氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第3章 新たな覚醒

28話 偽金の造幣アジトみつかる

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 ショウ達は、家の近くに流れる川の上流を探索していた。当然だが、ショウは世界地図ワールドマップを使い怪しい場所を探していた。そして、イチョウも先行しながら人の気配を探る。
 すると、イチョウが山の中腹部に人の気配がある事に気づく。イチョウはその気配をたどると3人の男が、1人の男を簀巻きにして運んでいたのだ。

「あれは山賊か……こんな場所に山賊のアジトがあるのかな……」

 イチョウは、その山賊を尾行することにして、影の中に身を隠しながら移動する。すると、簀巻きにされた男が目を覚ましたようで暴れ出したのだ。

「ちくしょうぉ!放しやがれ!俺はもう犯罪の片棒は担がねぇ!」

「チッ……目を覚ましやがったか」
「うるせぇぞ。お前は契約書にサインをしただろ?契約期間は3年だ。3年経てば、お前にはあり得ねぇ程の金が手に入る」
「そうだぜ!」
「平民のお前には見たこともねぇ金が手に入り、お前は家族とこの先裕福に暮らせるんだぞ」

「俺は偽金なんて知らなかったんだ!犯罪を犯してまで金儲けなんかしたくねぇ!」

「お前は契約書にサインしたじゃねぇか?」

「だから、お前達が犯罪者だと知らなかっただけだ!」

「いいのか?契約書にはお前が逃げたり死んだり仕事を反故した場合、その責任はお前の妻や子供に責任を取ってもらうと記載されているんだぞ?」

「なっ!そんな説明は無かったじゃねぇか!」

「契約書をちゃんと読まなかったのか?なら、お前の落ち度じゃねぇか?」

「ちくしょうぉ……俺は家族の為に……」

 クックック……お前は生きて帰れねぇよ!
 家族の為に働き、そのまま死ぬ運命だと知らず。
 ホント、貧乏な平民は面白ぇぜ。お前は殺されて家族はその責任を負わされ奴隷落ちだ。

 山賊3人は、簀巻きにされた男の未来を想像し、ニヤニヤと笑う。そして、簀巻きにされた男は抵抗虚しく、男に担がれ山の中へと連行されたのだ。
 
 その様子をイチョウは、顔を歪めながら見守る事しか出来ない。今、男を助けても何も解決しないからだ。それに、今助けても男の家族の為にもならないからだ。

「それにしても、闇ギルド五竜ウーロンのやり方はえげつないわね……」

 イチョウは、ため息をつきながら山賊3人を尾行する。又、ショウは世界地図ワールドマップを発動させていた。世界地図ワールドマップにはイチョウを表示させており、だいぶ離れた位置から後を追っていたのである。

 イチョウ大丈夫か?あまり無理はするなよ。

 ショウはイチョウに念話で話し掛ける。そして、イチョウは偽金のアジトを見つけたかもしれないと、ショウに念話を送る。

 おじちゃん……偽金のアジトを見つけたかもしれない。3人の山賊を見つけた……山賊は鍛冶師の男を捕らえている……

 でかした!その山賊は?

 今、影の中に潜み後を追っているよ……

 わかった。無理をするなよ。俺達もイチョウの後を追っているからな。

 わかっているよ……

 そう言ってショウは、世界地図ワールドマップに表示されたイチョウの後を追う。そして、イチョウの近くにいる人間をサーチすると、確かに4人の人間が世界地図ワールドマップに表示されたのである。

 おじちゃん……山賊達は洞窟に入る……

 わかった。その場で待機だ。周りには気をつけろよ。

 わかっている……洞窟の前に見張りが5人いる。多分アサシンも1人いる感じ……

 イチョウの報告はあっている。山賊が4人とアサシンが1人、洞窟の入り口付近を見張っていたのである。
 洞窟に入る時、山賊の3人は見張りの人間の1人の頭を小突いていた。

「ザンジ。余計な仕事を増やすんじゃねぇぞ!」

「ヤダンの兄貴。そいつを捕まえたんですか?助かりやした!」

「クックック……ザンジ命拾いしたな。そいつが逃げていたらお前の命は俺様に狩られていたぞ」

「へい……申し訳ない……」

 鍛冶師の男は力なくぐったりして、山賊達に洞窟の中へと運ばれてしまった。
 イチョウは聞き耳を立てて、その会話を聞いて確信する。洞窟の奥で鍛冶師達が強制労働させられていて、さっきの鍛冶師は逃げ出し捕まったことに。

 イチョウが30分ほど、その場で待機しているとまた別の団体がやって来た。商人風の男が1人、その後方には数人の鍛冶師風の男達が不安そうな顔をしてついてくる。

「こんなところでどんな仕事を?」

「そんな不安そうにしなくとも大丈夫。3年経てばあなた達は大金持ちです」

「俺はその金で自分の店を持つんだ」
「だな……俺達もそうだ!」

 希望に膨らませてやって来た男達の前には、明らかに山賊と分かる男達の姿があった。それを見た鍛冶師達は一気に顔から血の気が引く。

「「「「「だ、騙しやがったな!」」」」」

「いえいえ。騙してなんかいませんよ。あなた達にはこれから3年の間、この洞窟で偽金を造って頂きたい」

「「「「「偽金だと!」」」」」
「まさか、巷で問題になっている偽金事件の犯人か?」

「そうですね……あなた達には偽金を造って頂きたいのです。その為に、私達はあなた達に高額な依頼料を用意するのですよ」

「「「「「ふ、ふざけるな!」」」」」
「いくら高額な依頼料でも犯罪の片棒は担げるわけないだろうが!」
「そうだ!俺達もこの依頼は断らせていただく!」

「おやおや。それは困りましたね。まぁ、私達は構いませんが、仕事を反故した場合あなた達の家族に責任を取っていただく事になりますがよろしいのですか?」

「「「「「「なっ!?」」」」」」
「それはおかしいだろ?」

「ですが、ちゃんと契約書にはそう記載されていますよ」

「「「「「ば、馬鹿な!」」」」」

 商人風の男は、鍛冶師達に契約書を見せてその記載場所を指差した。そこには、小さな文字で【3年の間に仕事が出来なくなった場合、その責任は家族である妻や子供に負ってもらう】と確かに記載されていた。
 その文字の小ささに鍛冶師達は、こんなのは無効だと訴えるが、それが通用する相手ではなかった。いつのまにか、鍛冶師達の周りには山賊達が包囲していて、抵抗虚しく洞窟の中に連行されてしまった。
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