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第2章 研磨という技術
26話 冒険者への説得
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ヒロトシは、領主の依頼として冒険者ギルドに来た。すると受付嬢のミルファーが、ヒロトシに姿を見て駆けよってきたのだった。
「ヒ、ヒロトシ様。どうかしたのですか?何か用があればこちらから伺ったのに」
「いやいや、用事があるほうが訪ねるのは当然の事だよ。ギルドマスターのバルガンさんに用があるんだけど、又日を改めた方がいいか?」
「だ、大丈夫です。今、呼んでまいりますので少々お待ちください。こちらへどうぞ」
ミルファーはヒロトシを客室に案内して、ギルドマスターを呼びにいった。しばらくすると、バルガンとカチュアが急いでやってきた。
「ヒロトシ殿。どうかしたのですか?」
「なんだよ、ちょっと前まで呼び捨てだったろ?ヒロトシでいいよ」
「ですが……もう貴方様は、貴族様のような地位にあるような方ですので……」
今回のスタンピードで、活躍した人物としてヒロトシはミトンの町では絶対的英雄となっていた。そして、今回採掘師達の事件で領主は、ヒロトシに無礼な態度をとった場合、領主に無礼を取った事と同じだと公言したのである。
「なんか変な気分だな……」
「それで今日は何ようで、冒険者ギルドに来たのですか?」
「ああ。それなんだけど、冒険者の気持ちはありがたいんだけど採掘師の護衛依頼のことだよ」
「まさか……領主様に言われてきたのですか?」
「カチュアさん話が早いね。そうなんだよ。このままミスリルの採掘が出来ないと、町が衰退するのは分かっているよね?だから、冒険者達に依頼を受ける様に言ってほしいんだよ」
「それは……」
「バルガンさん、ギルドから言っても無理なのか?」
「いや、こちらとしても言っているんだが……ヒロトシ殿が……」
「えっ⁉俺が何かやったのか?」
「ヒロトシ様は、冒険者達の中では、もう絶対的なカリスマなのですよ」
「えっ?カチュアさん、それってどういう事ですか?」
カチュアの説明では、強さの実力主義である冒険者の中では、ヒロトシは英雄というより絶対的カリスマであり憧れの象徴になっているらしい。
その象徴に対して、採掘師達のやった事は侮辱というしかなく、そんな人間を護衛するなんて死んでも嫌な事だと説明があった。
「それは本当ですか?」
「さきほど、冒険者ギルドのホールで冒険者の顔を見ましたか?」
「あっ……あれはそういう顔だったのか?」
「そうです。前まではあこがれだけあって、一緒に酒を飲もうと誘われていたはずです。しかし、今は近づくだけでも恐れ多い感じになっているはずです」
「確かに、店意外であったとしても、言い寄られる事は少なくなってきたかな……」
「つまりだな……こちらとしても、この件に関して口を出しても言う事を聞いてくれんのだよ。今回の首謀者をちゃんと罰しろと。護衛の件はその後の話だと言っておる」
「だけど、俺が生産ギルドに罰しないでくれと頼んだんだよ?」
「それはちゃんと聞いているが、ヒロトシ殿は日頃から優しすぎるから、今回も生産ギルドが無理を言ったんじゃないかと噂がまわってな……」
「なるほど……そういうことだったのか」
「まあ、言い辛いんだがそういう事なんだ……」
「わかったよ。じゃあ、俺が冒険者達に直接言ったら聞いてくれそうだな?」
「ヒロトシ殿助かるよ。こんな事で手を煩わせる事が出来なくて、ギルドとしても困っていたんだ」
「ヒロトシ様ありがとうございます」
バルガンとカチュアは、ヒロトシに感謝をした。生産ギルドからも依頼を受けてほしいと頭を下げられていたが、本当にどうしようもなかったのが実状だったのである。
「しかし……ヒロトシ様が説明しても上手くいくかどうか……心配があります……」
「どういうこと?」
「つまり、自分達のあこがれの人を馬鹿にした上に、罰せられないというのはおかしいという事ですよ」
「俺が説明しても無理なのか?」
「普通なら大丈夫なのですが、ヒロトシ様はお優しい方ですから無理をされているかと思われるかと……」
「じゃあ、無理じゃなく俺自身で為だって証明できたら大丈夫って事か?」
「そんな方法があるのですか?」
「また研磨技術になるんだけどな。今回ミスリルを安価で放出しているのは知っているだろ?」
「ええ、あのミスリルソードで我がギルドは、本当に助かっていますからね。でも、それがどうしたのですか?」
「あのミスリルソードを冒険者に買ってもらう事で、㋪に磨きを頼んでもらうとどうなると思う?」
「どうなるって?そりゃ+2武器でさらに強くなるだろ?違うのか?」
「ギルドマスター!ヒロトシ様がそんな事でミスリルを安価で売るはずないですよ。ひょっとしたら……」
「さすがだね。その通りだよ。あのミスリル武器は+3装備になるんだよ」
「まさか!」
「やはり、ヒロトシ様は+3にする技術を持っていたんですね」
「でも、それがどのような証明になるのですか?」
「分からないかい?採掘師達には頑張って採掘してもらわないと、屑石が出ないじゃないか?」
「「あっ!」」
「あの屑石が無いと、安価でミスリル装備はうちの店では売れないよ?つまり、処分して採掘師達を奴隷に落とされたら俺が困るし、その上冒険者達がミスリル装備が又買いづらくなって、自分達の首を絞める事になるって訳さ」
「「な、なるほど……」」
「それを俺の口から説明すれば、冒険者は納得するだろ?」
「た、たしかに!」
「それなら、高ランクの採掘師が処分されたら困るのは、ヒロトシ様であって最終的には冒険者という事になる」
「まあ、俺だけ儲けるとすれば自分でミスリルを採掘して、通常値段で売った方が儲かるんだけどな」
「ヒロトシ様……また心にもない事を」
「あはははは!まあ、そういうわけだから、冒険者のトップパーティーを、今呼んでもらえる事は出来るかい?」
「そういう事なら喜んで!少々お待ちください」
「カチュア、すぐに呼びだしてくれ」
「はい!」
カチュアは、すぐに冒険者のトップであるレオンを呼び出したのだった。彼はドラゴンの牙というパーティーリーダーである。冒険者達からは絶大な信頼があり、冒険者達から尊敬されていて、彼も又冒険者達のカリスマである。
そして、ヒロトシから呼び出されたレオンは急いで走って来たのか。息を切らせてギルドの部屋に入ってきた。
「ヒロトシが呼んでいるって本当か?」
冒険者は、こういう場合でも敬語はまず使わないものである。
「おい!もっと静かに入って来い!」
「あっ、すまないな。おお、本当にヒロトシがいるじゃないか!それで俺に何の用なんだ?」
「始めましてでもないが、㋪の責任者のヒロトシです」
「何かしこまっているんだよ。店で何回かあったことあるだろ?」
「まあ、しゃべったことはないけど挨拶ぐらいだったろ?」
「まあ、そうだが……それでこの俺に何か用なのか?」
「今、採掘師の護衛依頼をボイコットしているだろ?」
「ああ!当り前だ。あいつ等には痛い目を見てもらうつもりだからな。ヒロトシを馬鹿にしやがって、絶対に首謀者たちを処罰してもらわなきゃ俺達の気が済まん!」
「それはだな、本当に俺が許したんだから、レオン達もいつまでもそんな事をしないでほしいんだ」
「ヒロトシ、お前は優しい人間だ。生産ギルドから頼まれたんだろ?」
「いや、そうじゃないんだよ」
「いいからいいから。俺達に任せておけって」
「レオン。ヒロトシ殿の話を聞いてやってくれ。ヒロトシはある計画の為、あの採掘師達の力も必要なんだそうだ」
「はぁあ?ギルドマスター、何言ってんだよ。あの採掘師達の力がヒロトシに必要?そんな馬鹿な事を言ってんじゃないよ」
「いや、ホントなんだ。俺の話を聞いてくれないか?」
「まあ、ヒロトシがそう言うなら……」
ヒロトシは、レオンにダンジョン前に出る屑石が無いと、あんな安価では冒険者達にミスリル装備を広める事は無理だと説明した。
「なるほど……それならそれで構わんよ。あいつ等は俺達の英雄を馬鹿にしたんだ。俺達は、ミスリルが買えなくとも、今の装備でがんばっていくさ」
「俺の事を想って言ってくれるのは嬉しいんだが、それだと俺が困るんだよ」
「ヒロトシが困るってどういうことだ?」
「俺は、この町の冒険者達にミスリル装備を買ってもらいたい。そして、それを俺の店で研磨をしてもらいたいからだよ」
「研磨なら、今まで通りやってもらうつもりだぞ」
「その武器では+3にすることが出来ないんだよ」
「はぁあ⁉+3装備だと?」
「ああ。俺の研磨でミスリル装備を800#研磨をする事で、みんなの装備は+3になる。その為には採掘師達の鉱石が必要だ。その為に俺は処罰しないでくれと、生産ギルドに頼んだんだよ」
「じゃあ……本当にヒロトシが罰するなと言ったのか?」
「それは本当だ。だから、レオン達もあの事は忘れて、採掘師達の護衛依頼を受けてやってくれないか?」
「だが……」
「それと、これは領主様も言っている事なんだよ」
「なんで、領主様まで!領主様は、ヒロトシの味方じゃないのか?」
「確かにあんな事になって、領主様もお怒りになったが、ダンジョンに採掘に行けない事になって採掘量が大幅に下がったのはやはりきついらしい。俺がこの件に関して、採掘師達を許したんなら冒険者達をなんとか説得して欲しいと、俺に頼んで来たんだよ」
レオンはそれを聞き、目をつむってしまった。確かに自分達が意固地になっていては、ヒロトシの迷惑になるのは分かるが、採掘師達が何も処罰されないのは納得がいかなかった。
「どうしても、あいつ等が許せないか?」
「ああ……許せない……が、ヒロトシは本当にもう許しているのか?」
「ああ、あいつ等はちょっと暴走しただけだよ。だが、もうこういう事になって反省しただろ?それに俺は採掘しにダンジョンに行っても本当にいいのか?」
「どういう事だ?」
「ダンジョンに行くという事は、君達の装備が磨く時間が無くなるという事だよ。そうなれば、もしかすると3か月先まで予約が入り、磨けなくなるという事になるかもしれないんだよ?」
「そ、それは……困る!」
「脅かしてすまない。しかしそうなるかもしれないから、採掘師達の協力も必要って事なんだよ」
「わかったよ。ヒロトシが困り、それが俺達にシワ寄せがくるというのなら、今まで通り採掘師の護衛依頼を受けようじゃないか」
その言葉を聞き、ヒロトシは笑顔となった。そして、バルガンとカチュアも喜び、ヒロトシの手を固く握ったのだった。
そして、レオンは冒険者達に、ヒロトシの気持ちを説明し、下のランクの冒険者に指示を撤回したのだった。この事で、生産ギルドはホッとため息をつき安堵して、ヒロトシに感謝した。そして、採掘師達は歓喜したのは言うまでもなかった。
「ヒ、ヒロトシ様。どうかしたのですか?何か用があればこちらから伺ったのに」
「いやいや、用事があるほうが訪ねるのは当然の事だよ。ギルドマスターのバルガンさんに用があるんだけど、又日を改めた方がいいか?」
「だ、大丈夫です。今、呼んでまいりますので少々お待ちください。こちらへどうぞ」
ミルファーはヒロトシを客室に案内して、ギルドマスターを呼びにいった。しばらくすると、バルガンとカチュアが急いでやってきた。
「ヒロトシ殿。どうかしたのですか?」
「なんだよ、ちょっと前まで呼び捨てだったろ?ヒロトシでいいよ」
「ですが……もう貴方様は、貴族様のような地位にあるような方ですので……」
今回のスタンピードで、活躍した人物としてヒロトシはミトンの町では絶対的英雄となっていた。そして、今回採掘師達の事件で領主は、ヒロトシに無礼な態度をとった場合、領主に無礼を取った事と同じだと公言したのである。
「なんか変な気分だな……」
「それで今日は何ようで、冒険者ギルドに来たのですか?」
「ああ。それなんだけど、冒険者の気持ちはありがたいんだけど採掘師の護衛依頼のことだよ」
「まさか……領主様に言われてきたのですか?」
「カチュアさん話が早いね。そうなんだよ。このままミスリルの採掘が出来ないと、町が衰退するのは分かっているよね?だから、冒険者達に依頼を受ける様に言ってほしいんだよ」
「それは……」
「バルガンさん、ギルドから言っても無理なのか?」
「いや、こちらとしても言っているんだが……ヒロトシ殿が……」
「えっ⁉俺が何かやったのか?」
「ヒロトシ様は、冒険者達の中では、もう絶対的なカリスマなのですよ」
「えっ?カチュアさん、それってどういう事ですか?」
カチュアの説明では、強さの実力主義である冒険者の中では、ヒロトシは英雄というより絶対的カリスマであり憧れの象徴になっているらしい。
その象徴に対して、採掘師達のやった事は侮辱というしかなく、そんな人間を護衛するなんて死んでも嫌な事だと説明があった。
「それは本当ですか?」
「さきほど、冒険者ギルドのホールで冒険者の顔を見ましたか?」
「あっ……あれはそういう顔だったのか?」
「そうです。前まではあこがれだけあって、一緒に酒を飲もうと誘われていたはずです。しかし、今は近づくだけでも恐れ多い感じになっているはずです」
「確かに、店意外であったとしても、言い寄られる事は少なくなってきたかな……」
「つまりだな……こちらとしても、この件に関して口を出しても言う事を聞いてくれんのだよ。今回の首謀者をちゃんと罰しろと。護衛の件はその後の話だと言っておる」
「だけど、俺が生産ギルドに罰しないでくれと頼んだんだよ?」
「それはちゃんと聞いているが、ヒロトシ殿は日頃から優しすぎるから、今回も生産ギルドが無理を言ったんじゃないかと噂がまわってな……」
「なるほど……そういうことだったのか」
「まあ、言い辛いんだがそういう事なんだ……」
「わかったよ。じゃあ、俺が冒険者達に直接言ったら聞いてくれそうだな?」
「ヒロトシ殿助かるよ。こんな事で手を煩わせる事が出来なくて、ギルドとしても困っていたんだ」
「ヒロトシ様ありがとうございます」
バルガンとカチュアは、ヒロトシに感謝をした。生産ギルドからも依頼を受けてほしいと頭を下げられていたが、本当にどうしようもなかったのが実状だったのである。
「しかし……ヒロトシ様が説明しても上手くいくかどうか……心配があります……」
「どういうこと?」
「つまり、自分達のあこがれの人を馬鹿にした上に、罰せられないというのはおかしいという事ですよ」
「俺が説明しても無理なのか?」
「普通なら大丈夫なのですが、ヒロトシ様はお優しい方ですから無理をされているかと思われるかと……」
「じゃあ、無理じゃなく俺自身で為だって証明できたら大丈夫って事か?」
「そんな方法があるのですか?」
「また研磨技術になるんだけどな。今回ミスリルを安価で放出しているのは知っているだろ?」
「ええ、あのミスリルソードで我がギルドは、本当に助かっていますからね。でも、それがどうしたのですか?」
「あのミスリルソードを冒険者に買ってもらう事で、㋪に磨きを頼んでもらうとどうなると思う?」
「どうなるって?そりゃ+2武器でさらに強くなるだろ?違うのか?」
「ギルドマスター!ヒロトシ様がそんな事でミスリルを安価で売るはずないですよ。ひょっとしたら……」
「さすがだね。その通りだよ。あのミスリル武器は+3装備になるんだよ」
「まさか!」
「やはり、ヒロトシ様は+3にする技術を持っていたんですね」
「でも、それがどのような証明になるのですか?」
「分からないかい?採掘師達には頑張って採掘してもらわないと、屑石が出ないじゃないか?」
「「あっ!」」
「あの屑石が無いと、安価でミスリル装備はうちの店では売れないよ?つまり、処分して採掘師達を奴隷に落とされたら俺が困るし、その上冒険者達がミスリル装備が又買いづらくなって、自分達の首を絞める事になるって訳さ」
「「な、なるほど……」」
「それを俺の口から説明すれば、冒険者は納得するだろ?」
「た、たしかに!」
「それなら、高ランクの採掘師が処分されたら困るのは、ヒロトシ様であって最終的には冒険者という事になる」
「まあ、俺だけ儲けるとすれば自分でミスリルを採掘して、通常値段で売った方が儲かるんだけどな」
「ヒロトシ様……また心にもない事を」
「あはははは!まあ、そういうわけだから、冒険者のトップパーティーを、今呼んでもらえる事は出来るかい?」
「そういう事なら喜んで!少々お待ちください」
「カチュア、すぐに呼びだしてくれ」
「はい!」
カチュアは、すぐに冒険者のトップであるレオンを呼び出したのだった。彼はドラゴンの牙というパーティーリーダーである。冒険者達からは絶大な信頼があり、冒険者達から尊敬されていて、彼も又冒険者達のカリスマである。
そして、ヒロトシから呼び出されたレオンは急いで走って来たのか。息を切らせてギルドの部屋に入ってきた。
「ヒロトシが呼んでいるって本当か?」
冒険者は、こういう場合でも敬語はまず使わないものである。
「おい!もっと静かに入って来い!」
「あっ、すまないな。おお、本当にヒロトシがいるじゃないか!それで俺に何の用なんだ?」
「始めましてでもないが、㋪の責任者のヒロトシです」
「何かしこまっているんだよ。店で何回かあったことあるだろ?」
「まあ、しゃべったことはないけど挨拶ぐらいだったろ?」
「まあ、そうだが……それでこの俺に何か用なのか?」
「今、採掘師の護衛依頼をボイコットしているだろ?」
「ああ!当り前だ。あいつ等には痛い目を見てもらうつもりだからな。ヒロトシを馬鹿にしやがって、絶対に首謀者たちを処罰してもらわなきゃ俺達の気が済まん!」
「それはだな、本当に俺が許したんだから、レオン達もいつまでもそんな事をしないでほしいんだ」
「ヒロトシ、お前は優しい人間だ。生産ギルドから頼まれたんだろ?」
「いや、そうじゃないんだよ」
「いいからいいから。俺達に任せておけって」
「レオン。ヒロトシ殿の話を聞いてやってくれ。ヒロトシはある計画の為、あの採掘師達の力も必要なんだそうだ」
「はぁあ?ギルドマスター、何言ってんだよ。あの採掘師達の力がヒロトシに必要?そんな馬鹿な事を言ってんじゃないよ」
「いや、ホントなんだ。俺の話を聞いてくれないか?」
「まあ、ヒロトシがそう言うなら……」
ヒロトシは、レオンにダンジョン前に出る屑石が無いと、あんな安価では冒険者達にミスリル装備を広める事は無理だと説明した。
「なるほど……それならそれで構わんよ。あいつ等は俺達の英雄を馬鹿にしたんだ。俺達は、ミスリルが買えなくとも、今の装備でがんばっていくさ」
「俺の事を想って言ってくれるのは嬉しいんだが、それだと俺が困るんだよ」
「ヒロトシが困るってどういうことだ?」
「俺は、この町の冒険者達にミスリル装備を買ってもらいたい。そして、それを俺の店で研磨をしてもらいたいからだよ」
「研磨なら、今まで通りやってもらうつもりだぞ」
「その武器では+3にすることが出来ないんだよ」
「はぁあ⁉+3装備だと?」
「ああ。俺の研磨でミスリル装備を800#研磨をする事で、みんなの装備は+3になる。その為には採掘師達の鉱石が必要だ。その為に俺は処罰しないでくれと、生産ギルドに頼んだんだよ」
「じゃあ……本当にヒロトシが罰するなと言ったのか?」
「それは本当だ。だから、レオン達もあの事は忘れて、採掘師達の護衛依頼を受けてやってくれないか?」
「だが……」
「それと、これは領主様も言っている事なんだよ」
「なんで、領主様まで!領主様は、ヒロトシの味方じゃないのか?」
「確かにあんな事になって、領主様もお怒りになったが、ダンジョンに採掘に行けない事になって採掘量が大幅に下がったのはやはりきついらしい。俺がこの件に関して、採掘師達を許したんなら冒険者達をなんとか説得して欲しいと、俺に頼んで来たんだよ」
レオンはそれを聞き、目をつむってしまった。確かに自分達が意固地になっていては、ヒロトシの迷惑になるのは分かるが、採掘師達が何も処罰されないのは納得がいかなかった。
「どうしても、あいつ等が許せないか?」
「ああ……許せない……が、ヒロトシは本当にもう許しているのか?」
「ああ、あいつ等はちょっと暴走しただけだよ。だが、もうこういう事になって反省しただろ?それに俺は採掘しにダンジョンに行っても本当にいいのか?」
「どういう事だ?」
「ダンジョンに行くという事は、君達の装備が磨く時間が無くなるという事だよ。そうなれば、もしかすると3か月先まで予約が入り、磨けなくなるという事になるかもしれないんだよ?」
「そ、それは……困る!」
「脅かしてすまない。しかしそうなるかもしれないから、採掘師達の協力も必要って事なんだよ」
「わかったよ。ヒロトシが困り、それが俺達にシワ寄せがくるというのなら、今まで通り採掘師の護衛依頼を受けようじゃないか」
その言葉を聞き、ヒロトシは笑顔となった。そして、バルガンとカチュアも喜び、ヒロトシの手を固く握ったのだった。
そして、レオンは冒険者達に、ヒロトシの気持ちを説明し、下のランクの冒険者に指示を撤回したのだった。この事で、生産ギルドはホッとため息をつき安堵して、ヒロトシに感謝した。そして、採掘師達は歓喜したのは言うまでもなかった。
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