研磨職人!異世界に渡り、色んなものを磨き魔法スキルと合わせて、幸せに暮らす。

本条蒼依

文字の大きさ
281 / 347
第7章 新たな進化

17話 聖女救出

しおりを挟む
 シアンとセレンは、教会本部に忍び込み教皇の様子を偵察していた。

「愚かね。早く自分の立場に気づかないとどうなるかわからないのね」

「シアン・・・・・・それは無理。今まで色んな権力者を見てきたでしょ」

「わかってるわよ。あの長年就いてきたものを手離したくないからこそ愚かな行動に走ることもね」

「ご主人様もそれがわかっているからこそ、私達に教会内部に潜入をお願いされたのよ」

 そういったシアンとセレンは、会議室からその姿を消したのだった。そして、教会の一番高い場所にある一室の屋根に二人は来ていた。

「ここに聖女様が・・・・・・」
「そうね」

 シアンとセレンは、屋根から聖女が監禁されているであろう部屋に忍び込んだ。



「女神ミレーヌ様。どうか聖教国の人々が安全に生活できるように加護を・・・・・・」

 聖女は、薄暗く汚れた部屋で、民衆の為に祈り続けていた。そして、どんどん女神の声が聞こえなくなっていたことで悲壮感がでていた。

「女神ミレーヌ様、いつになればこの状況が変わるのでしょうか?聖教国は・・・・・・誰?」

「貴女が聖女ハンナ様ですか?」

「はい、そうです。わたくしがハンナです。どこにいるのですか?」

 部屋の中は、昼間でも薄暗く光が入らない部屋で寒い場所だった。

「上にいます。貴女を救いに来ました」

「ここから出してくれるのですか?い、いえ、やっぱり帰ってください」

「ちょっと待って下さい。見張りの人間が近づいて来ました」

 見張りの人間が、扉を乱雑に開けて大きな声を出してハンナを怒鳴った。扉を開けたことで部屋には光が入り、聖女の姿がわかった。
 聖女ハンナは、風呂に入ってないので薄汚れていたが、目鼻立ちがくっきりして金髪美女だった。

「聖女!いるのか?」

「は、はい!」

「最近独り言が紛らわしいんだよ!もっと静かにしていやがれ!」

「ご、ごめんなさぃ・・・・・・」

「ああ?聞き取れねぇよ!声が小さいなら、最初からしゃべんな!」

「は、はい・・・・・・・」


 聖女ハンナは、見張りの人間から虐げられていたのである。

「何てやつらなの!」
「本当に許せないわね・・・・・・」

「あの、今のを見たでしょ。出入り口はあの扉だけ、外には見張りが常にいます。わたくしを助けてくれるのは嬉しくは思いますが、ここからは逃げる事はできません」

「大丈夫です。心配しないでください」

「ですが・・・・・・」

 すると部屋の扉が蹴られて、バンという音が鳴り響いた。その音に、ハンナはビクッと体が萎縮したのだった。
 そして、屋根裏部屋の一角がスッと開いて、シアンとセレンが物音ひとつ立てず部屋に入ってきた。

「あなた達はいったい・・・・・・」

 シアンは、自分の口に人差し指を当てて静かにと言った。そして、バッグの中から転移マットを取り出した。
 シアンは、マットの上に乗ってとジェスチャーをした。

「上に乗るのですか?」

 シアンとセレンは、ニッコリうなずきハンナは言う通りにしたのだった。
 すると、瞬間移動をしたがハンナは何が起こったのか理解できなかった。

「まぶしい・・・・・・」

「ようこそ!聖女ハンナ様ですか?」

「ここは?」

「まずは、こちらへどうぞ。俺はヒロトシと言います。以後お見知りおきを」

「こちらこそ、あの場所から救っていただきありがとうございます。それでここは?」

 ハンナが、ヒロトシに近づくとマットから続いてシアンが現れた。

「シアン、ご苦労様でした。よくやった!」

「もったいないお言葉です」

「あのもう一人の方は?」

 ハンナは、セレンがいないことが気になったようだ。

「セレンなら大丈夫です。全員で移動してしまうとあのマットが持ち帰れないので来た場所から一人で帰って来ます」

「それなら良かったです」

 ハンナは、シアンの説明を聞き、ホッと胸を撫で下ろした。

「聖女様。相当なあつかいを受けてきたのは知っています。とりあえず、体を休めてから事情を説明します」

「はい・・・・・・わかりました。とりあえずですが、ちなみにここはいったいどこでしょうか?」

「ああ、不安ですよね?安心して下さい。ここは聖教国だけじゃなく、王国も手を出せない場所にある俺の村です。位置的には王国領ミトンの町から北東にある小さなシュガー村という村です」

「王国領?あの一瞬でわたくしは王国領に来ているのですか?」

「はい!その事も含めて後で説明させていただきます。とりあえず、お風呂でゆっくりして下さい」

「お風呂があるのですか?」

 ハンナは、ヒロトシがお風呂でゆっくりしてというと、目を輝かせたのだ。
 ハンナは、ヒロトシのいう通りにして数年ぶりにお風呂に浸かり、暖かいベッドで眠ったのだった。

 その頃、聖教国があわただしくなっていた。教会本部の一番高い位置の部屋から、聖女が消えたからだ。

「教皇様!申し訳ありません!最上階の部屋から聖女が脱走しました!」

「あの部屋から脱走だと馬鹿を申せ!早く探せ!」

「それが部屋には蟻のこ一匹・・・・・・」

 教皇達、教会幹部達は聖教国に何が起こったのか理解できないでいた。会議ではまさしくヒロトシを言う事を聞かせる為に、聖女を盾にして交渉をしようとしていたからだ。
しおりを挟む
感想 91

あなたにおすすめの小説

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-

ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。 困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。 はい、ご注文は? 調味料、それとも武器ですか? カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。 村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。 いずれは世界へ通じる道を繋げるために。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

処理中です...