役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第1章 役に立たないスキル

15話 村の責任

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 名もない村では、長老とハンスが話し合い、村の人間達は失意のどん底を味わっていた。

「村長……俺も事情を説明するが期待はしないでくれよ」

「ああ……分かっておる。最悪、この村は捨てる羽目になるかもしれんな」

「ったく、カインの奴め!こうなることが分からなかったのか?」

「「「「あいつは村の者で処刑にするべきだ!」」」」
「そうだ!村長、決断をしろ。あいつを処刑にしてギルドに差し出せ!」

「皆の気持ちは分かるが、ここはギルドに任せるのが筋だろう」
「そうだ?ここで先走りしては村長が反対に疑われる事になるやもしれん!みんな我慢してくれ。俺も元冒険者だ。村の汚名は晴らせる様に説得をしてみるから」

「ハンスさんがそう言うなら我慢して見るが、それでだめだった場合どうなるんだ?」

「皆でこの村を捨てるしかない……他の地に移り、その町のギルドに支援してもらうしかないのう……」

「そんなうまくいくのか?」

「分からぬ……それか、村の者はバラバラになり他の地域の町に移住するかじゃな」

「くっ……せっかく村が形になり始めたと言うのに」
「カインのせいでめちゃくちゃじゃないか!」
「やっぱりあいつは処刑にした方がいいんじゃないのか?」
「しかし、村長が責任をカインに押し付け口封じしたと、ギルドに誤解されるかもしれないからな」

 村では今回の事で全員が会議を開き、ギルドにどのように説明するか話し合っていた。そして、次の日村には冒険者ギルドの調査員が派遣されたのだった。その中には、ハンスの顔見知りの冒険者もやってきていたのだった。
 そして、その調査員や冒険者達を村長の家に案内した。村の人間は遠目に調査員たちを心配そうに見ていた。

「ハンス!久しぶりだな」

「リュードお前が護衛としてきたのか?今回は村の者が迷惑をかけてすまなかった……しかし、これはだな……」

「まあ、待て待て!謝罪は俺にしてもしょうがないだろ?そのことに関しては、調査員の人間から説明があるから、まずはそれを聞きな」

「ああ……そうか、そうだな。焦りすぎたようだ。リュードすまなかった」

「いいよいいよ。お前も元気そうで良かったよ」

「元気ではないがな」

「まあ、そうだよな。まあそう落ち込むな」

「落ち込むなって……どういうことだ?村がなくなるかもしれんのだ……落ち込むなという方が無理というものだぞ?」

「まあ、調査員の話を聞くんだな」

「このたびは村の者がギルドに迷惑をかけてしまって申し訳ありません。この責任は村長であるワシの責任じゃ……この白髪首でどうか許してほしい。このとおりじゃ」

 村長は、最初から自分一人が犠牲になり、村を許してほしいと懇願したのだった。

「そ、村長何を言っているんだ?村長が悪いんじゃない!今回、あいつが暴走しただけじゃないか!」

「ハンス、村が許されるならワシの命なんか安いものじゃよ。お前がいれば村は大丈夫じゃよ」

「そんなわけはない!あんたは村には必要な人間……」

「えーっと、村長、ハンスさん私達の話をお聞きください」

「「あっ、すいません……」」

「今回、ギルドは村には責任を取れとは言いません」

「「へっ?」」

「今回、ギルドはカイン1人に責任を負わせるつもりでやってきました。その為、カインを差し出してくれれば、この村とはこれまで通りのお付き合いをしたいと思っております」

「そ、それは本当ですか?」
「でもどうして?」

「この間、ここの依頼を受けた暁の明星が報告してくれました。それと、ハンスさん貴方の存在です。貴方はギルドに所属していた時の功績で、貴方がギルドを騙す事はしないと判断します」

 それを聞いた村長は腰からガクッと力が抜けた様に膝をついた。ハンスもまた、気が抜けた表情をして半笑いとなっていた。

「ギルドは、俺の功績を認めてくれたのか?」

「ええ、貴方はギルドにいた時、新人教育に熱心でした。そんなあなたが依頼条件をごまかし、冒険者を危険な目に遭わすはずがないと言う事と、暁の明星の二人が村の人間は知らなかったと証言してくれました」

「「あの二人が」」

「まあ、そういうこった。良かったなハンス」

「リュード!お前最初から知っていて……悪趣味な奴だ!」

「まあ、そういうな。しかし、良かったな」

「ああ!あの二人のおかげだ」

「村長。貴方には余計な心配をおかけしたようですね」

「えぇ……これで安心じゃ。本当にありがとうございます」

「それで、これからも良い関係を築けるようよろしくお願いしますね」

「はい!こちらこそよろしくお願いします」

 その会話は村にすぐに広まり、村の人間達は歓喜に震えた。最初、村を放棄しないと思っていたのに、村には一切の責任は無し、カイン1人の罪にしてくれたからだ。村長達は、笑顔でカインの身柄をギルドに差し出した。

 すると調査員は、村長にこんな提案をしたのだった。

「よく、今回の容疑者を処刑せずにいてくれましたね。本当に感謝します」

「いや、これはハンスのおかげです。カインを処刑してしまえば、口封じをしたと誤解されるかもしれないと教えてくれたのです」

「そうですか。やはりハンスはギルドにいた時から信頼できる人間ですね。これはギルドからのお礼なのですが受けてもらえるでしょうか?」

「ギルドからのお礼とは?」

「ええ。サーベルウルフとアイアンウルフは、今回うちで討伐させていただきます」

「なんじゃと!それは本当か?」

「はい、その為にリュード達を護衛に連れてきました」

「お前達がサーベルウルフを?」

「ハンス。俺達に任せておけって!お前なら今回の容疑者を殺さずにいてくれると信じてたからな。もし処刑していたらこのサービスは無かったんだよ」

「そうか。ありがとよ。これで村の心配は全部片づくよ」

 村長達は調査員とリュード達冒険者に深々と頭を下げお礼を言ったのだった。

 そして、リュード達はAランク冒険者であり、その日のうちに森に入りサーベルウルフと討伐してしまったのだった。マルクの情報で、サーベルウルフとアイアンウルフの数を報告されてすぐに討伐できるように、Aランク冒険者であるリュード達が連れてこられていた。

 そして、最後に犯罪者であるカインは、MBKの罪で奴隷へと落とされた。その奴隷へと落とされたお金で、マルク達に慰謝料として支払われたのだった。
 カインは、犯罪奴隷としてその慰謝料は300万ミストで売られる事になり、その慰謝料は借金として、死ぬまで鉱山で働かされることになった。



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