研磨職人!異世界に渡り、色んなものを磨き魔法スキルと合わせて、幸せに暮らす。

本条蒼依

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第7章 新たな進化

4話 生産ギルドの怒り

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 聖教国は、ミトンの町に正式に改装工事の依頼を断ってきた。 

「今回、協議を重ね話し合った結果、折り合いがあわないということでなかった事にして下さい」

「どういう事ですか?我々が何か失礼な事を?」

「いえ。そういう事ではありません」

「それではなぜ?」

 生産ギルドも、視察段階でほとんど依頼があるとふんでいたので、ここにきて断られるとは思ってもいなかったので食い下がらなかった。
 それも当然で、この依頼は聖教国からであり、教会の改装工事であり、とんでもない外貨の収益が上がるはずだからである。

「申し訳ないですが、ヒロトシ様の存在です。あの方を聖教国の教会の仕事に携わらせるにはリスクが高すぎると判断させて頂きました」

「そんな!ちょっと待って下さい」

「待ちません。あなた方も王国にいてヒロトシ様の事をよく知っているはずです。聖教国もあの大聖堂には感動させて頂きましたが、他国の人間が聖教国のルールに口出しするとわかっていて、依頼を出す事はあまりにデメリットが大きすぎます」

「ですが・・・・・・」

「今回はご縁がなかったとのことで失礼させて頂きます」

「あっ、ちょっと待って・・・・・・」

 そこで強引に聖教国の人間が通信を切ってしまった。

「どういう事だ!直ぐにヒロトシ様と連絡をとるのだ!」

「「「「はい!」」」」

 生産ギルドのマスターは、すぐにひ美研にやって来たのだった。

「ヒロトシ様、聖教国に何を言ったのですか?」

「いきなりどうしたのですか?皆さん、雁首揃えて興奮して?」

「たった今、聖教国からヒロトシ様に改装工事の依頼の断りがあったんですよ」
「そうです。聖教国の視察団の方々には本当に感心していただいていたのに!」

「ギルドマスターもアリベスさんも落ち着いて!」

「落ち着けるわけないです。聖教国はヒロトシ様を聖教国に携われさすのはリスクが高すぎると言ってきたのですぞ?」

「あははははは!」

 ヒロトシは、ギルドマスターの言葉に大笑いしたのだ。それ見た生産ギルドの幹部達は呆気に取られ思わず大きな声を出してしまった。

「笑い事じゃありません!」

「いや、ごめんごめん。聖教国があまりに分かりやすい行動をしたからさ」

「どういう事ですか?」

「聖教国が、俺と関わりたくないと言った理由は王国のように権力を手放したくないからだよ」

「ヒロトシ様は視察団に何を言ったのですか?」

「俺と仕事をするなら同等の立場で取引すると言ったんだよ」

「「「「「はぁあ!」」」」」
「何でそんなことを!」

「当たり前だろ?この大陸にすむ貴族や権力者を嫌になるほど、俺は見てきたんだ。王都では自分の事しか考えない貴族ばかりで平民を苦しめる」

「だからといって、聖教国をそんな目で!」

「だけど、リスクが高すぎると俺とは関わりたくないと言ってきたんだろ?」

「「「「「あっ」」」」」

「当然、聖教国でも俺の情報を掴んで、王国の事を知っているはず。つまり、聖職者達が好き勝手しているって事だよ」

「ですが、他国の事ですよ。ヒロトシ様が口出しできるとは・・・・・・」

「アリベスさん、今回聖教国が何で教会の改装工事の依頼をしてきたのですか?」

「それは、聖都の教会がミトンの教会より綺麗にして欲しいと要望がありました」

「だったら、聖職者は女神様の為にそういう計画をたてたはずです。なのに、俺が聖教国と関わりたくないと言うのはおかしな話でしょ?ミトンの町の教会より綺麗にできるのは、大陸広しと言えど、ひ美研だけですからね」

「なるほど・・・・・・」

「つまり、聖教国の上層部は女神様より、自分の保身に走ったほど腐っているという事だよ。そんな取引先に言いなりになっていたら、どんな無理難題を言われるかわかったもんじゃない!」

「しかし、聖教国からの利益が!」

「前にも言いましたが、俺は生産ギルドの人間じゃないからな。指名されたなら協力はするが、改装工事の依頼は聖教国が断ってきたならどうしようもないじゃないか」

「ヒロトシ様は、最初からこの依頼を断る気でいたでしょ!」

「俺から断れば角がたつからな。そうなれば、ローベルグ様に迷惑がかかるじゃないか?だったら、金を出す側が断ればなんの問題はないだろ?」

「ぐっ・・・・・・」
「そんなぁ!」
「「「「「「・・・・・・・」」」」」」

 生産ギルドの幹部達は、ヒロトシの説明にその場に崩れ落ちた。ヒロトシのいう通り、ヒロトシが依頼を断ったわけじゃないし、依頼主である聖教国がヒロトシを恐れて縁がなかったと言ってきただけである。
 そうなればもうどうしようもないし、ヒロトシに文句を言っても、聖教国から改装工事の依頼が来るわけでもなかった。 

「「「「「ヒロトシ様・・・・・・」」」」」

「そんな恨まないでくれ」

「恨まないわけないでしょ!」

「まぁまぁ、アリベスさんも興奮しないで」

「凄い取引だったのに!」

 生産ギルドが怒るのも無理はなかった。聖教国の公共事業だから、生産ギルドを通してヒロトシに指名依頼なので、とんでもない額の中間マージンがギルドに落ちるはずだったからだ。

「どう責任をとるのですか?」

「だから、俺は生産ギルドに所属してないだろ?向こうが俺に恐れただけだ。それに、気に入らない仕事だったし、向こうから断ってきたしラッキーだったな」

「くぅ~~~~~~~!ヒロトシ様の馬鹿ぁ!」

「「「「おい!アリベス落ち着け!」」」」」

 アリベスが、こんなに取り乱すのはギルド幹部達も初めてだった。アリベスはヒロトシに飛びかかろうとしたので、ギルドマスター達が必死に抑えていたのだった。

「しかし、ヒロトシ様・・・・・・いくらなんでも今回は酷すぎます。ヒロトシ様が気に入らないと言うだけで、国家事業を潰したのですよ」

「国家事業だろうが俺は自由だよ。それに、俺は改装工事の依頼を断ってないしな。依頼があれば受けるつもりだったよ」

「だったら最初から素直に受けてくれたら」

「それは駄目だ。そんな事をすれば俺じゃなく作業員に皺寄せが行くからな。そういうものは最初から排除しておくに限る」

 ヒロトシは、従業員の負担を減らす為に動く徹底ぶりだった。それを見てギルドマスターは、奴隷の為に公共事業を断ったヒロトシの行動がさっぱり理解ができなかった。
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