研磨職人!異世界に渡り、色んなものを磨き魔法スキルと合わせて、幸せに暮らす。

本条蒼依

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第7章 新たな進化

3話 新しいスキル

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 ヒロトシは、ミレーヌに報酬の先払いを求めた。

「ちょっと待って下さい」

「嫌だ。今回はどちらにせよ聖教国までいかなきゃならないんだから労力が半端ない」

「ですが、まだ何もないじゃありませんか?」

「いやいや、何を言っているんだよ。今回、ミレーヌさんの俺にやって欲しいのは、聖教国の平民達を救う事だろ?」

「はい」

「だったら、聖教国の教会の改装工事は関係ないから、俺としたら聖教国の出方はどうでもいいって事だよ」

「あっ!」

「つまり、ミレーヌさんから報酬をもらえば直ぐに行動を起こして、平民達の生活を楽にしたらいいんだろ?」

「なるほど。じゃあ、ヒロトシさんはどんな報酬が欲しいのですか?」

「複写能力だ」

「複写?」

「そう!コピーだな」

「今更、ヒロトシ様に他の人が持っているスキルを複写して意味があるとは思えないのですが?それとも、剣術とか欲しいのですか?」

「戦闘は魔法で十分ですよ」

「じゃあ、生産を極めるつもりですか?」

「ちょっと考えがあってね」

「どんな考えですか?」

「言わないといけないですか?」

「ヒロトシ様は、とんでもない使い方を編み出しそうですからね。こちらとしても用心したいです」

「わかったよ」

 ヒロトシは、自分の考えをミレーヌに話した。

「そろそろ、研磨業務がきついんだ」

「どういう事ですか?」

「ミトンの町だけで活動していたら、問題はないが今回のように聖教国に行ってほしいと言われると研磨の仕事を休まないといけない」

「あっ・・・・・・」

「王国は、サンライト2号店だけだからな。あいつらだけで十分まわる。だが、研磨技術でマジカル効果を付与出きるのは俺だけだ」

「確かに・・・・・・」

「だから、魔法で従者があるだろ?」

「アンシーンサーバントですか?」

「ああ。それそれ!」

アンシーンサーバント
 簡単な作業をさせる事ができる魔法。主に家事や掃除をさせる。術者の命令に従う魔法生命体。

「俺がいない間、アンシーンサーバントに研磨業務をやってもらおうと思ってな」

「なるほど。アンシーンサーバントにヒロトシ様の研磨を複写させることができれば、研磨業務を休む事をせず聖教国に行けるということですか?」

「ああ。聖教国に行く間、冒険者に迷惑をかける事になるのは申し訳ないからな」

「そういう事なら、先払いさせていただきます」

 ミレーヌは、ヒロトシが自分の為ではなくお客様を第一に考えて、スキルが欲しいと言っていた事に感銘を受け、ヒロトシの要望をかなえた。

 ヒロトシは、ミレーヌの依頼を受け教会を後にした。そして、研磨工房でアンシーンサーバントの魔法を使い方、光輝く魔法生命体を出し、研磨スキルを複写させて研磨業務を命令した。

「お前達、研磨をしろ」

 すると、3体のアンシーンサーバントはヒロトシの命令通りに、研磨スキルを使い剣をマジカル武器に磨きあげた。

「うん!これなら大丈夫だな」

「主?そいつらはいったいなんだ?」

「ガイン、アンシーンサーバントだよ。こいつらにも研磨をやってもらおうと思ってな」

「なんだよ。俺達がいるだろ?」

「いや、冒険者達の研磨は俺一人でまかなっているだろ?こいつらに俺の留守の時にやってもらおうと思ってな」

「だから、その業務を俺達にだな」

「それは駄目だ。研磨スキルを複写した場合、どんな危険があるかわからんからな。自分の身を守れないと拐われる危険がある」

 ここは地球ではない。研磨スキルを持つ人間が、ヒロトシ以外にいると知られれば、ガインの身が危険になる可能性があるからだ。

「しかし、アンシーンサーバントならば効果時間が限られているから安心なんだ」

「な、なるほど。主は儂達の事を考えてくれての事だったのか」

「当たり前じゃないか。ミトンの町は比較的安心だが絶対じゃないからな。しかし、アンシーンサーバントなら、魔法生命体で300時間で消滅しちゃうから問題はない」

 アンシーンサーバントの魔法は、術者のレベル時間で効果が切れる。その効果時間、術者の出した命令を黙々とやり続けるのだ。

「じゃあ、主はまたどこかにいくのか?」

「今度は、聖教国に口出ししに行ってくるよ」

「聖教国に行くのか?」

「まぁ、トラックで行くし毎日転移マットで帰って来るから大丈夫だよ」

 それを聞いて、ガイン達は胸を撫で下ろした。そして、聖教国では司教達が帰還して連日会議が行われていた。

「教会の改装はするべきだ」

「いや、ヒロトシの事を聞けばリスクが高すぎる」

「だが、このままでは聖都の教会がミトンの町に取って変わられる可能性がある。ここはリスク承知で改装工事を依頼するべきだ」

「だが、教皇様を同等に接するなと無礼にも程がある。そんな商人聞いたことがないわ」

「そうだ!金は信者からの献金で賄われる。そんな金を使うのに、何でこちらが下手に出ねばならんのだ?」

「そもそもおかしいではないか?言ってみればヒロトシは下請けだ。何で対等の立場で聖教国と取引になるんだ?」

 聖教国では、圧倒的に改装工事の依頼を出さない方に傾き、結果改装工事の依頼を断念する事になるのだった。
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