氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!

本条蒼依

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第3章 新たな覚醒

38話 一時の休息

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 ショウ達はヘトヘトに疲れてハウスの中に入る。

「父ちゃん疲れた……」

「だな……アスカ、お前は晩飯抜きだからな」

「ええ~!」

「ええ~じゃない!ミラーシーンは団体戦が得意なのになんで攻撃するんだよ」

「だってぇ……旦那様があたしの事を馬鹿にしたのが悪いんだ!」

「だってじゃない。アスカのせいで6階層のボスの攻略出来なかったんだぞ」

 ショウとアスカは、ハウスの中で言い争いをしているとアリサが大きな声を出す。

「二人とも黙りなさい!」

「「うぐっ……」」

「ご主人様は思った事をすぐに口にする!アスカはみんなの事を考えての行動があれだったのですか?」

「だってぇ……」

「だってじゃありません!今回、ミラーシーンだったからみんな対処ができたんですよ」

「ううっ……」

 アリサの怒りは凄まじい威圧があった。まあ、当然である。戦闘スキルがないアリサにとって、アスカの行動はあり得ないものだったからだ。そして、ショウは自分の主人ではあるが、ダンジョン攻略の最中にもかかわらず、軽口を叩くようなリーダーはパーティーにとってあり得ないからだ。

「今日は二人とも反省してください。二人とも晩ご飯は抜きです!」

「ちょっ、ちょっと待ってくれ!俺まで晩飯抜きなのか?」

「な・に・か・も・ん・く・で・も?」

「い、いえ……ありません……」

 ショウは、アリサの前でいつの間にか正座をさせられていた。そして、隣を見るとアスカも正座をさせられて一緒に怒られている。

「いいですね。反省するまで二人とも正座してなさい」

「こ、怖ぇ……」
「うっううっ……」

 アスカは半泣き状態で下をむいていて、それを見ていたヒナタも怯えてアユミの後ろに隠れてしまう。


 そして、1時間後ようやくアリサから解放されたショウとアスカは畳の上で倒れてしまっていた。

「父ちゃん、アスカ姉ちゃん大丈夫?」

「ヒナタ……俺はもう駄目だ……足が痺れて動けねぇ」

「クックック……」

「お、おい……ヒナタ!何を考えている……」

「大丈夫だよ。父ちゃん!あたしがすぐに治してあげるよ」

「や、やめ……うぎゃ~!」

 ヒナタはショウが逃げられないのをいいことに、ショウの足を人差し指でつつく。そんなショウの姿を見て、ヒナタはクスクスと笑うのだった。

「子供ってある意味残酷だよね」
「そうだよね……」

 ショウとヒナタを見ていたアユミとカオリは額から汗を流し苦笑していた。そんなショウを隣で見ていたアスカは四つん這いでそろそろと逃げ出した。

「アスカお姉ちゃん!どこ行くの?」

 ギクッ

「ヒ、ヒナタ……や、やめろ。あたしは勘弁してくれ……うぎゃ~!」

 ヒナタはアスカの足も人差し指でツンツンつつくと、アスカは畳の上を転がり回り、ヒナタから逃げるのだった。
 そして、その日はショウとヒナタは本当に晩ご飯抜きにされて、次の日ショウはお腹の音で目を覚ましたのだった。

「うう……腹が減った。自分の腹の音で目を覚ましたのは何時ぶりのことだ」

 ショウの子供の頃は貧乏で中学時代は本当に辛かった。小学校の頃は給食が出ていたのでまだ良かったが、中学生になると弁当に変わったからだ。しかし、貧乏であるショウの家では弁当を作る余裕がなかったので、水道水をがぶ飲みして誤魔化していた。
 
「あの頃は育ち盛りだったから本当に辛かった思い出だよな」

「おじちゃん。何が辛い思い出なの?」

「うわっ!びっくりした……なんだイチョウか」

「そんなびっくりしなくても……」

「悪い悪い。昨日は悪かったな。俺もちょっと油断してたよな」

「おじちゃんがパーティーを乱すのは珍しい……」

「だな……アリサに怒られて反省したよ」

「それで何がいい思い出なの?」

 ショウは、子供の頃にお腹が空いて夜中に目が覚めた事を話し、今日はお腹の音で目を覚ましたから昔を思い出したとイチョウに笑いながら話した。すると、イチョウはショウもそんな子供時代があったという事に目を見開いた。

「おじちゃんが貧乏だったの?」

「まぁな。俺の親父は幼少期に死んだから母子家庭でな。まぁ、母親が頑張ってくれたから、大学まで行かせてくれたけど節約生活でいつも腹が減っていた幼少期だったよ」

「今じゃ信じられない……だから、システィナ達にも優しい……」

「腹が減っていたら何もできないし希望もなくなるからな。システィナ達は奴隷の立場だが、そんな生活はさせたくないよ」

「だけど、昨日はおじちゃんはアリサに晩ご飯抜きにされたね……」

「まぁ、あれはしょうがない……俺が悪かったからな。甘んじて罰を受けるしかないな」

 ショウは、頭を掻きながら苦笑するのだった。そんなショウを見てイチョウはクスクスと笑うのだった。
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