役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依

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第8章 人類の厄災

76話 ルシファー新たな進化

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 村の皆を埋葬し、ルシファーは完全に何を信じれば良いのか分からなくなり姿を消し数ヶ月が経っていた。
 そして、数ヶ月が経ったある日ルシファーは王都エデンの上空に浮かんでいた。

「私はルシファー!王都の人間に告ぐ」

 その声は王都中に響き渡り、日常生活をしていた平民達、王都の警備兵、各ギルド職員、たった今王都に着いたばかりの行商人や旅人、もちろん王族や貴族にもルシファーの声が聞こえた。

「「「「「な、なんだ今の声は?」」」」」

「警備兵は持ち場を固めろ!」
「「「「「「「はっ!」」」」」」」

「ギルド職員は冒険者を緊急招集だ」
「「「「「「はい!」」」」」」

「「「「「「王都になにがあった(の)?」」」」」」

「今の声の出どころをすぐに見つけるのだ」
「「「「「はっ!」」」」」

 王族はもちろん、要所の幹部はこの状況はただならぬ何かを感じ取り、異例のスピードで動いたのだった。本来なら、情報が命と言ってもいい闇ギルドの人間も動くのは当然なのだが、裏世界は一切動く気配すらなかった。

 まさか、人間社会がここまで腐敗してたとは思いもしていなかった。

 ルシファーは、王都の上空に浮かび王都を見下ろす顔は般若のようで、慈愛に満ちた天使のような顔はなかった。
 ルシファーは村の皆が殺された後、親分以外の盗賊達を全て町の衛兵に引き渡した。それと同時に盗賊達の依頼者である貴族も証拠物件の書類を提出していた。しかし、貴族の証拠物件はなぜか握り潰されて、盗賊のみ死刑が執行されて貴族は証拠不十分でお咎め無しとなったのだ。
 これは、突き出した先の衛兵に貴族の関係者が上司として君臨しており、貴族から賄賂を貰い証拠を握り潰して、盗賊が個人で犯罪を犯したとしたのだ。
 ルシファーは、衛兵に貴族が黒幕だと訴えたがまったく相手にもされないどころか、これ以上しつこくするなら反対に不敬罪で死刑にするとまで言われた。

 私は間違っていた。人類に隣人を慈しみ愛せよと説いたところで、心正しき人間が損をする。なにより、父は何故人間に野望と言う感情を与え給うたのか?

「人間に告ぐ。私は神の使徒である。王族や貴族お前達は建国し法と秩序を守る立場であるのに、平民への傲慢な態度また、それをいい事に賄賂不正の数々、自分達王族や貴族が特別な人間だと勘違いをしている」

「な、なんだ?我々を否定するだと!それに神の使徒・・・この声の持ち主は天使だというのか?」

 当時の王国の国王は息を呑む。

「国王陛下。進言いたします。声の出処が特定いたしました」

「それはどこだ!」

「王都の上空500の地点です」

「な、なんだと!?空を飛んでいると言うのか?」

「はい・・・王国魔法師団も王国騎士団弓兵部隊もあまりの距離になすすべもありません」

「なんて事だ!」

「私はこの数ヶ月人間社会を調べぬき絶望した。貴族は闇ギルドと手を取り合い、麻薬の取り引き、女子供を誘拐し奴隷に落とす。また、盗賊を囲い入れ流通を妨げ商品の価格を意図的に釣り上げ、高騰した分を懐に収め私腹を肥やす」

 王都に在籍している王族や貴族また、悪徳商人はその声を聞きバツの悪そうな顔をする。そして、その中でも特に罪悪感の無い悪い貴族は、闇ギルドへの依頼を出せとわめいたのだった。

「ふふふ。貴族共よ。よく聞くが良い。お前達の頼みの綱である闇ギルドは私がとっくの昔に壊滅させた」

「「「「「な、なんだと!」」」」」

「誰か闇ギルドの情報はないのか?」

「国王陛下。進言いたします・・・この一ヶ月犯罪がありません・・・衛兵達からの情報が報告書が上がっています」

 この事実に国王や内政を司る役人は、ルシファーの言葉が本当だと悟った。

「まさか、闇ギルドが壊滅しただと・・・」

「私は人類に隣人を慈しみ愛せよと説いてきたが、それは間違いだとようやく悟った。お前達は世界の害でしかない」

「我々が害だと!」

「これは王族や貴族だけでない。平民達お前達も同類だ!」

「「「「「「「「なぜ俺(私)達が!」」」」」」」」

「お前達の中には、そんな貴族に我慢せず盗賊になり自分勝手に振る舞う人間に成り下がる」

「「「「「「「「俺(私)達は違う(います)」」」」」」」」

「それはまだギリギリでも生活が出来ているからと私は判断した」

「「「「「「「違う(います)!」」」」」」」

「なら、なぜスラム街では犯罪が横行している?何故、生活が出来ない者がいても手を差し伸べない?声をかけない?反対にお前達は罵倒したではないか?」

「「「「「「「「うっ・・・・・・」」」」」」」」

「お前達人間は自分の欲望の為に、平気で他人を蹴落とす生き物だ。私は人間を滅ぼすものとなろう」

「な、なんだと?」

「まずは、王城にいる人間を滅ぼす。そして、権力者と続き平民全ての人類を滅ぼす」

 その声を聞いた王都の人間全てがパニック状態に陥り、王都から逃げ出す人間が続出する。

「今、逃げ出した人間にも未来は絶対にこない。私は人類に絶望を与える存在。王都を逃げても主要な町、小さな村に至るまで全てを滅ぼすから努々ゆめゆめ忘れるな」

 そう告げたルシファーは、王城を破壊し中にいた王族はもちろん貴族、騎士団や役人メイドや執事。全ての人間が犠牲となった。そして、兵舎にいる衛兵や兵士も瓦礫の下に埋もれた。又、各ギルドの建物も破壊され、人間は神の力になすすべもなかった。冒険者達はギルドマスターに命令を受け必死に怪我をした人間を救助したが、魔法がどこからともなく撃ち込まれ犠牲になっていった。
 また、教会では神に祈り続け神の怒りを収めようとしていた。しかし、教会の上層部も腐敗しており金の権化となっていた。闇ギルドと組み、怪我の治療で高額な金銭を請求し、払えない人間は奴隷に落とすのも日常茶飯事となっていた。

「そのような神への祈りが届くわけがなかろう!神を冒涜するな」

 ルシファーの怒りは凄まじく、王都でも観光スポットとなっていた立派な教会はあっという間に瓦礫となり、神父やシスター、司教、司祭は全て犠牲となった。
 この巨大な王城、教会、各ギルドの建物全てが崩れ落ち、そして、あちこちであがる悲鳴やうめき声、そんな被害者を押し退けて逃げ惑う平民達。今まさに王都は地獄絵図と化したのだった。

「愚か者共め!神の怒りの雷を受けるがよい」

 ルシファーが巨大な聖なる雷を王都に降り注ぐ瞬間、王都上空があり得ない程に輝いた。そして、ルシファーの姿が忽然と消えたのだった。

「「「「「「助かったのか?」」」」」」

 ルシファーが消えた王都では、生き残った人の歓喜で歓声が上がった。





「ここは天界か・・・」

「ルシファーよ。なぜ人間を殺そうとした。神の使徒としてあり得ない行為だとなぜ解らん」

「父よ。私は間違ってはいません」

「馬鹿な事を申すな!人類は神々創造した神の子供達ぞ」

「今の人類に神々の教えは浸透しておりません。そればかりかあのような欲望の権化は悪魔そのものです。人類は滅亡させ、新たな生命体を誕生させるのが世界の為です」

「馬鹿な!人類が神々の思うようにならないからといって、安易に滅亡させるだと。それこそ傲慢というものだ」

「父よ。このまま人類に未来はありません。隣人を慈しみ愛せよと言う教えは立派です。しかし、なぜ人類に野心と言う感情を与え給うたのですか」

「野心は人類の成長を促す感情だ。野心は人類に夢をもたらす。夢は成長しようとする努力が生まれるからだ」

「しかし、野心は欲望となり人を自分を正当化し、他人を傷つけるものです。神の教えとは相反するものです」

「だからと言って人類を滅亡させるのは間違っておる。お主の考えは破壊と再生だ。お主は破壊神にでもなるつもりか」

「そうではありません」

「もうよい。お主は使徒の分際で神々の創造したものを勝手に破壊したのだ。これは許されるものではない」

「ぐっ・・・私は間違っていません・・・」

「まだ言うか?お主の今までの功績は神も認めておる。考えを正すのだ。今ならまだ王都襲撃は不問にする」

「襲撃とは納得できません。訂正を!あれは人類への神罰です」

「解った。ルシファーの使徒としての能力剥奪。そして、地獄への1億年の禁固刑に処する。1億年反省し考えが元に戻れば、使徒としての能力を戻そう」

「父よ!なぜ分からぬ!人類は世界いや、必ずや神への害にしかならないと!」

 ルシファーは、その言葉を最後に地獄へと落とされた。そして、1億年が経たずして大魔王スルトの召喚に応じて、死聖獣ルシファーとなったのである。



 そして、ルシファーはマルクに敗北し、大魔王スルトに命を救われ頭をさげていた。

『ルシファーよ』

『はっ』

『お主は人類を排除したという罪で、地獄に幽閉されたのであろう?』

『はい・・・』

『なぜ神々は、人類を滅亡させようとしないのか教えてやろう』

 大魔王スルトの説明にルシファーは驚愕する。太古の昔、聖魔大戦を休止する時に、神は人類と亜人、悪魔は魔物を。それぞれ法と秩序と破壊と混沌をエネルギーに、神と悪魔の力を均等に保たせる為のものだと説明された。

『つまりだ。人類を滅亡させようとするお前の行動は神にとって都合が悪いものだからだ』

『まさかそんな・・・』

『事実、悪魔の力は増大している。今、神の啓示こえが聞けるのは、聖女のただ1人。例外はあのマルクとかいう人間だ。お主がまだ使徒だった頃は教会の人間全てとは言えないが神父やシスターでも聞こえたはずだ』

『た、確かに・・・』

『そして、なぜお主は神である聖なる魔力に未だ依存しているのだ?そのような魔力は捨て去り闇の魔力を引き上げるのだ』

『で、ですが・・・』

『いいか?神々は自分達の立場を固執し、お前を捨て去った。お前は人間を滅ぼす対象だと思っているようだが、本当に滅ぼす対象は神々だ』

 大魔王スルトの言葉にルシファーは戸惑いをみせる。しかし、神々の態度は自分の都合の悪い私を幽閉したにすぎないとも思った。これは人間の権力者が下の人間に有無も言わせない事と同じだった。
 
『そうか・・・人間は神々の子供・・・今の人間が醜いのは神々の真似をしたからか。人間の腐った王族の子供が、世襲貴族になれば良いまつりごとなど出来ない事と同じ事か・・・』

『そうだ!その通りだ!』

『私は神々に騙されていただけだったのか・・・許せぬ!』

 ルシファーは血の涙を流し、神々への怨みで闇の魔力が増大し、聖なる魔力が闇の魔力に包まれ聖なる魔力が消滅してしまった。
 そして、ルシファーの身体にも更なる変化が起きた。ルシファーの周りに邪悪な魔力が纏わりつき、頭から生えた禍々しい角は後方に伸び2本から6本に増え、背中から生えた漆黒の6枚の天使の翼は、蝙蝠いやドラゴンの翼に生え変わり翼の数は12枚に増える。
 そして、肌は漆黒になり急所になる部分にはドラゴンの鱗が生える。
 大魔王スルトが、新たな魔人の誕生に笑いがこだまする。

『くははははは!更なる魔人誕生だ!』


 
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