってあげるよ」

「ディクト君も冒険者になるつもりなの?」

「ソフィアちゃんが冒険者になると言うのなら俺もなるぜ」

「じゃあ、みんな一緒に冒険者になって冒険が出来るといいね?」

「そうだな?で、マルクは何になるつもりなんだ?」

「僕は魔法使いになる!」

「そうか。お前のお母さんも魔法使いだったよな?」

「うん!小さいころから魔法に興味があってね。魔法でソフィアを守りたいんだ」

 7歳になると、マルクとディクトは普通にライバル関係にあった。ディクトの言葉はきついものはあるが、今の状況はそこまできついものではなかった。そして、時間が来て神聖の儀がとりおこなわれる。

「さて、どの子から神聖の儀を行うかのう?」

「じゃあ、俺からお願いします!」

「ほう!ディクト君からじゃな。女神神像の前に来なさい」

「はい!よろしくお願いします!」

「元気な良い子じゃ。女神様この子に良いスキルを与えたまえ。そして、将来幸せな生活が送れる手助けをしてください」

 司祭は、ディクトの生活がよくなるように女神神像に祈った。すると、女神神像が輝きだし、淡い光がディクトを包み込んだ。

「ほう!これは凄い!」

 司祭は、ディクトに与えられたスキルが分かったが、それを言う事はなくディクトの頭をポンポンと撫でた。

「ディクト君はこれまでいい子だったようじゃ。スキルもとてもいいものが授けられたのう!」

「あ、ありがとうございます!」

 ディクトもステータスと唱えると何がもらえたのか分かる。その結果に大喜びをしたのだった。ステータスオープンと言えば、他人にも見せることができるが、この地点で他人にみせることは絶対にないのだ。

 ディクトに与えられたレアスキルは、剣術(S)盾術(S)とインフィニティーブレイク(S)というスキルであった。



剣術(S)
 剣を扱えば達人クラス以上で人外といわれるクラス。
ダメージ・クリティカル威力・クリティカル率・攻撃回数全てが、Dランクの
10倍になる。

盾術(S)
 盾を扱えば達人クラス以上で人外と言われるクラス。
防御・回避力がDランクの10倍になる

インフィニティーブレイク(S)
 自分の中心に半径10m以内にいる敵全てに極大ダメージを与える事が
でき、スキル発動中は攻撃力・攻撃回数・クリティカル威力・クリティカル率・
防御・回避力全て20倍に跳ね上がる。
 ダメージは、剣の基本ダメージ×(STR÷10)×20。効果時間は
1分。クールタイムは1時間である。



 ディクトはとんでもないスキルを手に入れたのだった。このスキルは100年に1度の才能と言っても良かった。

 そして、ヴァイスは鈍器(S)と戦斧(A)を貰いパワー系のファイターになれると喜んでいた。ソフィアも又神聖魔法(S)信仰心(S)を貰い聖女クラスのスキルを貰った。
 次にヴィトラは短剣術(A)罠発見解除(A)を貰いローグとして活躍できそうだった。レアスキルがAランクと言えどDランクの5倍の威力を持ちとんでもない才能である。

「じゃあ、次は僕が!」

「マルク待って……次はあたしにやらせて?」

「えっ?」

「何かみんなすごいスキルを貰っているみたいだし……最後はなんかね……」

「な、なるほど……構わないよ。シオンが先に行きなよ」

「ありがとう。じゃあ先に行かせてもらうわね」

「いいスキル貰えるといいね」

「うん」

 そうしてマルクは、シオンに先に受けてもらう事にした。シオンのレアスキルは剣術(C)だった。これはDランクの2倍の威力を出せるスキルで冒険者として活躍できるものだった。
 決して悪いスキルではなく、周りが凄すぎただけである。しかし、何を貰ったかは個人情報となり秘密である。

「やった!いいスキルだわ」

「ふむ。良かったのう。君も普通以上の生活が保障されたと言っても良いぞ」

「司祭様ありがとうございます」

「シオンちゃんの活躍を期待しておるぞ」

「はい!」

 そして、最後はこの年最後の7歳児マルクだった。

「最後は君じゃな。マルク君、女神神像に祈るのじゃ」

 マルクは返事をして、女神神像に祈りをささげた。すると、女神神像が輝きだしたが、今までとは違い淡い光が包み込む事はなく、光が集束しマルクの脳天に撃ちこまれたのだった。

「な、なんじゃ⁉こんな現象は初めてじゃ」

 司祭も驚き声をあげたほどだった。そして、マルクに与えられたレアスキルは魔法(E)だった。その結果に司祭は驚愕し、そしてマルクの顔を見て哀れんだ表情となっていた。

「マルク君……このようなスキルに負けず力強く生きるのだぞ……」

 司祭も又、どのように声をかけたらいいのかわからず励ます事が精一杯だった。

 Eランクスキルも又、Sランクスキルと同じぐらい出にくいもので、50年に一人出るかどうかだったのだ。絶望に打ちひしがれていたマルクは、司祭の言葉が耳に入ってこなかった。ステータスで見ると魔法(E)MPが異常に多くなると書かれていた。
 そして、不思議な事に魔法スキルなのに属性が記載されていないのだ。普通なら火属性魔法(E)とかになるのにただ魔法としか書かれていないのだ。

「これは生活魔法なのか?レアスキルで生活魔法って……役に立たないだろう……ははっ」

 マルクには、乾いた笑いしか出てこなかった。


しおりを挟む
感想 106

あなたにおすすめの小説

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

異世界で美少女『攻略』スキルでハーレム目指します。嫁のために命懸けてたらいつの間にか最強に!?雷撃魔法と聖剣で俺TUEEEもできて最高です。

真心糸
ファンタジー
☆カクヨムにて、200万PV、ブクマ6500達成!☆ 【あらすじ】 どこにでもいるサラリーマンの主人公は、突如光り出した自宅のPCから異世界に転生することになる。 神様は言った。 「あなたはこれから別の世界に転生します。キャラクター設定を行ってください」 現世になんの未練もない主人公は、その状況をすんなり受け入れ、神様らしき人物の指示に従うことにした。 神様曰く、好きな外見を設定して、有効なポイントの範囲内でチートスキルを授けてくれるとのことだ。 それはいい。じゃあ、理想のイケメンになって、美少女ハーレムが作れるようなスキルを取得しよう。 あと、できれば俺TUEEEもしたいなぁ。 そう考えた主人公は、欲望のままにキャラ設定を行った。 そして彼は、剣と魔法がある異世界に「ライ・ミカヅチ」として転生することになる。 ライが取得したチートスキルのうち、最も興味深いのは『攻略』というスキルだ。 この攻略スキルは、好みの美少女を全世界から検索できるのはもちろんのこと、その子の好感度が上がるようなイベントを予見してアドバイスまでしてくれるという優れモノらしい。 さっそく攻略スキルを使ってみると、前世では見たことないような美少女に出会うことができ、このタイミングでこんなセリフを囁くと好感度が上がるよ、なんてアドバイスまでしてくれた。 そして、その通りに行動すると、めちゃくちゃモテたのだ。 チートスキルの効果を実感したライは、冒険者となって俺TUEEEを楽しみながら、理想のハーレムを作ることを人生の目標に決める。 しかし、出会う美少女たちは皆、なにかしらの逆境に苦しんでいて、ライはそんな彼女たちに全力で救いの手を差し伸べる。 もちろん、攻略スキルを使って。 もちろん、救ったあとはハーレムに入ってもらう。 下心全開なのに、正義感があって、熱い心を持つ男ライ・ミカヅチ。 これは、そんな主人公が、異世界を全力で生き抜き、たくさんの美少女を助ける物語。 【他サイトでの掲載状況】 本作は、カクヨム様、小説家になろう様でも掲載しています。

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

処理中です...