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第2章 研磨という技術
17話 平穏となるミトンの町
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闇ギルドのガーランドとネクロマンサー達は、まさかヒロトシがすでに山賊たちの砦を壊滅させていたことを知らなかった。
その為、別の場所でいたガーランド達はスタンピードが失敗に終わり、この砦で再起を図ろうとここまで戻ってきていたのだった。
「これはどういうことだ……」
「まさか、ヒロトシがあんな短時間にここを壊滅させたというのか……」
「そんなことはありえん!」
「し、しかし……この状況は……」
この砦には、色んな所が破壊され、山賊たちの血しぶきがいろんなとこについていた。だが、山賊たちの遺体はなく、砦のなかはただ静寂と風の抜ける音だけが聞こえていた。
「ここにいても、もう意味はない……」
「「「「「ガーランド!」」」」」」
「どういう意味だ?闇ギルドがこのまま、あの者一人にナメられてもいいと言うのか?」
「おい!口には気をつけろよ。誰がそのような事言った。ここはガーラの町まで引き返し、対策を練らないとどうしようもないだろうが!」
「す、すまない……調子に乗った……」
ガーランドの気迫に、ネクロマンサーの一人は萎縮してしまった。
「いや、俺の方こそすまなかった。気が立っていたようだ」
ガーランドとネクロマンサー達は、その砦を後にしたのだった。
(ヒロトシ……覚えておれ!この屈辱はいずれ返させてもらう)
一方、ミトンの町ではスタンピードを退け、あれだけ値の上がっていた塩が手に入った事で、1週間お祭り騒ぎになった。
ヒロトシは、ミトンの町でさらに人気者となり、町に出歩けば子供達が寄ってきて騒がれ、酒場に行けば冒険者達から一緒に飲もうと驕られ、何人も女性達からも言い寄られる事になっていた。
「ヒロトシ!一緒に飲もうぜ。今日は俺のおごりだ」
「ちょっと、何言ってんのよ!今日はあたし達と飲もうよ」
「お前達は、この間も一緒に飲んでただろうが!」
「おいおい。そんな事で喧嘩なんかするなよな!みんなで仲良く飲めばいいじゃないか?」
ヒロトシは、みんなをなだめるのがお約束になっていた。
「それに今日は、ちょっと遠慮してくれよ。毎回お前達に付き合ってたら、ゆっくりできないだろ?」
「なにいってんだよ。ヒロトシお前は町の英雄なんだぜ」
「だけどな、俺はまだ成人前で酒を飲む事は出来ないんだ。いつもお前達だけ、べろべろに潰れて絡まれる俺に気持ちも考えろよ」
「いや……それは申し訳ない……だけど、俺達はお前と一緒に騒ぎたいだけなんだよ」
「だから、ヒロトシ君あたし達と飲めばいいんだよ」
「お前達は、もっとやばいじゃないか!」
「なんでよ、あたし達みたいに美人と飲めるのは、ヒロトシ君にとってもいいじゃない」
「おまえらは、もっとたちがわるいだろうが」
「何でよ!」
「いつもいつも、俺を襲おうとしやがって」
「だって、それは!既成事実を……」
「「「「「恐ろしい奴らだ……」」」」」」
男性たちは、女性冒険者の計画に冷や汗をかいていた。
「何、文句でもある?それにあんた達を襲おうとする、女性はいないから安心したらいいわ」
「なんだと!」
「悔しかったら、ヒロトシ君のような甲斐性を見せなさいよね!」
「「「「「ぐっ……」」」」」
「あ~~~~!もうやめやめ!お前達は静かに飲めんのか!」
ヒロトシは、冒険者達をもう一回諫めていたのだった。
「それに、今日はゆっくりさせてくれ」
「なんだよ?そんな俺達を避けなくともいいだろ?」
「今日は、俺達は家族で食事をしに来たんだよ。見てわかんないのか?」
ヒロトシの後ろには、セバス達全員が付き従っていた。
「旦那様、凄い人気なんですね」
「「ご主人様、すごーい」」
「本当にすごい人気ですね……」
「あっ!マインちゃんとアイちゃんもいるじゃないか!俺達と一緒に飲もうぜ!」
㋪の看板受付嬢を目にした、他の冒険者が早速二人を飲みに誘ってきたのだった。
「「いやです!」」
「「「「「「わははははは!」」」」」」
マインとアイに、一蹴された冒険者がショックを受け、ギルドの酒場は大笑いに包まれたのだった。
「マインとアイも人気があるじゃないか」
「「私達はご主人様一筋です!」」
「ああ、ありがとな。じゃあ席に着こうか」
ヒロトシは、セバス達を今回のスタンピードの事でねぎらうつもりで、全員を酒場に連れてきたのだった。セバス達は、奴隷に落ちてから酒など飲めなかった為、浴びるように飲んでいた。工場で働くドワーフの4人は、涙を流しながら久しぶりの酒を楽しんでいたのだった。
サイファー達は、成人前でヒロトシと一緒に果実ジュースを頼んで、食事メインでお腹いっぱいになった。
しかし、その賑やかな中一人だけ静かに食事をとっていた。
「カノン、ちょっとこっちに座りな」
「はい……」
ヒロトシが、カノンに声をかけたことで、全員がヒロトシに注目した。
「あっ、みんなはそのまま食事を楽しんでくれたらいいよ」
すると、みんなは各々に食事し出したが、みんなもカノンの事は気になっていた。
「カノン……長い間辛い思いさせてごめんな」
「えっ?」
「あのオークションで、お前の翼はずっと焼けただれたままじゃないか」
「そんな事気にしないでください。あの時、私はご主人様を救えたことを誇りに思っています。この傷は、私の勲章です」
ヒロトシは、カノンを見ていられなかった。
「ご主人様……そんな辛いお顔をしないでください……」
「だったら、なぜ勲章と言ったお前は、目に涙を溜めているんだ?」
「えっ?」
カノンの目から涙が流れ落ちていたのだった。
「その羽根は、俺が必ず元に戻して見せるから、もう少し我慢していてくれ」
「ご主人様……そんな……悲しい顔をしないで……」
「カノンが、前みたいに笑顔が戻れば、俺も笑顔になるよ」
「で、でも……この羽根が元に戻る事は……」
「いいや!絶対に元に戻して見せるから俺を信じろ」
「でも……」
「なんだ?カノンは俺の事が信じれないのか?」
「いえ!そんなことはないです!」
「だったら、笑顔でいろとは言わないが、そんな悲しそうな顔はしないでくれ」
「「そうだよ。カノンちゃん」」
ヒロトシの隣にいたサイファーとルビーが、カノンを励ましていた。
「わたし達は、カノンちゃんのこの羽根は醜いだなんて思わないよ。この羽根は、ご主人様を救ったかっこいい羽根なんだよ」
「そうだよ!こうして見ても、前と変わらない真っ白な羽根が見えるんだから」
ルビーは目をつむり、カノンの綺麗な羽根を心の中で見ていた。2人はカノンの事を一生懸命元気づけていた。カノンの悲しみはカノンにしかわからないが、二人が一生懸命自分を元気づけていたことに、カノンは感謝した。
「二人ともありがとね」
次の日、ヒロトシは領主宅に招かれていた。
「今日はお招きありがとうございます」
「そんな硬い挨拶はしなくて結構だよ」
「しかし、領主様に失礼な態度は……」
「何を言っているんだい。ヒロトシ君は実質、この町では私より影響力があると言っても過言ではないんだよ」
「ですが、領主様はこの町のトップではありませんか?それに、俺はまだ成人前の子供ですよ」
「子供だからどうしたのだ?君はその年齢とは思えないほどの力とカリスマを持っているではないか。これがどういう事か、君はちゃんと自覚しているのかい?」
「自覚ですか?」
「いいかい?これは仮の話だが、もし君がこの町を出るとしよう。私としては、ヒロトシ君を他の町に行かせたくはないがな」
「……俺も出るつもりはありませんよ」
「まあ、聞きなさい。もしそんなことになれば、この町の住民は君についていくだろう。むろんこの私もだよ」
「はぁあ?何を言っているのですか?」
「ヒロトシ君は、町を日頃から出るつもりはないと言っているだろ?」
「そりゃこの町は住みやすいし、みんないい人間ばかりですしね」
「ああ。私もその辺は自慢できると、自分でも思っているよ」
「だった町の人達もそう思っているから、ここに住み続けるでしょ?」
「いいや。この町の人間は君をもう知っているからね。特についていくと思うよ。なんせ、スタンピードを撃退した人間についていく事で、命の安全が保証される事になるんだからね」
「……でも、領主様はこの町のトップじゃないですか?」
「いやいや……私は自覚した方がいいと言ったはずだよ」
「自覚って……俺が強いって自覚したからと言って、この町のトップがただの平民について領主様が、この町を出るってどういう事なんだよ。他の町にいっても、他の貴族様が治める土地じゃないか?」
「いいかい?君は基本的なとこは全然わかっていない子供だ。もし仮に、この町を出る事になった場合を考えてみなさい」
「俺がこの町を出る理由?」
「そうだ!仮にそんな事になった場合、理由は一つだけだよ」
「えっ?」
「そう……それはヒロトシ君が、何かしらの褒美で自分の土地が手に入った時だよ。こうなってしまえば、私は君をこの町から出るなとは言えなくなる。そりゃそうだろ?ヒロトシ君自信の治める土地があるのに、ここに住む理由が
無くなるんだからね」
「そ、それは……しかし、一から作る町、いや……村になるのですよ。だったら、ここに住んだ方が安全じゃないですか?」
「わははははは!君も冗談がうまいなあ。そんなの、この町より君がいる村の方が断然強固で安全な村になるに決まっているじゃないか」
シルフォードは、ヒロトシの言う説明に大笑いしたのだった。
「でも……俺は、このミトンの町から出るなんて……」
「ああ!私も君がこの町を出るとは思いたくないよ。君の実力を考えた場合、ミトンの町を出る時の事を言っただけだよ」
「は、はあ……それで、話は変わりますが、今日は何で招かれたのでしょう?」
「ヒロトシ君に、今回の活躍した分の謝礼金を支払う為だよ」
「しかし、君に支払うお金となると膨大過ぎて払えないんだよ。だから……相談なんだが、10年間分割でお願いしたいんだ……」
シルフォードは、今回スタンピードの原因になっていた、エルダーリッチとリッチロード5体を葬った謝礼金を、年間10億ゴールドを10年間に、分割払いにしてほしいと言ってきたのだった。
「はぁあ?謝礼金が100億ですって?それは貰いすぎですよ!」
「いやいや……スタンピードを止められたのは、あの何だったかな?魔道砲だったか?あの魔道具のおかげだが、その分も入れるともっと支払わねばいけないが、それまで払うとなると、この町は立ちいかなくなってしまう」
「はあ……だったら、提案があるのですがいいですか?」
「あまり無理は聞けないが、お手柔らかに頼むよ」
ヒロトシはニコリと笑い、謝礼の事を提案するとシルフォードは慌てた様子で、ヒロトシの提案を否定してきたのだった。
その為、別の場所でいたガーランド達はスタンピードが失敗に終わり、この砦で再起を図ろうとここまで戻ってきていたのだった。
「これはどういうことだ……」
「まさか、ヒロトシがあんな短時間にここを壊滅させたというのか……」
「そんなことはありえん!」
「し、しかし……この状況は……」
この砦には、色んな所が破壊され、山賊たちの血しぶきがいろんなとこについていた。だが、山賊たちの遺体はなく、砦のなかはただ静寂と風の抜ける音だけが聞こえていた。
「ここにいても、もう意味はない……」
「「「「「ガーランド!」」」」」」
「どういう意味だ?闇ギルドがこのまま、あの者一人にナメられてもいいと言うのか?」
「おい!口には気をつけろよ。誰がそのような事言った。ここはガーラの町まで引き返し、対策を練らないとどうしようもないだろうが!」
「す、すまない……調子に乗った……」
ガーランドの気迫に、ネクロマンサーの一人は萎縮してしまった。
「いや、俺の方こそすまなかった。気が立っていたようだ」
ガーランドとネクロマンサー達は、その砦を後にしたのだった。
(ヒロトシ……覚えておれ!この屈辱はいずれ返させてもらう)
一方、ミトンの町ではスタンピードを退け、あれだけ値の上がっていた塩が手に入った事で、1週間お祭り騒ぎになった。
ヒロトシは、ミトンの町でさらに人気者となり、町に出歩けば子供達が寄ってきて騒がれ、酒場に行けば冒険者達から一緒に飲もうと驕られ、何人も女性達からも言い寄られる事になっていた。
「ヒロトシ!一緒に飲もうぜ。今日は俺のおごりだ」
「ちょっと、何言ってんのよ!今日はあたし達と飲もうよ」
「お前達は、この間も一緒に飲んでただろうが!」
「おいおい。そんな事で喧嘩なんかするなよな!みんなで仲良く飲めばいいじゃないか?」
ヒロトシは、みんなをなだめるのがお約束になっていた。
「それに今日は、ちょっと遠慮してくれよ。毎回お前達に付き合ってたら、ゆっくりできないだろ?」
「なにいってんだよ。ヒロトシお前は町の英雄なんだぜ」
「だけどな、俺はまだ成人前で酒を飲む事は出来ないんだ。いつもお前達だけ、べろべろに潰れて絡まれる俺に気持ちも考えろよ」
「いや……それは申し訳ない……だけど、俺達はお前と一緒に騒ぎたいだけなんだよ」
「だから、ヒロトシ君あたし達と飲めばいいんだよ」
「お前達は、もっとやばいじゃないか!」
「なんでよ、あたし達みたいに美人と飲めるのは、ヒロトシ君にとってもいいじゃない」
「おまえらは、もっとたちがわるいだろうが」
「何でよ!」
「いつもいつも、俺を襲おうとしやがって」
「だって、それは!既成事実を……」
「「「「「恐ろしい奴らだ……」」」」」」
男性たちは、女性冒険者の計画に冷や汗をかいていた。
「何、文句でもある?それにあんた達を襲おうとする、女性はいないから安心したらいいわ」
「なんだと!」
「悔しかったら、ヒロトシ君のような甲斐性を見せなさいよね!」
「「「「「ぐっ……」」」」」
「あ~~~~!もうやめやめ!お前達は静かに飲めんのか!」
ヒロトシは、冒険者達をもう一回諫めていたのだった。
「それに、今日はゆっくりさせてくれ」
「なんだよ?そんな俺達を避けなくともいいだろ?」
「今日は、俺達は家族で食事をしに来たんだよ。見てわかんないのか?」
ヒロトシの後ろには、セバス達全員が付き従っていた。
「旦那様、凄い人気なんですね」
「「ご主人様、すごーい」」
「本当にすごい人気ですね……」
「あっ!マインちゃんとアイちゃんもいるじゃないか!俺達と一緒に飲もうぜ!」
㋪の看板受付嬢を目にした、他の冒険者が早速二人を飲みに誘ってきたのだった。
「「いやです!」」
「「「「「「わははははは!」」」」」」
マインとアイに、一蹴された冒険者がショックを受け、ギルドの酒場は大笑いに包まれたのだった。
「マインとアイも人気があるじゃないか」
「「私達はご主人様一筋です!」」
「ああ、ありがとな。じゃあ席に着こうか」
ヒロトシは、セバス達を今回のスタンピードの事でねぎらうつもりで、全員を酒場に連れてきたのだった。セバス達は、奴隷に落ちてから酒など飲めなかった為、浴びるように飲んでいた。工場で働くドワーフの4人は、涙を流しながら久しぶりの酒を楽しんでいたのだった。
サイファー達は、成人前でヒロトシと一緒に果実ジュースを頼んで、食事メインでお腹いっぱいになった。
しかし、その賑やかな中一人だけ静かに食事をとっていた。
「カノン、ちょっとこっちに座りな」
「はい……」
ヒロトシが、カノンに声をかけたことで、全員がヒロトシに注目した。
「あっ、みんなはそのまま食事を楽しんでくれたらいいよ」
すると、みんなは各々に食事し出したが、みんなもカノンの事は気になっていた。
「カノン……長い間辛い思いさせてごめんな」
「えっ?」
「あのオークションで、お前の翼はずっと焼けただれたままじゃないか」
「そんな事気にしないでください。あの時、私はご主人様を救えたことを誇りに思っています。この傷は、私の勲章です」
ヒロトシは、カノンを見ていられなかった。
「ご主人様……そんな辛いお顔をしないでください……」
「だったら、なぜ勲章と言ったお前は、目に涙を溜めているんだ?」
「えっ?」
カノンの目から涙が流れ落ちていたのだった。
「その羽根は、俺が必ず元に戻して見せるから、もう少し我慢していてくれ」
「ご主人様……そんな……悲しい顔をしないで……」
「カノンが、前みたいに笑顔が戻れば、俺も笑顔になるよ」
「で、でも……この羽根が元に戻る事は……」
「いいや!絶対に元に戻して見せるから俺を信じろ」
「でも……」
「なんだ?カノンは俺の事が信じれないのか?」
「いえ!そんなことはないです!」
「だったら、笑顔でいろとは言わないが、そんな悲しそうな顔はしないでくれ」
「「そうだよ。カノンちゃん」」
ヒロトシの隣にいたサイファーとルビーが、カノンを励ましていた。
「わたし達は、カノンちゃんのこの羽根は醜いだなんて思わないよ。この羽根は、ご主人様を救ったかっこいい羽根なんだよ」
「そうだよ!こうして見ても、前と変わらない真っ白な羽根が見えるんだから」
ルビーは目をつむり、カノンの綺麗な羽根を心の中で見ていた。2人はカノンの事を一生懸命元気づけていた。カノンの悲しみはカノンにしかわからないが、二人が一生懸命自分を元気づけていたことに、カノンは感謝した。
「二人ともありがとね」
次の日、ヒロトシは領主宅に招かれていた。
「今日はお招きありがとうございます」
「そんな硬い挨拶はしなくて結構だよ」
「しかし、領主様に失礼な態度は……」
「何を言っているんだい。ヒロトシ君は実質、この町では私より影響力があると言っても過言ではないんだよ」
「ですが、領主様はこの町のトップではありませんか?それに、俺はまだ成人前の子供ですよ」
「子供だからどうしたのだ?君はその年齢とは思えないほどの力とカリスマを持っているではないか。これがどういう事か、君はちゃんと自覚しているのかい?」
「自覚ですか?」
「いいかい?これは仮の話だが、もし君がこの町を出るとしよう。私としては、ヒロトシ君を他の町に行かせたくはないがな」
「……俺も出るつもりはありませんよ」
「まあ、聞きなさい。もしそんなことになれば、この町の住民は君についていくだろう。むろんこの私もだよ」
「はぁあ?何を言っているのですか?」
「ヒロトシ君は、町を日頃から出るつもりはないと言っているだろ?」
「そりゃこの町は住みやすいし、みんないい人間ばかりですしね」
「ああ。私もその辺は自慢できると、自分でも思っているよ」
「だった町の人達もそう思っているから、ここに住み続けるでしょ?」
「いいや。この町の人間は君をもう知っているからね。特についていくと思うよ。なんせ、スタンピードを撃退した人間についていく事で、命の安全が保証される事になるんだからね」
「……でも、領主様はこの町のトップじゃないですか?」
「いやいや……私は自覚した方がいいと言ったはずだよ」
「自覚って……俺が強いって自覚したからと言って、この町のトップがただの平民について領主様が、この町を出るってどういう事なんだよ。他の町にいっても、他の貴族様が治める土地じゃないか?」
「いいかい?君は基本的なとこは全然わかっていない子供だ。もし仮に、この町を出る事になった場合を考えてみなさい」
「俺がこの町を出る理由?」
「そうだ!仮にそんな事になった場合、理由は一つだけだよ」
「えっ?」
「そう……それはヒロトシ君が、何かしらの褒美で自分の土地が手に入った時だよ。こうなってしまえば、私は君をこの町から出るなとは言えなくなる。そりゃそうだろ?ヒロトシ君自信の治める土地があるのに、ここに住む理由が
無くなるんだからね」
「そ、それは……しかし、一から作る町、いや……村になるのですよ。だったら、ここに住んだ方が安全じゃないですか?」
「わははははは!君も冗談がうまいなあ。そんなの、この町より君がいる村の方が断然強固で安全な村になるに決まっているじゃないか」
シルフォードは、ヒロトシの言う説明に大笑いしたのだった。
「でも……俺は、このミトンの町から出るなんて……」
「ああ!私も君がこの町を出るとは思いたくないよ。君の実力を考えた場合、ミトンの町を出る時の事を言っただけだよ」
「は、はあ……それで、話は変わりますが、今日は何で招かれたのでしょう?」
「ヒロトシ君に、今回の活躍した分の謝礼金を支払う為だよ」
「しかし、君に支払うお金となると膨大過ぎて払えないんだよ。だから……相談なんだが、10年間分割でお願いしたいんだ……」
シルフォードは、今回スタンピードの原因になっていた、エルダーリッチとリッチロード5体を葬った謝礼金を、年間10億ゴールドを10年間に、分割払いにしてほしいと言ってきたのだった。
「はぁあ?謝礼金が100億ですって?それは貰いすぎですよ!」
「いやいや……スタンピードを止められたのは、あの何だったかな?魔道砲だったか?あの魔道具のおかげだが、その分も入れるともっと支払わねばいけないが、それまで払うとなると、この町は立ちいかなくなってしまう」
「はあ……だったら、提案があるのですがいいですか?」
「あまり無理は聞けないが、お手柔らかに頼むよ」
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